とある漂流魔王少年と魔法少女【凍結中】   作:ディストピア

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時間を掛けすぎてすみません


一応書き上がったので投稿させていただきます


二十四話

俺は今、京都行きの新幹線、あさま506号に乗る為に大宮駅に居る

 

 

 

 

 

ちなみに麻帆良女子中の制服を着ている………………スカートに見せ掛けて、オーダーメイドで作成された同じ柄のキュロットだが

 

 

 

 

普段から履いているが、スカートと同じ柄でもズボンを穿くと目立つかららしい…………男の娘だから出来る事だな

 

 

 

 

俺は共学化の実験で女子中に居るが、一応何処の学校でどのクラスかは秘密らしいからな

 

 

 

 

本当に、男の娘だからこそ出来る事だな

 

 

 

 

「オイ、本を読んでた癖になに空を見ながらブツブツ呟いている、気味悪いぞ」

 

そんな俺を白い目で見て酷い事を言って来たのは今回共に京都に行くエヴァさん………エヴァンジェリンだ

 

 

 

「暇を持て余しすぎての現実逃避ですよ、何が悲しくて日も昇りきっていない6時前に、大宮駅に既に到着してるんですか俺達は、集合時間は9時ですよ、京都には去年の夏休みにも行ったし、土曜の授業終了後に麻帆良を飛び出し日曜の夜に帰る小旅行を秋の紅葉が美しい時にもしてる、だと言うのに」

 

溜め息を付き、呆れた様な眼差しをエヴァンジェリンに向けた後、表情を整え

 

 

「子供ですか貴女は、どれだけ修学旅行が楽しみだったんですか?」

 

エヴァを微笑ましいモノを見る目で見ながら問い掛ける

 

 

 

すると即座に顔を赤くして顔をそらす

 

 

 

「昨日マスターは興奮しすぎて一睡も出来ていないようです」

 

「まさに遠足前の子供だねぇ」

 

 

茶々丸の言葉を聞いて反射的に呟いた言葉を聞いてか更に赤くなりプルプル震え始めるエヴァ

 

 

そろそろ我慢の限界のようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

なに?、時間が跳んでる?…………何を言っている

 

 

双子から馬鹿(サウザンドマスター)が生きていると聞いてるし、アスナの誕生日(仮)も祝っている

 

 

 

時の流れは正常だ

 

 

 

「ゼブルさん?…………どうしたのですか」

 

「えっ…………と、何が?」

 

「お前がいきなり反応しなくなって意識が飛んだかの様にボーッとしていたんだろうが、何か在ったのか?」

 

「えっ…………意識が飛んでた?、あれ?…………おかしいな」

 

「お前………感情が戻ってからたまにおかしいぞ、それに、前々から気に成っていたんだが、祖母の実家の七夜の家の事情とか色々と、お前は何時聞いて知ったんだ?」

 

 

 

『今は未だ不味い………な』

 

 

「それなら16の時に母の実家で叔父から聞いて………………」

 

尋ねられた内容に反射的に明らかに矛盾した事を答え、言葉に詰まり硬直する

 

 

「故郷では未だ小学校に入学すらしていないお前が16の時に聞いただと、いったい何を………」

 

 

真剣な表情で問いただそうとしたエヴァンジェリンだが突然その言葉が止まる

 

 

『少し干渉させてもらう』

 

 

 

 

いや、正確には

 

 

 

 

 

ゼブルも、エヴァンジェリンも、茶々丸も、風で宙に舞ったゴミも

 

 

その全てが動きを止めていた

 

 

 

 

そして、世界から全ての音が消えている

 

 

 

 

 

 

まさに世界の全てが制止していた

 

 

 

 

『現時点で奴に干渉されては破滅する、今は奴の眼も向いていない、少しばかり記憶と認識に干渉するか、余の干渉力が暫しの間は多少削がれるが………問題無い』

 

 

 

そして、全ては再び動き出す

 

 

「………………エヴァさん、何の話をしてましたっけ?」

 

「確か…………お前が今読んでるその本の内容が気になったから教えろ…………だった筈だが………ん?」

 

 

二人して首を傾げながら『今の話題』を確認しているが、何かが引っ掛かるのか、間違っていない筈なのに(・・・・・・・・・・)違和感を感じているようだ

 

 

 

 

けれどその違和感すら消え去ったのか、反応が不自然な程に『普通』の状態に戻った

 

 

 

「その本古いな、母に翻訳して貰った方ではなく元本の方か、掠れて読み辛いが………テイルズ式攻撃魔法………下巻か、まさかとは思うがテイルズシリーズの魔法か?」

 

 

「ですね、エクスプロード等の上級術から秘奥義級の術までが記載されてる、書いたのはおそらく転生者、著者がキール・ツァイベルだし」

 

 

「確かエターニア………だったか、ふむ、記憶封印してまで見せない様にしていたのはその系統の魔法か、私にも使えるか興味が在る、上巻を貸してくれないか?」

 

 

どういった物かを聞き、早く来すぎたのでその暇潰しも兼ねているのだろうが、研究者としての血も騒ぐのか矢鱈と目を輝かせている

 

 

 

 

のだが

 

「無理」

 

ゼブルの返答は、ノータイムで放たれた拒否の言葉だった

 

 

 

「即答とはな、ドラクエ同様私には発動できないと考えているからか?」

 

 

「それも在るけど、一番の理由は違う」

 

 

そう言って本を閉じ、表紙を見せ付ける様に両手で持ち

 

 

 

「テイルズ式の魔導書はこの下巻の一冊しかないから絶対に無理、無い物は貸せない、だから無理」

 

 

当然すぎる事を言った

 

 

 

「それは…………確かに、上巻を私に貸すのは無理だな」

 

 

 

「理解してもらえて嬉しいですよ」

 

 

 

 

 

 

「……………眠いのでしばらく眠ります、下巻で良いなら見てていいですよ」

 

 

「ん………そうか、なら読むとしよう」

 

 

エヴァンジェリンに魔導書を渡した後、鞄の中からアイマスクを取り出し装着するゼブル

 

 

 

 

 

(『…………気が緩みすぎたか、繋がりも強くなりすぎているな、現時点では知らぬ筈の知識まで余から流れているか…………認識できぬ様に封じておくか、今はまだ…………早すぎる』)

 

 

 

 

 

誰も気付かなかったがその瞬間

 

 

 

 

ゼブルの瞳は漆黒に染まっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

ぺちぺちぺちぺちぺちぺち…………と、しつこい程に頬を何かが叩く刺激で眠りから覚める

 

 

 

思考が殆んど覚醒していない状態で目を開けると

 

 

 

 

眼前に白い何かが広がっていた

 

 

「起きた?………お菓子食べたい、何か作って」

 

 

その声を聞き、視界を上に動かすと黒い瞳をした少女が横から覗き込むような体勢で目の前に居た

 

 

 

ぺちぺちぺちぺちと頬を軽く叩き続けながら

 

 

 

 

 

(………………白かったのは■■■■■のお腹とドロワーズか、相変わらず服の前面が完全開放だな…………?…………何かがおかしいような?)

 

自分の思考に若干の疑問を抱きながらも、何に対して疑問を抱いたのかが全く分からないまま寝惚け眼のまま目の前に居る少女を、長い黒髪で、黒い瞳で黒い服を着た…………露出が凄い少女を寝転んだまま眺めているが頭は全く覚醒しない

 

 

 

「そうだな……………ホットケーキでも作るか、それにしても…………眠い、何故……………こんなに眠いんだ?………頭も重いし」

 

そう呟きながらベッドから降りて立ち上がると

 

 

 

 

視界を覆う様に、異常に長い前髪が…………常闇の様な漆黒の髪(・・・・)が広がっていた

 

 

 

それを鬱陶しく思い左手で前髪を横に払う、その際に漆黒の龍の鱗に覆われた(・・・・・・・・・・・)左腕が視界に入り、頭が重い原因、幾つもの龍角が頭に生えている(・・・・・・・・)自分の影と、床に垂れて広がっている膝下2m以上有る自分の髪に気付く

 

 

(あぁ……………こんなに髪が延びてたらそりゃ重いな)

 

だけど、髪の色や腕や角の事に全く意識が向かない

 

 

 

 

それが…………当然の事(・・・・)の様に

 

 

 

 

そんな時、軽い足音が部屋の外から聞こえてきた

 

 

「■■■■■、■■■■さんがケーキをつくってくれました、おいしいケーキはすごくいいぶんめいです、いっしょにたべましょう」

 

そう言いながら部屋に入ってきたのは褐色の肌の白い少女

 

 

 

銀色の髪に白いヴェールを被り、白を基調とした服を身に纏う、矢鱈と露出が激しい褐色の肌の幼げな少女

 

 

 

 

「あっ、ひさしぶりに起きてます、けど……………あれ?、■■■■■…………彼のひとみのいろ………変じゃないですか?」

 

 

「瞳の色?…………あっ……………紅い、不味い…………混線した?」

 

 

感情を出すのが苦手なのか、表情が余り変わっていないが慌てた様子の黒い少女

 

 

 

「…………………よし」

 

何かを決心したのか、小さくも力強く呟くと同時に飛び上がり

 

 

 

「………眠れ」

 

 

そう呟きながら(ボク)の額目掛けて拳を振り抜いた

 

 

 

 

 

そして、今迄に体験した事が無い程の、ラカンの拳が比較対象にすら成らない程の衝撃を頭に食らい、壁をぶち抜きながら凄まじい勢いで吹っ飛んでいると朧気ながら理解し

 

 

 

 

 

 

 

形容しがたき、不思議な色合いの空が広がる光景がぼやけた視界に入り

 

 

 

 

「飛ばしすぎた」

 

その呟きと誰かに腕を捕まれた感触を感じ…………意識を手放した(夢から覚めた)

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

周囲に多数の人の気配と喧騒で目を覚ましたゼブル

 

(ん…………暗い…………アイマスクか、感じる気配からしてそろそろ時間か)

 

 

そう考えて左手でアイマスクを外そうと左腕を動かした直後に止め、右手で外した

 

 

「ん?…………起きたか」

 

 「ん………起きた、茶々丸、今の時間は?」

 

 

「八時三十八分です」

 

 

時間を確認し暫し考えた後、立ち上がる

 

 

「そう…………ちょっと離れるね」

 

「何処に行く気だ?」

 

 

「自販機」

 

「そうか………私にも何か適当に買ってきてくれ」

 

「了解」

 

 

返事をした後その場を離れ

 

 

 

 

 

自販機に向かう途中で左腕を見るゼブル

 

 

 

 

 

その左腕には、握り締める様に付いた小さな手形(・・・・・)が在り、更に、左腕の骨が握り潰された(・・・・・・)かのように砕けていた

 

 

 

「リアルすぎる夢や幻術だと脳がダメージを認識し、肉体に傷を産み出す逆転現象が起こるが……………コレもそうなのか?」

 

首をかしげながら治癒魔法で傷を癒し、治療が終わると自販機で飲み物を買い、戻っていった

 

 

 

 

 

「はいコレ」

 

「うむ………ごくろう」

 

 

エヴァンジェリンに買ってきた飲み物を渡し、隣に座り、ジュースを飲みながら、ある事を考える

 

 

(夢に出てきた二人の少女、見た事が無い筈なのに…………何故こんなにも懐かしいと感じる、愛しいと思う、白い少女が笑っていたのを…………嬉しいと感じる………………前世で因縁でも在ったのか?)

 

答えが出ない疑問に頭を悩ませながら空を見上げ、月が見えない事を残念に思い、何故そう思ったのかと更に頭を悩ませる悪循環は暫し続いた

 

 

 

 

具体的には、集合時間である9時までの残り15分間悩み続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫し時間は進み、今は新幹線の中

 

 

 

 

何故かエヴァンジェリンと茶々丸に挟まれる位置に座っているゼブル

 

 

読書(普通の本)をしながら見た目相応に外を見ながらはしゃいでる金髪少女、エヴァンジェリンを横目で見ながら溜め息を吐く

 

 

 

「はぁ…………悪趣味と貶すべきか、幼稚と嗤うべきか、お子様に合わせた趣向と感心するべきか……………なんにせよ、カエルは遠ざけるか、はしゃいでるエヴァさんに突撃されたら後が怖いし」

 

発動の妨害はしないけど…………と呟き、軽く拍手をする

 

 

 

 

それを切っ掛けに式を弾き近寄らせない程度の狭くて微弱な結界を展開する

 

 

 

『キャーー』

『ヒーーッ』

『カエルーーー!?』

 

 

その直後、響き渡る悲鳴を聞きながらも我関せずと無視を決め込み読書を再開した

 

 

 

 

「うにゃ…………」

 

直後に何かに潰された

 

 

 

「くぅ………………………長瀬………楓、人の頭の上で…………何をしている」

 

額が膝に直撃する寸前の体勢で辛うじて踏ん張って避け、視界に僅かながら入っている髪の色と、文字通りの意味で頭上に存在する気配から誰かを特定し尋ね

 

 

 

「ここここ此処には何故かカエルが居ないから避難させて欲しいでござるよーー!?」

 

頭上から明らかにパニックに陥った声色で、若干泣き声にも聞こえる声が帰ってきた

 

 

 

「それは構わないけど……………せめて頭から降りろ、首が痛い」

 

「降りる場所なんて無いでござるよーー!?」

 

 

「分かった、分かったから、騒ぐな揺するな、おとなしくしていろ、茶々丸、アスナ達と協力してカエルを捕獲してくれ……………首を痛める前に」

 

 

「ハイ、急いで終わらせますから耐えてください」

 

(もう少し広めに結界を展開するべきだったか、俺とエヴァさんの二人だけを覆う程度だったからな、せめて三席全てを覆うべきだった、この体制じゃ解除も再展開も出来ない)

 

 

 

そんな事を考えながら108匹のカエルが全て捕まえられる迄の時間を堪え忍んだゼブル

 

 

 

 

 

流石に悪いと思ったのか、騒動が終わった後に長瀬楓に頭を下げて謝られたが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時間は進んで

 

 

 

 

 

地主神社では

 

 

「……………落とし穴」

 

穴に落ちた雪広あやかと佐々木まき絵を見ながら呆れた様に呟き

 

 

 

 

音羽の滝では

 

「…………酒で酔い潰すって」

 

頭を押さえながら呟き、屋根の上に上がる

 

 

 

其処に新田先生と瀬流彦先生が通り掛かる

 

 

「ん………?、何かお酒臭くないですか?」

 

 

「あーーー!その甘「悪質な悪戯を仕掛けた馬鹿が居るみたいです」」

 

 

 

可笑しな言い訳をやりそうな子供先生の片割れ、ネギの言葉を、酒樽担いで屋根から飛び降りながら喋って遮る

 

 

「悪質な悪戯ですと?」

 

「屋根の上に仕掛けられたこの酒樽から音羽の滝の縁結びの部分に酒を流していたみたいで、それを霊験あらたかな味だと勘違いしてしまい何回も飲んだ生徒が10人程酔い潰れました、それに、地主神社にも落とし穴が恋占いの石の所に掘られてました」

 

 

「なんと………その様な事が」

 

 

「京都の観光業や清水寺にも被害が出かねない悪質で、最悪の場合は悪戯では済まない事ですから、色々な場所に連絡して注意を呼び掛けた方が良いかと、他の場所でも実行する、無差別な愉快犯の可能性が在りますから」

 

 

そう言いながら証拠の酒樽を瀬流彦先生に押し付ける

 

「それは確かに、関係各所への連絡は私がします、生徒達は…………注意で済ますべきですな」

 

「自分達から酒と知りながら飲んだなら問題ですが、知らずに飲んだ被害者ですから説教はおかしいですし、バスでゆっくりと休ませた方が良いかと」

 

 

 

「そうですな、しずな先生、彼女達をバスに運ぶ手伝いをしてあげてください」

 

「分かりました」

 

「瀬流彦先生はその酒樽を持って警察に連絡し説明を」

 

「ハイッ」

 

 

そして即座に行動を開始した三人の先生を見ながら呆然としているネギに向かって話し掛ける

 

 

「悪戯された被害者を変に庇うと、彼女達が自分から酒を飲んだかの様に成るからややこしくなる、こういう場合は誤魔化さずにはっきりと言った方が良いんだよ」

 

 

呆然としたままのネギを放置してその場を離れる

 

 

 

 

 

もう一人の子供先生、リーアは他の生徒と一緒に居たので、今回の事はゼブルが新田先生達と話始めた辺りからしか知らない

 

 

 

 

 

(詠春、長としての仕事の適性は低いと知っては居るが、舐められ過ぎだろ、一応後で連絡いれるか……………あんなでも腐れ縁だし、それに、抑え込まれている感じで……………感知しづらいが、嫌な魔力を感じるしな)

 

そこまで考えて溜め息を吐き

 

 

 

「妖怪爺が直接依頼して来ない限り俺は魔法関係の問題に関わらないと爺と契約しているから、爺が依頼しない限り今回の事は基本的に放置だ、精々頑張れよナギの子供達」

 

 

軽く笑みを浮かべてそう言った後、エヴァンジェリンが居る方向に向かい、酒が入った小さな水筒を片手に歩き始める

 

 

 

 

 

 

彼女の従者の様に近くにいて、大好きな京都観光で興奮し過ぎて暴走しがちな彼女の舵取りをする為にだ

 

 

何せ、呪いは緩めてあるが、【学校行事に参加している】という条件を満たしているから反応していないだけなので、修学旅行から逸脱した行動をされると呪いが反応するからだ




感想などが在れば嬉しいです


ゼブルの今の格好は作中にも軽く書きましたが正確には

頭、黒い髪留め(猫の顔ではなく、普通のデザインの金属製の髪留め)
上半身、麻帆良学園女子中の女子制服
下半身、麻帆良学園女子中のスカートと見た目が完全に同じキュロット
足、麻帆良学園女子中の指定ソックス&靴


簡単に言えば

緑の髪で紅い瞳、身長が150㎝前後の塔城小猫が髪留めを変えて麻帆良学園女子中の制服を着ている

というのを想像してください
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