とある漂流魔王少年と魔法少女【凍結中】   作:ディストピア

24 / 29
書き上げるのにかなりの時間がかかった、何時出来るか分からない程に悩んだから一時凍結までしたし


悩んだ結果過去最長です


10時に予約投稿


第二十一話

三学期の終業式の三日後

 

 

 

 

麻帆良のとある店にて特大ジャンボパフェDXを15分以内に完食したら3万円というイベントが行われていた

 

 

 

 

そしてその店に大勢の人が押し寄せていた

 

 

 

しかし…………店が繁盛しているのでは無い、それに挑戦している一人の猛者を見に来ているのだ

 

 

 

「スゲェ」「特大ってのは伊達じゃないな」「あんな量を食べて体重計が怖くないの?」「あんな小さな体の何処に収まっているんだ?」「アレって…………2杯目だよな、何で入るんだ?」

 

物凄い勢いで口の中に消えていくパフェを見ながら群衆が驚きを露にし何かしらの言葉を口にする

 

 

「完食、そして再々々挑戦がしたい、無理なら同じサイズの物を代金を払うからもう一杯」

 

通常の6倍は有る特大サイズのパフェの2杯目を食べ切った直後に3杯目を食べさせろと催促する、そんな無茶な事を言い出す合計6万を入手した緑髪の人物、それを呆れた様に見ている同席して居る金髪少女

 

 

 

結局3杯目の挑戦は店が勘弁してくれと頼み込んで無くなった為に普通に代金を払い特大ジャンボパフェDXを食べるだけになった

 

 

 

その為か集まっていた群衆は居なくなった、それを待っていたのか色黒の女性が近づき声を掛ける

 

 

「相席させて貰うよ、1つ聞いて良いかい、エヴァンジェリン…………彼は何でこんなに不機嫌なんだ?」

 

餡蜜を頼んだ後に冷や汗を流しながら金髪の少女……エヴァンジェリンに尋ねる龍宮真名

 

 

「テスト前にコイツが『半殺し』にした奴が居ただろ、そいつが原因だよ」

 

素っ気なく、けれど僅かながらに怒気を滲ませながら言うエヴァンジェリン

 

 

「監視カメラの映像じゃ無理矢理手を合わせた後に無事な左手を顎に当てたら放電の様な現象が起きて、下顎の骨が刃に変化し舌を切り裂きそのまま脳まで貫いて自殺した奴の事かい?」

 

そう言う龍宮真名、それにエヴァンジェリンは無言で頷く

 

 

「それを気に病んでのヤケ食いなのか?、そんな性格ならあんな状態には出来ないと思うんだがね」

 

そう言う龍宮真名にゼブルは無言でポケットから血の様に紅い石を取り出し見せる

 

 

「龍宮真名、君の左目の魔眼にはこの石がどんな感じに見える、正直に言ってくれ」

 

不機嫌そうにそう言うゼブル、それを聞き左目の魔眼で見た直後立ち上がる程に驚く龍宮真名

 

 

「やっぱり君の目はこの石がどんな存在なのか…………見ただけで分かるみたいだな」

 

少し悲しげに言うゼブル

 

 

「コレは何だ、何故こんな物を持っている」

 

見て酷く気分を悪くしたのかかなり不機嫌になりながら尋ねる龍宮真名

 

 

「あの外道、サイファー・クロニクルが持っていたんだよ、奴の目的が目的だったから気になって解析したんだよ、その結果が昨日分かって…………今こうしてヤケ食いしてる、目的からこの石がどんな物なのか予想はしていた…………その材料も、外れていて欲しかったけど…………予想通りの解析結果だったんだよ、学園長にも既に報告してる…………こんな魔石が存在し造り出す技術が有る事を嘆いていたよ」

 

造り出す為の『材料』に使われた数千の命を思い、かなり悲しげに…………怒りを抑えながら言うゼブル

 

 

「外法や邪法の類いは私自身が材料に狙われた事も有るからある程度は知っていたが、コレは知らなかったが…………ダントツで最悪の邪法だ」

 

そう凄く不機嫌に吐き捨てる様に言うエヴァンジェリン

 

 

「死者の魂の結晶体だと思ったんだけど…………違うみたいだね」

 

その二人の様子から自分が少し勘違いしている事に気付く龍宮真名

 

 

「魂の結晶体ってのは合っている、ただし…………生きている生物から魂を無理矢理に摘出し、凝縮し結晶化させて、魂を純粋なエネルギー源として利用し莫大な魔力を得る物、奴はこの力で最上位の幻想種に自分を作り替え、不死に近い存在になり強大な力で全てを支配するのが目的だったんだよ、目的通りの存在になるのに数千万の魂が必要とか言って、あの日は麻帆良に住む全ての生物の魂を求めていた…………麻帆良の住人をこの石の材料にする気だった、最終的には既に60億を軽く越える人類の大半を石の材料にして力に変えて取り込み吸収して、異世界に進行する気だったみたいだよ」

 

サイファーの目的などを含め詳しい説明をした後に、憎悪に染まった瞳で両手を潰すべきだったか等と呟き始めるゼブル

 

 

「成る程、そんな事を考え実行しようとしていた本当の外道だったか、最近は『半殺し』を知って君の残虐性が凄く高いと刹那が更に過剰警戒していたからね、中々に居心地が悪かったよ」

 

あの『半殺し』が適切…………いや、まだ生温い程の外道だったと理解し納得しながら刹那の状態を告げる龍宮真名

 

 

「1分1秒でも長く苦しめる為の半殺しだったのに、自殺でさっさと死んで楽になるなんて最後までふざけたクズだよ…………本当に、それと…………お嬢様大好き娘の過剰警戒で迷惑をかけたみたいだな、龍宮真名…………今回の餡蜜は奢るよ、リーア嬢にも何か送るべきかな…………だけど今送るには表だっての理由が無いしな、諦めて貰うか」

 

半殺しを実行した理由を告げた後に申し訳なさそうにしながら餡蜜を奢ると言うゼブル

 

 

 

同じ被害を受けているリーア・スプリングフィールドは理由が作れない為に気にしない事にしたゼブル

 

 

 

「助かるよ、催促したみたいで悪いね、ご馳走になるよ」

 

遠回しに催促していた様なものだが感謝の言葉を送る龍宮真名

 

 

4月6日(日)

 

 

 

「ねぇ…………ゼブル、何ではぐれメタルとスライムがエヴァちゃんの家に居るの?」

 

信じられない物を見た…………的な表情で尋ねるアスナ

 

 

「俺の偽・魔獣創造を昔に比べてかなり改良したんだけど、エヴァさんがコイツを作れるか?って尋ねてきて愛玩用にスライムが誕生、その後にチャチャゼロにはぐれメタルを創造しろと言われチャチャゼロの乗り物としてはぐれメタルが誕生したよ」

 

スライムとはぐれメタルが誕生しエヴァンジェリン宅に居る理由を説明するゼブル

 

 

「魔法球の1つがある意味モンスター牧場…………或いはモンスターパーク状態に成ってる、今はチャチャゼロが大きめのスライムに乗ってリアルにスライムナイト状態を楽しんでる、敵役に新たにバトルレックスを創造させられた…………創造させられ過ぎて魔力を使い果たして数回程倒れたなぁ~」

 

少し遠い目をしながら乾いた笑いを浮かべるゼブル

 

 

「それは…………楽しんでるでしょうね、それに私も少し見てみたいんだけど…………そのモンスター牧場」

 

ゼブルを気の毒そうに見ながら、楽しげに笑いながらバトルレックスと戦うチャチャゼロを想像し、やってそうだな~と思いつつ少し照れながらモンスター牧場状態の魔法球を自分も見たいと言うアスナ

 

 

「見たいんなら別に構わんぞ、新しく造ったからな、見た目的にも分かりやすいぞ、ゼブル……中の案内はしてやれ…………私も後で入るがな」

 

スライムにビスケットを食べさせようとしている茶々丸を眺めながら許可を出すエヴァンジェリン

 

 

 

 

そして各種ダイオラマ魔法球が置かれている部屋に着く

 

 

「新しく造られた魔法球ってコレね、確かに分かりやすいわね…………置いてる土台にドラゴンクエストって刻まれてるし」

 

それを見て苦笑いのアスナ

 

 

 

 

そして魔法球の中に入る2人

 

 

「……………………凄いわね、コレは確かにモンスターパークとも言えるし牧場とも言えるわね」

 

多種多様なモンスター達が好きな様にのんびり過ごしている光景に驚き、暫く言葉を失っていたアスナ

 

 

「一般的なのだけじゃなくて魔王級も居るぞ…………流石に見た目だけだがな、それなりには強いけど、唯一…………ダークドレアムだけは本気で創造させられて1回で魔力を使い果たしたがな、その甲斐も有って強化無しでも全力の咸卦法状態のタカミチ級の強さで誕生したがな、その時は何故かガトウとタカミチも加わり4人に囲まれて脅されたからなぁ…………全身全霊全力で創造したよ」

 

その時の事を思い出したのか微妙にカタカタ震えてるゼブル

 

 

 

「お父さんとタカミチまで一緒に何をやってるのよ」

 

頭痛を堪えるように頭を押さえるアスナ

 

 

「流石にガトウをお父さんと呼ぶのが完全に定着したね~~アスナ♪」

 

アスナがガトウをお父さんと呼ぶのを楽しげに言うゼブル

 

 

「昔の事を理由にからかうの止めて、お父さんのタバコの匂いが嫌いだとか昔は言っときながら今は好きだけど…………恥ずかしいから止めてーー!!」

 

クールな感じが崩れて慌てながらゼブルの肩を掴んで激しく揺さぶるアスナ

 

 

5分くらいしてようやく落ち着いたアスナはキラーパンサーに乗って走り回ったり、ラーミアに乗って飛び回ったりと楽しんでいた

 

 

 

 

宣言通りエヴァンジェリンも暫くしてから入ってきてモンスターを眺めて楽しんでいた、途中からマスタードラゴンに乗って飛び回ったりと楽しんでいた

 

 

 

 

何故か途中からラーミアVSマスタードラゴンなレースをアスナとエヴァンジェリンが騎乗した状態で繰り広げたりもしていたが

 

 

 

ちなみにチャチャゼロのお気に入りはデュラン等の基本的に人に近い姿の強いモンスター

 

 

茶々丸は猫系モンスター

 

 

エヴァンジェリンは魔王系と上位のドラゴン系

 

 

ゼブルはドラゴン系と可愛い系全般

 

 

アスナはキラーパンサーとラーミアが気に入った様子

 

 

4月8日(火)の桜通りの午前4時頃

 

 

 

「噂などの事前準備は万端、後は最後の仕上げをすれば準備完了、俺達の思惑通りに全力で踊ってくれよ、ナギとアリカの子供達…………英雄の子よ」

 

そう言って自分の首筋に人差し指を向けるゼブル

 

 

 

「呪いは専門外だけどこんな程度の初歩の術なら普通に使える、病状を悪化させる呪い…………『ガンド』」

 

指先から放たれた黒い塊は首に当たるとそのまま染み込む様に消えた

 

 

「風邪じゃなくて酷い立ち眩みや酷い貧血の症状にしたが…………流石にキツいな」

 

そう言って桜の木に凭れるように倒れ込むゼブル

 

 

「細工をした後にもう一発撃ち込んで意識を狩り取るとするか」

 

自分が意識を失うと発動するように設定した魔力を丸一日完全封印する術を発動させ、ゼブルは今度は額にガンドを撃ち込み、そのまま気絶した

 

 

 

 

 

そして意識が目覚めた時

 

 

「少しだけど魔力の気配を感じる、僕とリーア以外の魔法使いが居るのか、けど……何でこんな事を」

 

そう呟き考え込むネギの声が聞こえた

 

 

(この匂いは消毒液…………なら此処は保健室か、それにネギ坊主が思惑通り魔力の気配に気付いて考え込んでるな、リーア嬢の気配が無いのは残念だが…………片方釣れたから良しとするか)

 

寝たふりをしたまま状況を匂いと気配で把握し、ネギの呟きを聞き内心で笑うゼブル

 

 

 

 

 

 

その日の夜、4月8日の桜通りにて

 

 

「ちょうど良い、貴様の血を貰おうか」

 

ニヤリと笑いながら言う小柄な影

 

 

「ヒッ…………あぁ、キャァァァァーー」

 

それに怯え悲鳴を上げて腰まで有る黒髪を靡かせながら振り返り逃げようとする少女

 

 

「フフッ、そら…………捕まえた」

 

楽しげに笑いながら少女の腕を掴む人影

 

 

「あっ…………」

 

恐怖が限界を越えたのか糸が切れたかの様に倒れ伏す少女

 

 

「気絶したか、まあ良い…………血を貰うとするか」

 

そう言って少女の首元に噛み付こうとする人影

 

 

「待てーー、その人を離せーー!!」

 

そう叫びながら近寄ってくる子供、ネギ・スプリングフィールド

 

 

それを見て人影と血を吸われかけている少女の口元が何故かニヤリと歪む

 

 

「チッ、見付かったか」

 

そう言って少女から離れる人影、少女は髪で顔が隠れるように地面に倒れ込む

 

 

 

その後はネギがエヴァンジェリンと向かい合って居る時にアスナと近衛木乃香が現れ、エヴァンジェリンは逃走しネギは追い掛けて行った

 

 

 

ネギがエヴァンジェリンを追い掛けた後にアスナと木乃香の後ろからリーアが凄い勢いで現れ、そのままネギを追い掛けていき、それを見たアスナは頭を押さえながら溜め息をつき、ネギとリーアの2人を追い掛けて行った

 

 

「ネギ君だけやのうてリーアちゃんとアスナまで行ってもうた、それにしてもこの子何年生やろか?」

 

3人が向かった方角を見ながら呟き、少女を覗き込む様に見ながら呟く木乃香

 

 

 

すると少女は突然起き上がり木乃香の肩を掴み、無理矢理に眼を合わせ

 

 

「ネギとリーアのスプリングフィールド兄妹とアスナは問題無い、貴女は寮に帰り自分の日課と必要な事をした後に早く寝なさい」

 

少女がそう言うと木乃香は

 

 

「そやな~、ウチは寮に帰ってお風呂に入って、明日の朝御飯の下拵えをした後に寝よか~」

 

そう言って少しふらつきながらも1人で寮に帰る木乃香

 

 

木乃香が視界から消えると

 

 

 

「貴様、お嬢様に何をした!!」

 

突然桜咲刹那が現れ少女に刃を向ける

 

 

「夕凪か…………刀を簡単に人に向けるな、近衛木乃香にはネギ坊主とリーア嬢とアスナは問題無いから日課と必要な事をした後に早く寝ろと暗示を掛けただけだよ桜咲刹那」

 

夕凪の刀身を左手の親指と人指し指で挟んだ状態で言い、立ち上がる少女

 

 

「新入生に紛れた賊か!!」

 

夕凪がピクリともしない事に驚きながらも問う桜咲刹那

 

 

 

 

そして少女は自分の髪を右手で掴み…………取り外した

 

 

 

「はぁ?」

 

それに驚き言葉を無くしている桜咲刹那を無視して夕凪を離し、スカートを降ろし下に履いていた短パン状態になり、制服を脱いでTシャツ姿になり自分の影から取り出した上着を着る

 

 

「少女の正体はゼブル・グランディアでした…………ってね♪、案外気付かないものだね、お前も学園長に呼ばれているだろ、早く行かないと遅れるぞ」

 

そう言って学園長室に向かって歩き出すゼブル

 

 

「良い機会だ、貴様は何を考えお嬢様に近付いた…………答えろ!!」

 

夕凪は鞘に納めながらも今にも斬りかねない雰囲気で問い掛ける桜咲刹那

 

 

「別に何も、条件を満たせば彼女以上の魔力を出せるから魔力量を理由に狙う必要はない、そもそも同じ小学校で出会いはアスナの紹介だ、それに極僅かな親しい知り合いの青山詠春の…………今は近衛か、詠春の娘に何で危害を加える必要がある」

 

明らかに呆れた様子で説明するゼブル

 

 

「は?…………長の知り合い?」

 

先程から何故かよく固まる桜咲刹那

 

 

「詠春とは…………10年近い付き合いだ、俺の保護責任者は高畑・T・タカミチ、俺を保護したのは近衛詠春を含めた紅き翼だよ、ついでに去年も会って近衛木乃香の写真と手紙を渡してる…………正確にはエヴァさんが麻帆良の外に出れるようになってから毎年夏休みに京都に一緒に行ってるからついでに詠春に会ってる、学園長も近衛木乃香もその事を知ってるぞ」

 

桜咲刹那にとって衝撃的すぎる事実をあっさり言うゼブル

 

 

 

「えっ…………えぇ?、あの…………長との関係は…………一体」

 

恐る恐る尋ねる桜咲刹那

 

 

「詠春の事だから親指をグッと立てて、マブダチです…………とか言いそうだな、この数年は近衛木乃香の許可を取って写真も渡してるし、麻帆良の外に居る数少ない親しい知り合いだよ、俺には親兄弟に親戚等の一族と言った血縁者がこの世の何処にも、ただの1人も存在して居ない完全無欠に天涯孤独の身だからな、知り合いは麻帆良の中と詠春に消息不明の筋肉達磨だけしか居ないんだよ」

 

かなり重い事の筈なのに軽く笑いながら言うゼブルに桜咲刹那は再び言葉を失う

 

 

学園長室

 

 

「桜咲刹那君、葛葉刀子君、神鳴流の君達2人に来て貰ったのは1つ確認したい事が有るからじゃ」

 

椅子に座ったまま桜咲刹那と葛葉刀子の2人と対面して話を始める近衛近右衛門、ゼブルは近右衛門側に立っている

 

 

「確認したい事…………ですか?」

 

首を傾げる葛葉刀子

 

 

「そうじゃ、ゼブル君…………あの石を2人に見せてくれんか」

 

そう言ってゼブルの方を見る近衛近右衛門

 

 

「了解、2人共……コレを見てください」

 

そう言って桜咲刹那と葛葉刀子の2人に見えるように血の様に紅い石を見せるゼブル

 

 

「その石が一体何なのですか?」

 

そう尋ねる葛葉刀子

 

「まるで血の塊の様に紅いですね」

 

そう呟く桜咲刹那

 

 

「コレは以前俺が捕縛した…………いや、『半殺し』にしたと言った方が分かりやすいか、サイファー・クロニクルが持っていた物、解析の結果…………近衛木乃香50人分を軽く越える魔力が内包された結晶体であると判明した」

 

石の解析結果を一部だけ先に伝えるゼブル

 

 

「お嬢様50人分を軽く越える魔力の結晶体ですか…………流石に信じられませんよ」

 

驚きながらそう言う桜咲刹那、葛葉刀子も同じ考えなのか頷いている

 

 

「確かにコレだけを聞けば信じれぬじゃろうな、だが…………詳しい説明を聞けば嫌でも理解できる事なんじゃよ」

 

この情報だけを聞いた2人の反応は完全に予想通りで自分も同じ事を考える事だから同意するように頷き、ゼブルに続きを詳しく話すように合図を出す近衛近右衛門

 

 

「解析の結果この石の材料は…………魂です、死んだ直後の人の魂を、生きている人の魂を無理矢理に肉体から引き剥がして凝縮、魂を一種のエネルギー源として捉え、内包された魂を魔力に変換し莫大な魔力を得る、この石はそんな邪法を用いて造り出された魔石と呼ぶのすら生温い、数千人分の人の魂の結晶です」

 

石の詳しい解析の結果を伝えるゼブル、あまりの内容に桜咲刹那と葛葉刀子の2人は言葉を失っている

 

 

「そしてサイファー・クロニクルの麻帆良侵攻の目的は石の材料集め、麻帆良の住人全員の魂を肉体から摘出し凝縮し石を生成する事、詳しい手段は本人が自殺した為に不明ですが…………彼は自分を電子ハッカーではなく霊子ハッカーで他者の脳に、魂に直接干渉し情報を引き出し自分の物とする業を持っていると自慢気に言っていた、そして自身を魔法使いでもなく陰陽師でもない、真理に触れた錬金術師と自称していたから特殊な術を持っていても不思議ではない」

 

サイファー・クロニクルの目的にも触れると桜咲刹那の顔が青くなる、葛葉刀子の顔色も悪い

 

 

「最悪を想定すると麻帆良を守る為に展開されている学園結界をハッキングして乗っとり、学園結界を逆利用して魂を抜き取る為の術を発動させる為の陣として利用して麻帆良の住人全員の魂を抜き取る事すら可能だったかもしれない、そう考えると学園結界に到達して時間を与えると全滅していた可能性すら有り得た、奴の最終目標は数千万の人の魂を魔力に変換、最上位の幻想種すら越えた魔人に自身を転生させ力で世界を支配する事、その過程で殺した人の魂すら吸収して自分の糧として再利用し既に60億すら軽く越えた人類の大半を吸収し力に変えて異世界を侵略支配、または破壊し楽しむ事…………力に溺れ陶酔した感じで自分でそんな事を言っていた」

 

考えられる最悪の事態、そしてサイファー・クロニクルの最終目標までを聞かされ2人は完全に言葉を失っている

 

 

 

2分程で再起動した葛葉刀子が問い掛ける

 

「あの者がどんな技術を持っていたのか分からない以上、その最悪は現実となり得た事は理解しました、しかし…………異世界を侵略と言うのは魔法世界の事を言っているのではなく完全な別世界の事ですよね、流石にそれは現実味が無いのですが…………」

 

そう疑問を口にするが

 

 

「奴の言う真理、それが世界の過去と現在と未来の全てを記録していると言うアカシックレコードだった場合は…………有り得る可能性ですよ」

 

ゼブルのその言葉に否定される

 

 

「それに、余り知る人が居ないから口外はしないで欲しいが…………異世界人と言うか平行世界の住人ならばそこに居るからのぉ」

 

そう言って近衛近右衛門はゼブルを見る

 

 

「どうも、麻帆良が存在せず魔法も完全に滅び魔法世界も存在しない可能性世界から流れ着いた異邦人、ゼブル・グランディアです」

 

頭を下げてそんな感じの自己紹介やり始めるゼブル

 

 

「「はあっ?」」

 

声を合わせて驚く桜咲刹那と葛葉刀子

 

 

「などと言えば信じますか?」

 

ニヤリと笑いながらそう言うゼブル

 

 

「何だ…………学園長の何時もの冗談ですか」

 

そう言って溜め息をつく葛葉刀子

 

「冗談…………冗談ですよね」

 

完全無欠に天涯孤独の身の上と先程聞いている桜咲刹那は自分に言い聞かせるように冗談だと呟いている

 

 

 

「それでじゃ、2人に聞きたいのはこの石の中に存在する魂を破壊せず、消滅させずに解放する手段が神鳴流の技に在るかの確認じゃ」

 

漸く本題に入る近衛近右衛門

 

 

「神鳴流は人を護り、魔を狩る退魔の剣ですが…………それは難しい、いえ…………無理かと思います」

 

そう力無く言う葛葉刀子

 

 

「斬魔剣は魔に属する者を斬るのに特化してますし、魂を解放するのは神鳴流の技では無理かと…………」

 

そう言う桜咲刹那

 

 

「取り憑いた悪霊や狐憑きや悪魔憑きの憑依し取り憑いた存在だけを切り伏せる、斬る『モノ』を選ばすに斬りたいモノだけを斬る神鳴流の真骨頂の斬魔剣・弐の太刀が一番可能性が高いと思ったが…………使い手が居ないか、魂と石の繋がりだけを切れば解放できるかと思うんだけどなぁ、石を破壊したら魂まで砕きかねないし」

 

顎に手を当てながらそう口にするゼブル

 

 

「ワシの方で魂の解放が出来る者が居ないか探したいからその石…………いや、その者達はワシが預かるぞい」

 

近衛近右衛門のその言葉にゼブルは頷き、紅い石を渡す

 

 

そうして解散になった

 

 

桜咲刹那と葛葉刀子の2人はゼブルが弐の太刀の事を知っている事に驚きながらも尋ねる事はなかった

 

 

 

ゼブルは窓の外に有った機械仕掛けの目と耳は意図的に見逃した

 

 

桜通りの一件から2日後の4月10日(木)

 

 

ネギが学校をサボろうとしたりパートナを探してると騒ぎになったりしたが、それらを完全に聞き流しながら過ごしているゼブル

 

 

何気にリーア・スプリングフィールドは何かとネギのフォローをしながら先生をしっかりやっている、エヴァンジェリンを見てビクッとする事がたまに有るが

 

 

そんなある日

 

屋上でのんびりしていた時ゼブルの携帯が鳴り響き眠り掛けていたエヴァンジェリンが少し不機嫌になる、ゼブルは相手を確認してから周りに聞こえる様に設定してから電話に出る

 

「やぁアスナ、君が俺に電話してくるなんて珍しいね、明日は槍が降るのかな?」

 

話し始めていきなり可笑しな事を言い出すゼブル

 

 

『私が電話する度に言ってるわね…………それ、1つ聞きたいんだけど…………キス以外での仮契約の魔方陣の書き方知ってる?』

 

何時もの挨拶のような言葉だからか呆れながら用件を言うアスナ

 

 

「キス以外での方法ね、知ってるぞ、明日迄にスケッチブックにでも数ページ使って詳しく書いて何かしらの方法で渡すよ」

 

アスナの質問にそう返すゼブル

 

 

『ありがと、それと…………1つ聞きたいんだけど、今回の事ってナギの子供って事が関係してる?』

 

さっき迄と違い小声で尋ねるアスナ

 

「正解、ナギの子供だからこその問題を突き付ける事が目的だよ、坊主達を手伝うならどうぞご自由に、戦力的にも数が合うし、子供達には内緒にね」

 

バレたからかあっさり白状するゼブル、隣のエヴァンジェリンが少し睨んでる

 

『ネギの所に来たエロいオコジョがさっき本屋ちゃんに何も教えずにネギと仮契約させる所だったから止めたんだけど、今度は私に仮契約してくれって煩いのよ、仮契約はしても良いけどキスする気が無いからこうして聞いてるのよ』

 

アスナがゼブルに電話してきた理由を説明すると

 

 

「そのオコジョ…………駆除した方が良くないか?」

 

かなり冷たい声で言い切るゼブル

 

 

『ネギの使い魔って事に成ってるから流石に不味いと思うわよ、私も同じ考えだけど…………趣味が最悪だし』

 

オコジョの扱いを説明するアスナ、最後はボソッと冷たい声で言い切ったが

 

 

「ナギのパートナーになるとか言っていたアスナがその子供と仮契約するのか、キスは嫌ってのはやっぱり年頃の乙女だね~~、好きな人が居るとか?」

 

昔の事を思い出しながら言いつつ少しからかうゼブル

 

 

『仮契約の魔方陣の事頼んだわよ、バーカ』

 

用事を念押しした後にバーカと言って電話を切るアスナ

 

 

「へっ?、ちょ…………アスナ、アスナさん、切れてる…………からかい過ぎたかな?」

 

慌てながら話し掛けるが既に通話が切れていてからかい過ぎたかと悩むゼブル

 

 

 

ゼブルは別荘に入り紙全体を使い書いた魔方陣と4分割して紙全体に大きめに4分の1ずつ書いた魔方陣の計5枚の紙を書き上げ翌日アスナにコッソリ渡した

 

 

 

翌日の4月11日(金)

 

ネギとリーアの2人による茶々丸襲撃が合ったらしいが茶々丸からの報告は無かった

 

 

 

 

そして3日後の4月14日(月)

 

 

その日の昼休みに屋上で昼寝していたエヴァンジェリンがネギ・スプリングフィールドに渡された物

 

 

 

挑戦状と書かれた便箋とその中身の1枚の紙を前にゼブルとエヴァンジェリンは頭を悩まされていた

 

 

 

アスナと仮契約した筈なのに頼らずに放置し、自分と同じ立場の筈の妹の力すらも借りる事なく

 

 

 

何故かエヴァンジェリンとその従者の茶々丸に単独で挑む事に決めた、現実を知らぬ身の程知らずの夢見がちな、魔法使いは正しい事をする存在だと心酔する自信過剰なお子様、ネギ・スプリングフィールド

 

 

 

そのお子様から渡された挑戦状を見ながらゼブルとエヴァンジェリンはどうしたものかと心底呆れ果て…………完全に困っていた、エヴァンジェリンを困らせる事がネギの作戦ならば完全に成功していると言える




アスナは何気にゼブルの影響をそれなりに受けてます、記憶……思い出に対する考え方は特に


アスナがゼブルに抱いてる感情は恋愛ではなく親愛や友愛の類いです、バーカって発言はゼブルをからかっただけです


アスナがネギと仮契約し従者に成った理由はナギの子供を放っておけない、ナギに助けられた恩返し、ネギとリーアの問題は巡り巡って黄昏の姫御子の自分の問題にも繋がっているから


そろそろその問題を解決したいから、お互いに巻き込み合えば黒幕が出てきそうって打算も少し有り


と言った理由です


ゼブルは魔力感知でアルビレオが時々麻帆良で行動しているのに気付いている、エヴァンジェリンが探している事を知らないから教えていないが…………




『ネギま!』世界の無力化されてない転生者は後2人


少しネタバレするとゼブルの世界漂流は神と転生者が関係してます、そしてゼブルは転生者ではありません

感想が有れば出来る限り返します
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。