「キィ!キィ!」
体に激痛が走る中、体を揺すられて起こされる。目を開けるとハリー、ロン、ハーマイオニーが泣きじゃくっていた。
「は、りーゴホッ」
「きぃ!!!」
私が喋ろうとすると口から血を吐いてしまった。それを見てハリーは更に泣いてしまった。ハリー達の後ろを見ると、トロールが倒れていた。どうやらハリー達が倒したみたいだ。
あ~……これは肺に折れた骨が刺さったかな…息苦しい…それに血を流しすぎたのかクラクラするな…
「こ、これはどういうことです!!ーーミス・ラクネ!退きなさいポッター!!」
ミネルバがそう言ってハリーを突き飛ばしすとハーマイオニーがミネルバにすがり付いた。
「ま、マクゴナガル先生!キィを助けてください!」
「そんなことは100も承知です!!」
ミネルバはそう言って私の胸に杖を突きつけた。そして
「我慢してくださいよ!
私の胸が裂け、更に大量の血が流れ出す。そして最後に聞こえたのはハリー達の泣き叫ぶ声だった。
目を覚ますと、目の前でセブルスとハリーがハーマイオニーとロンを押さえつけていた。理由は恐らくミネルバが私を殺したと思っているからだろう。
「ミスター・ウィーズリー!ミス・グレンジャー!落ち着きたまえ!!」
「ロン、ハーマイオニー!落ち着いて!!」
私は出しっぱだった脚から糸を出してロンとハーマイオニーを引き寄せた。
「ロン、ハーマイオニー、大丈夫、私は生きているよ」
私がそう言いながら抱き締めると二人は一瞬呆けてからまた泣き出して私に抱きついた。するとハリーも後から抱きついてきて泣き出した。
泣いている三人を抱き締め返しているとミネルバが近づいてきた。
「ごめんね、嫌な役回りをさせてしまって」
「…やらなれば苦しむのは貴女です……後は私たちがやっておきます。三人を連れて部屋へ」
「……ありがとう」
部屋へと言うことは話せと言うことだろうね…
私はそのまま姿眩ましを使って私の部屋に戻った。
部屋に戻ると、姿眩ましの感覚に驚いたのか三人はさっきよりも落ち着いていて、私から離れて回りを見渡していた。ハーマイオニーが私を見ると顔を何故か真っ赤にした。どうしたんだ?
「こ、ここは?」
「私の部屋だよロン」
「ろ、ロン!キィから離れて!キィは早く着替えて!!」
「うん?」
着替えてって……あぁ、そういうことか。
自分の姿を確認すると、ミネルバが血を消してくれたのか血はついていなかった。
しかし胸の部分の服が裂けていて素肌をさらしていた。所謂ポロリ状態だ。
ハーマイオニーが私を隠すが、ハリーとロンは顔を真っ赤にしていた。
ロンはわかるが、ハリーに関してはついこの間まだ一緒にお風呂に入っていただろうに……まぁそんなことを言っても仕方ないか。
「ま、着替えてくるよ。ハーブティーでも飲んでまっていてくれ」
私がポットとティーカップに魔法をかけると勝手に動き出した。私はそれを確認してからクローゼットから変えの服を出して脱衣場で着替える。
暫くして着替え終わり、リビングへ戻ると三人はソファーに向かい合って座ってハーブティーを飲んでいた。匂いからして……レモンバームだね。
ちょうどハーマイオニーの隣が空いていてから隣に座ると腕をぎゅっと引き寄せられた。
「ただいま、落ち着いたかな?」
「……いやと言うほどに落ち着いたわよ…」
「……僕も」
「……何か魔法をかけたの?」
ハリーは何かを感じたみたいだ。
「まぁそうだね。そのハーブティーはリラックス効果と鎮静効果があるんだ。それを少し強めてあるんだよ」
「そっか……」
それから暫く全員が黙っていた。ハーブティーの効果で落ち着いたとは言え、まだ心が整理しきれてないんだろう。
暫くして最初に口を開いたのはハーマイオニーだった。
「…キィは、アニメーガスなの?」
「アニメーガスじゃないよ。私はそもそも人間じゃない……ギリシャ神話に出てくるアラクネー、ハーマイオニーならわかるだろ?」
「…えぇ」
「は、ハーマイオニー?アラクネーって何?キィは何を言っているの?」
「……良い?ロン、キィの背中を見たでしょ?あれは蜘蛛の脚よ。ーーキィはアラクネ、半分人間で半分蜘蛛ってことよ」
ハーマイオニーの話を聞いたロンは信じられないと言う風に口をあんぐりと開けていた。
「ハリーはキィのこと知っていたんでしょう?何で話してくれなかったの?」
「ハーマイオニー、それは私から話すよ。遅かれ早かれ友人には話すことにしているからね。まず最初にーー」
それから私は全てを話した。
私がキィルでは無く、キィリ・ラクネ本人だと言うこと。
ハーマイオニーの言う通り人間では無いこと。
完全に死んでしまえば不死鳥のように蘇ること。
不老不死であること。
ハリーが幼い頃から一緒にいること。
訳あって生徒としてハリーと共にホグワーツに来たこと。
全部を話して私はアラクネの姿を見せた。するとロンはおっかなびっくりに私の脚を触ったり、ハーマイオニーは抱きついたりしてきた。ハリーは私の背中(蜘蛛の)に乗って後ろから抱き締めてきた。
暫くそうしていると三人は疲れていたのか眠ってしまった。三人の寝顔はとても可愛かった。
三人を魔法で綺麗にして、私が作ったハンモックに乗せて寝かせてあげるとドアが開いてダンブルドアが入ってきた。
「お前さんにしては失敗したのキィリ」
「私だって失敗ぐらいはするさ」
「まぁよい……それで何処まで話した?」
「…私がアラクネでキィリだと言うことまでだよ」
私がそう言うとダンブルドアはくるりとドアに向かって歩き始めた。私のファイヤーウィスキーを持って。
「ならば問題ないな。ーーあぁそうじゃ。暖炉の隣のドアはグリフィンドールの談話室の隠し扉と繋げておいた。鍵穴に杖をかざして《
これは駄賃として貰っていくとしよう良く眠れロリばぁ」
「はぁ……そうさせて貰うよドア爺」
ドア爺が去った後、私はいつの間にか出来ていた扉に言われた通りにすると、扉が開いてグリフィンドールの談話室に繋がっていた。一応談話室側からも試してみたが問題は無さそうだった。
ふと後ろを向くとハリーがいてどうしたのかと思っていると私に抱きついてきて眠ってしまった。寝ぼけていたんだろう。私はそのままハリーを抱き締めながらベッドに入り眠りに落ちた。
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そして翌日、私が目を覚ますと、ハリーは前のように私を抱き枕にして寝ていた。それには馴れていたけれど、私の後ろからも誰かが抱きついていた。
なんとか起こさないように後ろを向くと抱きついていた犯人はハーマイオニーだった。一瞬何故ハーマイオニーがベッドにいるかわからなかったが、恐らくハリーみたいに寝ぼけて入り込んだんだろう。私は寝ぼけたハーマイオニーを想像してクスリと笑いが零れた。しかしずっと笑っても居られない。私は指先に糸玉を作り、それを飛ばして床に落ちた音を聞いて《転身》を使って糸玉と私を入れ換えて抜け出した。
「ロンは……えぇ……?寝相悪すぎないか?」
ロンが気になって様子を来てみればどうやったのかハンモックは捻れて足だけが飛び出していた。
普通こうなるならハンモックから落ちる筈なんだけれど……深く考えても仕方無いかまずは戻さないと
「
私はハンモックをロンごと浮かせて捻れを直して、ハンモックの両サイドに追加で吊るす糸を付け足した。これでもう捻れる心配はない。
「これで良しと……まだ夜明け前か、さて何をしようか……」
起きたは良いもののなにもやることが無い。本当にどうするか……あ、それならまた体液を採っておいて余分に渡しておこうかな。一度死んで血液量も元に戻っただろうからね。
そして私は結局血液を取った後再び暇になった為、指から糸を出して編み物をする事で落ち着いた。
それはハーマイオニーが起きてくるまで続いたせいで40㎝程のクッションが大量に出来てしまいそれを見たハーマイオニーが顔面蒼白で、ある勘違いをしてしまった。
「う、産んだの……?」
「……え?」
「それ…キィの卵じゃないの……?」
「クッションなのだけど……」
「……本当だわ」
「気に入ったなら好きなだけ持っていくと良いよ……」
私はクッションを3つ程持ってご満悦なハーマイオニーに隠し扉のことを伝えてグリフィンドールの寮に戻って貰った。
……私の子供は卵からなのか……?いやでも生理も来ているし……そもそもどうやって産まれるんだ……?アラクネの方からなのか人間の方からなのか……まぁ子供を産むつもりは無い。もし…もしも私と同じ不死を受け継いだら…私と同じ孤独を……