仮面ライダーディブレイカー~紅の破壊者~ 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
翔「いきなりどうでもいいこと言うなバカ作者」
シオン「どうでもよくないよ!?卒論のせいで執筆が軽く遅れてるんだよ!?」
翔「ならさっさと卒論書けよ!」
※今回も話の出来が低いですので、注意してください
あの時の俺は、酷く"そいつ"を憎んだ……
そいつは俺たちの村で、崇められていた存在だった……
かつて村に訪れた危機を、何度も救ったと言われていた………
当時の俺は、そいつの事を凄い奴だと、認識していた……
………だが……実際は違った………
何故ならそれは………俺から"大切な人"を……奪ったから
~~~
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「チィィ…!」
村の上空………そこではこの村の神・アデス……そしてディブレイカーの二人が、激戦を繰り広げていた。
一方的にディブレイカーが押しているように見えるが、アデスは次々とディブレイカーの攻撃を捌いていき、即座に雷撃を飛ばす。
ディブレイカーはそれをかわしつつ、舌打ちをしながら新たなカードを挿入していた。
「チッ……だったらこれだ!!」
『アタック・ライド サンダー!!』
「へぇ…雷(いかずち)には雷を、ってか……!馬鹿げた発想だぜ!!」
「げっ……受け止めやがった…!?」
「倍にして返すぜ…おらよぉ!!」
ディブレイカーは魔方陣を呼び出すと、そこから雷撃を放つが、アデスはそれを受け止める…
そして自身の纏った雷を重ね合わせ、ディブレイカーに放っていた。
ディブレイカーは慌ててその攻撃を避け、攻撃が飛んでいった方を見る。
先程の攻撃はそのまま山奥へと飛んでいき、そのまま山に直撃した瞬間、雷の柱が天を突き抜けるように迸っていた。
「うおっ、危ね……(チッ……あえてサンダーで相手の攻撃を防がせてそこからエクスプロージョンを、と思っていたが……まさかそのまま受け止めて倍返しにしてくるとは……つか、クロックアップも防がれ、遠距離系統の武器での攻撃も防がれ、挙句の果てには途中から体に雷纏ってるせいで碌に接近戦もできねぇって……そしてあの火力を考えると、なんなんだ、この詰みはよ…)」
ディブレイカーはアデスの方を向きながら、現在に至るまでの戦いを振り返る。
…最初に互いの武器がぶつかり合った後、何回かは競り合いをしていたが、途中からアデスが遠距離から攻撃を始めたことにより、ディブレイカーもクロックアップで対応しようとしていた。
しかし相手も予想以上に速い動きができたらしく、いとも簡単にクロックアップと同じ速さで対応したのだ。
すかさずハイクロに切り替えようとしたが、接近戦では不利だと思ったのか、アデスは途中から雷を纏いだし、仕方なく遠距離から攻撃を始める……
だがそれらも防がれてしまい、押してはいるものの未だに決定打になるような攻撃を与えることは出来ずにいた。
(そうなるとグラビティとかで動きを止めるしかないだろうが……そう簡単にはいかねぇよなぁ……さて、どうやってまともな攻撃を与えていくか……)
「……テメェのその力、異質すぎるな…何処で手に入れた」
「あん?どうした急に」
「いいから答えろ。俺にまともに痛みを感じさせるほどの拳の力……少なくとも、あれは異常すぎるんだよ……何処でその力を手に入れたんだ」
と、突然アデスが構えるのを止め、纏っていた雷も収まっていく。
そしてディブレイカーに、ディブレイカーの力を何処で手に入れたかを尋ねだしてきた。
いきなりの質問にディブレイカーは少し戸惑うが、アデスは構わず彼に尋ねる。
一向に引かない彼に対し、ディブレイカーは渋々と答えていた。
「…自分の元いた世界でだ。言っておくが、テメェでもこの力は使いこなせないと思うぜ?」
「…最初の部分は意味分からんが、だったら何でテメェはその力は使いこなしてんだよ」
「はぁ?言っとくが、俺は"コイツ"を使いこなしてるなんて【一度も】思っちゃいないぜ……コイツほどのじゃじゃ馬は、神だろうがなんだろうが完全に使いこなすのは無理だとよ」
「あぁそうかよ…けどよ。そうなるとテメェ、いつかはその力で【死ぬ】ぜ……?ただの任電でありながら、神である俺と対等に渡り合えるなら、尚更な」
「余計なお世話、ありがとよ……それで、俺もテメェに質問していいか?」
「いいぜ…特別に聞いてやるよ」
「じゃあ遠慮なく……テメェ、"本当に"神なのか?」
ディブレイカーがアデスに尋ねた瞬間………彼の左手が、ピクリと反応した。
が、すぐに彼は何が根拠でそうなったのかを尋ね返す。
「はっ……なんだよそれ。何でそんな事思ったんだ?俺が神でないという証拠は何処にあるんだよ」
「そうだな……まずそこのガキ……シーンだっけか?あいつがテメェの事を『兄ちゃん』とか呼んでたよな。他の奴らは神様だと騒ぎながら崇めていたのに、あいつだけはテメェに親しげだった……それにあのガキは昔のテメェを知っている……そしてあのガキがテメェを殺すと発言した際、【1年前】とか言ってた。つまりテメェは【1年前にこの村でお前が誰かを殺した】……とかじゃねぇのか?」
ディブレイカーは自身が考えた憶測を彼に告げる。
……そもそも彼が気になっていたのは、【アデスとシーンの関係】についてだ。
定期的にこの村に貢物と生け贄を取りに来るにしては、多少温度差が低いが、あまりにも親しすぎるのだ……それも貢物と生け贄を取りに来ただけなら、尚更。
だからディブレイカーには、少なくとも二人に何かしらの、【神と人間】とは別の関係があるのは間違いない……そう思ったのだ。
「……ハハッ、ハハハッ、アッハッハッハッハッ!!……8割はテメェの考えが正解だぜ」
「あん?じゃあ残りは何なんだよ」
「俺は一応、れっきとした神だ。そこだけが違う……そしてテメェが推測した、俺が誰かを殺したというのは………この村の"最初の神"だ」
「…神を殺した……?最初の……?つまりテメェは……」
「あぁ。テメェの考えているように、俺は【元々は人間】さ……!」
「っ…!」
アデスは告げ終えると同時に、一瞬にしてディブレイカーの前に来ると、トライデントを素早く振りかざす。
ディブレイカーは慌ててそれをライドブッカーで受け止めるが、やはり相手は神………腕力もディブレイカー以上であり、軽く押されていく。
(ぐっ…少しでも気を抜いたら…叩き落とされる……!)
「えらく真剣に押さえてるが、ついでにこの際教えてやる。テメェが気になってやがった俺とシーンとの関係。あれは単純に師弟関係だ。俺が神になる3、4年ほど前から…な!」
「ぐ、おおお…っ!(更に力を加えやがった……!)」
アデスがトライデントに力をいれるのに対し、ディブレイカーは抜け出すこともできず、ただ彼の攻撃を防ぐ……
しかしその間にアデスが雷を纏い始め、それを見たディブレイカーは傷付くのを承知で無理矢理攻撃から抜け出していた。
その際軽くスーツの左腕部分を掠ったが、幸いにも傷という傷は見られなかった。
「チッ、このまま黒焦げにしてやろうと思ったけどな」
「っ…そんじゃあテメェはどうやってこんなバケモンになったんだよ……」
「言ったじゃねぇか。神を殺したって……殺した瞬間、俺の体に最初の神の力が宿ったんだよ」
「っ……成程な…けどなんで最初の神を殺したんだ…そいつの力を手に入れたかったからってか?」
「…悪いがそこまで話す義理はねぇよ……とりあえず死にやがれ!!」
「チィィ…!だったらこれだ!」
『アタック・ライド ヒナワダイダイディージェージュウ!』
迫り来るアデスに対しディブレイカーは火縄大橙DJ銃と呼ばれる武器を召喚すると、ディスク型のプレートを回し、マシンガンモードへと切り替える。
そしてそれを構えると、片手で乱射していた。
対するアデスは一度立ち止まると、トライデントを立てて正面に構え、その場で円を描くように回し、攻撃を弾き飛ばしていた。
そのまま先手を打とうと雷を纏った腕を構えるが、その前にディブレイカーがバインドとチェーンのカードを使用し、近くに現れた魔方陣に拘束されていた。
「ぐおっ!?なんだこの土と鉄でできた紐みたいなのは!?」
「うっし、捕縛成功!そのまま叩き落としてやるぜ!」
『アタック・ライド ドッガハンマー!』
「うぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!」
「なっ、がぁぁぁぁ!?」
拘束できたのを見たディブレイカーは瞬時にドッガハンマーを呼び出すと、そのままアデスに振りかざす。
アデスは必死に避けようとするも、中々チェーンが外れず、そのまま重い一撃が直撃……そのままバインドの方のチェーンがぶつりと切れる音と共に、村の祭壇前に叩き落とされていた。
しかし地面に激突する直前に受け身を取ると同時に、無理矢理チェーンを引き千切っていた。
「…こんなんで縛りやがってぇぇぇぇぇぇ!!」
「うおっ、なんつー馬鹿力……あんなんに殴られたらひとたまりもねぇな……最も、あの雷も喰らいたくねぇが」
「くそがっ……!舐めんじゃ……ねぇぞぉぉぉぉぉ!!!」
「!!」
雄叫びをあげると共に、アデスの周りに雷雲がもくもくと現れ始め、彼の周りでバチバチと大量の電流が迸る。
恐らく特大の雷を叩き込むつもりなのだろう………それを見たディブレイカーは危険だと感じ、防御用のカードを構える。
……だが
―――ヒュン……グサッ
「っ…!?これ、は……!!」
突然アデスの胸に、何かが突き刺さったような痛みが走り、彼は自身の胸を見つめる。
……彼の胸には、軽く焦げた一本の弓矢が突き刺さっており、それを見た彼は驚きを隠せない……
しかし……この弓矢を彼に当てたのは誰か……それだけはすぐに分かっていた。
分かっていたがために、彼は弓矢を飛ばしたもの………シーンを見つめていた………
「…シー……ン…テ、メェ………!!」
「…前にアデス兄ちゃんが、この村に来た神様を殺した時、【心臓のある付近だけが唯一人間の肌と同じ】って言い伝えを聞いたって、言ってたよね……俺はアデス兄ちゃんの心臓を討つ為に、必死に苦手だった狙い撃ちの練習をした……そして隙が出来たと思って放った矢が、簡単に当たるなんて……思ってもみなかったよ…」
「ハッ……まさ、か…テメェ如き、が……俺に1発………当てるとは…な……」
(確かに……あの雷雲と体に纏った雷を掻い潜って当てたのも運がよかったが……まぁ、あいつがあのガキの存在を忘れて、攻撃に専念しようとしていたのも、運よく当たった切っ掛けなんだろうが……)
ディブレイカーはアデスとシーンを交互に見ながら関心を持つ。
だがアデスは苦しい顔をしながら軽く笑うと、胸に刺さった矢を引き抜いていた。
「だがよ…残念だったなぁ……!心臓までは後一歩、届かなかったぜ……!!」
「別に構わないよ…」
「……何…?」
「俺はただ、兄ちゃんに止めて欲しいだけなんだよ……村の皆を苦しめて、村に"復讐"しようとするのを……」
「…復讐?」
「ハッ……なんで止めなきゃいけないんだよ……これは俺が、望んでやってることだ……!」
「そんな事して何になるの!?アリア姉ちゃんはこんな事、望んでない筈だよ!!」
「…アリア姉ちゃん…?」
復讐に誰かの名前と、次々とシーンの口から出る言葉に、地上に降りて話を聞いていたディブレイカーは首を傾げる。
とりあえず二人に聞かないと事情が全くわからないため、ディブレイカーはシーンにどういうことかと尋ねていた。
「なぁ、さっきから聞いててあんまし話の意味がわかんねぇんだが……そのアリアという女と復讐が、あいつが神になったのと」
「なんでよそ者にそんなこと教えなきゃならないの」
「ヲイ」
「…まぁいいよ。どうせ無理矢理にも聞いてきそうだし……」
(舐めた態度だなあのガキ…)
「……俺がまだ8歳の頃までは、アデス兄ちゃんには一人の姉がいたんだ……とても優しくて、村の皆からも見とれてしまうほど、綺麗な人だった……」
「…そいつがアリアとかいう女か」
ディブレイカーの言葉に、シーンは静かに頷く。
……そのアリアという女性は、アデスが人間だった頃の、たった一人残された肉親だったらしい。
彼らの親は街の方へ稼ぎに行ったきり戻ってきておらず、生死も分からずにいたため村の者たちも、もう戻ってこないと考えたらしい。
しかしアデスにはアリアというたった一人残った家族のお陰で、苦もなく暮らしていたそうだ……
「…それで、そこのシスコンが復讐に走った理由とかは」
「…元々この村の祭壇は、3年に1回だった……そしてその時に、村に降りてくる神に捧げられる生け贄が、偶然にもアリア姉ちゃんだった……当然アデス兄ちゃんは反対したけど、村の皆はアデス兄ちゃんの制止も聞かないで……」
「生け贄に捧げられた、…ってことだ」
突然、今まで口を閉じていたアデスが、口を開く。
胸の傷は既に消え去っており、彼はトライデントを地面に突き刺しながら語り始める。
「…この村に来てた最初の神は、人が自分のために頑張っているかというのを確認するために、わざわざ地上まで降りてくる奴だった……そしてその場で旨そうに貢ぎ物を貪り終えた後、生け贄をその場で無惨に殺していた」
「うおっ、なかなかゲスイな……コウマが聞いたら殺されてるぞそいつ…」
「当然目の前で、姉さんが殺されたのを見た俺は、怒りと殺意が沸いた……その時はその場で殺してやると思ったが、村のやつらに邪魔され、その間にか見に逃げられた……俺は当然、許せなかった……姉を殺した神を……そして平然と姉を明け渡した、村のやつらを………!」
アデスは握り拳を作ると、強く震わせる……
「……だから俺はまず先に、神を殺してやると心に誓い、アイツの弱点を調べ、殺せるよう努力をした……そして約1年前……再びアイツがこの村に降りてきた……そして奴が一番油断している瞬間、矢を放った……結果は見事に命中。しかも予想以上に刺さりがよかったからか、アイツは信じられねぇといわんばかりの顔で、苦しみながら血を吐いて……死んだ…あの時の光景は、思わず笑いそうになったさ……!絶対的な力を誇っておきながら、ちょっとの油断でコロッと逝っちまう奴が、本当に神なのかってなぁ!その後だ……突然俺の体に力が満ち溢れたのが……それが神の力だと知った後は、丁度いいと思ったぜ……村のやつらに、簡単に復讐できる力を手にいれたからなぁ!!…けどよぉ……いきなり村を壊したらつまんねぇから、村を苦しめるやり方を始めた…やつらにじわじわと恐怖を味あわせ、無理矢理大切なものを奪われる痛みを」
「―――長いしくどい!!」
「…なんだと……?」
突然アデスの話を遮るように、ディブレイカーが叫ぶ。
それを聞いたアデスは驚いたような表情をするが、ディブレイカーは構わず彼に告げていた。
「長ったらしく話していたが、理由がくだらねぇったらくだらねぇ……結局はテメェのエゴイズムを満たしたかっただけだろ。そのアリアという女が殺されたからというのを正当化して、復讐という形で欲求を満たしてるだけじゃねぇか」
「姉さんが死んだことを理由にして欲求を満たしてる…だと……!」
「実際そうだろ。人は何か理由を付けて、自身の考えを正当化させる……神になっても、そういった思考は変わんねぇんだな」
「……けんな…ふざけんな!!誰が欲求を満たしてるってか!?ふざけた事ぬかしてんじゃねぇよ!!」
「それはテメェが気付いてねぇだけだろ。実際にテメェはこの村を個人の怨念だけで苦しめてるじゃねぇか。それで自身の欲望を満たしてる……充分すぎるほど欲求を満たしてるぜ、それは」
ディブレイカーの言葉を聞いたアデスはそれを否定するが、すかさずディブレイカーがそれすらも否定する。
―――俺のやってることが、自分の利を得るためだけの行為だと……
―――復讐することで、利を得ているだと……!
ディブレイカーの言葉に対し、アデスは身体を小さく震わせる……そしてトライデントを引き抜くと、今まで以上の雷を放出していた。
「―――ふざけんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!テメェに俺の何が分かる!!大切な人を奪われた苦しみと憎しみを抱え、生きてきた俺の!!何が分かるってんだぁぁぁ!!」
「っ…!まずい、アデス兄ちゃんがあのままの状態で雷を落としたら……!!」
「へっ……さぁなぁぁぁぁ!!生憎俺は、誰かが死んで悲しむような奴はもういないからなぁぁぁぁ!!」
「上等だ………テメェは気にくわねぇ……その身を残さねぇぐらい、焼き焦してやらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アデスが叫ぶと同時に、彼に纏っていた雷がトライデントの尖端に電気を帯び始める……
それを見たシーンは身の危険を感じ、村の者たちも逃げ始める。
対するディブレイカーはライドブッカーをガンモードにし、必殺技で迎え撃とうとしていた。
「迎え撃つ気なの!?」とシーンは叫ぶが、二人は構わずに構え始める。
「くたばりやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
『ファイナル・アタック・ライド ディ・ディ・ディ・ディブレイカー!!』
「テメェがなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
互いの強力な一撃が、それぞれの持つ武器から放たれる…
そしてそれが互いの中心で
「―――テメェら………それ以上はやめな………」
……激突しようとした、瞬間だった。
突然誰かの声が聞こえたと同時に、攻撃を放った二人は、目の前の光景に目を疑う……
…彼らの目の前には、二種類の光が衝突しようとして【動きを止めている】光景が映っていた。
それだけじゃない……彼らの周囲村の者たちすら、まるでそこに固定されているかのように、動かなくなっていた。
突然の出来事に対しアデスは驚き、ディブレイカーもどうなっているのかと動揺する。
「なっ……なんだこれは……!?」
「(どうなっていやがる……村の奴らどころか、俺とアイツが放った攻撃までも止まっていやがる……まさか俺たち以外、"時"が止まって……!?)…なんだ……この、何かが重く圧し掛かってくるような感覚は……!」
「一度は味わったことがあるだろ、登竜翔」
「!!」
再び何処からか声が聞こえ、ディブレイカーは辺りを見回す。
そして祭壇の方を向いた瞬間………祭壇の一番高い場所……そこに誰かが、座っているのが見えた。
青と灰色の衣装を身に包んだ、ダークブルーに近い髪の色をした青年が……
そして祭壇の天辺に座っている青年を見た瞬間………ディブレイカーの身体が、突然震え出していた……【興奮】とは違う、【恐怖】に似た感情を抱きながら……
(なん、だ……身体が…勝手に震えて……!)
「やっと身体がガタってきたか……テメェだけに俺の気を押し付けていたが、やっと順応してきたみたいだなぁ…」
「だっ……誰だテメェ!?これはテメェの仕業か!」
「うるせーな新米の下級神。テメェも纏めて死にたいか」
「っ……ルセェ!!テメェこそ俺の邪魔をするって言うんなら…」
ディブレイカーの震えが止まらない一方、アデスは青年に向かって叫ぶ。
しかし青年はアデスにすら威圧し始め、アデスは軽く怯みながらもトライデントを軽く振るう。
そして尖端に再び雷を帯びさせると、そのまま青年に向かって攻撃を放っていた。
「テメェから先に殺して」
「…調子に乗るな……テメェは"神失格"だ」
……が、攻撃を放った方向には、いつの間にか青年がおらず、次に声が聞こえたのは………アデスの背後だった。
そして……青年が一言告げた瞬間……いつの間にかアデスは、その場から"消えていた"………
それだけではない……アデスのいた方角にあった祭壇、そして更に向こう側の山すら、まるで最初から存在しなかったかのごとく、忽然と消えてしまっていた。
(……なに、が…起きたん、だ……)
「…まだ力を落としきれてなかったか……せっかく時間を固定停止したのに、俺の方がこれじゃあ意味ねぇか……」
青年は何かを呟くと、先程祭壇があった場所を振り向き、軽く目を光らせる。
そして……目が光ったと同時に、そこから消えていた祭壇と山が"ゆっくりと微粒子から構築されていた"。
その光景を見たディブレイカーは再度目を見開き驚いていると、青年―――レイズ・オーディアスが、彼の方を振り向く。
彼の表情はまるで、狼が獲物を見つけた時に似ており、その表情を見て、ディブレイカーはスーツの中で、大量の冷や汗を掻く。
「―――さぁ、邪魔するやつはいねぇ……今すぐテメェの命を…頂くぜ」