仮面ライダーディブレイカー~紅の破壊者~ 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
翔「おい待てぇ!?」
シオン「いや、だって仕方ないもん……今回敵サイドから始める予定だったんだから……メンバー紹介とかも含め」
忍び寄る地獄
この世界は、様々な次元に分かれている。
総てが一緒ではなく、必ずどこかが違う、それが次元の有り様。
その中の一つ、そこだけ特別な次元がある。
その次元は、本来『知られてはいけない』場所……その次元の中にある世界だけは、ごく限られた『選ばれし者』しか、存在を確認してはいけない……
何故ならそれは、『総ての次元の理』でもあるから。
その次元に広がる世界は、銀河が赤黒く、まるで血のような宇宙…
そしてそこに存在する星は、いずれも赤黒く見える。
総ての星を見回しても、自然に生い茂った世界や、砂だけでできたような世界もなく、まるでこの次元の宇宙と同じぐらい、ただ赤黒かった。
そんな次元の中に、一つだけ『星』とは呼べない存在が、浮かんでいた。
それはまるで、サザエのような見た目をしているが、その一部は顔のようなものが浮かんでおり、それらは時々動いているように見える……
『サザンクロス』と呼ばれるそれは、一言で言えば、要塞のようなもの。そしてその要塞の中にいるのは………
~~~
「………なんだ。まだ誰も集まってないのか……」
サザンクロス内部、そこに一人の男がやって来る。
…影山瞬、ここで暗躍している『組織』の幹部の一人だ。
彼は辺りを見回しながら、他に誰かいないのかを探る。
が、まだ誰も来てないのか、影山はため息をついていた。
「確か何人かは、任務で異世界に向かっているから、遅れるとは聞いた。が……それ以外のやつは」
「…ほぅ、まだ誰も来ておらぬのか」
「…アンタか、笛木」
「年上なのに呼び捨てとは、大変失礼なものだな」
すると影山の背後にある入り口のようなものから、50代ほどの男が入ってくる。
影山に笛木、と呼ばれた男―――笛木 奏(ふえき そう)は、影山に失礼だと言いながら、彼の隣に立つ。
「……見たところ、任務にいったもの以外もまだ、来ていないようだな」
「あぁ。志村ってやつは、元いた世界で倒されたフォーティーンと呼ばれる邪神の力を回収に、イカロスはコスモグリードとかいう異例の存在を捜索。それ以外はまだ……」
「まだ……なんだって?」
「!?ガッ……!?」
すると影山の背後に、いつの間にか金髪の男が立っており、彼の首を腕で締め付ける。
影山は苦しそうな顔をし、それを見た金髪の男は、彼を解放していた。
影山は息苦しそうに、床に膝をつけ、喉元を押さえる。
それを見た金髪の男―――浅倉威は、笑いながら見ていた。
「はっ……油断のし過ぎだ。つまらねぇ……」
「あさ、くら……きさ、ま…ぐっ!」
「いつから来ていた、浅倉威」
「ついさっき、だ。集会をフケようと寝てたら、大首領が直接起こしやがった…クソが、俺ァ戦えなくてイライラしてるのに、寝る事すらも満足にさせてくんねぇのかよ……!」
浅倉はかなり苛立っているのか、近くの壁を蹴る。
が、一部の壁はブヨンブヨンしていたのか、そこを蹴ってしまい、何の意味もなかった。
そうしていると、背後の入り口が開いていき、そこからぞろぞろと人が集まってくる。
一人は短髪を上にあげているような髪型をしており、一人は白い服を着た幼そうな少年、更にもう一人、黒い服に黒いサングラスをした男が、影山たちの前まで歩み寄ってくる。
「戻ってきたか、草加 雅人(くさか まこと)、イカロス、志村 純一(しむら じゅんいち)」
「あぁ。だが……この有り様はなんだ?」
「大方、また浅倉さんにやられたのでは?」
「なるほど~その可能性は高いねぇ~?あははっ」
短髪の男―――草加雅人は、今もなお苦しそうにしている影山を見て呟き、サングラスを外した男―――志村純一は、張り付くような笑顔で推測し、幼そうな少年―――イカロスは、成程と言う顔をしながら、影山を見て嘲笑う。
それに対して影山は唇を噛み締めながらも、ゆっくりと立ち上がる。
(くっ……どいつもこいつも、俺をこけにしやがって……!)
「そういえば、あの科学者はどこに行った?」
「まだ研究とかで忙しいらしいです。どうやら今回も、彼は集会に参加できそうにないみたいですね」
「そうか……」
志村の言葉に草加は納得し、服のポケットからウエットティッシュを取り出す。
そして念入りに手を拭くと、吹き終ったウエットティッシュを、ポケットのなかに入れていた。
「―――揃ったようだな」
と、突然どこからか声が聞こえ、全員は前方を見る。
すると前方にいつの間にか玉座が置いてあり、更にその後ろには、鷲のようなマークと、その中央に炎に包まれた十字架が堀こまれている紋章がつけられている。
そしてその玉座に、何者かが座っていた。
不気味な鉄仮面を被り、赤いマントをつけ、手脚に鎖が巻き付けられているその存在は、仮面の奥で不気味な笑みを浮かべる。
「……全員、とはいかないが、揃ってはいるな。ではこれより、【ヘルズ】の今後の方針を話す」
鉄仮面の存在―――ヘルズの大首領はそう言って、目の前にいくつかの映像を出す。
「まず最初に、未だに続けている『異世界へのマーキング』、これは後500箇所ほどで一度中断する。あまりにもマーキングしすぎると、我々の存在が広まりすぎてしまうからな。次に笛木、イカロスには、それぞれ『犬夜叉の世界』と『パルテナの鏡の世界』に行ってもらい、『ある物』を回収してもらう」
「ある物……とは?」
「『犬夜叉の世界』では封印されてしまった剣、『パルテナの鏡の世界』では『真実の魔鏡』の回収だ。これは後で、どの平行世界に行けばいいかを教える」
大首領は的確にそういうと、影山がそれらを何に使うのかを尋ねる。
確かに用途が分からないと、どういう目的で回収するのかが分からない。
それに同感したのか、笛木も大首領に尋ねてくる。
「……それらは何に使うんだ?」
「確かに、それらの用途が分からなければ、迂闊に手は出せないな」
「そうだな……簡単に言えば、我々の軍を増やすため、だな」
「……成程、そういう事か…『あの泉』の強化に使う、って訳だな?」
「流石は浅倉威。頭の切れの良さも群を抜いている」
大首領は浅倉に賛同を送るような拍手をするが、浅倉はそれが気に入らないのか、その辺に唾を吐き捨てていた。
大首領はそれを無視しつつも、再び話を再開する。
「話の続きだが、影山瞬もいくつかの世界に行って、『奴』の研究材料の確保に回れ。まだ素材が足りないそうだ」
「…分かりました…」
「そして浅倉と草加……お前たちには、次の世界で登竜翔とその連れ、星野零と当たってもらう」
それを聞いた殆どの者は驚き、浅倉に至っては、狂喜のような笑みを浮かべる。
一方、草加は何故、浅倉と自分が組まないといけないのか、大首領に抗議する。
が……
「…ちょっと待て。なんで俺がこんな奴と……!」
「―――口答えする気か?」
「!がっ、あぁぁ!!?」
大首領がゆっくりと立ち上がると、大首領の付けてる鉄仮面の隙間から、紫色の光が溢れる。
それと同時に、突然草加は胸を押さえ、苦しみ出していた。
それを見た周囲の者……特に影山は後退りし、大首領の方をゆっくりと向く。
「貴様を生き返らせたのは俺だ。つまり貴様の命を握っているも同然だ。その事は貴様を生き返らせたときに話しただろう?」
「が、はぁ、あぁぁぁぁ!?」
「力が完全に戻れば、お前たちなど最初からいらん。それなのに何故、お前たちを生き返らせたか分かるか?……単純に、下準備のための手駒が欲しかっただけだからだ」
大首領はそう話すと、鉄仮面から溢れる光が消えていく。
それと同時に、草加が強く息を吸い出す。
……相当な苦しみだったのか、身体中から汗が吹き出てるのが見える。
影山は心の中で悲鳴を漏らしつつ、再び大首領の方を向いていた。
一方の大首領はというと、玉座に座ると同時に指を鳴らす。
すると大首領と影山たちのいる間から、テーブルのようなものが現れる。
その上には、1枚のカードと、金色の腕時計のようなものが置かれていた。
大首領はもう一度鉄仮面の中から目を光らせると、それらが宙に浮かび、それぞれ浅倉と草加の手元に動かしていた。
「!これは……」
「つい先日完成した王蛇(おうじゃ)のサバイブカード、そしてファイズアクセルを元に改良、強化されたカイザアクセルだ。どちらも既に、お前たちのライダーシステムにプログラムが組み込まれているから、問題なく使えるとの事だ」
「ほぅ……おもしれぇ……!」
「それらを使えば、登竜翔はともかく、星野零は確実に倒せるはずだ。だから『当初の予定通り』、星野零を優先して排除しろ。無論、奴の使うライダーシステムの破壊も忘れるな」
「了解だぁ…俺は戦えるなら、アンタの言うことは聞くぜ……?」
カードをポケットにしまった浅倉は、それだけを言い残して、その場から退出してしまった。
影山は止めようと思ったが、既に用はないのか、大首領は止めないように言う。
そしてウェットティッシュで身体の汗を拭う草加の方を向くと、お前も行っていいと告げる。
「場所は次にお前がいく予定だった世界だ。浅倉にも伝えろ」
「…了解」
草加は苦虫を噛んだような顔をしながらも返事をし、そのまま退出する。
その後大首領は、笛木とイカロスを自分の前に立たせ、どの平行世界にいけばいいかを教える。
それを聞いた後は、二人ともすぐに目的の場所に向かっていき、志村もまだ、当初の目的が終わってないため、それの再開をしに行ってしまった。
一人残された影山に大首領は歩み寄ると、「行くぞ」とだけ告げながら、部屋から退出する。
それを見た影山は、すぐさま大首領の後をついていった。
~~~
サザンクロスの内部を歩くこと数分…
大首領と影山の目の前には、他とは違って、機械的な扉の前に立っていた。
大首領は扉の横についている認証コードに手を翳し、それに機械が反応し、扉が開く。
大首領は「邪魔するぞ」とだけ言って部屋に入り、影山もその後に続く。
……部屋の中はとても広く、その上精密な機械がずらりと並んでいる……
影山は「相変わらず凄いな…」と呟いていると、何処からか白衣の男が現れる。
「おやおやぁ?また何か頼み事?だいしゅりょーどの?」
「戦極 凌馬(せんごく りょうま)……貴様!」
「やめろ、影山」
「っ……はい………」
白衣の男―――戦極凌馬は、少しだけ調子よく大首領を名を呼ぶ。
その態度に影山は注意しようとするが、それを大首領が止めていた。
「……それで、【プロジェクト・ヘルズ】はどこまで進んだ?」
「そうだねぇ、50%いくかいかないか、ってところだね。まだ異世界の技術も学んだばっかりだしこればかりはどーしようにもないね?一応【ヘルズメモリ】はデータだけ整った。要領も十分。問題はダブルシステムなどによるマキシマムドライブを余裕で耐える強度にするには材料が足りない、ってところだね」
「【ヘルズシンドローム】はどうなっている」
「そちらも難航、なにせ機械の調整に時間がかかる上に他の仕事もしないといけないからねぇ。一応幹部ライダーの強化装置などはほぼ完成、私自身用のエナジーロックシードもそろそろ完成するから、戦力的には問題ないけどね」
凌馬はそう言って、近くのデスクの引き出しから、林檎の形をした機械を取り出す。
それを見た大首領はフッと笑うと、後ろに向き返り、部屋を後にしようとする。
その際後ろを向いたまま、影山を指差していた。
「そこにいる影山は、暫くお前の手足として働かせてもいい」
「んー見たところ彼は機械に弱そうだけど……ま、素材集めには使えるかな?」
(くっ……人をパシりみたいに言いやがって……)
好き放題言われる影山は、唇を噛み締める。
が、ここで問題を起こせば、先程の草加のように、酷い目に遭わされるのは目に見えている……
影山は怒りを必死に押さえ、大首領に向かって敬礼する。
大首領はそれを気にせず、部屋を退出し、凌馬に至っては影山の行動を見て笑っていた。
「はははっ、敬礼までするって、相当彼のご機嫌を取りたいんだねぇ?えーっと、山影君?」
「影山だ!」
「あ、そうだったの。ごめんねぇー間違っちゃって。今度はちゃ・ん・と、覚えたよ影山君♪」
(こ、こいつ……!!)
「あははっ、そんな怖い目しないで~、早速君に仕事だよー影山君♪」
凌馬は影山を冷やかしながら、再び作業に取りかかる。
一方で影山は怒りを必死に押さえながら、凌馬の後をついていった。
~~~
部屋を退出した大首領は、元の部屋に戻る途中で、ふと足を止める。
そして何もないところで、いきなり話すような口調で喋り出した。
「…貴様か」
「―――御名答」
すると大首領の背後から、真っ黒のフードを被った人物が現れる。
が、大首領は後ろを振り向かないまま、話を続ける。
「……何しに来た。今は貴様を頼る事なんてないぞ」
「つれないな。【動かせる体がなかった】お前がこうして動けるのも、このサザンクロスとかいう奴を用意したのも、この次元を教えたのも、そしてお前たちの行動を自由自在にできるようにしたのも、『総て』俺が用意したものなのに。勿論、【お前に力を授けたのも】な」
「……それで、何しに来た」
フードの存在は大首領の肩に手を乗せる。
が、大首領はその手を振り払いながら、何しに来たのかを尋ねる。
フードの存在はため息をつきながら、用件を話し出していた。
「……そろそろ超絶極神にバレかかっている。しかも厄介なことに、【破壊の神の力をもつ神ではないもの】が探っている」
「…登竜翔とコンタクトを取っている奴か。この間の星野零の件は油断した。他の【完全オリジナルのライダーシステム】も厄介だが、あの女のもつライダーの力は、他の超絶極神の一人が関わっている。……どう化けるかすらも分からんな」
「お前自身の【能力】の唯一の弱点であり、そのサポーターも充実している……かなり面倒だな?」
「だからこそ、早めに仕留める。それ以外は注意さえしていれば、簡単にライダーは倒せる。戦隊や光の戦士なども論外だ」
「その自信、どこから来るのやら」
その言葉を残し、フードの男はいつの間にか消えてしまう。
その場にただ一人残った大首領は、その場で高笑いを始めていた。
※因みに超絶極神編の最初も翔たちの出番はありません←
今回出した次元に関しては、皆の希望を粉々に砕くような、非常に残酷な設定です。
どういった設定かはまだ言えませんが……一言で言えば『未来なんてなかった』って感じです。
後、当初ではサザンクロスに似た存在を出そうと思いましたが、いい名称が思い浮かばなかったので、サザンクロスさんになりました。
影山さんはヘルズの中の不憫担当←
いや、だってメンバーが……
・笛木→味方はしてくれそうが、壮年だし、木製リコーダーだし、親馬鹿だし、そこまで期待できない←
・浅倉→イライラしてたら、確実にサンドバックにされる(影山さんが)
・草加→ヤンデレに何を期待しろと?
・イカロス→興味示されてもらえなさそう
・志村→多分無理。アンデットだし
・戦極凌馬→完全に冷やかして遊ぶ気満々
……うん、影山さんに味方はいないのね…←
というか、一部の面々が凄いカオスですww
あ、イカロスに関しては、市販の小説版フォーゼを読んでください←←
ここでヘルズの大首領登場。
一応正体はまだ明かしませんが、実は今回の話のどこかに、大首領の正体のヒントがあります。
結構分かりやすいから、すぐに「あ、あー!!」ににる可能性もありますねー。
ヘルズの世界征服計画が……かなり酷い………
特に今回出てきた『大首領が欲しがるアイテム』、それらの活用法は、ある意味恐ろしい事になります。
因みに『犬夜叉の世界』で封印された剣は、映画に出てきた剣です。
決して殺生丸様の持つ天生牙ではありません。というか狙ったら笛木たちが殺されます←
草加の奴……無茶しやがって……←まだ死んでない
ここで補足すると、影山さんたち全員は、ヘルズの大首領が、自分の力を使って蘇らせたので、影山さんたちの命は大首領が握っていることになります。
簡単に説明すれば、犬夜叉で言う奈落と奈落の分身たちみたいな感じです。
唯一違うのは、最初から心臓があるのと、影山さんたちは再生能力がない、っていうのですかね?
王蛇のサバイブカード、並びにカイザアクセルは戦極凌馬が造りました。
……あの人、異世界の技術の殆どを頭に叩き込んだら、もっと酷いやつ造れるんじゃあ(ry
そして何の役目も与えられないまま退出した志村ェwww
戦極凌馬の部屋だけ近代的な理由:凌馬「私の趣味さ☆いいだろう?」
まぁ、どんなに頭がいい科学者でも、周りの環境次第では粗末なものしか造れないし、ここは多目に見てやってください(ェ)
というか計画が既に半分も達成しているって……早すぎだろうが!!←
そして弄ばれる影山さんェwww
ここでさらに登場、謎のフードの人物。
ヘルズに協力的ですが、その目的とは………?
そして零とゼロドライバーが優先して狙われる最大の理由とは………?
といっても、仮に大首領の能力を明かしたら、零、というかゼロが唯一の手段になるのは仕方無いんですよねぇー………
ある意味大首領の正体と繋がっているんですよ、その能力は。
次回はとりあえず導入回。