仮面ライダーディブレイカー~紅の破壊者~ 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
翔「おいお前17歳」
零「というかなんでいきなりそんな事を」
シオン「いや、ちょっとねー(言えない……主に設定的な意味で零がそんな目に遭う話が何でか書きたくなった何て言えない!)」
零「作者、今私がどうこう思ってませんでした?」←顔怖い
シオン「!?」
翔はナクアを医務室に連れてくると、ベッドの上に寝かせていた。
あの後もナクアは泣き続け、暫くすると急に糸が切れた人形みたいに倒れこんでしまった。
翔はちょうど零の見舞いに行くところだったので、この際零に預けようと考えたのだ。
医務室に着いた途端、起きていた零はナクアに何があったのか尋ねるが、翔は寝かせたナクアの頭をゆっくりと撫でながら、先程起こった出来事を話していた。
「…それじゃああのマギアって人……」
「ああ。どのような経緯であのクソ野郎の奴隷になったかまでは知らねぇが、アイツを一度ぶっ飛ばさねぇとな」
「物騒すぎますよ!?でも、どうするんですか?マギアって人は結構な実力ですし、それにナクアちゃんが」
「だからだよ」
零の言葉を遮りつつ、翔は立ち上がる。
「どんな事があってヨクバールの野郎に従っているのかは知らん。けど俺はどんな理由があろうと、大事な人を泣かせる事を、見過ごすわけにはいかねぇ」
「リーダー…」
「そういうわけだ。決勝戦に行ってくる。……ナクアを頼んだ」
翔はそう言うと、医務室を出ていった。
~~~
翔はフィールドに着くと、静かに立っていた。
その数秒後に、マギアがフィールドに入ってくる。
そして互いが中央に揃うと、シンサーマナーが試合開始を宣言した。
翔は一度素早く後ろに下がり、懐から拳銃を取り出すと、マギアの足元を狙って撃つ。
しかしマギアは素早く避けると、魔力でできた弾丸を翔にぶつけてきた。
翔はすぐさま拳銃を地面に落とすと、予め持ってきていたライドブッカーを取り出し、ソードモードで叩き切っていった。
「チッ……」
『おおーっと!これはすごい!!魔力の弾丸を切り伏せたぁぁぁ!!』
『凄まじい反射神経を持っているな、あの登竜翔というやつ』
「まだだ!」
翔は足元に落とした拳銃を足で拾い上げ、ライドブッカーをガンモードに切り替えると、そのまま銃弾を放つ。
マギアはサンドウォールでそれを防ぐと、”ハイドロリング”という巨大な水の輪を、サンドウォールを砕きながら翔に放っていた。
翔は輪の中を潜り抜けて回避しようとすると、マギアが”ロックブラスト”という技で飛ばしてきた岩石に直撃してしまう。
が、翔はそのまま体を反らして受け流し、ダメージを最小限に留めていた。
「ホゥ……今のを受け流すとはな。だが、それでは到底動けないな」
「ちっ……余計なお世話だ!」
翔はなんとか立ち上がるも、軽くよろめいていた。
「お前、さっきナクアと一緒にいたよな」
「それがどうした、お兄さん?」
「…ならば俺の邪魔をしたという意味でお前を殺す!」
「へっ、まず大会では殺しは禁止されてるんだから出来ねぇよ。殺させるつもりもないけどな!」
マギアは長刀を取り出し、魔力を込めると、そのまま翔に切りかかる。
翔もライドブッカーを再びソードモードに切り替えると、そのまま切りあいを始めていた。
一進一退の攻防の最中、翔はマギアに尋ねる。
「少し聞いていいか!」
「何だ!」
「ナクアにお前が2年前に行方不明になったということを聞いた。その後とあるやつにヨクバールの事を聞いた」
「それがどうした!!」
「2年前、お前に何があった!どうして今更になってナクアの事を!」
その言葉を聞いたマギアは、軽く心が揺らいだのか、一瞬だけ動きが止まる。
が、すぐさま気を取り直すと、翔の攻撃を防ぐ。
「それを聞いてどうする!それにナクアの事がどうした!!俺はもうあいつの兄ではない!!」
「じゃあ何でだよ!!」
翔は僅かな隙間から空いた空間に、左手でマギアを殴る。
顔面に拳を食らったマギアは、痛みのあまり一歩下がる。
「零にこの事を話したとき、あいつがボソッと呟いたんだ。『ナクアを返してもらう』って言っていた事を」
「!」
「俺はおかしいと思ったよ。お前は奴隷商人の指揮官ってヨクバールが言ってたよな。それじゃあ何でナクアを”奴隷”と言わなかった。そしてナクアがお前に抱きつこうとしたとき、一瞬だけ反応したよな。何故あの時”避けること”を躊躇した」
「そ、それは」
「それはお前がナクアを隙を見て助け、逃げようとしたからじゃないのか?本当はあの場で逃げることも出来たんじゃないのか!」
翔がそう言い放つと同時に、翔の攻撃の速度が上がっていく。
そしてマギアの長刀が宙に弾かれると、すぐさま首元にライドブッカー・ソードモードを向けていた。
「…答えろ」
「……2年前、村の近くで一時期夜行性のレアな生き物が出るという噂がたった。俺はその噂を信じて、それを金に変える為に、その日の夜、一人で出ていった」
マギアは昔起こった出来事を語り出す。
「俺は噂のあった山までやって来た。だが、それは罠だった」
「…ヨクバールのやつか」
「そうだ!奴は俺たちみたいな貧民を捕まえるために、その噂を流したといった。その時俺は思い知ったよ………金に目が眩んで、どんな危険があるのかということをな」
そう語るマギアの拳は、強く握りしめられていた。
「騙されたあげく、そのまま奴隷にされ、ヨクバールの手駒にされて、人々を俺と同じ酷いことをさせられているのに……俺は次第とヨクバールに逆らわなくなってしまった……。否、次第に俺はあいつと同じになっていたんだ………!」
「……平気で人を傷つけたりすることとかか?」
翔は話を聞きながら、マギアの言葉の意味を尋ねる。
それを聞いたマギアは肩をピクッ、と動かすと、その言葉を肯定した。
「…あぁそうだよ!俺はある時奴隷商人の管理を任された。その時から既に俺は、アイツらと同じになったんだ!直接手を汚さずに、ただ商人たちを活動させていた……その時点で俺はアイツと同じだ!アイツみたいに俺は汚く、それでいて本来同じ立場のやつらを敷いたげたりした!直接手を汚さなくても、俺がやったことに代わりはなかった!!」
マギアの声が、会場全体に響き渡る。
その話を聞いた会場の人々は、何がどういうことだと騒ぎ出していた。
それに気づいたマギアは慌てて口を押さえるが、翔は豪快に笑っていた。
「なんだなんだぁ?」
「奴隷がどうこうって…」
『オゥ?何やらマギア選手の話がどういうことか見えてきませんねぇ?』
『一体どういうことだ、これは?』
『さ、さぁ……(あの男め………!)』
「!しまっ…」
「あっはははは。これはこれでとりあえず、ヨクバールが危うい状況になったな!」
「お前…まさかこれが狙いで!?」
マギアは翔を睨み付けながら尋ねる。
が、翔は首を横に降りながら、否定していた。
「うんにゃ、違うな。俺はお前がナクアの事をどうしたいのかを中心に尋ねていたけど?」
「ナクアの事についてではなく、俺がどうしてアイツの元にいるか尋ねてただろ!」
「そうか?俺はお前の言葉を聞いて、ナクアに兄と呼ばれる資格が無い理由を語っているようにしか聞こえなかったけど?」
「!」
翔はいままで聞いた話を合わせ、マギアに尋ねる。
翔はマギアが自身の事を話させるように誘導させ、本音を語らせることで、そこからナクアの事をどう思っているのかという事を聞き出していたのだ。
「なーんだ。結構優しい兄貴じゃねぇか」
「なっ、俺のどこが優しいと!」
「だってそうだろ?自身の罪をしっかりと認識して、妹に辛い思いをさっき以上にさせないようにした。もしあの時抱き締めていたら、ナクアが何しでかすか分からないからな」
翔はそう言うとニカッと笑うが、すぐさま真剣な顔つきになっていた。
「だけど俺は許せねぇな……どんな形であれ、大切なやつを悲しませることをするのは」
「何…?」
「例えどんな理由があっても、お前は自身の妹を奴隷にしようとした…確かにその時点で兄貴失格だ。だから俺がお前を徹底的にぶん殴り、ヨクバールを顔が変形するまでぶん殴る。そしてそこからもう一度、ナクアの”兄”として生きていけ!」
翔はそう言うと、突然ライドブッカーを投げ捨て、マギアの顔面を殴る。
更に隙を与えないように、間髪入れないようにラッシュを掛け出した。
「おらおらぁ!どうしたどうしたぁ!!」
「がっ!ぐはっ!?ぐぅ!!がぁ!!!」
「お前はナクアとどうしたいんだ!言ってみろ!!」
「ぐはっ!お、俺は…俺は……」
マギアは殴られながらも、自身の頭の中で考えていた。
―――あぁ、こいつはアホだ。人の気持ちを考えないアホだ………
―――だけどこいつのお陰で俺は………!
―――俺は本当の気持ちに気付けた!
「―――俺はナクアと、一緒にいたい!もう一度ナクアと!人生をやり直したい!!」
マギアはクスリと笑うと、自身の気持ちを叫んでいた。
翔はその声を聞くと、再びニカッと笑い、最後の一撃を決めていた。
~~~
マギアは目を開けると、そこにナクアが見えた。
「お兄ちゃん!!」
「ナク、ア……」
「お兄ちゃん…!」
ナクアはマギアをその場で抱き締める。
一方の翔はというと、ナクアがフィールドにまで入ってきたことを、シンサーマナーが注意しようとして必死に止めていた。
「お兄ちゃん……!」
「ナクア………済まなかった…!」
「ううん。いいよ、もう……」
「うんうん、いい話だなー」
「それはどうでもいいので、ひとまず関係者以外は退場を!」
ナクアとマギアは互いをしっかり抱き締めあい、翔はその光景を見ながら、本当は心の中でいい話だと思いつつ、ナクアを連れていこうとするシンサーマナーを抑えていた。
だが、この光景をよしとしない人物がいた。
それはヨクバールだ。
そもそもこの大会のスポンサーはヨクバールが提供していた。
そこで自身の奴隷を参加させて優勝すれば、その大半の利益を増やして取り戻すことが出来たのだ。
しかし翔が優勝したせいで、その計画が潰れてしまった事に、不快を感じていたのだ。
(ちぃぃ!あの男が邪魔をしたせいで!こうなれば、マギア君には悪いですが、命がけで彼を殺してやりましょう…!)
ヨクバールは自身の身に付けている腕時計を押すと、時計が赤い光を放つ。
すると同時に、マギアが突然苦しみ出していた。
「ぐっ!?がぁぁぁ!!」
「!?どうしたの、お兄ちゃん!!」
「に、にげ、ろ……!」
「えっ……どうして……きゃあ!」
「早く逃げろ!っ!がぁぁぁぁぁ!!!」
マギアがナクアを突き飛ばし、逃げるように叫んだ瞬間、突然マギアから赤い光が発せられた。
そしてその光が収まると、翔たちは目を疑った。
それはマギアの身体に、金色の鎧のような物が全身に装備され、両腕にはまるで弓みたいなのが付けられていた。
そして背中には金属製の翼と、巨大な輪のような物体浮かび、金色の輝きを発していた。
「なっ…これはいったい!?」
『登竜翔!よくも私の邪魔をしてくれましたねぇー?』
「!その声はヨクバール!遂に本性を表沙汰にしたな!!」
『ふんっ!そういう時は、この際この場にいる全員殺してやる!だがその前に、君に死んでもらおうか!見せてやりますよ、【超性能戦闘スーツ・サジタリウス】の力を!!』
ヨクバールがマイクを使い叫ぶと、そのサジタリウスという戦闘スーツを着たマギアが襲い掛かる。
右腕につけられた弓に魔力が注ぎ込まれていくと、翔
に狙いを定め、放っていく。
翔は慌ててナクアとシンサーマナーを掴んで避けると、矢が地面にぶつかる。
するとそこから火柱が噴き出し、それを見た会場の者たちがパニックを起こし出していた。
「翔さん!もしかしてお兄ちゃん…」
「あぁ、ヨクバールのやつに操られている。とりあえずあんた、この娘連れて逃げろ!」
「わ、分かりました!」
翔はシンサーマナーにナクアを預けると、ディブレイクドライバーを装着する。
それを見たナクアは、慌てて翔を止めていた。
「無茶です!いくら翔さんでも今のお兄ちゃんは!」
「大丈夫だ。それよりも零に伝えてくれ。『ヨクバールがマギアを操作しているから、ヨクバールをぶん殴ってこい』ってな」
「でも!」
「安心しろ。出来るだけ早くお前の兄貴を助けてやるよ」
翔はそう言ってナクアを見つめる。
ナクアはそれを見るとゆっくり頷き、その場から逃げ
出していった。
翔は一人になると、マギアの方を見る。
「そんじゃ、第2ラウンドといきますか。―――変身」
『カメン・ライド ディ・ブレイカー!!』
翔はディブレイカーに変身すると、ライドブッカーをソードモードにして構える。
そして少し間を置くと、そのままマギアに突っ込んでいった。
※多分書くとしても番外編が終わってからだと思うの←
というか番外編の方で既にR-18タグつけるかつけないか、そんな境です。
因みに前書きの後、零にぶん殴られました。
零はあの後普通に起きてました。
それでもまぁ、まだ安静にしてないといけないけど。
そして容赦のない翔ェ。
生身で魔法使える相手に立ち向かう翔パネェ。
そしてこの時点で別のフラグを立たせてたんですが、まぁ、この章が終わる時に語らせますね。
マギアさん、本当は心の中でナクアちゃんと居たいと思ったんです。
けど自身が既に取り返しがつかないところまで来てしまったから、ナクアちゃんに会う資格すらない、という感情を持ってたんですよねー…。
だけどそんな事を木っ端微塵に粉砕していく翔ェwww。
いい話だな、感動的だな、だがヨクバールのせいで無意味になってしまった←
おのれヨクバァァァァァルゥゥゥゥ!←
もうヨクバールはこの時点で屑の極みです←←
そして結果的に決勝戦で変身しなかったので、第2ラウンド突入しました。
果たして、無事に止められるのか………。
次回はディブレイカーVSマギア暴走状態と、大会編の2話で出てきた男のネタバレをする予定。