登山中に滑落事故で頭を打った俺は、漆黒の髪を持つウマ娘と『お友だち』に助けられて奇妙な世界に迷い込んだのだけど、これからどう生きればいいんでしょう? 作:たたたった
「意識不明でベッドで寝ている時に出会った……?それは本気で言ってるのか?」
「はい!私は詳しくは分かりませんが、生霊となった時に遠野さんと出会って……それで死んだウマ娘たちと一緒にレースをして帰って来たんです!」
テンポイントの言葉に、コイツはマジで何を言ってるんだ……、という表情を隠さないシリウスシンボリが俺の方を見つめるので黙って頷いて肯定する。その俺の反応に対面に座るシリウスシンボリは天井を仰いで肩の力を抜いて息を大きく吐いた。
「はぁ……全く、どうして私の価値観をこうも根本からぶち壊す事態が数日もしない内に起こるんだか……神様や幽霊や生霊やらと世界を見る目が変わっちまったぞ」
「…………神様って何ですか?」
「あっ?コイツから聞いてないのかよ?私たちをクソな世界に誘い込んで弄んだ神様だよ……ったく、あのことを今も思い出すだけで鳥肌が立つぜ……ッ!」
「えーッ!そんなの遠野さんから一言も聞いてないんですけど!ちょっとどうして私に話をしてくれないんですか!?そんな面白そうな事態になってたなんて……ッ!」
あんなの全然面白くねぇ!と叫ぶシリウスシンボリを傍目に、隣に座るテンポイントは全力で俺の肩を揺すってくる。お菓子を強請る子供のように話して、話してと懇願してくるその頭を全力で押しのけながら――
「病院のレストランで叫ぶんじゃねぇ!神様との一件は、例え伝聞であろうとも余計な縁が結ばれる可能性があるからテンポイントの為に黙っていただけだ!それに病院生活で『このよではないばしょ』の話なんて縁起が悪いだろうが……ッ!」
「遠野さん……ッ!そんなに私のことを心配して……やっぱり好きです!大好きですから抱き枕になってください……ッ!」
「おごぉ……ッ!やめ、食べたばかりのサンドイッチが胃から飛び立ようとしてるから……ちょっ、ぐるじぃ……ッ!?」
「やめろ!テンポイント!コイツは私のだ!お前みたいなお子様には色恋なんて早いんだよ……ッ!どうせあれだろ!吊り橋効果で勘違いして――んなっ?!なんだお前!本当に三か月も寝てたのかよ!とんでもないバ鹿力だぞ?!」
――感極まったテンポイントはそのまま頭から全力で俺に突っ込みながら締め付ける。お腹の辺りをギュッと抱きしめて、ウマ娘の膂力に内臓が飛び出そうになっていると慌ててシリウスシンボリが引き剥がそうとするが全くビクともしない。
そしてここまで静観を決めていたマンハッタンカフェは、据わった瞳でコーヒーを啜りながら金色の瞳を輝かせると同時に『お友だち』が意を察したとばかりにテンポイントの背後からスリーパーホールドをかます。
「ぐっ!なっなに――が……」
「おい?テンポイント……?ちょっ、何がどうなってるんだコレ!?」
シリウスシンボリ視点では『お友だち』の姿は見えないので、突如として暴れウマ娘のテンポイントが気絶をした風にしか思えないのだろう。そして怪奇現象には慣れていないのか尻尾をピンと立たせて内心の驚きを隠せないシリウスシンボリに俺は声を掛ける。
『お友だち』は気を失ったテンポイントにレフェリーのようにカウントを始めているが俺は努めて無視する。
「これはマンハッタンカフェの『お友だち』の仕業だ……説明してやってくれ」
「『掛かった』ウマ娘を相手には……腕力ではなく頸部の圧迫による気絶が最も効果的です……どんなにヒトより力があっても人体の構造は変わりませんので……背後から私の『お友だち』が首を絞めれば一発で意識を奪えます……」
「幽霊なのに物理的な締め付けで意識を落とすのか……というかどうすんだよコレ」
テーブルに突っ伏すテンポイントを俺たち三人が見つめる。口から泡を吹いて、ピクピクと身体を震わせているが命には別状はないだろう。どうやらスリーパーホールドだけではなく『お友だち』の霊的な干渉もあったのか、テンポイントの生命のオーラに揺らぎが見えているが直ちに影響がある訳ではないので放置する。
そしてカウントが終わって人差し指を天高く掲げる『お友だち』の勝利のポーズにツッコミを入れたいのだが、見えないシリウスシンボリには俺の行動は奇行にしか見えないので必死にこらえる。
これが見える世界が違うってやつなのか……あとマンハッタンカフェは何でそんなに嬉しそうに俺を見ているんだ?こっちの気持ちを汲んで――あぁ、世界観の共有が嬉しいのか……。
渋い顔を作って『お友だち』を見ている俺を、とても嬉しそうにマンハッタンカフェは眺めていた。テンポイントやシリウスシンボリにも越えられない秘密の共有という絶対的な一線が、マンハッタンカフェの優越感と孤独感の正と負の感情を波立たせているのだろう。
これからどれだけ他の誰かと関係を深めようとも、絶対に超えられない壁がマンハッタンカフェの前に立ち塞がる。それは色に例えるならば、マンハッタンカフェからすれば他者はモノクロの世界に生きている。彼女の瞳は『色』という当たり前を知覚し感じられるのに、他者には説明をしても『理解』も『共感』もされない。むしろ、『色』が見えない他者しか居ない世界ではマンハッタンカフェが異分子なのだ。
『見える』ようになって数日も経たないけど、『見えない』人からはどんな風に俺が映るのか痛い程に理解出来るからなぁ……。虚空を眺めて、一人で呟いてる俺がどんだけ周囲から奇異に見えるか……それを幼少期から味わっているマンハッタンカフェは辛いだろうな。
目玉のタイヤと睨めっこしている時ですら、商店街の人たちから不審者を見る目で見られたのだ。いや、実際にはスーツを着た大人が何もない空間を眺めていれば客観的にはどう取り繕っても異常であるので仕方ないことである。
だからこそ、マンハッタンカフェは俺に対して執着してしまうのだろう。もし逆の立場だったら俺も価値観を『共有』出来る同類を逃がしたくはない。孤独は寂しく『共感』を常に求めてしまうのはヒトもウマ娘も変わらないのだから。
俺は十数年の孤独を生きてきたマンハッタンカフェを見て口を開こうとするが――
「危なく忘れるところだったぜ!ほら、トレーナーの契約書だ!」
――シリウスシンボリが一枚の紙を俺の前に置いて、ペンを無理やりに握らせる。そこには正式な書類なのだろうか、『個人トレーナー契約』と規約のビッシリと書かれた契約書があった。
「俺はトレーナー資格はないから無理だか――」
「これにはトレーナー資格は要らないから安心しろ!本来の用途は、トレセン学園でトレーナーが居ないウマ娘に対して学園側が用意した救済措置だからな!」
「どういうことだ……?」
「中央のトレーナーは常に人手不足で2000人のウマ娘の全員に担当が付くわけじゃねぇ。むしろ芽が出ないと思われたら誰も手を差し伸べちゃくれないからな……そうなると零れたウマ娘たちは独学でトレーニングをするか、学園外でトレーナーの素養のある人材と個人的に契約してトレーニングを組むの二択だ」
2000人ものスポーツ選手を鍛える専門の学校とはいえ、専属やチームを組むにしても全員に十分なトレーニングが施される訳じゃないとシリウスシンボリは言う。学園側は全員に均等に機会を設けるべきだと考えているが、実情はどうしても様々な事情で零れ落ちてしまうウマ娘が出てきてしまうそうだ。
トレーナーの数にも限りがあれば、トレーニング場のリソースにも限界がある。2000人ともなれば、どれだけ広大な土地を有している学園でも優先されるのは常に恵まれているウマ娘たち。家庭の事情、金銭的な問題、病気やケガなどでトレーニングをする為の時間を上手く調整出来ない者の中には、そのまま結果を残せずに学園を自主的に辞める子も多いそうだ。
そして重賞レースという、トップクラスのウマ娘たちが出られるレースの数は僅か138レースだけ。その狭き門を2000人のウマ娘が奪い合うのだから熾烈な競争社会なのだろう。一番下のGⅢレースですら出れば一生の思い出になる程だと言う。
「私がアンタに求めるのは個人的なトレーナー契約だ。別にこれに契約をしたからと言っても学園に出入り出来るようになる訳じゃねぇしな」
「だったら、尚更になんでそんなトレーナー契約を……」
聞けば聞く程にこの契約に何の意味もないように感じる。俺にはトレーナーとしてウマ娘を育成する知識も経験もない。それになによりも、既にシリウスシンボリには専属のトレーナーが居て、もうウマ娘としては十分な成績を残しているのだ。
専属トレーナーからしたら、いきなり担当のウマ娘が学園外で勝手にトレーナー契約をするなんて面白くないだろうな……。こんなん営業で担当している案件を別の営業の奴が成果を掻っ攫っていくもんだろ……あれはぶち殺したい程にムカついたなぁ……。
纏まりかけた案件であと少しと言う所で、別の営業マンが先に契約を済ましてしまった時など本気でキレそうになったことを思い出す。しかも土台は俺が考えた部分をそのまま流用してたのを知ってペンを折って怪我したのは最悪の思い出だ。
だから俺は断ろうと契約書を返そうとすると――
「あぁ、そっちはもう私の専属に話してあるから安心しろ」
「えっ……まだ俺は何も話してないのだけど……」
「アンタの懸念ならもう長く付き合ってっからお見通しだよ」
「…………………………………」
――背筋が凍るとはこのことを言うのだろう。口を開くより前に、俺が言いたいことの先を読んで応えてくれる。それは一見すると阿吽の呼吸のような見事な以心伝心であるのだが、長く付き合っていると言われても出会って二日の相手に言われたら恐怖でしかない。
「ほら……ここに名前を書くだけだ。ただそれだけで終わるから……な?」
そっと、シリウスシンボリの手の平が俺のペンを握る手を覆う。名前を書くまで絶対に離さないという確かな意思がその手の平から俺に伝わる。
まるで目の前にある契約書が、ただの紙である筈なのに悪魔との契約を結ぶ恐ろしいモノに見えてきて僅かに手が震えた。シリウスシンボリは背中からピッタリと身体を密着させながら、ほら早くと、耳元を擽るように囁く。その声が悪魔の誘惑にしか思えない。
「もう正直に言うぜ……トレーナー契約なんてただの建前だ。私はただ、アンタと会うための理由が欲しいんだよ。一々、電話やメールで理由付けなんて性に合わねぇからな……トレーナーってのは会いたいときに会うもんだろ?」
「理由付けなんて性に合わないと言いながら……こうやって契約書で形にしような――」
「『責任取って詫びる』……あん時の言葉は嘘だったのか?なぁ、素直になれよ……ここに名前を書くだけで良いんだ。この契約書にはなんの効力もないことは……んなことは私も知ってるんだよ――――大事なのはアンタの意思で私の『トレーナー』になることにサインするって意思表示だぜ」
ヤバい!これはフット・イン・ザ・ドアだ!
軽い要求から吞ませて、少しずつイエスを積み重ねてノーと言えないような状況を作りだすという営業テクニックの一つにして初歩である。しかもこれは発展形である『契約書』タイプ。つまりは俺はもう契約書にサインしてしまったから、と心理的な相手からの要求に応えるハードルを無意識に下げて吞みやすくなるという手法。
まずは俺の言質からの『契約書』へのサイン。そして『契約書』からの更なる要求で俺を手籠めにしようとシリウスシンボリが企んでいるのは確実……ッ! だが、残念だったな! 俺は営業で行動心理学を学んだ身である……くくっ! 所詮は学生の浅知恵よ!
「ほら書いたぞ……満足か?」
「ッッ――――――!!あっ……あぁ!!これで私は満足だ!これからよろしくな!私の『トレーナー』!」
「これからよろしく、シリウスシンボリ」
「たっぷり私の『トレーナー』として責任を取って貰うから楽しみにしておけ!」
契約の締結として握手を交わして背を向けたシリウスシンボリは、小さな声でやった、やったと喜んでいるが残念ながらまだまだ経験が足らないようだった。
なぜなら、この心理的な誘導方法はタネが割れてしまったら効果が薄い。あくまでも自覚なくやらせてこそ、この『契約書』方式はもっとも効果的に機能するのである。つまりは今の俺はただ紙に名前を書いただけで、これから行われるであろう『契約書』の効果を使った要求に対して何の影響も与えられない。
俺は内心の勝利の喜びを抑えられず思わずガッツポーズすると――
「シリウス先輩はそこまで深いことは考えないと思いますよ……」
「えっ……そうなの……?」
「…………シリウス先輩の『トレーナー』になるなんて――――――バ鹿です……」
「ちょ、ちょっと待って……マンハッタンカフェ!」
――立ち上がったマンハッタンカフェは下唇を噛みしめながら、ファ×クサインをする『お友だち』を連れて何処かへ行ってしまうので慌てて追い掛ける。気を失ってるテンポイントには有頂天のシリウスシンボリが居るから大丈夫だろうと、病院の外へ消えたマンハッタンカフェを探すのだが一瞬で見失ってしまう。
「マンハッタンカフェ……ッ!どこに行った……なんかすごい誤解されたような……」
解かなくちゃいけない誤解を感じて、俺は病院の外を探すが全く見つからない。俺自身も何でこんなに焦燥感に駆られているんだと思いながらも、それでもマンハッタンカフェと『お友だち』の影を探して駆け回っていると不意に肩を叩かれた。
「――マンハッタンカ……どちら様でしょうか?」
「オイオイッ!久方ぶりにやっと会えたのに赤の他人のフリなんて酷ぇなぁ!このゴールドシップ様を忘れたなんて言わせないぜ!遠野ちゃんよー!」
マンハッタンカフェと思って振り向けば、全く知らないウマ娘がいた。芦毛色の長髪の天辺に小さな帽子を、前髪を切り揃えてヘッドホンのようなモノを着けたゴールドシップと名乗るウマ娘は、まるで既知の仲であるかのように肩を組んで話しかけて来る。
「まぁー……あん時からだいぶ時間が経ってるから忘れるのも無理ないか!ちっこくて可愛いアタシと今の麗しきご令嬢のゴルシちゃんじゃ、ウルトラ変身を遂げちまっているからな!でもしっかし、アンタは変わらないな!昔のまんまじゃねぇか!もしかしてアレか?男は歳を取ると外見に変化ないって言うから、今も昔もお爺ちゃんだったりするのかの?ふぉふぉふぉ!」
ゴールドシップがまるで旧知の仲であるかのように、まだ異世界に来て数日しか経過してない俺と昔に出会ったかのように話すことに頭の中で疑問符が尽きない。声音を変えてお爺ちゃんのように喋るゴールドシップは本当に俺のことを知っているかのように話すので――
「すまない……本当に君のことは知らないんだ」
「……ッ!あ~……そういうことか……アンタがここにアタシを呼び出したのはそういう訳か……それならそうと事前に教えてくれれば良かったのによー!いや、教えたらアタシだったら因果を無視して会いに来ちまうしなぁ……あ~~~~ッ!!」
「俺がここに呼び出した……?本当に君は何を言ってるんだ?」
「君じゃなくてゴルシちゃんだぜ!昔みたいに……いや、未来か……もうややこしいなぁ!ほら、これをアンタに渡すようにアンタに言われたぜ!」
――まさに百面相と言えるほどに、一瞬だけ傷付いたような表情のあとには悩んだり、一人で納得したり、笑ったり、刹那の怒りの表情を浮かべながら、コンパスを押し付けるように俺に渡してくる。
それは金メッキが施された黄金色のコンパス。呪われた金貨を求める海賊たちが出てくる映画の主人公が持っていたような航海をする為に作られているが、その指し示す方向は滅茶苦茶で壊れている。
俺はこんなガラクタを押し付けられてどう反応していいか分からずに、ゴールドシップの方を見ると涙を流して鼻を啜っていた。
「アタシの黄金の航路はもう見つかったからいらねぇぜ!そいつはアンタが近い将来で必ず出会う、心底人生をつまんねーと思い込んでるア……ちっこいウマ娘に渡してやってくれや!」
「このコンパスは壊れているけど……」
「壊れてなんかねぇよ……『持ち主が本当に欲しいモノ』を常に指示してくれる不思議なコンパスなんだぞ!あっ、信じらんねーって顔してるな?そいつはアタシにとっては本当に面白いことを運んでくれた……いや、面白さに気付かせてくれたんだぜ」
ゴールドシップからすれば本当に大切なモノなのだろう。腕が何度もそのコンパスに伸びては止まり、話している時も過去を懐かしむかのように視線は向いていた。明らかに未練があるように思えるのだが、ふとした瞬間に強く目を瞑ったゴールドシップは大輪の花のように笑い。
「どうやらゴルシちゃんのタイムトラベルは少し早く来すぎちゃったみたいだな!だけど良かったぜ、アンタとこうして会えてコンパスを渡すってことは迷える船長はまた黄金の航路の道しるべとなるコンパスを貰えるんだしな!そんじゃ、また機会があったら会おうぜ!今から風の吹くままに旅をするからよ……じゃあな!」
「ゴールドシップ!君は誰なんだ!」
背を向けて頭の後ろで手を組むゴールドシップは、俺の言葉にニッと笑い。
「んだよ……名前呼んでくれんじゃねぇか!じゃあ、ヒントをやるよ『ある日どこかで』でみたいだってアンタが言ってたぜ」
「ある日どこかで……で……?んっ、えっ……まさか……マジかよ!」
「あはははははは――ッ!今度は一緒に丸太を結んでそのコンパスで海に冒険に出ようなー!」
「言いたいことだけ言って逃げやがった!オイオイオイ、これは冗談だろ」
疾風の速さで笑いながら駆け抜けていくゴールドシップを見ながら、黄金の壊れたコンパスを片手に途方に暮れ――
「あっ……マンハッタンカフェ」
「…………ゴールドシップさんとも知り合いだったのですか?」
「いや、これから知り合う予定みたいだ」
「…………?よく分かりませんがコレに名前を書いてください」
――すれ違うように現れたマンハッタンカフェは、駆け抜けていくゴールドシップを見ながら一枚の紙を手渡してくる。それはつい先ほどに記入し、何かがマンハッタンカフェの怒りを買った契約書。
「『個人トレーナー契約』の契約書か……言っておくけど俺は本当にトレーナーの知識なんてないからな?」
「それでいいです……大事なことは私の『トレーナー』になるということですから……」
「名義だけなら別に問題ないしな……これって学園に提出するの――ん?」
「今、ここで書くのはダメです……書くならシリウス先輩の前で……」
歩くのに疲れたと言いたげな『お友だち』が背中におぶさりながら、明らかに尋常じゃない目付きのマンハッタンカフェは、血気迫る勢いで俺の片手を引いてシリウスシンボリのいる病院へと向かっていくのだった。