とある漂流魔王少年と魔法少女【凍結中】   作:ディストピア

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自分の小説がどう思われているのか気になり始めた今日この頃


第七話

自分が引き起こした大規模な魔力爆発の衝撃を利用し距離を取り、歩きながら黄金の盾が有った場所を睨み付ける

 

 

 

 

周りには爆発で吹き飛び上空に舞い上がっていた幾つもの黄金の欠片が……何かの残骸が降り注いでいた────

 

 

 

 

「硬かったが……砕けたか、今のうちに……っと、青の魔導書……対象を捕捉し念話の補助を」

 

横目で自分のデバイスを見て指示を出し捕捉した相手に歩きながら念話を飛ばす────

 

 

 

《オリヴィエ、恐らく泣いてる最中だろうが……聞こえてるか?》

 

《ッ………ゼブルですか、魔獣討伐に出ていたのでは?》

 

粉塵が舞い上がっている場所を見ながらオリヴィエに念話で話す

 

 

《時間が無いから一方的に話す、君の居る場所の近くで起きた魔力爆発は俺の戦いの影響だ、相手の狙いは君だ、聖王女オリヴィエではなく……オリヴィエと言う一人の女、その体を狙ってる……玩具にする為に、女に対してのみ有効な自分の命令に絶対服従させる絶対順守の魔眼を持っている》

 

そこで一旦区切り

 

《それで君を支配してエレミアとクロゼルグに近寄り二人も支配し玩具に変える気だ、性欲を満たす為だけの玩具に……だから援護なんて考えずに、出来るだけ早く離れろ…………君の性格的に一人で居る時だけが泣ける時なのに悪いな》

 

心底申し訳なさそうな顔をしながらも念話を続ける

 

《コイツに出会ってしまったら……動くなと言われただけで全てが終わる、君の悲痛な決意も覚悟も……なにもかも全てを踏みにじり台無しにする、だから行け…………行って1日でも早くこの最悪な戦乱を終わらせろ、そしたら聖王のゆりかごを降りれるかもしれないしな、じゃあな……器用すぎるから、自分の弱さを見せる事が出来ない不器用な同類さん》

 

それだけを告げて念話を切る

 

 

「おのれぇ、よくもこの様な事を……雑種風情が我の宝物で在る神々の盾を砕くなど許しては置けぬ不敬だぞ!」

 

魔力で粉塵を吹き飛ばし憤慨しながら出てくるギルバート自分の前方に在る物を見ながら叫んでいる

 

 

 

ギルバートの視線の先

 

 

 

そこには下半分が地面に埋まったままの状態で上半分が盛大に砕けた巨大な黄金の盾が有った────

 

 

 

そんなギルバートの様子など全く気にせずに─────

 

 

 

背後からギルバートの左肩に左手を置いて───

 

 

「索敵ぐらいちゃんとしような……この慢心ヤロウ」

 

未だそびえ立つ巨大な黄金の盾の残骸目掛けて

 

 

 

盛大に殴り飛ばし叩き付けた

 

「ガァッ」

 

ドゴォ!!と言う盛大な音が周囲に鳴り響き、自分の盾に叩き付けられ苦痛の声を上げる

 

「追撃……行くぞ、ハアァァァァ!!」

 

両手で殴り秒間八発近い拳撃を叩き込み打撃音が鳴り響き続ける

 

 

「ギッ……ガァッ………グッ…………」

 

拳を叩き込まれる度に鎧が砕け、骨が折れ、骨が砕け

、折れた骨が肉を突き破り、内臓が幾つか潰れ、悲鳴にすら成らない声が漏れる

 

 

巨大な盾と言う壁に打ち付けられ殴られ続ける姿はまさにサンドバッグ

 

 

 

不意にギルバートの首を左手で掴み後方に向かって全力投球

 

 

そして投げたギルバートに向かって疾走し───

 

 

 

 

ギルバートを左手で掴んで無理矢理止め、疾走した勢いのまま踏み込む

 

 

 

大地から足先へ、下半身から上半身へ螺旋を描いて力を伝える、その動作から放たれる技の名は──

 

「覇王……断空拳!!」

 

全力で腹部に叩き込んだ覇王の技は、打ち込まれた衝撃だけで鎧の背面部すらも砕き、ギルバートの体を容易く1㎞以上殴り飛ばした

 

 

 

「所詮真似事だが中々の物だな、さて………息の根を止めに行くか、少し遠くに飛ばしすぎたな」

 

言いながら走って追いかけるゼブル

 

 

 

 

 

倒れ付したギルバートの体は所々が怪しく蠢き修復されていった、ただし………壊れた骨や間接を力任せに元の形に戻しただけで、その姿は不気味の一言で言い表す事が出来る程に……異常だった

 

 

 

 

ゼブルがその場に辿り着いた時、ギルバートは激情を露にしながらも立っていた

 

「雑種が……もはや許さん、今の我ではまだ真の力を発揮出来ぬが…………全力で滅ぼしてくれる!!」

 

その右手には黄金の柄が握られ円柱を三つ繋げた様な不思議な形状の剣が有り

 

 

突きを放つ体制で構えられた剣の円柱が回転し出す

 

 

それを見てエクスカリバーに換装し構えながらも問う

 

「貴様……その体、壊れた部分に魔獣を移植して強化し、無理矢理動かしているのか」

 

その言葉を想定するようにギルバートの体は人の形はしては居るが様々な生物が入り交じった異形の体だった

 

 

「貴様を葬った後に再調整すれば良いだけだ、乖離剣エアの力を食らい知り、消え失せろ」

 

エアと呼ばれた剣から発せられる爆風のごとき魔力と尋常ならざる圧力を感じて慌ててエクスカリバーに魔力を込める

 

「青の魔導書・ブレイブルー全機能完全稼働、近付いて仕留めようにも間に合わない、あの距離で構えた以上は恐らく砲撃……避けれる気がしない以上は撃ち勝つしかない」

 

ゼブルの後方に浮いている青の魔導書に付いてる銀色の剣十字の中心部に嵌め込まれた赤い宝玉が光る

 

 

 

「消え去れ雑種!、天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

放たれた赤い爆風のごとき魔力の渦があらゆる物を消し飛ばしながら突き進む

 

「全力全壊、エクスカリバーーー!!」

 

全力で莫大な魔力を注ぎ込んで純白の極光を刺突で撃ち放つ─────

 

 

「フハハハハハ、どうした?、その程度か……雑種!!」

 

純白の極光は赤い爆風のごとき渦に弾かれながら押され徐々にゼブルに迫っていた

 

 

左手に普段使っている無骨な大剣が握られる

 

「打ち負ける…………なら、もう一発だぁ!!」

 

左手に握られた剣にも莫大な魔力が込められ

 

 

突き出された左手に握られた剣からも純白の極光が放たれ

 

 

 

赤い爆風の渦を押し返し始めた

 

「ふざけるなよ雑種!!」

 

叫ぶと同時更に魔力が込められ両者の間で赤い爆風の渦と純白の極光が均衡する

 

 

「馬鹿な……雑種ごときの攻撃が、我が全力で放ったエアと互角だと……ありえん、そんな事は有り得ない…………我が憧れたギルガメッシュの乖離剣は最強なんだ!!」

 

目の前の光景が信じられず、受け入れられなくて困惑しながら叫ぶギルバート

 

 

 

 

全身から感じる軋みとひび割れていく左手の剣を無視して笑いながら喋るゼブル

 

「そう……全力なんだ、ならもう少し頑張って…………限界を越えようか」

 

言い終わると深呼吸をして息を整え、右足に魔力を纏わせながら全力で左足を地面に叩き付け───

 

 

 

 

同時に莫大な魔力を纏った右足が霞む程の速度で振り上げられ

 

 

 

 

 

純白の極光が更に放たれた

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

ゼブルが仲間と共に造り上げたデバイス

 

『青の魔導書・ブレイブルー』はリンカー・コアからの魔力蒐集だけでなく、主の流し込んだ魔力、周りの空間から掻き集めて集束させた魔力すら吸収し蓄積する一種の魔力貯蔵庫……ゼブル曰く外付けバッテリー

 

その真価は主がどれだけ魔力を使おうとその内に在る魔力を即座に主に還元し回復させる事、それにより蓄積した魔力を使いきる迄の間、主は常に魔力全開状態で戦える、完全に起動させれば周辺空間の魔力を無尽蔵に掻き集めて吸収し蓄積しては主に還元し続ける事になる

 

 

 

 

ゼブルの『エクスカリバーと言う魔法』は切りや刺突等の斬撃により生じた剣圧に魔力を混ぜ混み魔力刃として飛ばし、魔力砲撃で後ろから押して突き進ませる、ただそれだけの魔法…………当然込めた魔力が多ければ威力は上がるが

 

 

 

 

『ソニックステップ』、それは魔力抜きでは地面を踏み込んだ時に生じる衝撃、反発力を利用して移動する技術

 

 

軸足を踏み込んだ時の地面からの反発力に乗り、その次の瞬間にもう片方の足で地面を全力で後方に蹴り抜く事で、『二重の加速』をして初速で最大速以上の速度を『瞬間的に出す』刹那の狂いも許されない高等技巧

 

 

 

 

 

 

魔力込みでは身体強化した上で、それに加えて足の裏から放出した少量の魔力を爆発させる事で、それにより生じた衝撃にすら乗る事で更に加速させる、一連の動作を刹那の狂い無く連続して行い『三重の加速をする』、それにより初速は『音速の壁すら容易く突き抜ける』キチガイの領域に達した超絶技巧

 

 

 

 

それを用いて加速させて振り上げられた足……足刀によって発生した『斬撃』

 

 

 

 

己の体の限界すら無視して撃ち出される『足刀で放たれた三発目のエクスカリバー』

 

 

 

 

全力で放たれた三重の『自分の全魔力』を込めた三連発のエクスカリバー

 

 

青の魔導書・ブレイブルーの特性がなければ出来る筈がない、矛盾した反則攻撃

 

 

 

それはギルバートが全力で放った天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)すらも撃ち抜いた────

 

 

 

「こんな事が……起こる筈が、バカなぁぁぁぁぁ」

 

威力の大半を殺されたエクスカリバーに飲まれ吹き飛ばされるギルバート

 

 

 

左手に在る刀身が砕け散った剣を放り捨て、エクスカリバーを両手で持ち全力で魔力を纏わせ、全力のソニックステップで加速し────

 

 

 

「覇ァァァァァ」

 

途中でエアと呼ばれた剣を粉砕し、今も純白の魔力に飲まれ吹き飛ばされ続けているギルバートに追い付き剣で貫いた────

 

 

 

「アァァァァァ」

 

ギルバートを剣に纏わせた魔力でその体を更に削りながら更に加速し近くに有った林に在る数十本の木をへし折りながら突き進みギルバートを大木に磔にしてようやく止まった

 

 

「こんな……馬鹿な……事が、ある筈が……」

 

現実を受け入れられず剣で貫かれ木に磔にされながら呆然と呟く

 

「…………まだだ、まだ我にはデバイスが有る、我のデバイスで殺してやる」

 

そう言って紐で首から下げられている青い石を取ろうと手を伸ばし

 

 

 

正面から伸びた左手に紐を引き千切りながら奪われる

 

 

 

「どんなデバイスか知らないけどこんな状態で使わせる訳が無いだろ、今迄使おうとする様子すら見せなかったんだ、切り札らしき物の使用を邪魔するのは当然だろ」

 

呆れながら言うゼブル

 

〈祈祷型デバイスである私の基本形態すらも決めず、王の財宝とやらから出した武具だけで戦い、ただの一度も起動すらさせず喋る事すら禁じていた私に今更頼るなど……恥を知りなさい〉

 

ゼブルの左手の中からそんな声が響いた

 

「最悪の主だな…………俺の所に来るか?、場合によっては可愛い女の子が主になる可能性も有るぞ、あの子が成らなかったら青の魔導書と併用して俺が使うし」

 

左手に乗っているデバイスの待機状態である青い石を勧誘するゼブル

 

〈それは今から楽しみになる誘いですね……その誘いを受けましょう、今の私には名すら有りませんので主候補の子に付けて貰いましょう♪〉

 

迷う事無く受ける名も無きデバイス、かなり楽しげにしている

 

 

 

ギルバートはそれを見て絶句している

 

「名前も着けてないって…………最低だな、お前の様な奴なら心も痛まん……魔力の補充をさせてもらう」

 

青の魔導書がギルバートに近寄ると眼も眩む程の……自己主張の激しい黄金のリンカー・コアが胸から出現する

 

〈蒐集開始〉

 

何処か渋い感じのする声が響き黄金のリンカー・コアから魔力を奪い始めた

 

「グッ…………ガァァァァィァ」

 

目を見開き叫ぶギルバート

 

 

それを完全に無視して呟くゼブル

 

「リンカー・コア迄黄金って……どんだけ金が好きなんだよ、って……なんだ?」

 

黄金のリンカー・コアから分離するように黒い光と金色の光が現れ青の魔導書に吸収される

 

 

「ブレイブルー……今吸収したのは何なんだ?」

 

〈【王の財宝】【魔獣創造】と新たに記載された、無形の……魔力の塊で構成されてるがゆえに、その能力を宿した魔道具が吸収され、その能力が自分に付与されたものと思われる〉

 

青の魔導書・ブレイブルーの人格が話した予想外すぎる内容に思わず固まるゼブル

 

「まあ……………良いか、問題は無いんだな」

 

〈異常無し、蒐集完了〉

 

言い終わると同時蒐集が終わり本が閉じられる

 

 

 

ギルバートはまだ辛うじて生きては居るが

 

「じゃあな、サヨナラだ」

 

〈これでお別れですね、最低な元主〉

 

 

ギルバートの腹部に刺している剣を一気に振り上げ、腰から上を真っ二つに大木もろとも切り裂いた

 

 

 

「終了っと、さてと………かえ……る………か」

 

何かに驚き言葉を失うゼブル

 

 

 

その周りに『何時も道理の』黒い渦が発生していた

 

「ちょっ………待て、止まれ……俺はまだやる事が……」

 

黒い渦の展開が少し遅くなるが…………今も渦巻き覆おうと広がっている

 

 

「遅くは成ったが……止まらない、ブレイブルー……クラウスに念話を繋げ」

慌てて半ば怒鳴りながら指示を出す

 

〈捕捉完了〉

 

 

 

《クラウス……聞こえて居ると前提して話す》

 

そこで一旦区切り

 

《悪い事は重なる物だな、魔獣被害が増大した元凶は始末した……これ以上は新たに造られない限り魔獣が急に増える事はない、ただし繁殖するかもしれないから気を付けろ》

 

 

そこまで伝えた後、言いにくそうに続きを伝える

 

 

黒い渦はもう頭まで覆い始めていた

 

《悪いな、俺はこの世界から消える、異界漂流の移動が始まった……もう止まらない、こんな時に俺まで居なくなって……本当にすまない、サヨナラだ……クラウス》

 

 

そこまで伝えた所で完全に黒い渦に飲まれ

 

 

 

 

 

黒い渦は収縮して消え去った

 

 

これによりゼブル・グランディアと青の魔導書・ブレイブルーは古代ベルカ時代と呼ばれる時から消え去った

 

 

 

 

 

 

 

シュトゥラの何処かで憎しみと呪いを含んだ慟哭が暫くの間…………響き続けた




青の魔導書・ブレイブルーの管制人格は基本無口、道具である自分は主人に地獄の底まで黙って付いていく……的な性格なので話し掛けられない限り喋らない、話しても余り喋らない、造った者達は何でこんな性格に成ったのかと不思議がっている
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