「やったな。伊崎」
森川は勝った伊崎の肩に腕を回し、我がことの喜ぶ。
そんな森川に対して、伊崎は苦笑いを浮かべるが、跳ね除けはしない。
「おしかったな。クー公」
それに対して真人はクドの敗北を我がことのように悔しがる。
「いやいや、伊崎も腕を上げたけど、お嬢ちゃんも初心者とは思えない腕前だな」
三和は伊崎の上達ぶりをたたえながら、同時にクドの健闘をたたえてファイトテーブルに立つ。
それに対して、理樹が何も言わずにファイトテーブルの前に立つ。
経験者上として、ファイターの本能として、彼を強敵と感じ取ったからこそ、同じ経験者である理樹、自ら壇上に立ったのである。
「おい、理……」
「やめておけ、どうやら理樹の奴、能美のファイトを見て闘志に火が付いたみたいぜ」
そんな理樹を呼び止めようする健吾を恭介は制止する。
健吾はファイターとしては、初心者だが、剣道という武術を積んでいた故に、彼もまた本能的に三和を感じとったんだろう。
ループ世界で理樹、そして鈴も成長し、強くなったが、そんな二人に対して彼は、未だに若干過保護気味で守ろうしてしまう。
こればかりは、長年しみついた習慣ゆえに中々、抜けきらない部分がある。
「そうだぜ、落ち着けよ。健吾。理樹の方が経験者なんだからよ」
そんな健吾を更に真人が窘める。
幼馴染二人に制止され、健吾は大人しく引き下がり、椅子の上に座り込む。
「なんか、そっちのニィちゃんのほっとけない奴が仲間にいるのわかるなぁ」
三和は一度、健吾を見てから、視線を櫂に移す。
理樹は何かを察した笑みを浮かべて、ファーストヴァンガードをデッキから取り出し、ファイトテーブルに置く。
「スタンドアップ」
「ザ」
「「ヴァンガード」」
二人ともファーストヴァンガードを表に返す。
「解放者 チアーアップ・トランぺッター」
「封竜 テリークロス」
理樹はチアーアップに、三和はテリークロスにそれぞれライドする。
「ゴールドパラディンか。こいつは油断できないな」
三和は理樹のクランを見て今は来ていない友の姿を思い浮かべる。
「俺の先攻! 封竜 フランネルにライド! テリークロスは後ろに」
三和はフランネルにライドし、その後ろにテリークロスを置く。
現在の手札 三和:4枚 理樹:5枚
現在のダメージ 三和:0 理樹:0
「疾駆の解放者 ヨセフスにライド! チアーアップを後ろに! マロンをコール!」
理樹はヨセフスにライドし、その後ろにチアーアップを置き、右隣にマロンをコールする。
「チアーアップのブーストを受けたヨセフスでアタック!」
「ノーガードだ」
チーアップのブーストを受けたヨセフスのアタックに対して三和はノーガードを宣言する。
「ドライブ・トリガーチェック! ゲット、ドロートリガー! パワーはマロンに一枚ドロー」
「ダメージトリガーチェック! ゲット、ヒールトリガーだ。フランネルにパワー5000」
理樹はドロートリガーを引き当てマロンにパワーを上げてデッキから一枚引き、手札に加える。
それに対して三和は引き当てたヒールトリガーを見ながら、苦笑いを浮かべる。
ダメージ0での序盤ヒール。次のアタックに対してのガードのためのパワーラインは確保できるが、これは痛い。
「おっしゃ、いきなりヒール落ちたぜ」
「馬鹿者、デッキには4枚ヒールがあるのだ。少年が勝ったように喜ぶのは早いぞ」
その光景を見てまるで理樹が勝ったかのように喜ぶ真人を来ヶ谷が冷静に窘める。
確かに、デッキには各自必ずトリガーが16枚入れるようにルールでなっている。そのかで、ヒールトリガーは4枚しか入れられないが、ダメージ回復という点から、基本的にどのファイターも4枚入れていると考えるのが定説である。
そのため、1枚が落ちからと言って、まるで勝ったかのように大はしゃぎするのは、早計である。
「マロンでアタック!」
「シャンブレーでガードだ」
先ほどのトリガーとマロン自身のリアガードがいる時に「解放者」のヴァンガードいれば、パワーをプラス3000という効果で、15000になっている。
それに対して、フランネルもトリガー効果でパワーは12000まで上がっており、そこにシールド5000のシャンブレーが加わることで、攻撃は防ぎれきる。
現在の手札 三和:3 理樹:5
現在のダメージ:三和:1 理樹:0
「封竜 ハンガーヘル・ドラゴンにライド! 封竜 ジャカードをコール」
三和はパワー10000のハンガーヘル・ドラゴンにライドし、さらにその左にジャカードをコールする。
「ハンガーヘルでアタック!」
「ノーガード!」
テリークロスのブーストを受け、15000になったハンガーヘル・ドラゴンの攻撃に対して、ノーガードで受ける。
「ドライブ・トリガーチェック! ゲット、クリティカルトリガー! クリティカルはハンガーヘルに! パワーはジャガードに!」
「ダメージトリガーチェック! トリガーなしです」
三和がクリティカルトリガーを引き当てそれぞれの効果を分割させ、クリティカルをハンガーヘル・ドラゴンに与えることにより、ダメージを上乗せし、さらに次の攻撃を控えている、ジャガードにパワーを与える。
それに対して理樹は2枚ともトリガーはなく2枚のカードがダメージゾーンに落ちる。
「ジャガードでアタック!」
「ガード!」
自身の能力で3000、さらにトリガーの効力で5000、17000まで上がったジャガードの攻撃に対しマロンを1枚、ヨセフスを2枚で攻撃を防ぐ。
現在の手札 三和:4 理樹:3
現在のダメージ 三和:1 理樹:2
「エスクラドにライド! ファロンをコール! マロンを後ろに!」
理樹はエスクラドにライドし、ファロンをコールし、マロンと前後を入れ替える。
「チアーアップのブーストを受けたエスクラドでアタック!」
「ノーガードだ!」
ファロンのアタックに対して、三和ノーガードを宣言する。
「ドライブ・トリガーチェック! トリガーなしです」
「ダメージトリガー! トリガーなしだ」
お互いにトリガーをチェックするが、トリガーは出なかった。
「エスクラドの効果でエスペシャルカウンターブラスト1枚して、デッキの1枚上を見て、ゴールドパラディンなら空いているリアガードサークルにスペリオルコール!」
エスクラドはヴァンガードかリアガードにいる時、自身の攻撃がヒットすれば、エスペシャルカウンターブラスト1枚で、デッキトップを1枚確認することで、それがゴールドパラディンだったら、空いているリアガードサークルに呼ぶことできる。
ちなみにエスペシャルカウンターブラストとは、通常のカウンターブラスト違い特定の指定を受けたカウンターブラストのことを言う。ファロンの場合は解放者とマイ称されているユニットに限定される。
「解放者 バグパイプ・エンジェルをスペリオルコール! さらバグパイプ・エンジェルの効果で、他のユニットに2体にパワー+2000」
バグパイプ・エンジェルはデッキからスペリオルコールされた時に、他のユニット2体にパワー2000上げる効果を持っている。
当然、そのパワーは攻撃していないファロンとマロンに与えられる。
ちなみにスペリオルコールとは、通常のコールとは違う何かしろの能力でユニットを呼びだした時のこと言う。
「マロンのブーストを受けたファロンでアタック!」
「ちっと痛手だけど、ここはノーガードだ」
ファロン自身の効果でパワー+30000、マロンのブーストで7000、さらにバグパイプ・エンジェル効果で2体とも+2000の実質、ファロンに4000プラスした状態の合計、2300に対して三和は次の少しばかり痛手になるが、ダメージ的にまだ余裕もあることからノーガードを宣言する。
「バグパイプでジャガードにアタック!」
最後に残ったバグパイプでジャガードを退却させる。
現在の手札 三和:4 理樹:2
現在のダメージ 三和:3 理樹:2
「封竜 ブロケードにライド! ジャガード、ドラゴンナイト ベルガー、魔竜導師 マコラガをコール!」
三和はブロケードにライドし、さらに左にジャード、ベルガーを右にマコラドをその後ろにコールする。
「ジャードでエスクラドにアタック!」
「ノーガードです」
まず、三和は自身の能力でパワーアップでき、トリガーやブーストを必要のないジャードでアタックする。
手札の数とブロケードの効果により、インターセプトを封じられた理樹はノーガードを宣言する。
「ダメージトリガーチェック! ゲット、ドロートリガー! パワーはヴァンガードに!」
トリガーチェックにより、ドロートリガーにより手札を一枚とパワー+5000を補充することに成功する。
「ブロケードでヴァンガードにアタック!」
「グイディオンとフレアメイン・スタリオンでガード!」
テリークロスのブーストを受けたブロケードの攻撃対して、10000シールドでガードを行う。
これにより、シールドは合計240000まで上がる。
「おっし、これで防ぎきれるな!」
「いや、まだだ。2枚トリガーが出たら貫通だ」
それを見て喜ぶ真人に対して、恭介が戦慄した表情で告げる。
「ツインドライブチェック! 一枚目ゲット、トリガなしー! 二枚目、トリガーなしだ。パワー全部ベルガーに!」
惜しくも三和の攻撃は、トリガーは出ず、貫通はしなかった。
「ベルガーでアタック!」
「ノーガードです」
マコドラのブーストを受けたベルガーの攻撃に対してノーガードで攻撃を防がず、に通す。
「ダメージトリガーチェック! ゲット、スダンドトリガー」
理樹はこの攻撃に対してノーガードを宣言して、攻撃を通す。
その際に落ちたカードはレストしているカードをスタンドさせるスタンドトリガーだった。
こちらは攻撃時に効果を発揮するトリガーであるなので、今回は不発で終わってしまった。
現在の手札 三和:4 理樹:1
現在のダメージ 三和:3 理樹:4
「おい、理樹の奴、ヤバいじゃないか?」
「いや、理樹は何か狙てやがる!」
展開を見て焦る健吾に対して恭介はゆっくりと制止する。
そこには、焦りの表情でなく笑みを浮かべて三和を見据えている理樹の姿があった。
「孤高から仲間を解放せし騎士よ! 気高き翼で今ここに舞い降りろ! ライド! 孤高の解放者 ガンスロッド!」
理樹は手札から勢いよくカードを下してガンスロッドにライドする。
「ガンスロッドか。なるほどね。何となく次の狙いが見えてきたぜ」
ガンスロッドを見て三和を含めたヴァンガード経験者はおよその見当が居ついた。
「なんだ? あのカードはそんなに有名なのか?」
「ガンスロッドはヴァンガードにおいて初期からいるカードでね。ロイヤルパラディンとゴールドパラディンに能力が違うカードが存在しているんだ」
「特に昔あったロイヤルパラディン時代の時は、幻のレアカードであるブラスター・ブレイドと組ませなくなってならかったが、理樹のゴールドパラディンのものは、能力にも凡庸性が出て幅広がっているんだ」
ガンスロッドに反応する周囲に困惑する鈴に小毬と恭介がガンスロッドについて簡単に説明する。
解放者となる前のロイヤルパラディン時代のガンスロッドは、パワー9000と他のグレード3比べると低く、能力も幻のレアカードと呼ばれるブラスター・ブレイドとの組み合わせが前提だったが、今はその制約を受ける必要はなくなっている。
ちなみに櫂達は恭介たちの説明を受けて、今はここにない友の姿を想い浮かべ、苦笑いを浮かべる。
「ファロンでアタック!」
「ノーガードだ!」
自身の効果でパワーアップするおけるファロンの攻撃を三和はノーガード宣言をする。
ダメージトリガーをチェックするがトリガーは出ずにそのままダメージになる。
「次にチアーアップのブーストを受けたガンスロッドでヴァンガードにアタック!」
「ベルガーでエスペシャルインターセプトだ」
エスペシャルインターセプトとはインターセプト能力をもつグレードにだけが持つ能力で、リアガードから、ガーディアンに移動した時のみシールドを10000まで引き上げられるカードである。
ただし、リアガードサークルからの移動なため、手札から使った時は、普通のシールド5000のユニット扱いなので要注意である。
「ツインドライブ! 一枚目、ドロートリガー、二枚目、ドロートリガー! 一枚目はガンスロッドに、二枚目はバグパイプにパワーを!」
理樹は手札を4枚増強させ、パワーをそれぞれのユニットたちに分割してパワーを上げる。
これにより、チアーアップのブーストとトリガーの力により三和のシールドを僅か1000超えたガンスロッドの攻撃は相手に貫通する。
「ダメージトリガーチェック。ゲット、ヒールトリガーだ。パワーはヴァンガードに一枚回復な」
ダメージトリガーでヒールが出たことにより、ダメージをプラスマイナスゼロにする。
「バグパイプでリアガードのジャガードにアタック!」
パワーが足りないことから再びバグパイプはリアガードに攻撃をし、ジャガードを退却させる。
現在の手札 三和:3 理樹:5
現在のダメージ 三和:4 理樹:4
「お互いにダメージ4ですね」
「あぁ、リミットブレイク条件はお互いにそろっているここが正面場だな」
小毬と恭介は理樹と三和のダメージを見て緊迫感から緊張をあらわにする。
確かにお互いのダメージは4、ここからが勝敗を分ける正面場となる。
「封印破りしその時こそ、竜の炎が全てを焼き尽くす! ライド! 炎獄封竜 ブロケード・インフェルノ! さらに、ブレイジングフレア・ドラゴン、連撃のサザーランド、魔竜聖母 ジョカ、マコドラをコール」
ブロケードの真の姿であるブロケード・インフェルノへとクロスライドを行う。
さらに空いているリアガードサークルに封竜とは、名に関しないかげろうのユニットをコールする。
「限界を突き破れ、リミットブレイク! 対する敵を薙ぎ払い、加えて己の力を増す! これがブロケード・インフェルノのヴァニッシング・フィールド・アルティメイタム!」
それと同時に前列にいたファロンとバグパイプが退却させられ、ドロップゾーンに落ちる。
「インターセプトが一気に全滅した!?」
「いや、それだけじゃないぞ」
一気にインターセプトが吹き飛んだことに驚く葉留佳に対して、謙吾が冷静告げる。
「なっ、ヴァンガードとリアガードのパワーが一気に上がった!?」
「あぁ、あれがあの組み合わせ理由だ」
ブロケードとマコラガが+10000、ブレイジングフレアとサザーランドのパワーが+60000される。これにより、三和の手札は全てなくなったが代わりに一気にパワーラインを稼ぎ、相手のガードと戦力を一気に削る。
「まずは、ジョカのブーストを受けたサザーランドアタック!」
「完全ガード!」
パワー260000まで上がったサザーランドの攻撃を完全ガードのマルク防ぐ。
「次はブロケードでアタック!」
「完全ガード!」
パワーが28000まで上がったブロケード・インフェルノの攻撃を再び完全ガードで防ぐ。
「ツインドライブ! 一枚目、トリガーなし。 二枚目、ゲット! クリティカルトリガー! 効果はブレイジングフレアに」
最後に控えたブレイジングフレアに効果を与える。
理樹の手札は残り1枚、インターセプトできるユニットはいない。
まさに背水の陣である。
「こいつでトドメだ! ブレイジングフレア!」
31000までパワーアップし、クリティカル+1されたブレイジングフレアで一気にたたみかける。
ガードするすべのない理樹はノーガードを宣言する。
「ダメージトリガーチェック! 一枚目、二枚目。ゲット、ヒールトリガー!」
「なっ、6点ヒール!?」
6点目のダメージでヒールトリガーを引き当て、理樹はギリギリのところで踏みとどまる。
現在の手札 三和:2 理樹:1
現在のダメージ 三和:4 理樹:5
「理樹の奴、なんとか踏みとどまったが後がないな」
「あぁ、このターンを凌がれたら少年の負けだな」
理樹の手札と場、ダメージを見て恭介と来ヶ谷は鬼気迫った表情する。
「聖獣に選ばれた戦士よ! 窮地に苦しむ仲間達をその苦しみ解放し、勝利へと導け! ブレイクライド! 狼牙の解放者 ガルモール!」
狼の鎧に身を包んだ戦士、ガルモールにブレイクライドする。
ガンスロットのブレイクライドの能力「ブレイキング・シャイニング・ウイング」により、ガルモールにパワー+10000、リアガードに本来なら3体だが、現在はマロンとチーアップしかいないため、2体に+5000上げる。
「チアーアップはソウルに! そして、ガルモールのリミットブレイク! 銀狼の騎士の導きにより、騎士達よ! 戦場に集え! フェロウシップ・サークル!」
理樹はそんなチアーアップソウルインし、ガルモールのリミットブレイクを発動させる。
ガルモールのリミットブレイクは、エスペシャルカウンターブラスト3枚で、デッキの一番上を確認し、それがゴールドパラディンなら、空いているリアガードサークルに呼び出す。
「沈黙の解放者 ギャラティンをスペリオルコール!」
デッキからギャラティンをマロンの前にスペリオルコールする。
さらにガルモールの「フェロウシップ・サークル!」は終わらない。
一度、スペリオルコールさえ成功すれば、ノーコスト同じ効果を連続使用できる。
2枚目にガルモールの後に五月雨の解放者 ブルーノ、3枚目に覚醒の解放者 フリード、4枚目にヨセフスをスペリオルコールする。
さらにヨセフスを能力により、エスペシャルソウルブラスト1枚で1枚ドローする。
「ブルーノか!」
「来たな。解放者のキーカード」
恭介と櫂はスペリオルコールされブルーノを着目する。
ブルーノは、山札からスペリオルコールされた自分以外のユニット数だけパワー+3000となる。
ブルーノより早く戦場に現れたギャラティンは含まれないが、他のユニット3体により、パワーが9000プラスされ、16000まで上がる。
「さらにチアーアップがガルモール力を与える!」
チアーアップはソウルインしたターンにスペリオルコールされたユニット数だけ+3000ヴァンガードに与える。
合計12000のパワーをヴァンガードへ上げる。
「ブルーノのブーストを受けたガルモールでアタック!」
ブレイクライドの+10000、ブルーノのブーストで16000、チアーアップも効果で12000の合計、380000までプラスされ、49000まで膨れ上がったガルモールで理樹は攻撃をしかける。
「だぁ、防ぎきれねぇ」
三和は自分の手札と場にいるカードを見て苦笑いを浮かべる。
「ツインドライブ! 1枚目。ゲット、クリティカルトリガー! 二枚目。ゲット、クティカルトリガー! 全てはヴァンガードに!」
「なぁ、ここに来てさらにダブルクリティカルかよ」
さらに+10000され、クリティカル+2されるガルモールに対して三和は顔を青くする。
もはやダメージトリガーで3点連続が必要だが既に2枚出ている現状カード確立が一気に低くなっている。
「一枚目、ゲット、ヒールトリガー! 二枚目、トリガーなし。三枚目、スタンドトリガー! まいったな。俺の負けだ」
三和は苦笑いを浮かべながら、自分のダメージゾーンにカードを置き、負けを認める。
「おっしゃ、理樹の勝ちだぜ」
「だから、言ったろ? やめておけって」
「あぁ、そうだな」
理樹の勝ちに歓喜する真人を横に恭介の言葉に健吾は静かに頷く。
お互いのファイトを湛えるように理樹と三和はお互いに握手する。
「どうしたのみおちん。ぼーっとして?」
「いえ、なんでもありません」
みんなが理樹の勝利に喜ぶ中、一人ぼんやりしている美魚に葉留佳が声をかけられ、藁に帰る。
「何だったでしょう。さっきのファイト中、ゴールドパラディンが駆け付け気がしたのですが?」
美魚は先ほどのファイトを思い返して、一人首を傾げる。