バンドリキャラに片思いするシチュエーション   作:スタプレ

2 / 5
あまり共学化の設定は好きではありませんが、有咲とのシチュは隣の席の子が一番しっくりくるのでそっちを優先しました。
地味に投稿主本人の実話と言っても過言ではないかもしれません…


隣の席の市ヶ谷さん

 

 

「ヤバい遅刻する!」

 

何気ない朝、今は自分は食パンを咥えながら走るというベタな漫画の主人公になりきっている。

なぜそうなったのか?それはいくつかの要因があげられる。

昨日流行っているゲームを友人と夜遅くまでプレーしていたのだ。オマケに目覚ましをかけ忘れ、親に起こされていつも通りの時間だとあまり時計を見ずにゆっくり身支度していたらギリギリになってしまったと。

ここで他の人のせいにして心を楽にしたいところだが、そもそもの原因を辿っていけばどう考えても自分が悪い。恨むなら過去の自分に恨むしかない。

 

しかし今はそんなことを考える余裕があったら足を動かせと。

 

「今日も………何とか……間に合いそう。」

 

学校の門をくぐって昇降口でくつを1秒で履き替える。

この人、遅刻間際の登校が過去にも何回かあった。だから秒でくつを替えるという絶対に将来役に立たないだろうスキルが身についている。

ただし門をくぐれたからといって安心することなんてできない。この学校のルールは始業のチャイムが鳴り始める前に教室に入らないといけない。つまりまだ遅刻の可能性があるということだ。

 

「おっしゃ………ラストスパートだ!」

 

廊下をひたすらダッシュする。もし自分がゲームの操作キャラだったらプレイヤーにBダッシュされているような感じだ。

こんなの風紀委員の先輩に見られたら怒られるでは済まない。今日はラッキーなことに巡回はして無さそうだ。

 

「ギリギリ………セーフ……」ハァハァ

 

さすがのピチピチ男子高校生でも全速力で走れば息があがる。

 

「今日こそは遅刻すると思ったぞ。」

 

「市ヶ谷さんおはよ〜まぁ自分は簡単に遅刻しない男なので。」

 

「それならもうちょっと早く来て欲しいんだけど……」

 

話しかけて来たのは隣の席の市ヶ谷有咲さん。彼女は優等生っちゃ優等生だが、少し前までは不登校の引きこもりで入学式の代表の挨拶をすっぽかしたぐらいのある意味元不良だ。

突然登校し始めたと思ったらいつの間にかこのように話す仲になっていたのだ。

 

「それはしょうがない!無理だな、うん!」

 

「開きなおるな!」

 

その時始業のチャイムが鳴り、他のクラスメイトも続々と席につき始める。

 

「ほら歴代最高のギリギリだったんじゃねー?」

 

「よく見とるな。」

 

「まぁおめーがいつ来るか予想するのも最近の楽しみでもある。」

 

実は自分市ヶ谷さんのことが好きだ。あまり目立たないもののなかなかの美人さんで、口調は荒いが実は優しい。そしてたまに見るギャップ萌えが可愛い。俗に言うツンデレだ。

ちなみに胸は関係ないから?本当にだぞ!!………………………………多分。

 

このことを知っているのは仲のいい男友達だけ。軽々しく話しているが、告白する勇気がない。

 

「お前数学の課題ちゃんとやったか?」

 

「ゲッ!それって今日までだっけ?」

 

「まーたいつもの忘れたパターンかぁ?ちなみに1時間目が数学だからな。」

 

確かあの課題結構難易度高かった気がする。とてもじゃないが短時間で終わるものじゃない。

 

「頼む市ヶ谷さん!課題見せてくれ!!」

 

「は〜!?たまには忘れましたと言って怒られたほうがいいんじゃねーか!?」

 

「そこをなんとか!!」

 

文字通り土下座をしながら必死に頼む。

 

「今日こそは絶対みせねー!!」

 

「お願いします!!ジュース奢るから!!」

 

しばらくそのやり取りをしてたら結局市ヶ谷さんが先に折れてくれた。

 

「しゃーねぇな!今日が最後だからな!」

 

「ありがとう女神さま!」

 

「やめろ。」

 

やっぱりなんやかんや優しいんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とか市ヶ谷さんの協力を得て事なきを得たあとはダラダラ授業を聞くだけ。その中間地点といえる昼休みが来た。

 

いつもは仲のいいクラスメイトと食べる予定だが、委員会の仕事や、彼女に会いに行くなどの用事で今日は個々で弁当を食べることになった。

それは市ヶ谷さんも同じらしく、自分の席で弁当を食べていた。

 

「市ヶ谷さんのお弁当って手作り?」

 

「ばーちゃんの家の手作りだけど…」

 

「いいな〜うち冷凍食品の詰め合わせだから。」

 

それでも作ってくれる親には感謝しかない。ただたまには1から作ってくれた弁当も食べたいという欲求もある。

 

「玉子焼き美味そうだなー」チラッ

 

「あげねーよ?」

 

「冷凍の唐揚げあげるからさ〜」

 

「あげねーからな!?」

 

見たらわかるこれ絶品だと。やっぱり冷凍唐揚げじゃ釣り合わないよね。

 

「クッソー他に交換対象になるものはないのか!」

 

「悪いもうなくなっちまった。」

 

「そんな〜」

 

悔しがる自分に市ヶ谷さんはなんのためらいもなく他のおかずも食べている。

先ほど女神さまと言ったな、あれは訂正しよう。悪女たまだチックショォォォォ!!!

 

「相変わらず仲がいいですねー」

 

「あ、奥沢さん。」

 

市ヶ谷さんの前の席の人、奥沢さんが外から帰ってきた。奥沢さんは良き理解者だと前市ヶ谷さんが話してくれた。正直よくわかっていない。

 

「こんなところ戸山さんに見られたらどう思わせるだろうなー」

 

「なっ!?か、香澄は関係ないだろ!!」

 

戸山さん。うわさによると、市ヶ谷さんを学校に来させた功労者だと聞いたことがある。成績はよくないらしいが、先生方はひそかに感謝しているだとか。

 

「じゃあ戸山さんのことはなんとも思ってないんだ。」

 

「そ、それは……」

 

「奥沢さんも弦巻さんのこと……」

 

「あーごめん!それ以上言わなくていいから!」

 

この反応間違いない。戸山さんのことが好きなんだ。

今の世の中GL、BLが認められるなか、異性の恋愛の倍率が高くなっている。

 

「じゃあこの人のことはどうなの?」

 

「じ、自分!?」

 

そういえばどう思われているんだろう。もしここで赤面してくれたらワンチャンあるぞ。奥沢さん!その質問ナイスです!

 

しかし現実は厳しい。

 

「こいつ?ないな。」

 

素っ気ない回答に失恋するには充分だった。

 

「そ、そうなんだ。」

 

「まぁ男友達ではいいほうだと思うぞ。あ、奥沢さん。この前香澄が………」

 

市ヶ谷さんは構わず奥沢さんと話をするなか、奥沢から少し同情した視線をもらった気がする。同情するなら弁当のおかずをくれ!

 

自分はガールズトークをよそに、唯一ちゃんと炊いた白米(昨日の夜の残り)をちまちま食べる。いつもより冷たかったのは気のせいとしとこう。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。