遊戯王マスターデュエル とあるシャドール使いの格付戦奮闘記   作:咲夜泪

2 / 33
 本日の最強カード

 『鉄獣の抗戦(トライブリゲード・リボルト)
 通常罠
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、
 獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ選んで効果を無効にして特殊召喚し、
 そのモンスターのみを素材として「トライブリゲード」リンクモンスター1体をリンク召喚する。



02vs『LL(リリカル・ルスキニア)鉄獣戦線(トライブリゲード)

 ――『LL(リリカル・ルスキニア)鉄獣戦線(トライブリゲード)』。

 

 これもまた遊戯王マスターデュエルで良く遭遇する『お友達』の一つである。

 鳥獣族と言えば、昔はクロウの『BF(ブラックフェザー)』、黒咲さんの『RR(レイド・ラプターズ)』を思い浮かべる決闘者も多いと思うが、現在で見かける鳥獣族テーマと言えばもう黒咲さんの妹の『LL(リリカル・ルスキニア)』一択であり、必然的に組んでいるのは『鉄獣戦線(トライブリゲード)』である。

 

『永続魔法『炎舞-「天璣』を発動。このカードの発動時の効果処理として、デッキからレベル4以下の獣戦士族モンスター《鉄獣戦線 フラクトール》を手札に加える』

 

 後半の『自分フィールドの獣戦士族モンスターの攻撃力は100アップする』の効果は忘れていい。

 この最初の効果処理こそ獣戦士族を主体とするデッキにとっての万能サーチであり、サーチするのは当然『鉄獣戦線』における1枚初動のカード《鉄獣戦線 フラクトール》である。

 

『手札の《鉄獣戦線 フラクトール》を墓地に送って発動、デッキからレベル3以下の獣族《鉄獣戦線 キット》を墓地に送る。墓地に送った《鉄獣戦線 キット》の効果発動、デッキから《鉄獣戦線 キット》以外の『トライブリゲード』カード、《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地に送る。墓地に送った《鉄獣戦線 ナーベル》の効果でデッキから《鉄獣戦線 ナーベル》以外の『トライブリゲード』モンスター《鉄獣戦線 ケラス》を手札に加える』

 

 この1枚初動、文字通り、1枚から『トライブリゲード』の下級モンスター全種にアクセスしながら墓地肥やし出来るという、第11期を象徴するような驚嘆すべき恐ろしい動きをする。

 

『手札の《鉄獣戦線 ケラス》の効果発動、このカード以外の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を捨て、《鉄獣戦線 ケラス》を特殊召喚する』

 

 この時点で、相手の墓地に獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターが4体揃ってしまっている。

 

『《鉄獣戦線 ケラス》の効果発動、墓地の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを4枚除外し、同じ数のリンクマーカーを持つ《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》をEXデッキから特殊召喚する』

 

 ……この墓地除外からのリンク召喚じゃないリンクモンスターの特殊召喚という、何処からツッコんだら良いのか全くわからない効果がトライブリゲードの下級モンスターの共通効果である。まるで意味が解らないぞっ! ……デメリットとして蘇生制限に引っ掛かる、という事を覚えておけばOKである。

 モンスター1体からの効果で簡単に出てくるリンク4はテーマ内でのエースと呼ぶに相応しい除去効果持ちの3000打点だが、今回はもう一つの、墓地に送られた際の効果目当てだろう。

 

『《鉄獣戦線 ケラス》と《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》でリンク召喚、召喚条件は獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター2体、リンク2《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》』

 

 リンク4を素材にリンク2をリンク召喚するという他のデッキにとっては100%の暴挙なのだが――。

 

『墓地に送られた《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の効果発動、除外されている自分の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターの数以下のレベルを持つ獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターをデッキから手札に加える。レベル1・鳥獣族の《LL-コバルト・スパロー》を手札に加える』

 

 効果の対象にならない耐性を突き抜ける、選べる除外持ちの3000打点の癖に、墓地に送られた際に万能サーチで戦線を支えるという、盛られに盛られまくったエースモンスターの鑑。

 いやいや、マジふざけんなよ。なんでカテゴリー外のカードをサーチしてやがるの!? 頭KONMAIか!?

 

『《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の効果発動、手札からレベル4以下の《LL-コバルト・スパロー》を特殊召喚する。《LL-コバルト・スパロー》の効果発動、特殊召喚に成功した場合、デッキから鳥獣族・レベル1モンスター《LL-セレスト・ワグテイル》を手札に加える』

 

 戦線維持のバトンを他カテゴリーのテーマに鮮やかに渡しやがりましたよ。ホント、芸術的なまでのテーマ融合である。

 

『《LL-セレスト・ワグテイル》を通常召喚し、レベル1の《LL-コバルト・スパロー》と《LL-セレスト・ワグテイル》でエクシーズ召喚、ランク1《LL-リサイト・スターリング》』

 

 ……昔の『LL』の印象と言えば、冤罪禁止カードを生み出した罪深き融合モンスター《LL-インディペンデント・ナイチンゲール》しかないが、今は『トライブリゲード』と手を組んで罪深き悪行をダース単位で量産している。

 

『《LL-リサイト・スターリング》の効果発動、エクシーズ素材を一つ取り除き、デッキから鳥獣族・レベル1モンスター《LL-ベリル・カナリー》を手札に加える』

 

 レベル1だから許された展開力は、最早圧倒的なまでの暴力でしかない。

 

 ――そうそう、このデッキに手札誘発を打つなら、初動の《鉄獣戦線 フラクトール》のサーチを《灰流うらら》で止めるか、『トライブリゲード』の下級モンスターがフィールドで効果発動して墓地のモンスターを除外した時に《エフェクト・ヴェーラー》を打ち込むのが効果的だ。コストで除外するから、そのタイミングで効果無効にすればコストだけ払い損で大打撃である。

 

 勿論、環境デッキを名乗るからには1枚程度の手札誘発では止まらないが、最終盤面に著しく影響を及ぼす事が出来る。手札の事故っぷり次第では完全停止してターンを渡してくれるので祈りながら手札誘発を投げると良いだろう。

 

 なお、今回も私の初期手札には手札誘発が無い。《灰流うらら》も《エフェクト・ヴェーラー》も《幽鬼うさぎ》も《増殖するG》も休暇取ってベガス行ってやがる。デッキの枚数が60枚だから仕方ないと言えば仕方ない事だね!

 

『《LL-リサイト・スターリング》とリンク2《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》の2体でリンク召喚、召喚条件は鳥獣族モンスターを含むモンスター2体以上、リンク3《王神鳥シムルグ》』

 

 そして現れるはリンク3とは思えない性能の害鳥。その効果は、

 

 《王神鳥シムルグ》

 リンク・効果モンスター

 リンク3/風属性/鳥獣族/攻2400

 【リンクマーカー:左下/下/右下】

 鳥獣族モンスターを含むモンスター2体以上

 このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 このカードはリンク素材にできない。

 (1):このカード及びこのカードのリンク先の鳥獣族モンスターは相手の効果の対象にならない。

 (2):このカードが戦闘で破壊される場合、

 代わりに自分フィールドの「シムルグ」カード1枚を破壊できる。

 (3):自分・相手のエンドフェイズに発動できる。

 使用していない自分・相手の魔法&罠ゾーンの数以下のレベルを持つ、

 鳥獣族モンスター1体を手札・デッキから特殊召喚する。

 

 (1)の効果の対象にならない耐性付与も地味に厄介だが、このカードのぶっ壊れ効果は(3)のエンドフェイズ時のデッキからの特殊召喚である。

 1ターン目に使えば確実に5~10ぐらい魔法&罠ゾーンが空いている為、そのレベル以下の鳥獣族がデッキから現れる訳だ。主に現れるのは2体、どっちも眉を顰めたくなる制圧モンスターが来る訳なのだ。

 ……まぁ、此処で止まってくれるなら単なる1妨害で処理出来るのだが――。

 

『手札の《LL-ベリル・カナリー》の効果発動、手札の《LL-ベリル・カナリー》と墓地の《LL-セレスト・ワグテイル》を特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時までエクシーズモンスターしかEXデッキから特殊召喚出来ない』

 

 リンクモンスター出し切ってからエクシーズモンスター限定縛りとか、随分と都合良いデメリット()である。

 

『《LL-ベリル・カナリー》の特殊召喚に成功した場合に発動、デッキから『LL』魔法カード、『LL-バード・コール』を手札に加える』

 

 大量に展開して横並びになるレベル1、量産されるランク1、終点に誰が待つかは至極容易に察せられるであろう。……昔は出されたら拍手喝采して迎えたが、あのカードが出たばかりに……。

 

『レベル1の《LL-ベリル・カナリー》と《LL-セレスト・ワグテイル》でエクシーズ召喚、ランク1《LL-リサイト・スターリング》』

 

 そしてまた出てくる、さっきと同じランク1。ちなみにその効果には――。

 

『《LL-リサイト・スターリング》の効果発動、エクシーズ素材を一つ取り除き、デッキから鳥獣族・レベル1モンスター《LL-ターコイズ・ワーブラー》を手札に加える』

 

 名称付きのターン1縛りを入れ忘れている。……いや、黒咲さんのランク4《RR-フォース・ストリクス》と同じなのは兄妹の絆を感じるのだが……ねぇ?

 

『魔法カード『LL-バード・コール』発動、デッキから《LL-サファイア・スワロー》を手札に加え、手札の《LL-ターコイズ・ワーブラー》を特殊召喚して効果発動、自分の墓地の《LL-リサイト・スターリング》を特殊召喚』

 

 此処らへんの展開は『LL』に詳しくないので何とも説明し難い。一人でやってるよ―と、非常に長いソリティアを眺めているだけで効果や手順を覚えられたら苦労はしない。

 大切なのは過程よりも最終盤面さ! 何せ手札誘発という人権握ってないからね、今!

 

『墓地の《LL-セレスト・ワグテイル》の効果発動、自分フィールドの『LL』エクシーズモンスター《LL-リサイト・スターリング》のエクシーズ素材となり、効果発動。エクシーズ素材を1つ取り除いてデッキから《鉄獣戦線 ナーベル》を手札に加える』

 

 遂には墓地にいた『LL』エクシーズを蘇生し、更にはエクシーズ素材つけてサーチだぁ? やってる事が滅茶苦茶過ぎるぞー!

 んでもって、相手の場に同じランクのエクシーズモンスターが2体揃ってしまった。来るぞ遊馬っ!

 

『『No.』モンスター以外の、同じランク1の《LL-リサイト・スターリング》2体でエクシーズ召喚、ランク0《FNo.0 未来皇ホープ》――このカードは自分フィールドの《FNo.0 未来皇ホープ》の上に重ねてエクシーズ召喚する事が出来る。更に重ねてエクシーズ召喚、ランク0《FNo.0 未来龍皇ホープ》』

 

 マジで来たぞ、遊馬自身とすら呼べるホープ! そしてその進化系である殺意に満ちた新ホープが!

 

 

 《FNo.0 未来龍皇ホープ》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク0/光属性/戦士族/攻3000/守2000

 「No.」モンスター以外の同じランクのXモンスター×3

 ルール上、このカードのランクは1として扱い、

 このカード名は「未来皇ホープ」カードとしても扱う。

 このカードは自分フィールドの「FNo.0 未来皇ホープ」の上に重ねてX召喚する事もできる。

 (1):このカードは戦闘・効果では破壊されない。

 (2):1ターンに1度、相手がモンスターの効果を発動した時、

 このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

 その発動を無効にする。

 この効果でフィールドのモンスターの効果の発動を無効にした場合、さらにそのコントロールを得る。

 

 

 コイツ、同期に歴代最強最悪の超ぶっ壊れ融合モンスター《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》がいたせいで注目されなかったが、普通に考えて3000打点で戦闘・効果で破壊されない超耐性に万能無効効果に永続寝取り効果までついてやがる。

 制圧モンスターに超耐性つけるの、勘弁願いたいのだが! じゃが!

 まぁこのモンスターの弱点を述べるとすれば、『光属性』である事ぐらいだね!

 

『手札の《LL-サファイア・スワロー》の効果発動、このカードと《鉄獣戦線 ナーベル》を特殊召喚する』

 

 そして最後の仕上げと言わんばかりにまた展開する。どんだけ展開力あるんだよ、この2テーマは。

 

『レベル1の《鉄獣戦線 ナーベル》と《LL-ターコイズ・ワーブラー》と《LL-サファイア・スワロー》でエクシーズ召喚、ランク1《LL-アンサンブルー・ロビン》』

 

 最後に出てくるのは、『LL』でありながらさっきとは別のエクシーズモンスターであり――。

 

 《LL-アンサンブルー・ロビン》

 エクシーズ・効果モンスター

 ランク1/風属性/鳥獣族/攻 0/守 0

 レベル1モンスター×2体以上

 (1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×500アップする。

 (2):相手がモンスターの特殊召喚に成功した場合、

 このカードのX素材を1つ取り除き、その特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。

 そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

 (3):このカードが相手によって墓地へ送られた場合、

 このカード以外の自分の墓地の「LL」モンスター1体を対象として発動できる。

 そのモンスターを手札に加える。

 

『フィールドの《LL-サファイア・スワロー》をエクシーズ素材にした時の効果、エクシーズ召喚に成功した場合、自分の墓地の『LL』モンスター1体をエクシーズ素材とする』

 

 これで《LL-アンサンブルー・ロビン》のエクシーズ素材が4つ、攻撃力が2000となり――まぁつまり、特殊召喚されたモンスターを4回バウンス出来る畜生なのである。

 この制圧効果ですら予備プランなのが恐ろしい。何故ならば――。

 

『魔法&罠ゾーンにカードを1枚伏せてターンエンド――エンドフェイズ、《王神鳥シムルグ》の効果発動、使用していない自分・相手の魔法&罠ゾーンの数以下のレベルの鳥獣族モンスターをデッキから特殊召喚する。レベル4《烈風の結界像》』

 

 最後に守備表示で現れるは古の決闘者も覚えているであろう、あの『結界像』の一体だ。トラウマに残っている決闘者なら覚えていると思うが、最近の決闘者には馴染み無い古臭いカード。その効果テキストは非常に短くシンプルだ。

 

 《烈風の結界像》

 効果モンスター

 星4/風属性/鳥獣族/攻1000/守1000

 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

 お互いは風属性モンスターしか特殊召喚できない。

 

 シンプルだからと言って弱いとは言ってない。むしろこの1枚でデッキの全ギミックが機能不全になりかねないぐらいやばい特殊召喚縛りである。

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP8000

 手札2枚

 EXモンスターゾーン

 《王神鳥シムルグ》リンク3/風属性/鳥獣族/攻2400

 メインモンスターゾーン

 《FNo.0 未来龍皇ホープ》ランク0/光属性/戦士族/攻3000/守2000 ORU3

 《LL-アンサンブルー・ロビン》ランク1/風属性/鳥獣族/攻2000/守 0 ORU4

 《烈風の結界像》星4/風属性/鳥獣族/攻1000/守1000

 魔法・罠カードゾーン

 『炎舞-「天璣』

 伏せカード1枚

 

 風属性以外の特殊召喚封じ、ターン1だが3回分のモンスター効果無効、ターン縛りなく特殊召喚したモンスター4回バウンスという中々の制圧っぷり。

 此方のターンが終わるまでに《王神鳥シムルグ》を処理出来なければデッキから万能効果無効1回が飛んでくる始末だ。

 

 ――そして何よりも、あの伏せカード。99%の確率で専用罠『鉄獣の抗戦』だろう。『LL鉄獣戦線』での伏せカードなんてそれ一択と考えて良いだろう。どうしてあんなぶっ壊れパワーカードが許されているのか、理解出来ないね! 『シャドール』にとっては鴨だけど。

 

 『ドライトロン宣告者』の制圧が一枚依存、《崇光なる宣告者》ありきであり、この1枚さえ何とかすれば突破口が見える類のものだったが、『LL鉄獣戦線』の制圧は多種多様な角度からの集団制圧。まさに連合軍という有様だ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 しかし、『ドライトロン宣告者』と比べて穴が多い。例えば、魔法に対しての無効効果が無い処とか。

 この手厚くも隙だらけな布陣、1枚1枚はいでいくとしよう!

 

「デッキから10枚裏側表示で除外して魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動、2枚ドローする!」

 

 皆大好き、強欲な壺シリーズの1枚。デッキ10枚裏側除外という再利用不可能なコストを支払って2枚ドロー。ノーコストでの2枚ドローは未来永劫許されなんだ。

 40枚でのデッキで使うには非常に躊躇うデメリットだが、無駄にデッキ枚数が多い芝刈り型なら容易に採用出来るドローソースである。……いや、必須カードがまるまる除外されて機能不全になる事もあるけど。其処は運だよ運。

 さてさて、この2枚ドローに対して、相手は――。

 

『手札から《灰流うらら》を捨てて効果発動、デッキからカードを手札に加える効果を無効にする』

 

 やっぱり握っていたか《灰流うらら》! 此方は手札誘発を全然握れないのに相手はほぼ100%握っている不具合、修正してくれないかな!

 まぁでも完全に予想通りだ。むしろ使ってくれないと困っていた処だ。

 

「手札から速攻魔法『墓穴の指名者』発動! 相手の墓地の《灰流うらら》を除外し、次のターン終了時までその効果を無効化する!」

 

 幸運な事に『墓穴の指名者』を握っているんだなぁ。ホント、お前だけが頼りだ。

 

 ……さて、まだチェーン解決していない私のフィールドには魔法カード『強欲で貪欲な壺』と速攻魔法『墓穴の指名者』の2枚が魔法&罠ゾーンに配置されている。

 此処に、更にチェーンを重ねる!

 

 

「――更にチェーンして速攻魔法『禁じられた一滴』発動! フィールドの『強欲で貪欲な壺』と『墓穴の指名者』を墓地に送り、その数だけ選んで、《LL-アンサンブルー・ロビン》と《王神鳥シムルグ》の2体の攻撃力をターン終了時まで半分にし、効果を無効化する!」

 

 

 この1枚こそ現代遊戯王における最強の捲り札! 効果の対象にならない耐性をすり抜ける『選んで』の効果に、コストに使った種類のチェーンを封じる封殺効果もあるが、今回は必要無い。

 『禁じられた一滴』の効果が通り、《LL-アンサンブルー・ロビン》と《王神鳥シムルグ》の効果が無効化され、攻撃力も半分になる。

 なお《LL-アンサンブルー・ロビン》の効果が無効化された際に攻撃力0になるのでは?と思われるが、攻撃力を半分にする事が最初に入り、続いて効果が無効になるという処理の関係上、攻撃力は2000の半分の1000になる。訳解らない裁定だね!

 

 ――さて、多くの決闘者は「あ、コイツ、普通にプレイミスしやがったぞ」とぷーくすくすと笑っているのではないだろうか。

 

 コストに出来るのが2枚だけだったとしても、《烈風の結界像》と《FNo.0 未来龍皇ホープ》の効果を無効化させた方が動けるだろうと多くの決闘者は思っているであろう。

 それはある一面では間違ってはいないが、実は大間違いだ。

 

 此処での負け筋は伏せカードが『鉄獣の抗戦』だった場合。フリーチェーンでリンク4《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を出されて除外効果を通されたらその時点で巻き返しようがなくなり、ゲームセットである。

 相手の特殊召喚も縛ってくれるから、《烈風の結界像》の封殺効果は此方にとっても必要なのだ。

 ならば厄介な制圧効果持ちの《FNo.0 未来龍皇ホープ》は? HAHAHA、確かにコイツには最優先で『禁じられた一滴』ぶっかけた方が良いだろう。――別の除去手段が無ければ、という前提の話だが。

 

 ――『シャドール』にとって相手のフィールドにいる光属性モンスターなんていつの時代もボーナス対象に過ぎない!

 

「《シャドール・リザード》を通常召喚し、バトル! 《シャドール・リザード》で《烈風の結界像》を攻撃!」

 

 効果の発動が無ければ《FNo.0 未来龍皇ホープ》もただのカカシであり――守備力1000の《烈風の結界像》を戦闘破壊するのは結構容易だ。……まぁ此処の打点が超えられなかった時点で詰みなのだが。

 何はともあれ、攻撃が通って《烈風の結界像》が戦闘破壊され、風属性のみの特殊召喚縛りが解除される。

 

 

「――手札を1枚捨てて、速攻魔法『超融合』発動! このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動出来ない! 自分の場の《シャドール・リザード》と相手の場の光属性《FNo.0 未来龍皇ホープ》を素材に融合召喚! レベル8《エルシャドール・ネフィリム》!」

 

 

 『シャドール』を使っていて2番目に楽しい事は『影依融合』でデッキ融合する事。そして1番目は『超融合』で相手モンスターを除去しながら融合する事だ!

 無敵に等しい耐性を持っていた《FNo.0 未来龍皇ホープ》を飲み込み、『シャドール』のエースにして展開の起点、《エルシャドール・ネフィリム》を叩きつける。

 

「《エルシャドール・ネフィリム》の特殊召喚された際の効果発動、効果によって墓地に送られた《シャドール・リザード》の効果発動! 何方もデッキから『シャドール』カードを1枚墓地に落とす!」

 

 さて、あの伏せカードが読み通りなら、此処で使ってくる筈だが――。

 

 

『チェーンして罠カード『鉄獣の抗戦(トライブリゲード・リボルト)』発動。自分の墓地及び除外されているモンスターの中から獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ選んで効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターのみを素材として『トライブリゲード』リンクモンスターをリンク召喚する』

 

 

 『鉄獣の抗戦(トライブリゲード・リボルト)

 通常罠

 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

 (1):自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、

 獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ選んで効果を無効にして特殊召喚し、

 そのモンスターのみを素材として「トライブリゲード」リンクモンスター1体をリンク召喚する。

 

 

 本日の最強カード。墓地のモンスターを除外してリンク召喚を繰り返す『トライブリゲード』、そのコスト概念を根本から覆すぶっ壊れ罠カードが『鉄獣の抗戦』である。

 何これ、ふざけてんの? なんで除外されたモンスターを平然と特殊召喚して、更には普通に墓地に戻す? リンク4を出しながら墓地に送られた際の効果、全部起動するんだけど?

 何を考えてこんな超パワーカードが許されているのか、まるでわからんぞっ! チートだチート! こんなん使われたら勝てないじゃないかぁ――!

 

 

「……んふふっ、くふふふふ、ひゃーっははははっ! なぁーんちゃって!」

 

 

 可笑しくって腹痛いわぁ……! お前が今、相手しているのは『シャドール』なんですけど!

 

 

「チェーンして速攻魔法『神の写し身との接触(エルシャドール・フュージョン)』発動! 自分の手札・フィールドから『シャドール』融合モンスターによって決められた融合素材を墓地に送り、その融合モンスターをEXデッキから融合召喚する! フィールドの《エルシャドール・ネフィリム》と手札の闇属性《シャドール・ヘッジホッグ》を融合! レベル5《エルシャドール・ミドラーシュ》!」

 

 《エルシャドール・ネフィリム》から《エルシャドール・ミドラーシュ》に。攻撃力2800から攻撃力2200に、打点を減らしただけのように見えるが――。 

 

 速攻魔法の『神の写し身との接触』から《エルシャドール・ミドラーシュ》が着地し、次のチェーンの相手の『鉄獣の抗戦』が微動だにせず、何の効果も発動出来ずに効果処理を終える。

 

「墓地及び除外されたモンスターを『特殊召喚』し、そのモンスターだけを素材にまた『特殊召喚』する。効果処理に2回『特殊召喚』があるからね、――《エルシャドール・ミドラーシュ》が場に存在する限り特殊召喚は1ターンに1回のみだ。よって最初の特殊召喚すら効果処理されずに墓地に送られる」

 

 そもそも《エルシャドール・ミドラーシュ》が場に存在するだけで『鉄獣の抗戦』は発動出来ない。効果処理中に《エルシャドール・ミドラーシュ》が特殊召喚されたら不発に終わるのだ。 

 

「《シャドール・リザード》の効果でデッキから永続罠『影依の偽典』を墓地に送り、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で《シャドール・ビースト》を墓地に送る」

 

「墓地に送られた《エルシャドール・ネフィリム》と《シャドール・ヘッジホッグ》の効果と《シャドール・ビースト》の効果発動、《シャドール・ビースト》の効果で1枚ドロー、《シャドール・ヘッジホッグ》の効果でデッキから《シャドール・ファルコン》を手札に加え、《エルシャドール・ネフィリム》の効果で墓地から永続罠『影依の偽典』を手札に加える」

 

「《エルシャドール・ミドラーシュ》で《王神鳥シムルグ》を攻撃!」

 

 《エルシャドール・ミドラーシュ》の攻撃力は2200、《王神鳥シムルグ》の攻撃力は元々2400だが、『禁じられた一滴』で攻撃力が半減しているので1200、下剋上だオラァッ!

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP8000→7000

 

「《王神鳥シムルグ》爆殺!」

 

 なんか普通に戦闘するの、逆に新鮮だなぁー。最近は戦闘する前に決着つくデュエルが多いせいで、新しいデイリーが消化出来ない事もしばしば……。

 

「墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果発動、墓地のカード7枚除外、墓地から特殊召喚する! そして《LL-アンサンブルー・ロビン》に攻撃!」

 

 半減して攻撃力1000になっている《LL-アンサンブルー・ロビン》に攻撃力1850の《妖精伝姫-シラユキ》で殴りかかり、相手の場のモンスターを全部破壊して捲くる!

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP7000→6250 

 

『戦闘破壊された《LL-アンサンブルー・ロビン》の効果発動、自分の墓地の『LL』モンスター、《LL-ターコイズ・ワーブラー》を手札に加える』

 

 展開札を戻されたが、《エルシャドール・ミドラーシュ》がいる限り特に問題無い。此処からの負け筋があるとすれば――。

 

「メイン2、カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

 『芝刈り召喚シャドール』

 LP8000

 手札2枚(《シャドール・ファルコン》)

 EXモンスターゾーン

 《エルシャドール・ミドラーシュ》星5/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800

 メインモンスターゾーン

 《妖精伝姫-シラユキ》星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000

 魔法・罠カードゾーン

  伏せカード1枚(『影依の偽典』)

 

 『LL鉄獣戦線』

 LP8000→6250

 手札2枚(《LL-ターコイズ・ワーブラー》)

 EXモンスターゾーン

  無し

 メインモンスターゾーン

  無し

 魔法・罠カードゾーン

 『炎舞-「天璣』

 

『私のターン、ドロー』

 

 長らく沈黙が続く。このターンに特殊召喚は1回しか出来ない。その1回で此方の《エルシャドール・ミドラーシュ》を除去しなければならない。

 大半のテーマなら此処で終わるが、生憎と『トライブリゲード』はとにかくしぶとい。《エルシャドール・ミドラーシュ》さえ除去出来れば再展開して捲り返すなど朝飯前だろう。

 環境テーマに居座る連中は一回盤面破壊した処で、其処で終わってくれない。リカバリー力も異常にあるのだ。

 

『《鉄獣戦線 フラクトール》を通常召喚』

 

 そして相手は最適解を選んだ。なるほど、墓地は肥えに肥えまくっている。墓地から4体除外してリンク4《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を出せば効果による破壊耐性持ちの《エルシャドール・ミドラーシュ》の耐性を無視して除外して処理出来る。

 

 ――うん、勿論通さないとも!

 

「チェーンして永続罠『影依の偽典』発動! 墓地の光属性《エルシャドール・ネフィリム》と闇属性《シャドール・ビースト》を除外し、融合召喚! レベル6《エルシャドール・アプカローネ》!」

 

 《妖精伝姫-シラユキ》の除外で残した2体を使って融合召喚、その融合素材条件は属性が異なる『シャドール』モンスター2体だ――!

 

「《エルシャドール・アプカローネ》が特殊召喚に成功した場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動出来る。そのカードの効果を無効にする」

 

 此処で相手はサレンダー。何とか勝利を拾えたのだった。 

 

 




 『芝刈り召喚シャドール』vs『LL鉄獣戦線』

 『芝刈り召喚シャドール』が先攻の場合、《エルシャドール・ミドラーシュ》を立てればほぼ勝利。
 稀に捲られるが、汎用の捲り札(冥王結界波や禁じられた一滴)がほぼ必須。サーチ出来ない汎用札が欲しい時にあるなんて稀だよね。
 『LL鉄獣戦線』が先行の場合、先攻制圧して終わり。手札誘発で止まってくれる事を祈れ。

 総評、先攻取った方が勝つ。
 あと、己(手札事故)に勝利した者が勝つ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。