遊戯王VRAINS Re:Construction 作:師走F
「昨日は酷い目にあったな」
昼休み、昼食を買うために購買に向かう途中、Aiがおかしそうに言ってきた。
「財前は何をあんなに怒っていたんだ?」
「それ本気で言ってる?」
Aiは若干引いたように言うが、遊作には何のことかさっぱり分からなかった。
「ん?」
すると、遊作は廊下の先に、切花の姿を見つけた。
「あいつ、あんなところで何をやってるんだ?」
向こうは購買とも食堂とも違う、そのわずかな違和感を元に、遊作は彼女の後を付けることにした。
そうしてやってきたのは体育倉庫、彼女は大げさなアクションで周囲を警戒すると、デュエルディスクを操作し始めた。
「もしもーし」
誰かと電話しているようだった。
入り口の陰に潜んで様子をうかがうが、ここからでは通話相手の声までは聞こえない。
「はいはい分かってるよ。今日の15時半、LINK VRAINSだね。場所はいつものところでいい? 地図? いらないいらない。道分かるし」
「誰かと待ち合わせしているのか」
「おせっかいだなー。じゃあありがたく受け取っとくよ」
すると、彼女のデュエルディスクから大きなホログラムウィンドウが投影され、遊作の位置からでも見えるサイズで地図が表示された。
「あれは……」
そこに記されていたのは、LINK VRAINSの進入禁止エリアの地図だった。
「じゃあね~」
彼女は通話を切り、体育倉庫から出ていく。
遊作は近くの物陰に潜んで、彼女を見送った。
◆
その日の放課後、遊作はデュエル部には立ち寄らず、学校からLINK VRAINSにログインしていた。
「ここがLINK VRAINSの進入禁止エリアか」
周囲には鉄骨の骨組みだけの建物だったり、崩れかけたブロックでできた島だったりが浮いている。
進入禁止エリアとはいっても、未完成なエリアというだけで、決して危ない場所という意味ではない。
しかし、わざわざそんな場所に友達と待ち合わせしていただけというのは、
「考えすぎじゃないか?」
「彼女が怪しいと思う理由はある。一つ、俺とのデュエルで手を抜いていた。二つ、俺の正体を探るような行動を取っていた。三つ、彼女は俺が名乗る前から俺の名前を知っていた」
一つ一つは小さな違和感、しかし、それが三つ重なれば疑うのに十分な根拠となる。
そうして、目的の場所につくと、
「待ってたよ。プレイメーカー」
Dボードに乗った少年が、まるで彼を待ち伏せていたかのように現れた。
「その服装、ハノイの……」
「初めまして。ボクはジャックナイフ。ハノイの騎士の、すこーし偉い人かな?」
アバターは男の姿だが、容姿や口調にどことなく彼女に似た雰囲気がある。
「俺を待ち伏せしていたのか?」
「さぁ……それよりさ、ボクとデュエルしない?君が勝てば、そのイグニスの記憶データ、渡してあげてもいいよ?」
そう言って、ジャックナイフは指を鳴らすと、その右手にカードの形をしたプログラムを出現させた。
「あれは間違いない。俺のデータの一部だ!」
「何?」
「言っただろ? ハノイの少し偉い人だって。まさかこれで断ったりしないよね?」
「いいだろう」
「「スピードデュエル!」」
ターン1 プレイメーカー
「俺はバランサーロードを通常召喚」
プレイメーカーのフィールドに白い電子の騎士が現れる。
「1000ライフポイント払うことで、俺はこのターン、もう1度モンスターを召喚できる。俺はドラコネットを召喚!」
青い電脳の小竜が現れる。
「その効果で、デッキからレベル2以下の通常モンスター、ビットロンを特殊召喚。現れろ、未来を導くサーキット!」
プレイメーカーが手を伸ばす先に光が走り、彼の道にアローヘッドが出現する。
「召喚条件はサイバース族モンスター2体!リンク召喚!リンク2、スプラッシュ・メイジ!効果発動!」
現れたスプラッシュ・メイジが、杖をクルッと一回転させると、彼の右斜め後ろに、ビットロンが蘇る。
「現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件は効果モンスター2体以上!リンク召喚!リンク3!デコード・トーカー!」
「早速デコード・トーカーか」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
ターン2 ジャックナイフ
「ボクのターン、ボクはアニマイール・トリックランタンを召喚!」
アニマイール・トリックランタン
効果モンスター
星3/光属性/アンデット族/攻 800/守 800
このカード名の(2)(3)の効果はいずれか1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキ・墓地から「アンデットワールド」、または「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。
(2)自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
(3)このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールドの「アニマイール」カード1枚を墓地に送って発動できる。このカードを墓地から手札に加える。
「デッキからアンデットワールドを手札に加え、そのまま発動!」
辺りが暗くなり、瘴気が立ち込める。
「現れろ、ボクだけの
暗雲たち込める空間に、アローヘッドの光が差す。
「召喚条件はリンクモンスター以外のアニマイール1体!リンク召喚!リンク1、アニマイール・フウロ!」
アローヘッドより現れたのは、紫の大きな瞳を怪しく光らせる、煙の翼を持ったフクロウだ。
アニマイール・フウロ
リンク・効果モンスター
光属性/アンデット族/攻 0/LINK1
【リンクマーカー:下】
リンクモンスター以外の「アニマイール」モンスター1体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードがリンク召喚に成功した場合、手札から「アニマイール」カード1枚を捨てて発動できる。デッキから「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を墓地に送る。自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」があれば、墓地に送るかわりに手札に加える。
(2)自分が融合召喚に成功したターンのエンドフェイズに、自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」があれば、墓地のこのカードを除外して発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
「手札のアニマイール1枚を捨てて、デッキからアニマイール・ポルターガイスト1枚を墓地に送る。この時、アンデットワールドがあれば、墓地に送るかわりに手札に加える。再び現れろ!ボクだけの
闇の中にアローヘッドが煌く。
「召喚条件はアニマイールモンスターを含む、アンデット族モンスター3体!」
「おいおいお前のモンスター1体だけだぞ?」
Aiの突っ込みに、ジャックナイフは小馬鹿にしたように笑う。
「アニマイール・トリックランタンと、アニマイール・ライヴコープスは、それぞれ1ターンに1度だけ、墓地からリンク素材にできる。ボクはフィールドのアニマイール・フウロと、墓地のアニマイール・トリックランタン、アニマイール・ライヴコープスをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!」
墓地から霊魂のようなものが飛び出し、フウロと共に右上、左上、下のリンクマーカーを描く。
「リンク召喚!リンク3!アニマイール・オルトバイト!」
現れたのは、二つの頭を持つ犬、体は紫の炎のようなものでおおわれており、目は黒い革で隠されている。
アニマイール・オルトバイト
リンク・効果モンスター
闇属性/アンデット族/攻 2300/LINK3
【リンクマーカー:右上/左上/下】
「アニマイール」モンスターを含むアンデット族モンスター3体
このカードは自分のEXモンスターゾーンにのみ特殊召喚でき、このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分のメインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールド及びこのカードのリンク先の相手モンスターの中から、アンデット族融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を融合召喚する。
(2)このカードのリンク先の自分・相手のモンスターを、それぞれ1体ずつを対象として発動できる。対象の相手モンスターを対象の自分のモンスターに装備カード扱いで装備する。装備モンスターは装備したカードの元々の攻撃力の半分、攻撃力がアップする。
「ぼ、墓地からリンク召喚とか、マジかよ」
「アニマイールモンスターは、墓地からリンク素材とした場合、ターン終了時まで、融合モンスターしか特殊召喚できない。ボクはアニマイール・オルトバイトの効果発動!その効果にチェーンして速攻魔法!アニマイール・ポルターガイストを発動!」
アニマイール・ポルターガイスト
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードの発動に対して、相手はモンスター効果・魔法・罠カードを発動できない。
(1)以下の効果から1つを選択する。同一チェーン上に「アニマイール」リンクモンスターの効果がある場合、さらに、その効果以外の同一チェーン上の効果は全て無効になる。
●相手フィールドのモンスターを任意の数だけ対象にして発動できる。そのモンスターをそれぞれ別のメインモンスターゾーンに移動させる。
●相手のEXモンスターゾーンにモンスターが存在し、相手のメインモンスターゾーンにEXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する場合にそれら2体を対象として発動できる。そのモンスターの位置を入れ替える。
「デコード・トーカーをオルトバイトのリンク先に移動させる」
デコード・トーカーが宙に浮き、オルトバイトの首の前に移動せられる。
「そしてオルトバイトの効果解決。自分の手札・フィールド、及びこのカードのリンク先の相手モンスターを素材として融合召喚を行う!」
「なんだと!」
「食らい尽くせ!オルトバイト!ボクは手札のアニマイール・カラカライトと、君のデコード・トーカーを融合!」
オルトバイトがデコード・トーカーを頭からむさぼり、デコード・トーカーはデータの藻屑となる。
「地を這う屍よ!虚構の電影を食らい、その魂を結び合わせよ!融合召喚!いでよ、レベル7!アニマイール・バニシングファング!」
アニマイール・バニシングファング
融合・効果モンスター
星7/闇属性/アンデット族/攻 2300/守 2000
アンデット族モンスター+リンクモンスター
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの表側表示モンスター全ての効果をターン終了時まで無効にする。この効果の発動に対して、相手はアンデッド族モンスターの効果を発動できない。
(2)このカードは、「アニマイール」リンクモンスターの効果で装備したモンスターのモンスター効果を得る。
(3)このカードが戦闘・相手の効果でフィールドから墓地の送られた場合、自分及び相手の墓地のアンデット族モンスターをそれぞれ1体ずつ除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。
「バトルだ!アニマイール・バニシングファングで、ビットロンを攻撃!」
ビットロンに、怨霊の怪物が大口を開けて迫る。
「俺は
スリーフェイト・バリア
通常罠
(1)以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このターン、自分のモンスターは戦闘・効果で破壊されない。
●このターン、自分はダメージを受けない。
●このターン、自分のモンスター1体は1度だけ戦闘で破壊されず、その戦闘によって戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分、自分のライフを回復する。
(2)自分がダメージを受けた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、自分が受ける効果ダメージは0になる。
「このターン、俺のモンスターは破壊されない!」
ビットロンは赤いバリアで守られる。
ビットロンは守備表示なので、ダメージも回避した。
「ボクはこれでターンエンド」
ターン3
「俺は装備魔法、コード・リコンパイルを発動」
コード・リコンパイル
装備魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。
(1)ライフを500払い、自分の墓地の「コード・トーカー」モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。このカードがフィールドを離れた時に装備モンスターは墓地に送られる。
(2)装備モンスターの効果は無効化され、攻撃力は0になる。
(3)装備モンスターをリンク召喚の素材にする時、このカードを装備モンスターと同じ種族・属性の通常モンスター1体分としてリンク召喚の素材にできる。
「墓地のコード・トーカーを攻撃力0、効果を無効にして特殊召喚!」
魔法カードによってデコード・トーカーが蘇る。
「現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件は通常モンスター1体!俺はビットロンをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク・スパイダー!」
ビットロンがアローヘッドに飛び込み、電脳の蜘蛛へと変換される。
「下向きのリンクマーカー、ってことは……」
「現れろ!未来を導くサーキット!」
再びプレイメーカーの行く先にアローヘッドが出現する。
「召喚条件はモンスター2体以上!俺はコード・リコンパイルと、リンク3のデコード・トーカーをリンクマーカーにセット!」
アローヘッドに上下左右のリンクマーカーが描かれ、強烈な風が吹き荒れる。
「唸れ嵐!虚構に渦巻く旋風は、万物を震わす竜の雄叫びとなる!リンク召喚!」
風の中で竜が吠える。
「リンク4!ファイアウォール・ドラゴン!」
ファイアウォール・ドラゴンが、リンク・ディサイプルのリンク先に降り立った。
「ファイアウォール・ドラゴンの効果!このカードと相互リンク状態のカードの数まで、フィールド・墓地のカードを手札に戻す!俺はオルトバイトを手札に!」
ファイアウォール・ドラゴンが羽ばたくと、巻き起こる風がオルトバイトを飲み込み、エクストラデッキに戻す。
「カード1枚伏せて、バトルだ!ファイアウォール・ドラゴンで、アニマイール・バニシングファングを攻撃!テンペストアタック!」
ファイアウォール・ドラゴンが翼に充填したエネルギーを放ち、バニシングファングを粉砕する。
ジャックナイフ:ライフ4000→3800
「破壊されたバニシングファングの効果発動!お互いの墓地からアンデット族モンスター1体ずつを除外することで、このカードを墓地から特殊召喚する!アンデットワールドの効果で、互いのフィールドと墓地のモンスターはアンデット族になってるから、好きなカードを除外できるよ」
だが、飛散した魂が寄り集まり、再びバニシングファングの体を形作った。
「くっ、俺はこれでターンエンド」
ターン4
「ボクはアニマイール・ライヴコープスを召喚!」
黒いボロボロのマントに、死体の頭を縫い付けたような不気味な人形が現れた。
アニマイール・ライヴコープス
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻 1100/守 0
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。墓地の「アニマイール」モンスター、または「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」があれば、さらに手札からレベル3以下の「アニマイール」モンスター1体を、効果を無効にして特殊召喚する。
(2)自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。リンク召喚後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
「効果で墓地のアニマイール・ポルターガイスト1枚を手札に戻す。その後、アンデットワールドがあれば、手札からレベル3以下のアニマイール1体を特殊召喚できる。ボクはカラカライトを特殊召喚!」
ライヴコープスのマントの中から、小さな骨の怪人が飛び出した。
アニマイール・カラカライト
効果モンスター
星2/地属性/アンデット族/攻 500/守 500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分の手札・墓地からアンデット族モンスターが特殊召喚された場合に発動できる。デッキから「アニマイール・カラカライト」1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、自分は「アニマイール」モンスターしか特殊召喚できない。
(2) 自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。リンク召喚後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
「魔法カード、アニマイール・ベリアルを発動!」
アニマイール・ベリアル
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1)手札1枚を捨てて発動できる。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地に送る。自分の墓地に「アニマイール」モンスターが4種類以上あれば、自分はデッキから1枚ドローする。
「手札1枚を捨てて、デッキからトリックランタンを墓地に送る。現れろ!ボクだけの
再びオルトバイトが現れ、盤面は前のターンの状態に戻る。
「おいおい、これまたこっちのモンスターが融合素材にされちゃうんじゃ……」
「そうはならない。よく見ろ」
不安がるAiに、プレイメーカーはジャックナイフのフィールドを指さす。
「そうか!あいつのリンク先は既に融合モンスターで埋まってる!あいつ蘇生先をミスりやがったな」
「ミスだといいんだがな」
プレイメーカーは険しい顔つきで、オルトバイトを見つめる。
「よくわかってるねぇ。もちろんミスなんかじゃないよ。ボクはオルトバイトのもう1つの効果を発動し、そこにチェーンしてアニマイール・ポルターガイストを発動!ファイアウォール・ドラゴンには、オルトバイトのリンク先に来てもらうよ」
ファイアウォール・ドラゴンの相互リンクが解除され、オルトバイトの眼前に引き寄せられる。
「そしてオルトバイトの効果!このカードのリンク先の互いのモンスター1体ずつを対象として発動。対象の相手モンスターを、ボクのモンスターに装備!」
ファイアウォール・ドラゴンがかみ砕かれ、その残骸の翼がバニシングファングに装着される。
「この効果で装備したカードの元々の攻撃力の半分、装備モンスターの攻撃力をアップする!」
これにより、バニシングファングの攻撃力は3550まで上昇した。
「カードを1枚伏せて、バトルだ!まずはオルトバイトで、リンク・スパイダーを攻撃!」
プレイメーカー:ライフ3500→2200
「バニシングファングで攻撃!」
「俺は
コード・オブ・エンゲージ
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できず、発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。
(1)自分の墓地の「コード・トーカー」リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン、戦闘で破壊されない。
(2)このカードの(1)の効果で特殊召喚したモンスターが、リンク3以上のリンクモンスターのリンク素材となって墓地に送られた場合、フィールドのこのカードを墓地に送り、そのカードのリンク先となるメインモンスターゾーンに移動して発動できる。そのモンスターと属性が異なる「コード・トーカー」モンスター1体を、EXデッキから効果を無効にして、攻撃力0にして特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは「コード・トーカー」モンスター以外のリンク素材にできず、次の自分のエンドフェイズに墓地に送られる。
「墓地のデコード・トーカーを特殊召喚!」
「ならデコード・トーカーを攻撃!」
プレイメーカー:ライフ2200→950
ダメージはもらうが、バニシングファングに食われたはずのデコード・トーカーは、プレイメーカーのフィールドに戻っていた。
「この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、戦闘で破壊されない」
「チッ、ボクはこれでターンエンド」
ターン5
「どうする? プレイメーカー。ライフはもうちょびっとしかねぇ」
「だが、ライフが減ったおかげで発動条件は整った」
すると、彼らの前方にデータストームが出現した。
「いくぞっ!」
プレイメーカーはDボードを加速させ、データストームに飛び込む。
「自分のライフは1000以下の時、データストームの中からサイバース族モンスター1枚をランダムにエクストラデッキに加える!スキル発動!ストームアクセス!」
データストームの中から掴んだカードを見て、プレイメーカーは勝利を確信した。
「俺はサイバース・ガジェットを通常召喚!その効果で、墓地のビットロンを特殊召喚。現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件はトークン以外のモンスター2体以上!俺はリンク3のデコード・トーカーと、サイバース・ガジェットをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク4!ラスタライガー!」
現れたのは、カメラのようなパーツを装備した機械の白獅子だった。
「コード・オブ・エンゲージの効果!自身の効果で特殊召喚したモンスターが、リンク3以上のモンスターの素材となって墓地に送られた時、リンク召喚したモンスターをリンク先となるメインモンスターゾーンに移動させ、EXデッキからコード・トーカー1体を、効果を無効にして、攻撃力0にして特殊召喚!来い、エンコード・トーカー!」
ラスタライガーが後ろに下がり、その前にエンコード・トーカーが呼び出される。
「ラスタライガーの効果!リンク先のモンスターを任意の数だけリリースし、その数だけ相手フィールドのカードを破壊する!」
エンコード・トーカー、ガジェット・トークン、ビットロンの三体がデータに分解、ラスタライガーのタテガミに吸収される。
咆哮。
ラスタライガーの雄叫びが、空気を揺らし、バニシングファング、オルトバイト、そしてアンデットワールドの三枚を破壊する。
「アンデットワールドが破壊されたから、お前のモンスターは蘇生できない」
「けど攻撃力2000じゃ、ライフを削るには少し足りないんじゃない?」
「俺はラスタライガーのさらなる効果!墓地のリンクモンスター1体の攻撃力を、ラスタライガーに加える!」
エンコード・トーカーの力を得て、攻撃力4300まで上昇する。
「バトルだ!ラスタライガーで、ダイレクトアタック!」
ラスタライガーがジャックナイフへ迫る。
「ボクはスキル、リボーン・オブ・テラーを発動!自分フィールドにモンスターが存在しない時、墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を守備表示で特殊召喚!」
ラスタライガーの前に、ライヴコープスが立ちふさがる。
「くっ……!」
ラスタライガーがライヴコープスを踏み潰す。
しかし、彼にダメージを与えることはできなかった。
「ライヴコープスの効果で墓地のポルターガイストを手札に」
「俺はこれでターンエンド」
ターン6
「ドロー」
引いたカードを見る。
「惜しかったね。このデュエルはボクの勝ちだ。アニマイール・トリックランタンを召喚。そしてトリックランタン、墓地のライヴコープスとカラカライトでリンク召喚」
三度オルトバイトがリンク召喚される。
「オルトバイトの効果発動。それにチェーンしてポルターガイストを発動。ラスタライガーをオルトバイトのリンク先へ移動させ、オルトバイトの効果で融合召喚」
オルトバイトがラスタライガーを食らい、そのまま自ら融合素材となる。
怨霊が寄り集まり、蛇のような不定形の怪物が降臨した。
「バトルだ。バニシングファングでダイレクトアタック」
プレイメーカー:950→0
◆
デュエルが終了すると、ジャックナイフは倒れたプレイメーカーにスキップしながら近づく。
「さーて、じゃあイグニスをもらおうかな~」
彼は自身の左腕に装着されたデュエルディスクに手をかける。
そのモデルは、切花がつけていたものと同じ旧式のデュエルディスクだった。
「やはり……お前は、夢乃」
「なんのこと~? ボクはジャックナイフだよ~」
うつ伏せで倒れたまま睨むが、彼は意に介さずデュエルディスクを操作して、プレイメーカーからAiを奪い取る。
「ごきげんよう。闇のイグニス」
「くっ……」
Aiは何もできずに、ジャックナイフを見るだけだった。
「それじゃあね~プレイメーカー」
ジャックナイフはDボードに乗り、プレイメーカーに手を振り去った。
◆
遊作はログアウトすると、すぐにデュエル部に向かった。
「遊作、遅かったですね……どうしたんですか?」
血相を変えて入ってきた彼に、美海を含む部員達が不思議そうに見つめる。
「美海、夢乃はハノイだ」
入り口の前で、他の部員に聞こえないように小声で言う。
「どういうことですか?」
「さっき奴とLINK VRAINSでデュエルをしてきた。それで……」
「ちょっと待ってください。彼女ならずっと部室にいましたよ?」
そう言って美海は、いつものように男子部員に囲まれた切花を指さす。
「どういうことだ……?」
「遊作、何があったのですか?」
遊作は少し迷ってから、彼女を教室の外に連れ出す。
「Aiを奪われた」
「え?」
「俺は……ハノイに負けた」