姿眩ましで家に帰るとバンティがオーグリーを洗うところだったみたいでエプロンをしていた。
帰ってきたことを伝えて代わりにやろうとすると足元からシュルシュルと巻き付いてくる感覚があった。………またか、
バンティと一緒に足元を見ると見知ったオカミーが上ってきていた。そして私の顔首に顔を埋めてクルクルと鳴きながら話しかけてきた。
【おかえり姉様、どこにいってたの?】
「ただいまカナン…ニュートの付き添いだよ」
【そっか…】
カナンそう言って私のローブの中には潜り込んで背中の脚の付け根に巻き付いて大人しくなった。
「ほんとうに、仲が良いんですね」
ニコニコと笑いながら言うバンティに適当に言葉を返してオーグリーは洗っておくからと、他の子達を頼んだ。
バンティが見えなくなる所まで行った辺りでカナンが私の首もとから頭を出してキョロキョロと見回していた。
「やっぱり、まだ人間は怖い?」
【…バンティが、そんな人間じゃないってわかってるけど…】
「良いんだよカナン、君のペースで良いんだ」
頬にすり寄ってきたカナンをあやすように体を揺らしながら撫でる。暫くそうしていれば次第に首に巻き付いてきてスヤスヤと寝息をたてて寝始めた。
本来オカミーという生物は危険で、動くものであれば何でも攻撃する魔法動物だ。特に卵を守る母親はね。
カナンの親と姉弟は密漁者によって殺されている。オカミーの卵の純銀を狙った密漁が後を立たないんだ。
私とニュートが駆けつけた時にはもう、カナンだけが残されていた。
目の前で人間に家族を殺されたカナンは人間に対してとても強い恐怖心を持つようになった。
まだ幼体のオカミーが親無しで生きることができない為、保護したは良いものの【人間】を恐れるようになったカナンは家の中ではアラクネの姿でいた私を唯一信用したみたいで、以来私を姉様と慕ってくれている。
元々保護していたオカミー達と一緒にいさせることも考えたけれど、カナンは元々臆病な性格であまり仲良くできそうになかった。
今日みたいに私が外へ行くときにはデミガイズのザックが面倒を見てくれている。
ザックは去年の大脱走の時にも脱走したオカミーの面倒を見てくれていたりしたお世話好きなデミガイズだ。
まぁ、中身は近所の親切なおっちゃんみたいな感じだけれども。
見た目はおっとりした感じだけれどもおっちゃんな性格だ。うん。大事な事だからいうぞ。おっちゃんだ。
いい奴なのは間違いないんだ。ベイビーニフラが脱走したら捕まえるか教えてくれるし。
そんなことを考えながらオーグリーを洗っているとザックが近づいてきていた。
【お、帰ってきたたんだな。早速でわりぃがニフラーのガキがいなくなってんぞ】
「………またか…ありがとザック」
【礼はナッツで良いぞ】
口は災いの元だって言うが言葉に出してはいないんだけれど……
「……本当に、いないなぁ…」
念のためにベイビーニフラーの小屋を確認するが金目のものがキラキラと光っているだけだった。
回りには気配がないとすると家の方で金目の物を漁ってるんだろうね。
【…ねぇ、さま……どうしたの…?】
「起こしちゃったねごめん。ベイビーニフラーがまた逃げ出したみたいだから探しに行くけどカナンはどうする?」
【…姉様と一緒がいい…】
「そっか……こら」
【……】
「はぁ……」
どうやら今日は随分と甘えたい気分な様で耳たぶをがぶりと噛まれた。あまり噛み癖は付けてほしくないんだけれどあまりしつこく言うと拗ねるからなぁ……とりあえずベイビーニフラー探そう。
「バンティー!!」
「ニューッと?」
カナンと戯れながら家に繋がる階段を上っていると目の前から何か飛んできてそれを片手で掴んだ。ふにゃっとして感触に手を広げて見ればベイビーニフラーがコルクに巻かれた金紙を必死に剥いでいた。……それ、ゴミだよ?そんなのでも良いの…?なら、金紙で鶴でも折ったら喜ぶかな?
「君の指が捥げたら大変だよ…キィリ、治療をしてあげて。僕はケルピーに軟膏を塗ってくる」
「うん、さぁバンティ指を出して……うわぁ…もう少しで持っていかれる所だったじゃないのかな?」
バンティの指の包帯をはずすと黄色く腫れて歯形がくっきりと残っていた。少しだけ傷口を覗けば骨がチラリと見えていた。
バンティはニュートの助手として雇われている。だから魔法生物の世話や治療とかも一任されているんだけれど、少し頑張り過ぎてしまうところがあるんだよねぇ…それだけ魔法生物に向き合ってくれているからニュートも信頼しているんだけどね。
「よし、これで良い。今日はもう帰って休んだ方が良いよ」
「はい、そうしま「バンティ!軟膏をくれ!!」
「……軟膏を塗りに行ったんじゃ無かったのかな……」
「あはは…」
「__バンティ君はもう帰って」
「魔法省呼びます?」
ニュートがケルピーに軟膏を塗っていると上の家からガシャンと何かが割れる音がした。…侵入者かな?
はっきり言ってしまえばここは希少な魔法生物が多くいる宝の山だ。密漁者に情報が漏れれば皆を狙って襲撃されることもある。
ローブに隠していた脚を出して臨戦態勢になってから家に上がると
「良いから私に貸して?」
「いや俺だってできるさここはこうして…」
割れた花瓶を抱えているジェイコブとクィニがいた。
何故、ここにいるんだ?
「キィリ?どうしたんだ?___え?」
「……いよぉ~ッ!ニュートキォォォィリィィイ!久しぶりだなこっちこいよ!」
ジェイコブはそういって私とニュートを抱き締めた。
唖然として抱き締められている私たちにクィニが花瓶を直しながら勝手に入ったことを謝った。
いや違うんだクィニ、
「「オブリビエイトされた筈じゃ…?」」
私とニュートが同時に言うとジェイコブは笑いながら理由を教えてくれた。
オブリビエイトは
けど、少し違和感を感じる。何が、かはわからないけれど……こんな、デレデレになるものなのかな?
「で、ティナは?」
そういってニュートは玄関を確認しにいくけれど、クィニによればティナはきていないらしい。
少しばかりシュンとしたニュートにまた今度会えると、慰める。
ニュートはティナに心から惚れているから長い間会えてないのが相当きているみたいだ。
クィニが夕食を作ってくれて皿に料理をよそっているとクィニの愚痴が零れた。
何でもジェイコブと会っているのがティナにバレて喧嘩をしたらしい。
魔法界の法律上は非魔法族と魔法族は干渉してはいけないからティナはジェイコブに関わるのが反対なんだろうね。私としては恋愛や結婚なんて種族なんて構わずに自由にすればいい。
「ありがとうキィ、でもニュートのせいでティナが大変だったのよ?」
「え、なに?僕の?」
「スペルバウンドに載ってたわ、ニュート・スキャマンダーと婚約者リタ・レストレンジ、兄テセウスと謎の女」
クィニが開いたページには大きく『ニュート結婚へ』と書かれていた。
「これは…まずいね、レストレンジさんの婚約者はニュートじゃなくてテセウスさんだよ」
「そう、僕じゃないよ…兄さんだ…」
私達がそういうとクィニは表情が固くなった。
もしかしてティナが大変だった理由って、もしかして……?
「あ、あのね?この記事をみた後ティナは別の人と付き合いはじめて………闇払いのアキレス・トリバーって人と」
「トリバァァア!w」
トリバーと聞いた瞬間にジェイコブが笑い出した。……違和感の正体がわかった。私の知っているジェイコブなら人の名前で笑ったりはしない。
「クィニ、ジェイコブに「私たち結婚するの!!」…え、あぁうん、おめでとう?」
「ジェイコブと結婚!!」
バシャッと持っていた飲み物を自分の顔にかけたジェイコブ。それに驚いたニュートは目をパチパチとしている。
うん、これは黒だね。ニュートも気づいたみたいだし。
「会えて嬉しかったよで、ココドコ?」
「ロンドンだよ」
「あぁ来たいと思ってたんだよ!!クィニィッ!!」
結果から言うとジェイコブはクィニに魔法をかけられていた。
どうやら結婚をすることはジェイコブは乗り気じゃなかったみたいで、どうしても結婚をしたかったクィニは魔法で操り人形にしたまま結婚しようとしていたみたいだ。
非魔法族と結婚すると監獄に送られるのを恐れたジェイコブ
それでも結婚をして結ばれたいクィニ
お互いを思った結果がこれだ。クィニはジェイコブを置いてティナに会いに行くために姿を眩ませた。
「なぁキィリ…俺はどうしたら良いんだ…?本気じゃなかったんだ…クィニはイカれてなんか…」
「ジェイコブ、人間は誰だろうとイカれている生き物だよ。端から見れば魔法を使う人間も愛し合っている君はイカれているし、魔法生物が大好きなニュートだってイカれているんだ」
まぁ私は存在事態がイカれているけどね、と付け足してジェイコブにコート着せて魔法で乾かすとニュートがトランクを持って上がってきた。
「さぁジェイコブ出発だ早く行こう」
「……え?どっか行くの?」
「あれ、言ってなかったかな?ティナはパリにいるみたいだよ。ならクィニもパリに行くはずだよ」
「やった!!早く行こうぜ!!」
ジェイコブは両手でガッツポーズをして喜んでいた。
【メヴィのトリセツ】
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「はよ投稿しろ」
「続き早くしろハゲ」
等のコメントでも喜ぶ変態です。
こう言う外伝的なのは統合して良いですか?
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ええで
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別にしろ
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続きはよ
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おうどん食べたい
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蕎麦こそ嗜好である