そして翌朝?
ミネルバを私のベッドに寝かせて処置をした後、私は寝ずに色々と作業をしていた。
私が行っている作業とはモリーへの手紙を書いたり、私自身の体液を試験管へ移すことだ。
まずモリーへの手紙には私がハリーの護衛をして生徒になったこと。これは内密にして欲しいという内容の手紙を送った。ついでにモリーは編み物が好きだった筈だったから私の糸で作った毛糸も送っておいた。
きっと今年のクリスマスあたりに家族にセーターでも送ってくれるだろう。
そして体液を取っているのはちゃんとした理由がある。セブルスの研究やハグリットに提供するためだ。
私がホグワーツにいたときには月に一度程の頻度で渡していたのだ。ハリーと一緒にいた11年間は提供出来てなかったからね。
セブルスには私の血液を提供している。セブルス曰くしっかりと保存し調合をすれば万能薬になる……らしい。傷薬や解毒剤…etc、とにかく色々なことに使えるようだ。
ハグリットには濃度を調整した私の毒液だ。魔法生物を捕獲したり調教する時によく使うらしい。勿論解毒液もあげているよ?何故か私の出した解毒液しか効かないからね。
動脈に注射器を刺して血液を試験管に移し、私専用の噛みついて毒液を採取できる試験管に毒液を移しているとふとある考えが浮かんだ。
よく考えると私は所謂金のなる木じゃないか?私の脚は杖の素材になるし、体液は薬品になるし……加えて蜘蛛糸は高機能、高品質……
本当に私を保護してくれたのがスキャマンダーさんで良かった……スキャマンダーさんじゃなかったらどうなっていたか………ヒェェ…
私が少し恐怖しながら作業をしているといつの間にか朝になっていた。
そろそろドア爺……は良いか。ミネルバを起こして朝食を用意しなくちゃね。魔法を掛けておいたから二日酔いとかは無いだろうけど……まぁ普通で良いかな。
そして私がベッドで寝ているミネルバに掛けている《時間加速》を《解呪》で解いてからミネルバを起こす。
「……おはよう……ございます先生……」
「おはようミネルバ。お風呂に入ってさっぱりしてくると良いよ。その間に私は朝食を準備するからね」
ミネルバをベッドから脚を使いながら起こして立たせてタオルを渡して浴室へ連れて行き、朝食の支度をする。メニューは簡単にフレンチトーストと焼いたベーコンと卵だ。
「久しぶりに楽しかったです。では後の授業でお会いしましょう」
「あぁ、また授業で」
朝食を二人で食べた後にミネルバは授業の準備があるからと出ていった。今度はお菓子を用意してお茶をするのも良いね。
そして授業の準備をしてグリフィンドールの寮に向かい談話室でハリーを待っていた。
流石の私でも男子の部屋に入ることはしないよ?今すぐに起こしに行きたい気持ちはあるけれども?寮は基本相部屋だからねぇ……
「あ!おはようキィ!どこにいたの?心配してたのよ?」
起きてきたハーマイオニーに突然話しかけられた。すこしビクッとした。ハーマイオニーらそのまま私の隣に座って私に詰め寄ってきた。やっぱりこうなるのか……
「監督生に聞いてもキィに割り当てられた部屋は無いって言うし先生に連れていかれたっきりだし……説明してくれるわよね??」
「あ、あはは…勿論だよ。私はかなり特殊な体質でね、他の人と相部屋になると色々と不都合な事が多くてね。だから私は他の生徒とは別の部屋なんだ」
納得してくれたかな…?
ハーマイオニーはジトーとした目付きで私を見ていたけど納得はしてくれたようで私から離れた。
「まぁ良いわ。それよりそろそろ授業が始まるから行きましょう?」
そう言われて懐中時計を出して確認すると授業まであと15分程だった。ホグワーツの大きさや動く階段の事を考えると確かにギリギリだ。
「そうだね……けれどハリーがまだ…」
「…流石に大丈夫じゃないかしら?昨日だって赤毛の子と一緒にいたし」
う~ん…ロンは割とポンコツな気がするからねぇ……けど……ハリーにできた始めての友達だし……
「……そう…だね。少し、いやかなり心配だけど行こうかハーマイオニー」
「……貴女はハリー離れをしたほうが良いわね……」
そんなこんなで私はハーマイオニーと一緒に教室へ向かった。途中ハーマイオニーが私の事やハリーの事について質問してきてそれに私が答えるという風に会話をしながら向かった。
教室に着き、私がハーマイオニーの髪を弄りながら「素材は良いんだからもっと大事にしないと」と言ったら顔を赤くして黙ってしまった。なんで?
ミネルバの授業が始まってもハリーとロンは来なかった。待っている間私たちは教科書をノートに写すという課題をやらされていた。私とハーマイオニーはまったく苦では無かったけれど他の生徒は物凄くめんどくさそうにしていた。
ミネルバは猫になって教卓に座っていた。今度撫でてみても良いだろうか?と、そんなことを考えているうちに教科書の10ページ程を移し終わった頃に教室のドアが開いてハリーとロンが入ってきた。
「間に合った……遅刻したらマクゴナガルがどんな顔をするか……」
ロン……ミネルバは目の前に居るよ…
ミネルバはハリーとロンの前に人に戻りながら立つと時計と地図に変えるぞと言う脅しをかけた。ミネルバなら本気でやりかねないから本当に注意して欲しい。
授業が終わり私がハリーのもとへ向かうとハリーが少し口を尖らせていた。私が謝罪をしながら撫でるとロンとハーマイオニーが目を剃らしていたけれど何故だろう?まぁいいか
「ほらハリー、次はセブ…スネイプ教授の授業だ。私はすこし用があるから先に行くけれど、次は遅れずに来るんだよ?」
「わかってるよ!」
そして私はセブルスの私室へ来ていた。まだ授業まで時間があるからまだ居る筈だ。
ノックをしてしばらくするとドアが開いた。
「……キィリ先生……取り敢えずお入り下さい」
「うん、失礼するよ」
セブルスの部屋は相変わらず薬品や薬草の匂いが染み付いていた。何度も入った部屋だけれどとても懐かしくなる匂いだ。
私が懐かしく思っていると後ろにいたセブルスが話しかけてきた。
「それでなんのご用ですかな?」
「あぁすまないね。ーーほら、私の血液だ。必要だろう?」
「……そういえばそんなモノもありましたな?目にするのは……11年ぶりですかな?」
私が血液の入った試験管を差し出すと少し嫌みを含めてニヤリと笑いながら受け取ってくれた。
「ま、これからは前と同じ頻度で提供できるさ。………やっぱり、ハリーはジェームズと重なって見えるかい?」
「………」
「沈黙は肯定、と受け取るよ」
やっぱり重ねてしまっていたか……入学式の時、セブルスがハリーを見る目はジェームズを見る目とそっくりだった。ハリーは目はリリーに似たが、顔はジェームズにそっくりだ。
「……私は…」
「私だってジェームズがセブルスにした事は今でも許していないよ。けれどハリーを憎むのはよしてやってくれ。子に罪は無いんだ。ハリーはリリーの子でもあるのだからね。
ーーどうしても無理と言うのならハリーの目を見つめて見ると良いよ?ハリーの目はリリーによく似ているからね。あ、あまり熱を入れて見つめすぎるとハリーにそっちの気があると」
「先生のそう言うところは変わってなくて安心しましたよこのポンコツ蜘蛛が」
「なぁ!?」
せっかく私がセブルスを慰めてあげようとしたのに!?
私が口をパクパクさせて震えているとセブルスはフッと笑った。
また私で遊んだな!?
「せっかく私が…」
「キィリ先生に心配されるなど私は落ちぶれて下りませんよ?」
「ッ!こ、この人がせっかく」
「貴女は蜘蛛でしょう?」
「うがぁぁぁあ!?」
セブルスのこう言うところはまったく変わってない!!!いつも私を弄んで!!!
「…ですが感謝はしておきましょう。とても、かなり、誠に遺憾ですが」
「……相変わらず素直にはならないか……まぁ良しとしよう。
ーーあぁそうだ。私に対して減点を躊躇する必要はないからね?今の私は生徒で、セブルスは教師だか「グリフィンドール10点減点」早すぎないかな!?」
「何を言っているミス・ラクネ?既に授業は始まっている時間だぞ??」
セブルスに言われて慌てて懐中時計を確認すると確かに授業が始まっている時間だ。
だからセブルスはニヤニヤしていたのか…!!
「す、スネイプ教授……?少しお慈悲を頂けないでしょうか…?」
「更に減点されたいのなら喜んでするぞ?ーーさっさと行かんかこのウスノロが」ニヤニヤ
「………」
覚えておけよセブルス・スネイプゥ……
口元を袖で隠しながら笑うセブルスを後に私はセブルスの部屋を後にした。教室に行くと既にセブルスが居てハリーを質問責めにしていた。私に気づいたセブルスはニヤリと笑ってグリフィンドールから5点減点した。
こ、こいつ姿眩まし使って先回りしたな……ツ!!
キィリ・ラクネ
教師時代は生徒にかなり好かれていた。
悪戯仕掛人にやたら悪戯をされてそれに怒ったキィリが追いかけ回すという光景がよく目撃されていた。
キィリがアラクネと言うのは悪戯仕掛人、セブルス、リリーしか知らない。というより見破られた。