第三話
「えっと、次は……」
「俺だな」
「えっと僕たちからは……」
「わふー、私が行きたいのです」
後江高校から伊崎が立ちあがると、リトルバスターズからは、クドが立候補して、元気よく立ち上がる。
「自己紹介の時も追ったけど、高校生なんだよな。ちっさいけど」
「失礼なのです。私はれっきとした高校生なのです」
どうみても小学生高学年くらいと見間違えそうな身長のクドを見て三和がそうがこぼすと、クドが反論する。
確かに飛び級のため、理樹や櫂たちとは、年齢が下ではあるが、それでも森川や伊崎と同じく1つ下程度である。
「ははは、わりぃ、わりぃ」
怒るクドを見て、三和は軽く悪びれる。
小柄で子犬を思い起させるクドが怒っても、どことなく微笑ましいものである。
そんなクドを見て来ヶ谷は「怒るクドリャフカくんもたまらんな」と息を荒げている。
「気を取り直して、ファイトをしようぜ」
「はい、よろしくなのです」
伊崎が場をなだめながら、二人はモーションフィギュアシステムの前に立つ。
「「スタンドアップ・ヴァンガード」」
「幼生獣 ズィールなのです」
「古代竜 ベビーレックス」
クドはズィールを伊崎はベビーレックスにライドする。
クドのユニットを見て理樹達は意外そうな顔をする。そんな中、美魚だけは驚くことなく、静かにしている。
「西園さんは驚いていなけど、知っていたの?」
「はい。寮でお互いに練習してデッキを組みましたから」
理樹の質問に対して、西園は静かに肯定する。
寮においてルームメイトである以上、お互いのデッキの中身を知る機会は多いだろう。
「私の先攻なのです。滅びの瞳 ズィールにライド! 光線怪獣 レイドラムをコールなのです」
クドは連携ライドを行い、その後ろにレイドラムをコールする。
「さらにソウルの幼生獣 ズィールのスキルを発動なのです! デッキの上から7枚を見て、『銀河超獣 ズィール』か『星を喰う者 ズィール』を1枚まで探し、相手に見せ、手札に加えて、シャッフルします」
クドはデッキから7枚をめくるが、どちらも存在せず、カードを戻してシャッフルする。
それを見て伊崎は安心し、胸をなでおろす。
現在の手札 クド:4枚 伊崎:5枚
「古代竜 ガトリングアロにライド! ベビーレックスを後ろに、古代竜 トライプラズマをコール!」
伊崎はガトリングアロにライドし、その後ろにベビーレックスを、トライプラズマを左にコールする。
「ベビーレックスのブーストを受けたガトリングロアでアタック!」
「ノーガードなのです!」
ガトリングアロの攻撃に対して、クドはノーガードを宣言する。
「ドライブ・トリガーチェック! トリガーなし」
「ダメージチェックなのです。トリガーなしなのです」
お互いにトリガーをチェックをするが、トリガーはない。
「おっしゃ、ズィールが落ちたぜ」
しかも、ダメージソーンに落ちたのは『星を喰う者 ズィール』だったので、それを見て森川は歓喜の声を上げる。
「トライプラズマでアタック!」
「これもノーガードなのです」
古代竜のヴァンガードがいることで、パワー+3000されたトライプラズマでアタックするのに対して、クドはノーガードをする。
「ダメージチェック! ゲット、ドロートリガーなのです」
クトがダメージチェックを行うと今度はダメージチェックをすると、今度はドロートリガーを手に入れ、その効果で一枚引く。
現在の手札 クド:5枚 伊崎:5枚
現在のダメージ クド:2 伊崎:0
「私のターンなのです。『星を喰う者 ズィール』にライド」
スタンド&ドローを行ったクドは、『星を喰う者 ズィール』にライドする。
「んだよ。もう一枚もってやがったのかよ」
「当然です」
その光景を見て悪態をつく森川に対して、美魚は静かに返す。
「さらに、ツイン・オーダー、突撃怪獣 ガンロック、熱線怪獣 ギガボルトをコール」
さらにクドは、右にツイン・オーダー、左にガンロック、その後ろにギガボルトをコールする。
「ズィール効果発動なのです。相手のヴァンガードのパワー-3000なのです」
連携ライドの効力のより伊崎のヴァンガードのアタックを3000下げる。
「ギガボルトのブースト受けたガンロックでアタックです」
「ノーガードだ」
ガンロックの攻撃に対して、伊崎はノーガードを宣言する。
ズィールの効果でパワー下げられた以上、うかつにカードをして手札を減らすわけにいかないからである。
さらに言えば、相手のヴァンガードが8000以下の時に、パワーを3000上げるスキルを持っており、その効果によって、現在パワーは18000まで跳ね上がっている。
後の攻撃に備えるなら、手札を温存しておきたいところだ。
「さらに、レイドラムのブーストを受けた。ズィールでアタックなのです!」
「ノーガード」
続けてきたズィールの攻撃にもノーガードで対処する。
次に来るバニラユニットのツイン・オーダーの攻撃に備えてだ。
「ドライブ・トリガーチェック! クリティカルなのです。クリティカルはズィールに、パワーはツイン・オーダーになのです」
クドはでたトリガーの効果を2体のユニットに分乗して、効果をわけて与える。
それにより、伊崎に3のダメージを与えるが、彼もドロートリガーで一枚引く。
「続けて、ツイン・オーダーでアタック!」
「それはガードだ」
ツイン・オーダーの攻撃に対して、伊崎は2体のユニットをコールし、合計10000のシールドで、凌ぎきる。
現在の手札 クド:2枚 伊崎:4枚
ダメージ クド:2 伊崎:3
「次は俺のターンだ。ライド! 古代竜 ディノクラウド! クリオロフォールをコール! トライプラズマとクリオロフォールを入れ替える」
伊崎はディノクラウドにライドし、さらにクリオロフォールをコールし、トライプラズマと前後を入れ替える。
「まずは、クリオロフォールでアタック」
「ノーガードなのです!」
クドはガードをせず、ダメージを受ける。
「ゲット、ヒールトリガーなのです。パワーはヴァンガードになのです」
クドはトリガーをゲットしたが、テイションは引くヴァンガードにパワーを与える。
ダメージはクドが2に対して、伊崎が3、つまりはヒールトリガーの効果は不発である。
不発で引いたヒールトリガーほど、出て虚しいものはない。
「次に、ヴァンガードのディノクラウドでアタック!」
「ノーガードなのです」
続いてのヴァンガードも攻撃も防がずに通す。
今度はお互いにトリガーは出ず、ブレイクライドスキルを持つ『創世の英雄 ゼロ』がダメージゾーンへと落ちる。
そして、伊崎の手にもとに守護者のスキルを持つ『古代竜 パラスウォール』が手札に加わる。
「今、嫌なカードが見えたね」
「あぁ、完全ガードだ」
それを見て理樹と恭介は顔見合わせて苦笑いを浮かべる。
現在の手札 クド:2 伊崎:3
ダメージ クド:4 伊崎:3
「私のターンなのです。銀河より飛来し、その双頭にて眼前の敵を打ち払のです。ライド! 銀河超獣 ズィール!!」
クドは連携ライドを全て完了し、ソウルにいる『星を喰う者 ズィール』により、+1000、さらに、相手のヴァンガードをパワー-3000となる。
「ではいきます。まずは、ツイン・オーダーでアタックなのです」
「ノーガード」
まずは、ブーストを受けていないツイン・オーダーで攻撃を受けるが、これはノーガードで攻撃を通す。
「ゲット! ドロートリガー。1枚引かせてもらうぜ」
伊崎は4ダメージ目を受けるが、ドロートリガーの効果で1枚引き、パワー+5000、ヴァンガードに与える。
「ズィールでアタックなのです」
「それはガードだ」
伊崎は先ほどドロートリガーで引いた『古代竜 カウディノイズ』をガーディアンとして呼び出す。
「ツインドライブなのです!1枚目、2枚目。トリガー無しなのです」
ツインドライブでカードを確認するが、2枚ともトリガーはなしである。
「次に、ガンロックでアタックなのです」
「タイタノカーゴとビームアンキロでカード」
2体のユニットをガーディアンに呼び出し、伊崎はクドの攻撃を防ぎきる。
現在の手札 クド:3 伊崎:1
ダメージ クド:4 伊崎4
「古代竜 スピノドライバーにライド!」
伊崎はブレイクライドスキルを持つ、『古代竜 スピノドライバー』へとライドする。
「まずは、トライプラズマのブーストを受けたクリオロフォールで、アタック!」
「ゴルゴーンでカードなのです!」
クドはその攻撃に対して、手札に温存していたシールド10000のゴルゴーンで、クリオロフォールの攻撃を凌ぎきる。
「次にスピノドライバーでアタック!」
「ツイン・オーダー、ガンロックでインターセプトなのです」
クドはリアガードサークルにいた二体のユニットをガーディアンサークルに移動させる。
これをインターセプトといい、グレード2のユニットは他のグレードのユニット違いリアガードに呼び出されてもガーディアンとして使用可のである。
「ツインドライブ! 一枚目、ドロートリガー、二枚目もドロートリガーだ。効果は全てスピノドライバーに!」
ダブルトリガーによってスピノドライバーのパワーは+10000され、ガードを槓子可能になり、さらに伊崎の手札は一気に4枚まで増える。
「ダブルトリガーだと!」
「しかも、クーちゃんのこれで、シールドライン超えちゃったよ」
それを見て恭介は、驚嘆し、小毬も心配そうにクドの方を見る。
「ダメージトリガーチェックなのです」
クドは恐る恐るデッキの一番上のカードを確認する。
そして、それを見て表情を一変させ、明るく希望に満ちた笑みになる。
「わふー! ヒールトリガーなのです」
これにより、ダメージを一枚回復し、クドのダメージは変わらず、4のまま保たれる。
その光景を見て、リトルバスターズの面々は安堵の表情を見せる。特に一緒にデッキをくみ上げ、練習してきた美魚は、言葉に発しないが安堵の表情が強い。
ダブルトリガーの時も恭介や小毬のように言葉は発しないが、一番緊迫した表情をしていた。
現在の手札 クド:2 伊崎:5
ダメージ クド:4 伊崎:4
「宇宙怪竜 ドグルマドラ、電星合体 コスモグレート、カレンロイド デイジーをコールなのです!」
先ほどインターセプトによって空いたリアガードサークルに当たらに2体のユニットを呼び出し、ドグルマドラの後ろにデイジーを呼び出す。
「ズィールのリミットブレイクなのです! 強大な重力で敵の力を力抑え込む! シュヴァルツシルト・グラビティ!」
リミットブレイクとは、特定のグレード3ユニットが持つツインドライブとは、別の特殊スキルである。
その効果は様々であるが、共通して全てがダメージが4以上と決まっている。
ズィールのリミットブレイクは、カウンターブラストという、ダメージゾーンのカードを裏返すコストを2枚支払うことで、自身のリアガードの数だけ、相手のヴァンガードのパワーを下げることができる。
クドのリアガードは5枚よって伊崎のスピノドライバーから、5000のパワーを奪い一気に6000まで下げられる。
「それだけじゃないのです。リアガードのコスモグレードのスキル発動! カウンターブラスト2枚で、ドグルマドラにパワー4000なのです」
コスモグレートはリアガードに登場したとき、カウンターブラスト2枚で、自分以外の《ディメンョンポリス》のユニット一体にパワー+4000するスキルを持っている。
これにより、ドグルマドラのパワーは14000まで上がる。さらに後ろにいるリアガードのデイジーによって22000まで上げることが、可能である。
「あの嬢ちゃん、可愛いなりして、中々えげつねぇ」
「あぁ」
三和がクドの展開を見て見た目とのギャップのあるえげつない陣形に苦笑いを受け浮かべると櫂もそれに静かに同意する。
この布陣、カウンターブラストを使い切ってまでの、相手のパワーダウンと、自身のパワーアップ。クドは、伊崎が守護者を温存しているのを承知の上で、このターンで一気に畳み掛けるようだ。
「次にドグルマドラで攻撃なのです!」
「それはガードだ!」
伊崎は手札から、『古代竜 パラスウォール』を呼び出し、手札からタイタノカーゴを捨て完全ガードを発動する。
完全ガードとは守護者と呼ばれるグレード1のユニット用いる効果で、手札を1枚すてることで、完全に相手の攻撃を防ぐことができる。
こうした効果から、守護者のユニットは、デッキに4枚までしか入れることが出来ない。
「さらに、ズィールでアタックなのです」
「なんの完全ガードだ!」
ズィールの攻撃をドロートリガーの効果で引き当ていたもう1枚の完全カード凌ぎきる。
「ツインドライブ!1枚目ドロートリガー、2枚目クティカルトリガーなのです。効果は全てコスモグレートに」
攻撃の高い2体の攻撃は防ぎきることできたが、これで伊崎の手札は0、すべて使い切ってしまい跡がない。
「最後に、ギガボルトのブーストを受けたコスモグレートでアタックなのです!」
伊崎の手札0枚、なおかつパワーラインが下げられ、相手のパワーラインの強化さから、もはやヒールトリガーにかけるしか方法がない。
「ダメージチェック! ヒールトリガー。パワーはスピノドライバーに、1枚回復」
トリガー効果によって落とされていたパワーラインは回復し、なんとかこのターンにおけるクドの猛攻を凌ぎきった。
「伊崎の奴、何とか凌ぎきりやがった」
「くっそ! あと一歩だったのに!」
三和が猛攻凌いだのに感心し、声を出すと同時に、真人もまるで我がことのように悔しがる。
現在の手札 クド:3 伊崎:0
ダメージ クド:4 伊崎:5
「殲滅のバラードが鳴り響く時、その世界は終わりを告げる! ブレイクライド! 古代竜 ティラノレジェンド!」
ブレイクライドとは、リミットブレイクの一種であり、ダメージ4以上の時に、同じクランのユニットに発動できるものであり、効果はいろいろとあるが、こちらは通常のリミットブレイク異なり、ヴァンガードに+10000という共通効果がある。
「リアガードのベビーレックスとクリオロフォールを退却させて、2枚ドローして、ティラノレジェンドにパワー+10000、クリティカル1」
2体のリアガードを退却させ、さらに手札を増強し、ヴァンガードを大幅にパワーアップさせた。
「続いて、カウンターブラスト2枚で、ティラノレジェンドのパワーを5000上げてそれをも一度だ」
これにより、ティラノレジェンドのパワーは10000増加され、31000となる。
「さらに、ベビーレックススキル発動! リアガードから退却したとき、空いているリアガードサークルに、デッキからティラノレジェンドをコール、さらに2体をコール」
さっきまで、クリオロフォールがいたリアガードサークルにもう一体のティラノレジェンド、さらに『古代竜 ステゴバスター』と、その後ろに『古代竜 イグアノゴーグ』2体のリアガードを呼び起こす。
今度は伊崎が一気に勝負を仕掛けるようだ。
「まずは、カウンターブラスト1枚で、パワー上げたステゴバスターに、イグアノゴーグブートをつけてアタック!」
「ノーガードなのです」
自身のカウンターブラスト1枚でパワーを+30000するスキルと、イグアノゴーグのブーストによってパワーを上げる。
だが、同時にこれでイグアノゴーグのスキルはカウンターブラストの不足により、退却時にリアガードに復帰するスキルは完全に使用不可能になる。
「ダメージチェック!ヒールトリガーなのです」
これにより、最初の攻撃のダメージはノーカウントかつズィールのパワーも挙げられる。
「つぎに、リアガードのティラノレジェンドでアタック」
「ノーガードなのです」
こちらの攻撃も最後のヴァンガードの攻撃に備えてノーガードで攻撃を通す。
「ダメージチェック! ゲット! ヒールトリガーなのです」
「おっしゃ! これで、あとはクド公が防ぎきれば、次のターン勝機ありですよ」
クドの2連続ヒールを見て葉留佳は興奮気味に声をもらす。
ただし、これでヒールトリガーは、4枚すべて使いきってしまった状態になる。
どちらにしろこのターンを凌ぎったら次のターンで一気にたたみかなければ、あとがない。
「ティラノレジェンドのリミットブレイク! リアガードのティラノレジェンド、 ステゴバスター、イグアノゴーグを退却させてパワー10000、さらにクティカル+1」
「ここに来て、さらにパワーとクリティカルの増加だと!?」
「仲間を吸収して力を増大させる。まさに弱肉強食」
「たちかぜらしい戦術だぜ!」
「こわっ! 鬼恐いぞ!」
初心者である来ヶ谷や鈴が目を丸くして、驚くのに対して経験者である理樹と恭介は感心していた。
「わふー、防ぎきれません!」
総計、パワー41000のクリティカルは合計で3となるまでの強大なパワー、さきの2連続ヒールでパワーを得て手札のカードを全て使用しても、総計で、36000だ。
ほんのわずかトリガー2枚分ほどズィールのパワーがたしない。
「負けてしまいした」
クドは完全にイメージに飲まれて、ズィールがティラノレジェンドのガトリングで滅多打ちにされ場面までしっかり想像してまい、若干目を回してまう。