とある漂流魔王少年と魔法少女【凍結中】   作:ディストピア

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凄く時間が掛かりましたが最新話が書けました


23話

4月15日(火)夜

 

 

「こんな所に居ましたか、探しましたよネギ先生、貴方に我が主からの伝言が有ります」

 

夜の町中を自主的な巡回をしていたネギ・スプリングフィールドとその肩に乗るオコジョ妖精アルベール・カモミール、その前に執事服を着たゼブルが上空から降り立ちそう話し掛けた

 

「アナタは確か…………」

 

「貴方のクラスの生徒の一人のゼブル・グランディアです、鼻息の荒いソコのオコジョはハジメマシテ、俺は男デスので勘違いしないように」

 

ネギの言葉を途中で遮り頭を下げながら自己紹介をしているがカモに対しては何故か若干可笑しな口調で威圧しながら喋っている

 

「なっ…………レベルの高い美少女にしか見えないってのに男だってのか」

 

驚きを露にしながらそう口走るカモミールをゼブルは赤く輝く瞳で睨み付け、尖った牙が見える様に笑みを浮かべ

 

 

「黙れ変態オコジョ、我が主から承りし仕事の邪魔をするならば、貴様の雄の象徴を踏み潰すぞ」

 

そう宣言し舗装された地面…………と序でに石ころを右足で踏み砕く

 

 

「ヒィィィ~~~」

 

その宣言と行動から股間を押さえて悲鳴を上げながらも頭を勢いよく縦に振るカモミール……………人間なら顔が青くなっているだろうと断言できる位にガタガタ震えている

 

 

「貴方の主って一体誰なんですか!!」

 

そう訪ねるネギを溜め息を吐きながら呆れた様に見た後

 

 

「いちいち尋ねなくても伝言を聞けば判るのに邪魔をするな、まったく…………コレだから世間知らずのガキは面倒なんだよ」

 

頭を掻きながら聞こえないようにボソッと小さく呟き

 

 

 

「偉大なる我が主、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル様からのお言葉だ、確りと聞くが良い」

 

「えっ、なっ………何で貴方がエヴァンジェリンさんの事を………」

 

 

「分かったぜ兄貴、あいつエヴァンジェリンに噛まれた事有るだろ、真祖に噛まれたら操り人形だべ」

 

「えっ…………うそ!?」

 

事態を把握し慌てるネギとオコジョ妖精のアルベール・カモミール

 

 

 

「……………理解してくれたなら無視されてても、まぁ……………………良いか」

 

ボソッと呟いた後、時計を確認しゼブルは両手を広げ、歌い上げる様に高らかに伝言を伝え始める

 

 

「【貴様ら兄妹に戦いを申し込む、今から10分後の大浴場で貴様達を待ってるぞ、千の呪文の男の子、ネギ・スプリングフィールド、妹のリーア・スプリングフィールドにも伝えて一緒に来るのだな】…………伝言は以上です、伝言を伝える仕事も終わったので俺は親愛なる可愛らしい我が主様の元に帰らせてもらいます」

 

ゼブルはそう言って人間離れした高過ぎる身体能力を見せ付ける様に一跳びで屋根に跳び、そのまま楽しげに高笑いしながら屋根から屋根に跳び移りながら去っていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして10分後の大浴場

 

 

 

 

 

 

の真上の屋上

 

 

 

 

 

 

 

ではなく、その隣の二年生寮生室の有る棟の屋上

 

 

「あのお子様はやはり一人で来たか、愚かすぎるな…………世の為人の為に働き正しい事を成すのが魔法使い、だから正義の為に活動する魔法使いの自分なら魔法の使い方を間違っている悪の大魔法使いに単身で勝てると思っているのか?」

 

気配と魔力で大浴場の中の様子を確認しながら左手に持った矢鱈とゴツい、機械仕掛けの杖に魔力を流し予め配置していたサーチャーから送られてくる情報を確認し、より鮮明に確実に情報を収集する為に映像と音声を正面に映し出して中の様子を確認する

 

 

 

 

右手には何故かマイクが握られている

 

 

「中々に好調だな、超鈴音に頼んでちょっとした契約込みで特殊工具………茶々丸の部品製造や整備に使う奴を売って貰ったりして、現代技術の工具では作製不可能な部品の製造が出来たから全体のサイズ縮小にも成功したし…………俺は部品を作る技術は有るが、流石にその為の工具の自作までは出来ないからな、全部で3年掛けて作った試作型デバイスの調子は良いな…………出費が凄かったけど、まぁ………………青の魔導書と比べたら初代ファミコンとプレステ2並の性能差が有るけどなぁ」

 

若干黄昏ながらそう呟き、中のギャグ展開とエヴァンジェリンが操る何故か居る四人

 

佐々木まき絵

和泉亜子

大河内アキラ

明石裕奈

 

に装備を剥ぎ取られるネギの無様な姿を、ボソボソと何かを呟きつつ笑いながら見る

 

「にしても…………ネギ坊主、俺の事を聞かないな、まさか…………忘れられてる?」

 

自分の考えに若干ショックを受けたように項垂れるゼブル

 

 

 

 

そして二人が大浴場から飛び出し、まき絵と裕那の二人との小競り合いをしながら飛んでいくネギを見ながら、エヴァンジェリンと茶々丸の後を追って麻帆良大橋に辿り着き、ネギの真上辺りから様子を見ようとしたら橋の中程辺りに仕掛けて有った罠が発動しエヴァンジェリンと茶々丸が拘束され、ネギが自分の勝利だと無邪気に喜んでいた…………が

 

 

 

『マスター、どうしますか?』

 

茶々丸は隣で拘束されたエヴァンジェリンを見ながら小声で尋ねる

 

『茶々丸……一応準備はしておけ、確か…………こうだったか』

 

小声で返答した後、エヴァンジェリンは脱力した後に左足を地面に叩き付ける様に踏み込む、それに気づいてネギが自分を見ている事を無視して、爪先から右足に、右足から腰に、腰から上半身に上半身から右腕に螺旋を描くように力を伝え右拳を振り抜く、するとエヴァンジェリンの身体を縛り付けていた拘束が引き千切られて砕け散った

 

 

『繋がれぬ拳、アンチェイン・ナックル、だったか…………中々に使い勝手が良いな』

 

ニヤリと笑い、砕け散り消えていく光を見ながらそう呟き、驚愕しているネギ・スプリングフィールドを見るエヴァンジェリン

 

 

『そんな…………この拘束がこんなに簡単に壊れる筈が…………』

 

ネギは目の前で起きた出来事が信じられないのか呆然としながら呟く

 

 

 

そんなネギに向かって歩み寄り、その手に持たれた杖を掴み力任せに奪い取り笑みを浮かべるエヴァンジェリン、その姿は完全に苛めっ子そのものだ

 

 

『ナギの杖か、まだまだ未熟な見習い時代からこんな高性能な杖を使っていると魔法使いとして大成せんぞ、制御技術が低くても杖の力で大概何とかなってしまうからな』

 

エヴァンジェリンは呆れた様にそう言って河に杖を投げ捨てる

 

 

 

 

 

ポイッって擬音が幻視出来る程にアッサリと

 

 

 

『ああ~~、お父さんの杖が…………なんて事するんですか!!』

 

落ちていく杖に届く筈がない手を必死に伸ばし、河に杖が落ちたのを見ると今度は半泣きでエヴァンジェリンを睨み付けるネギだが

 

 

『ただ嘆き騒ぎ睨むだけとは…………敵の目の前で余裕だな、まさか全ての敵が正々堂々真っ向から馬鹿正直に戦ってくれると思っているのか?、人質に騙し討ち……奇襲に不意打ちは当然の事、戦いで敵の戦力を削ぐ為に武器を奪う事なんて卑怯どころか基本戦術だ…………まさかそれすら知らんのか?』

 

呆れを通り越して哀れむ様な雰囲気でネギを見るエヴァンジェリン

 

 

 

『ん?…………ようやく来たか』

 

そしてその場に近寄る気配を感知し、誰なのかを把握した後…………ネギの服を掴み近寄る気配、ネギの援軍に向かって投げ付けた

 

『うわぁぁぁぁぁぁ』

 

悲鳴を上げながら飛んでいった先でネギは誰かに受け止められて地面に下ろされ………………その両肩に二人の人間の手が置かれる

 

 

『協力するって言ってるのになに一人で特攻してるのよ、流石にその行動は勇気じゃなくて…………蛮勇ですらない、ただの無理で無茶で無謀な行動…………自殺しに行ったって思われても仕方ないわよ』

 

『兄さん、流石に擁護できません、立場的には同じなのになに一人で背負っているんですか?、兄妹なのだから協力するべきだと思いますよ…………私達はまだ見習い魔法使いで未熟すぎるのだから』

 

ネギは呆れたような表情を浮かべたアスナに右肩に右手を置かれて掴まれ、真剣な表情を浮かべたリーアに左肩に左手を置かれて掴まれ…………仲良く並んだ二人に反論など認めないとばかりに言葉を叩き込まれる

 

 

『えっ…………え~と』

 

状況がよく理解出来ずに言葉に詰まるネギだが

 

『『返事!!』』

 

『ハ……ハイ、ごめんなさい~~』

 

二人の迫力に飲まれて謝るネギ…………完全に怯えて涙目だ、何処かの委員長が見たら鼻血を噴き出しそうな状態になっている

 

 

『ハッハッハッ、可愛い妹と頼りになるお姉ちゃんが助けに来てくれたな、ふむ…………3人か、ならば私も呼ぶとしよう』

 

楽しげに笑いながら右手を上げ

 

『我が元に来い、我が僕よ!!』

 

エヴァンジェリンが高らかにそう命じた直後

 

 

「偉大なる我が主の命に従い参上しました…………が、伝言を伝える為に目の前に現れていたにも関わらず、二人が大浴場で相対した時からただの一度も話題に上がらず、ネギ先生に完全に忘れさられていた為に出る機会が今の今迄無かったゼブル・グランディアです、完全放置で寂しかったですよ…………グスン」

 

エヴァンジェリンの横に降り立った直後、そんな事を口走り、あからさまな泣き真似まで始めるゼブル、完全に棒読みだが、右手で目元を覆い体もプルプルと震えている

 

 

笑いを堪えるかの様に

 

 

 

どこぞの世界の問題児達の様に

 

 

 

 

それでもソレを聞いたアスナとリーアの二人にネギは呆れた様なジト目で見られて狼狽えた

 

 

 

「これでようやく役者が揃ったわけだ、双方パートナーも揃って数も同じ、ようやく正当な決闘という訳だ、坊やはナギの杖を失っているがな」

 

 

 

「茶々丸は神楽坂アスナの相手を、貴様はリーア・スプリングフィールドの相手をしろ」

 

「ハイ、マスター」

「承りました、我が主」

 

それぞれ誰を相手にするのかを態々聴こえる様に命じ

、それを聞いたリーアは魔法発動体でも在る自身の剣を見て、ゼブルを見た後また剣を見る

 

 

 

その理由を悟ったエヴァンジェリンはゼブルに視線で合図を送る

 

 

「この者に魔法等で攻撃しても大丈夫なのかを気にしている様だが、安心しろ、こんなモノを準備して在るからな」

 

そう言ってる最中にゼブルがエヴァンジェリンに何かを渡し、そして渡されたモノを見せ付ける

 

 

 

それはタロットカードの様なモノ

 

 

 

 

紛れもない仮契約カードだ

 

 

 

 

ただし、その絵は子供の描いた絵の様なモノ、明らかにスカカードだ

 

 

 

「正式なモノではないが、契約執行ならば辛うじて行え保護と強化は出来る、本人の能力も、優秀な者が多いあのクラスの中でも上位に入る強者だぞ」

 

 

それを聞いて驚いた後剣を構える

 

 

 

 

鞘に納まった状態でだが

 

 

 

 

寧ろ抜けない様に紐で固定されている

 

「契約執行90秒間!!。ネギの従者『神楽坂アスナ』!!!」

 

「契約執行90秒間!!。エヴァンジェリンの従者『ゼブル・グランディア』」

 

アスナとゼブルに魔力が供給され強化される

 

 

 

 

ぶっちゃけ必要無いんだけど

 

 

 

 

「主の命ですので御相手しますよリーア先生、先手は譲ってあげますよ」

 

 

「未だ微妙だけど、ーーーーーール『戦いの歌』、行きます」

 

リーアは始動キーの部分は呟く様に発言して戦いの歌を発動させ、居合いをするかの様に鞘を左手で、柄を右手で持ったまま疾走する

 

 

 

 

 

戦いの歌は本人の発現通り微妙で、魔力量で無理矢理形にしている感じだが

 

 

「ハァァァ」

 

ゼブルにある程度近づくと左足を強く踏み込み

 

 

 

腹部目掛けて右足で蹴りを放つ

 

 

 

あっさり避けられるが

 

 

「クッ、こっ………のぉ」

 

右足を叩き付ける様に下ろし、今度は右足を軸に回転しながら剣を振り抜く

 

 

それも避けられるが、拙いながらも全身を使って剣を振り連撃を放つ

 

 

 

 

鞘に納まって居るから当然斬撃ではなく打撃だが

 

 

「鞘から剣を抜かないのですね、紐で固定しているとはいえその気に成れば引き千切れるでしょうに」

 

 

そう呟きながら右足から放たれたゼブルの蹴りを、リーアはギリギリ鞘で受け止めたが、勢いは殺せず吹き飛ばされる

 

 

「強い、完全に見切られてる、純粋な格闘能力で圧倒的に差が在るのね………なら」

 

 

剣を前に掲げて詠唱を始める

 

 

「魔法の射手、連弾・光の12矢!!」

 

発動し放たれる12発の光弾がゼブルに向かい、その後を追ってリーアが駆け出した

 

 

 

「………遅いですね」

 

バックステップしながら拳で全ての魔法の射手を撃墜する

 

 

 

 

あっさり拳で撃墜された事に驚き驚愕を顕にしながらも大上段の構えで跳び上がり、ゼブル目掛けて全体重を乗せて全力で降り下ろす

 

 

「やると決めたら中々に大胆ですね、って…………あれ?」

 

バックステップの勢いを殺して体の動きを止め、正面からリーアの剣を受け止めた直後

 

 

 

 

リーアが剣から手を離し、ゼブルの背後に回り込み

 

 

 

左腕を振ると袖口から小さな杖が飛び出し、ソレを掴んでゼブルに向ける

 

 

「魔法の射手、戒めの風矢」

 

至近距離で放たれた1発の風矢は振り返ろうとしたゼブルに直撃して動きを止め

 

 

「リリカル・トカレフ・キルゼムオール、風の精霊12人、縛鎖となって敵を捕らえろ『魔法の射手、戒めの風矢』」

 

杖を押し当てながら更に戒めの風矢を放ち

 

 

 

 

魔法効果による拘束帯で雁字搦めに成る程に拘束する

 

 

「はぁ…………何とか成った、アスナさんは問題無いけど、兄さんは…………遊ばれてるね」

 

息を吐いて安堵して辺りを見回し、ネギの状態を見て苦笑い

 

 

「…………驚いた、素直に称賛するよ、甘く見ていて油断していたのは事実だけど、この一連の流れ、戦闘初心者にも拘らず良く出来ている」

 

目を閉じたまま称賛するが

 

 

「欲を言えば、気を抜くのは俺の意識を奪ってからにして欲しいかな」

 

目を開け、右足を数㎝浮かせ、そのまま叩き付ける様に踏み込み

 

 

「この程度の拘束では繋がれぬ拳、アンチェイン・ナックルを繋ぎ止めて封じる事は出来ない」

 

その言葉と同時に左腕が拘束を引き千切り、粉砕ながら振り抜かれた

 

 

「えっ…………嘘」

 

ソレを見てリーアは驚愕に目を見開き硬直する

 

 

「彼方もそろそろ終わりですね」

 

そう呟くゼブルの視線の先には闇の吹雪と雷の暴風を撃ち合う二人の姿

 

 

 

 

砕けていくネギの杖を見て終わったなと思い目を細めるゼブルだが

 

 

『は………ハックシュン!!』

 

くしゃみと同時に放出されている魔力が大幅に増大し、杖を粉砕しながら放たれた魔力は雷の暴風の威力を増大させ、闇の吹雪を撃ち抜いた

 

 

「…………は?、何それ」

 

余りにも酷いギャグ展開に思わず素で呆れるゼブル

 

 

 

 

 

その呆れは魔法の威力によって発生した煙が消え去ると更に増した

 

 

 

アスナも流石に言葉を失ってソレを見ている

 

 

『いけない、マスター!戻って!!』

 

茶々丸のその言葉の直後、電灯の明かりが付き始める

 

 

『予定より7分27秒も停電の復旧が早い!!、マスター!!』

 

『ちっ、ええいっ、いい加減な仕事をしおって!』

 

 

 

「………不味いかな」

 

思わず呟いた直後、結界の影響でダメージを受け、ふらつきながらエヴァンジェリン

 

 

「まったく…………世話が焼ける」

 

ぼやくと同時に瞬動で移動して勢いそのままにエヴァンジェリンを抱え、虚空瞬動を用いた三角跳びで橋に戻る

 

 

 

橋から飛び降りようとしていたネギ少年を横目で見ながら

 

 

「取り敢えずコレでも着ててエヴァさん」

 

エヴァンジェリンを降ろして自らの足で立たせた後、エヴァンジェリンに着せる形で自身の騎士甲冑(鎧無し)を生成する

 

 

「誰かに着せる形で生成したら維持が大変だから余り離れないで下さいね」

 

「わかった、しかし………コレはお前の戦闘服の1つだったか、鎧が無いとドレスに近いな…………お前の趣味か?」

 

「違います、クラウスを含めた男連中に相談したら矢鱈とゴツくて厳つく荒々しい意匠の重装甲な全身鎧を提案してきたから即座に却下して、代わりにオリヴィエとヴィルフリッドにクロゼルグに親しいメイド達といった女性陣に相談したら比較的まともだったソレになった、色は純白とか青とか提案されたけど黒っぽい色で固めた」

 

ゼブルはエヴァから向けられた疑惑を即座に否定し説明する

 

 

「そういえばまともな私服も黒で固めていたな、そんなに黒が好きなのか」

 

「…………一番好きな色は白ですよ、見る分には、黒は4番目くらいかな、暗色系では一番好きだけど」

 

「なら何故暗色系で固めているのよ?」

 

疑問に思ったのか割り込んで尋ねるアスナだが

 

 

 

 

ネギ少年達は完全に放置されて困惑している

 

 

「深い意味は無いよ、ただ喪服代わりに着てるだけ、喪服を年がら年中着てる訳にもいかないからね」

 

それを聞いて納得した様子の二人

 

 

 

そこに

 

「あの、どういった状態なんですか………コレ」

 

恐る恐る手を軽く上げながら尋ねるリーア

 

 

「「「………あっ!!」」」

 

それにまったく同じ反応をする3人

 

 

 

「…………どうしますエヴァさん、このまま戦いを再開したら空気が読めない痛い人ですよ」

 

「流石にそれは無いわよね」

 

「ぬっ…………仕方がない、終わりにするか」

 

服を着せられただけならまだ大丈夫だったのだが、質問した事によって本格的に再開不可能な空気にした自覚は在ったのか、若干調子が悪そうだ

 

 

 

それを聞いたゼブルが手をパンッと大きな音を鳴らす様に叩いて意識を自分に向けさせ

 

 

「ネギ・スプリングフィールド、リーア・スプリングフィールドの両名に対する抜き打ちテストはこれにて終了する」

 

そう大きな声で宣言した

 

 

 

 

それを聞いて、何も知らなかった二人と一匹が呆けるのも当然の事である

 

 

「ぼーやはギリギリ及第点と言った所か、まともに攻撃魔法を教えぬ現代の魔法学校を卒業したばかりの身では良くやった方だろうがな、最後のアレはムカつくが予想を越えた点だけは評価してやる」

 

腕を組みながら不機嫌そうに、ネギの事をそう評価するエヴァンジェリン

 

 

「リーア嬢は普通に合格点だな、意識を奪って完全に無力化せずに気を抜いたのは減点対象だけど、こちらの想定していたレベルは普通に越えていたし、子供用練習杖とはいえ袖の中に隠し持っていて不意を突く、中々に実践的な思考だ、俺達は魔法学校を卒業して直ぐの一般的な子供よりも、二段階程度は上の能力を想定していたんだけどな、過小評価しすぎていたね、ネギ坊主の最後のアレは …………評価に困るけど、偶然とはいえ雷の暴風に武装解除を混ぜた融合魔法を実現した事を器用だと言えば良いのか、くしゃみで出力を増加させるって馬鹿かと呆れたら良いのか、本当に判断に困る」

 

呼び方はともかく、真面目に評価し、評価内容を説明するゼブル、途中からはなんとも言えない微妙な表情だったが

 

 

「アスナさんは私の向上した能力に慣れる為の試験運用に付き合っていただき感謝します」

 

そう言って頭を下げる茶々丸

 

 

「抜き打ちテストだったんですか、じゃ………じゃあ、まき絵さんとアキラさんとゆーなさんに亜子さんは魔法関係者なんですか?、それとも試験の為だけに巻き込んだんですか」

 

巻き込んだと言うのなら………と思っていそうな表情で尋ねるネギに

 

 

「?………ああ、コイツらの事か」

 

そう言って右手を軽く上げるゼブル

 

 

 

それを合図にしてか四つの人影が降り立った

 

「コイツらは魔法で動かしてる人形だ、似た体型の人形にそれぞれの顔を幻術で貼り付けてるだけだよ、声はコレだな」

 

指を鳴らすと四人の顔がまったく別の顔に代わり、服の中から取り出したのはマイク

 

 

「声とは音で在り、音は大気の振動、風の魔法を上手く使えば変声やスピーカーの代わりも出来る、声真似なら自力で出来るけどね、彼女達が言いそうな言葉を俺が様子を見ながら言っていたんだよ」

 

その説明がゼブルの口だけでなく、四体の人形の口からも別々の声で発せられる事を証拠として実演した

 

 

「よかった」

 

安心したのかその場に座り込むネギ

 

 

「君達に何故こんな事をしたのか理由は分かるか?」

 

ゼブルのその問いに

 

「抜き打ちテストじゃないんですか?」

 

ネギはそう答えるが

 

 

「…………英雄の子供だからこその負の遺産が有る事を分かりやすく教えるため…………ですか?」

 

リーアがそう答えるが苦々しげな表情だ

 

 

「正解、エヴァさんの呪いは本当にナギ・スプリングフィールドが施したまま放置し続けた物、コレもまた彼の負の遺産の一つ、君達には解呪は今年で終わるって事は黙っていたけどね」

 

 

 

「確かに彼は英雄とも偉大なる魔法使いとも言われて尊敬や憧れを向けられる存在だ、ナギ・スプリングフィールドによって犯罪者から救われた者達が居る、ならば当然………ナギ・スプリングフィールドによって叩き潰されて監獄暮らしの犯罪者も居る、そんな者達が、犯罪を犯した自分達を捕まえてくれて本当にありがとう、偉大なる魔法使いナギ………って感じに感謝しているとでも思っているのか?、そんな事は有り得ないね」

 

盲目的に父親に憧れる少年

に現実の一端を突き付ける

 

 

 

そして、それを聞いたリーアが口を開き

 

 

「………強すぎる英雄には勝てない、けど、その子供を殺す事を復讐として実行しようと考える犯罪者は居る、そしてそれは…………英雄と呼ばれる程の活躍をしたから、倒された敵の数だけ存在する………可能性としては………だけど」

 

実に苦々しげな表情で思い至った事を言葉にする

 

 

 

ネギはそれらを聞いて初めてその可能性が有るという現実が僅かながらも理解できたのか顔色が悪い

 

 

「ん………そんな感じだ、今現在の能力の確認、戦闘経験を積ませる、知り合いを人質にしたり、人質を洗脳して手駒として使う外道が居る可能性を教える、自分の力量がどの程度なのかを理解させる等々、色々な理由が在って、手加減が上手いとか知り合いだから動揺を誘えるとか襲い掛かる理由が一応在ったから………って理由で俺達が学園長に頼まれたんだよ」

 

ゼブルはそう指折り数えながら幾つかの理由を挙げていく

 

 

「アスナは何かをやるってのは知ってはいたが協力者ではないので勘違いしない様に、帰っていいぞ」

 

補足的な事を告げ、話を終わらせようとするゼブルだが

 

 

「ゼブル………私の裸を見ても喜びも恥ずかしがる事もしないとは、そこまで無反応だと流石にムカつくぞ」

 

先日は一緒に風呂に入り、今日も裸を見られたにも拘らず無反応なのが気に入らないらしい

 

 

「小2の中場位に出会ってから何度も何度も、風呂を借りてる時に堂々と入って来ては髪や背中を洗うのを手伝わせたり、オイルマッサージの仕方すら仕込んでやらせたり、元々感情が薄かったけど完全に慣れたよ」

 

ジト目で見ながら反応しない理由を述べ

 

 

「それにエヴァさん、ちゃんと考えて喋ってる?、最近矢鱈とポンコツ気味だから心配なんだよね」

 

 

「貴様…………言うに事欠いてポンコツだと、言ってくれるな、私の何処がポンコツだと言うのだ」

 

口元が若干引き吊らせながら尋ねるエヴァンジェリン

 

 

 

「何処がって、呪いを解いた後の事を一切考えずに呪いを解くのに必死に成ったり、俺がエヴァさんの裸を見て発情し欲情した場合、自分に対して発情してる相手と一緒に暮らす事に成るんだけど………今年一年だけの住まいを今から探すのは流石に嫌なんだけど」

 

発情とか欲情とかの発言を真顔で堂々と言い切られ、聞いてる者達の顔が若干赤い中

 

「うっ…………ん~~~」

 

耳まで赤くし恥ずかしがっているエヴァンジェリン

 

 

「それに………感情が完全に戻ってからはその辺はあえて意識しない様にもしてるんだから余り話題にしないで欲しい、ただでさえ自分の感情がいまだにいまいち分からず自分でも振り回されて困惑する時が在るんだから」

 

ゼブルはそう不貞腐れた様な態度でぼやく

 

 

「ハイ、この話しは終わり、解散して明日に備えて子供はさっさと寝る、茶々丸はエヴァさん担いで帰還」

 

無理矢理に話を打ち切り帰り出すゼブル

 

 

「分かりました」

 

「おい、離せこのボケロボ」

 

律儀に言われた通りエヴァンジェリンを担いで歩きだす茶々丸と文句を言いながら暴れるエヴァンジェリン

 

 

 

 

不意にゼブルが振り返り、残された3人に対して指を指す

 

「ソレはサービスだ、また明日な」

 

その言葉が終わると同時にネギとリーアとアスナの3人の足元に魔方陣が現れ、魔方陣が強く輝くと3人の姿は消えていた

 

 

 

「転移陣か、行き先は何処なんだ?」

 

「大浴場の中ですよ、今もサーチャーで人が居ない事は確認していたんでね、俺達も転移で帰りますか?」

 

 

答えた後のゼブルの言葉に頷く事で答えるエヴァンジェリン

 

 

 

数秒後、彼らの足元で転移陣が輝いた




誤字脱字の指摘、感想などが有ると嬉しいです


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