仮面ライダーディブレイカー~紅の破壊者~ 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
零「いや、あれ人間離れしすぎですよね?」
翔「…お前ら、俺をなんだと思っているんだ……?」
シオン「あ、それと今回は後書き書かないから」
翔「はぁ!?なんでだよ!!」
シオン「いや、めんどくさくなった。というかもうすぐテストだし」
零「単純に後書きが書きづらいとかじゃあないですよね……?」
シオン「だ、大丈夫だ、問題ない」
零(あぁ、やっぱりか………)
翔はフェムス族の城の牢屋に辿り着くと、慌てて零の名を呼ぶ。
すると零が牢屋からひょっこりと顔を出し、翔の姿を見ると、慌てて翔のところまで走ってきていた。
「リーダー!一体何が!?」
「話は後だ!とりあえずオーロラで脱出を」
「「「―――ぐわぁぁぁ!」」」
「「!?」」
翔がオーロラを呼び出そうとした瞬間、突然フェムス族の兵士たちが吹き飛ばされてくる。
翔たちは兵士たちが飛んできた方を見ると、そこには別の鎧を着た兵士(恐らくあれがラシル族なのだろう)が数人ほど、牢屋に攻め込んできていた。
翔は舌打ちをすると、フェムス族の兵士が落とした剣を手に取り、ラシル族の兵士たちに立ち向かっていく。
突然の行動に零は叫ぶが、翔は構わずラシル族の兵士の一人に切りかかっていた。
「うおぉぉぉぉ!!」
「ぐうぅ!?な、なんだこいつは!?」
「フェムス族にこんなやつはいなかった筈だ!きっとどっかの民族の生き残りだ!」
「どうする!?こいつは生かして捕らえるべき……」
「しゃらくせぇ!!」
「っつ!?がぁぁぁ!!」
ラシル族の兵士たちが翔の攻撃を抑えるが、翔は無理矢理それを突破し、素早く兵士の一人の首元を切っていた。
切られた兵士はそのまま倒れ、それを見た残りのラシル族の兵士たちは、翔を完全に敵と認識したのか、一斉に群がっていた。
しかし翔は、先程切ったラシル族の兵士から剣を拾うと、そのまま二本の剣を使って、攻撃を受け流し始める。
「リーダー!大丈夫ですか!?」
「あぁ!しっかし……かってぇ鎧だ…な!!」
「ぐぎゃああああ!!」
「くっ……こいつ、我々の力の事を知ってるのか!?皆のもの!こいつは我々の能力が届かない生身の部分を狙って……」
兵士の一人が言い終わる前に、翔がその首を撥ね飛ばす。
そしてそのまま素早く踏み込み、鎧の僅かな隙間を針を入れ込むかのように、的確に突き刺していく。
一瞬の隙も見せないように翔は躊躇いなく兵士たちを切り裂いていった。
「なっ、なんだよコイツ……化け物か何かか!?」
「ぜっ、全員この場からたいきゃ……」
「逃がすかよ」
「がっ、はぁ……!!」
またも兵士の一人が言葉を言い終える前に、後ろから翔の剣が首を貫いていた。
ラシル族の兵士たちの殆どはそれを見て恐怖し、その場から逃げ出す者もいれば、【念じる力】で真空刃を放って応戦する者もいた。
しかし目に見えない刃すら、翔の前では無意味だった。
(……!空気が切られたような音!速さは……そこまでないし、この距離なら……!)
僅かに空気が切れるような音を察知し、即座に位置を確認すると、真空刃を【すべて切り伏せていた】。
それを見た零は驚き、真空刃を放った兵士たちに関しては、何が起きたのか分からずにいた。
しかし、それによる硬直が、翔に対して十分な時間を与えてしまっていた。
翔はすぐさま硬直している兵士たちの前に行き、首を切り伏せる。
首が撥ね飛ばされた者もいれば、赤い鮮血が噴き出す 者もおり、それを見た未だに残っている兵士は、最終的に全員、この場から逃げ出していった。
翔は「はぁーっ……」と息を吐くと、【まるで何もなかったかのような爽やかな笑顔で】零の方を向いていた。
「んじゃあ、外に出るぞ」
「……はい…」
「…んだよ……今更気にする事じゃねぇだろ………」
零が暗い顔をしているのを見て、翔は零の頭に手を置く。
そしてオーロラを近くに呼び出すと、零の手を引きながら、オーロラを潜っていった。
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一方その頃、外ではフェムス族とラシル族の兵士が未だに交戦しており、その近くではハクアとラシル族の長が、互いの剣をぶつけ合っていた。
ハクアは自身の剣に対して質量を上げていくよう念じるが、ラシル族の長は自身の剣がすり抜けるように念じて、ハクアの攻撃を受け流す。
そして素早くハクアに斬りかかるが、ハクアは間一髪で攻撃を避け、素早く後退していた。
「くっ……まさか刀身をすり抜けさせるとは……中々なものだな、ガクよ」
「…本当は殺したくねぇけどよ……お前が最後まで戦うなら、俺はお前を殺してまで止めてやる!!」
ガクと呼ばれたラシル族の長は剣を構え直すと、再びハクアに斬りかかる。
対するハクアは攻撃を受け止めようとするが、ガクは再び念じる力で刀身をすり抜けさせ、振りきった所に突きを放とうとする。
それに対しハクアは、自身の鎧の強度を上げ、ギリギリで攻撃を防いでいた。
ハクアはカウンターで剣を振りかざすが、ガクは左手の小手でカウンターを防ぎ、そのまま押し返した。
「……ガクよ、何故だ。何故お主は我を止めようとする!お主がこの戦いを降りてくれれば、我がこの世界の支配者となる!そして我の願いを叶えられるのだ!なのに何故、邪魔をするのだ!?」
「何故だって……ふざけんなよっ!お前はあの外星人の話を鵜呑みにしすぎだ!いくら自分が望んだ世界になるからって、【死んだやつを生き返らせる】なんて出来るわけないだろ!」
「っ……何時から分かっていた……?」
「さぁな………ただ、お前が戦いに積極的になってから、薄々感じていた……そして何より、お前………その願いが本当に叶ったら、自害する気だっただろ?」
「…そこまでお見通しだったとはな……」
ハクアはガクの顔を見ながら、ゆっくりと力を抜く。
ハクアは最初に来た外星人の話を聞き、ある事を考えていた。
それはこの戦争で散っていった者たちを、生き返らせる事ができるのでは、と。
正確には、自身が力を手に入れる前まで遡り、戦争そのものを無かった事にできるのではと、考えていたのだ。
本当にそんな事ができるのか定かではなく、宛もない考えだった。
しかしハクアにとっては、試してみないと分からず、その為に戦い続けた。
一部の民族は戦いから降ろさせ、それ以外の話を聞かない連中は、この手で滅ぼしてきた。
そうしなければ、いつまでも自身の野望を叶えられない、戦いを終わらせる事ができない………ずっとそう思いながら、戦ってきていた。
間違っていると分かっていても、他に方法がないから、ただ、それだけだった。
「………それをこうも簡単にお主に見破られるとは、な………」
「なぁ……もう、こんな争いはやめよう。もしお前の願いが叶わないものだったら、お前の覚悟が、無駄になるだけじゃねぇか……」
「………悪いな。我はもう、止まれはせん。ここまで来たのだから……」
「ハクア……ッ!!」
ハクアは再び剣を持つ手に力を込め、切っ先をガクに向ける。
ガクは辛そうな顔をしながらも、ゆっくりと構えをとっていく………とその時、ラシル族の兵士が、戦いに割り込んできていた。
「ガク様!大変です!フェムス族の城に攻め入った者たちの一部が、何者かによって殺され、その付近にいた兵たちも勝手に逃走したとの事です!」
「なっ……フェムス族にそんな実力者が!?」
「いえ、逃走した兵を一人捕らえて聞いたところ、フェムス族では無かったとの事です」
「フェムス族じゃない、だと………?」
(まさか……登竜たちが………)
兵士の報告にガクは戸惑い、ハクアは翔たちを連想する。
するとガクは突然剣を収め、報告をしにきた兵士に向かって、他の兵士に一時撤退をするように伝えろと告げる。
兵士は頷くと、そのまま去っていった。
「………あの者たちめ、余計な事を………ガクよ」
「……なんだ」
「………3日後に、決着をつけよう。お主の兵士どもを殺めたのは恐らく、我らが今日捕らえた外星人だ。だから北東の湖で、お主と決着をつける」
「…まだ戦おうって言うのか……そうまでして!願いを叶えたいとでも言うのか!!」
ガクの言葉にハクアは沈黙し、静寂のなかを、風が吹き抜ける。
そしてガクは「分かった」と静かに告げ、ハクアの顔を見る。
その目は覚悟を決めたような目であり、鋭い眼光が、ハクアを睨み付けていた。
「………お前がその気なら、俺はお前を殺してまで止める。この命に代えても」
「………止められるのか?今更戦う覚悟を決めたお主が」
「止めるさ。絶対に………」
ガクはそう言って口笛を吹く。
するとどこかに待機していたのか、馬のような生き物が次々と現れてくる。
殆どの馬は兵士たちの所に走っていき、残りの馬は、ガクの目の前で動きを止めていた。
そしてガクが一頭の馬の上に跨がり、馬を動かすと、他の馬が一斉に地面を蹴って、砂煙を巻き起こす。
その煙はフェムス族の兵士たちがいるところに向かっていき、フェムス族の兵士たちが砂煙で視界を眩ませる。
その間にラシル族の兵士たちが馬に跨がり、ガクが走り出した同時にラシル族の兵士たちも、その場から去っていった。
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「うっわー………なんでまだ乾いてないの~………」
「俺たちが気絶させられた時に、火を消されたからじゃね?」
「………ありえますね、それ」
翔たちはあの後、何回かオーロラを使ってから、やっとの事で荷物がほったらかしにされている洞窟まで戻ってきていた。
しかし衣類に関してはあまり乾いておらず、それを見た零はorzしていた。
一方の翔は懐中電灯(電池まで濡れて使い物にならない、という事故はなかった)でそこら辺から木の棒を集めてくると、ライター(ホムル特性の防水性ライター)で火を起こしていた。
そして洞窟に辿り着くまでに採取した林檎を零に投げ渡すと、使い物にならなくなった拳銃をまじまじと眺めていた。
「………ホムルのやつに頼んで、弾丸も含めて防水性にしてもらうか?」
「それはそれで恐ろしいですからやめましょう?水に濡れても使える普通の拳銃って、考えただけで嫌ですから」
「お前それ言ったら、ライダーの武器や何処かの真っ白のロボットとかが使うエネルギー弾のライフルなんてもっと酷いだろ。基本的に弾切れしないし………あ、弾をダイヤモンドかオリハルコン性にしてもらうとか」
「それこそ嫌ですよ!?」
零が大声で叫んだ時だった。
―――カサッ。カサカサッ。カササササササ
何処からか薄らと、何かが這いずる音が聞こえる。
それを聞いた零はピクリと動きを止め、辺りを見回す。
翔も音に気付いたのか、辺りを見回そうとした瞬間―――何処からか人並みの大きさのムカデが、ぞろぞろと湧いて出てきていた。
「むっ、ムカデ!?ちょっ、何あれ多すぎ!?」
「というかデカ過ぎね?」
「暢気に言ってる場合ですか!?なんか口を開けてこちらに向かってきているんですが!?明らかに捕食する気満々なんですが!?」
「………お前虫嫌いなの?」
「昔からGを見慣れているので平気ですが、あんな規格外なのは無理です!というか捕食してくるようなやつは普通無理です!!」
零は大騒ぎしながらナイフを構え、翔も盗んできた剣を構える。
そしてムカデの一体が翔に飛び掛かると、翔は剣を振りかざしてムカデの体を切り裂く。
それを合図か何かと思ったのか、一斉にムカデたちが飛び掛かるが、零が数本ほどナイフを投げ、ムカデの頭部に突き刺していた。
しかし、それでもムカデは湧いてきており、終いには零はナイフを使いきってしまっていた。
「嘘っ!?もうナイフがない!?」
「はぁー!?お前何やってんの!?」
「だっ、だってぇぇぇぇ!頭突き刺した方が確実に仕留められると思ってぇぇぇぇぇ!!!」
「とりあえずナイフ拾え!そして投げるな!」
翔は怒鳴り散らしながら、ムカデを切り捨てていく。
零は「怒鳴らなくても……」と涙目になりながら頷くと、急いでムカデの死骸から、ナイフを抜き取る。
そして最後の一本を抜き取ろうとしたその時、零がいる地面からおかしいほど大きなムカデが現れていた。
当然巨大ムカデが出てきた地面の真上にいた零は大きく飛ばされ、それを見ていた翔は叫んでいた。
『キュルルルルルルルル!!』
「うっそぉぉぉぉぉぉ!!?」
「あっ、零がヤバイ!?」
「え………ってええええええ!?いーやー!!食べられるぅ~!!!」
『キュルルラララララララララ!!』
零が落ちてくると同時に巨大ムカデが口を真上に開き、そのまま零が落ちてくるのを待つ。
そして後1メートルあるかどうかの境で待ちきれなくなった巨大ムカデが、口を開けながら飛び上がろうとしたその時―――突然巨大ムカデが大きく吹っ飛び、近くの岩盤に激突していた。
翔は目を見開き、何があったのかを確かめると、巨大ムカデが吹っ飛んだ衝撃で煙がまき上がったところに、薄らと人影が見える。
そして煙が晴れてくると、そこに立っていた人物に、翔は思わず絶句していた。
「―――ふぃー。あぶねぇあぶねぇ」
「なっ………ホムル!?」
「ん?なんだ翔、そんなとこにいたのか」
そこにいたのはホムル・クロヌスで、片手で巨大なハンマーを担ぎながら、翔の方へ移動する。
………因みに零に関しては、地面に激突する直前に、ホムルが使った風の魔法で衝撃を和らげられてから激突したため、そこまで大事に至らなかった。
翔は零に黙祷を捧げながらも、近くのムカデたちを容赦なくハンマーで薙ぎ払うホムルに話し掛けていた。
「ホムル、お前なんでここにいるんだよ……」
「なんでってそりゃあ、予定より早くドライバーの調整が終わったからだよ」
「はやっ!?え、もう終わったのか!?」
「翔、お前忘れたか?超絶極神の住む領域は、恐ろしいほど時間の感覚が狂ってるの。私にとってもう2ヵ月の時間が経ったようなもんだよ」
「……そういやそうだったな。あまりにどうでもいいと思って頭に入れてなかったわ」
翔がそう言いながら、零の元へ歩いていく。
そして軽く零の体を揺するが、気絶しているのか、ピクリとも体を動かさなかった。
一応脈を図って無事を確認していると、ホムルがディブレイクドライバーとゼロドライバーを背中のバックパックから取り出し、翔に投げ渡していた。
「はいよー。とりあえず鎧武系統のカードとドライブ系統のカード、ついでにサポートライドのカードを追加した上に、高度の錬金術でないとドライバーが受け付けないようにしといたぜー」
「なんだよ……結局サポートライド加えてるじゃねぇか………」
「言っただろ~今回は早く終わったって。あ、それと頼まれた品、出来たぜ」
ホムルは再びバックパックに手を突っ込み、ガサゴソと漁ると、何か錠剤が入った瓶を取り出し、翔に投げ渡す。
翔はそれを受けとると、その瓶を見つめる。
「……まさかこれ………」
「それを使えば、お前の望み通りにディブレイカーの【本気】の力を、長く扱えるようになる筈だ。………【体が限界になるまで】な」
「…どれぐらい使える?」
「そこはお前の気力次第。それ飲んだ上で使えば、最低でも10分かそこらが限界だな。ただしそれを飲んで本気の力使えば、確実に死ぬ。たとえ本気の力を1分も使ってなくてもな」
「……上出来だ」
翔はそう言って瓶を懐にしまう。
そして未だに気絶している零の顔を見ながら、静かに立ち上がる。
「………いいのか?零には内緒で」
「……伝えたら、めんどくさくなる。それにこいつならもう、下手したら感づいているかもしれない」
「………お前が因縁つけている、門矢士って男との戦いで、【勝っても負けても死ぬ】、って事をか?」
ホムルの言葉に翔は返事をしない。
それを見たホムルは溜め息をつきながら、翔に話を続ける。
「…コウマの野郎から聞いてはいたが………この様子じゃ、お前が零にした『約束』、守れないんじゃ……」
「……本当は、俺にはそんな資格なんてない。どうせお前に貰った薬を使わなくても、いずれ俺は早死にさ。いつまで保つかはわからねぇが」
「………せめて、別れの挨拶とかの時間を設けろよ?」
「…分かっているさ」
翔がそう言い終えると、ホムルは一瞬にして、その場からいなくなる。
翔は僅かに月の光が零れている隙間から、月を眺め、ゆっくりと視線をディブレイクドライバーに落としていた。