遊戯王VRAINS Re:Construction 作:師走F
同刻、美海とスペクターのデュエル。
美海のフィールドにはバックログカウンターが3つ置かれた
対するスペクターは
ライフは互いに無傷の4000。そして美海のターン、
「私はプレシオルタの効果発動!このカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる!そしてプレシオルタの効果発動!バックログカウンター1つを使うことで、このカードと同じ縦列の相手カード全てを手札に戻す!」
プレシオルタが嘶くと、その声が振動となってスペクターのモンスターに伝わり、モンスターはエクストラデッキに戻される。
「おやおや、私のモンスターがいなくなってしまいましたよ」
スペクターはその状況とは裏腹に余裕そうだ。
「私は永続罠、
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドの水属性モンスター1体を隣のメインモンスターゾーンに移動させて発動できる。墓地からレベル5以下の「オリジンブルー」モンスター1体を特殊召喚する。
(2)自分のバックログカウンター3つを取り除いて発動できる。デッキから「オリジンブルー」モンスター1体を手札に加える。
「プレシオルタを隣に移動させ、墓地からシーライブラを特殊召喚。その効果でデッキから原初海祈アノマロトレスを手札に加える。そしてフィールド魔法、原初海域の効果発動」
フィールド魔法
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分の「オリジンブルー」リンクモンスターのリンク召喚に成功した場合に発動できる。そのモンスターに、このターン中にモンスターが移動した回数だけ、バックログカウンターを置く。その後、この効果で置かれたカウンターの数まで、墓地からレベル4以下の「オリジンブルー」モンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
(2)1ターンに1度、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。
(3)自分のエンドフェイズに発動できる。自分フィールドのバックログカウンターの数×200のダメージを相手に与える。
「シーライブラを隣に移動させる。シーライブラは移動した時、手札からオリジンブルー1体を特殊召喚できる。アノマロトレスを特殊召喚。効果発動!」
アノマロトレスが、コードのような触手を伸ばしてシーライブラに接続する。
「自分の水属性モンスター1体を隣に移動させ、そのモンスターと同じレベル、属性、種族のトークンを特殊召喚」
触手を通してデータが流れ、シーライブラの隣に同じ輪郭の半透明の物体が出現した。
効果モンスター
星3/水属性/サイバース族/攻 800/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドのこのカード以外の「オリジンブルー」モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させ、元々の位置にそのカードと同じレベル·種族·属性の「オリジンブルー·トークン」(攻/守0)1体を特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
(2)墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。対象のカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。この効果は相手ターンでも発動できる。
「タイタニーニャの効果!リンク先のモンスター1体をチューナーとして扱い、リンク先のモンスターのみを素材として、サイバース族モンスター1体をシンクロ召喚する!」
二体のモンスターが、タイタニーニャの体から伸びた触手に繋がれ、データに分解される。
「太古の泉より、その美しき歌声を響かせよ。シンクロ召喚!レベル7、原初海祈(オリジンブルー)プレシオルタ!」
二体目のプレシオルタが、フィールドに降臨した。
「ほう、エースモンスター2体目ですか。これはまずいですねぇ」
言葉に反して、スペクターに焦りはない。
その理由はおそらく、彼のフィールドにセットされたカード。
(あれを除去したいところだけど……)
そのカードがセットされた位置は美海から見て左端、二体目のプレシオルタをその正面に移動させようにも、一体目が邪魔でできない。
「……バトル!私は一体目のプレシオルタで、ダイレクトアタック!タイタニーニャの効果で、バックログカウンターの数だけ自分フィールドのモンスター全ての攻撃力200をアップする!」
バックログカウンターは6つ、よって攻撃力1200アップし、3500のダイレクトアタックがスペクターのライフを削る。
「私は永続罠、
永続罠
(1)自分が戦闘・効果でダメージを受けた場合にこのカードを発動できる。「
(2)自分フィールドの「サンアバロン」モンスターは相手の効果の対象にならず、相手の効果で破壊されない。
(3)1ターンに1度、相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージを半分にする。
(4)自分の「サンアバロン」リンクモンスターが効果フィールドから離れた場合に発動する。このカードを破壊する。
「フィールドに
スペクター:ライフ500→4000
「そして、サンアバロン1体をリンク召喚する!現れろ、私達の
彼の足元にアローヘッドが開く。
「召喚条件はレベル4以下の植物族モンスター1体!リンク召喚!
アローヘッドより、大樹が迫り上がってきた。
「ドリュアスは相手の攻撃対象にならない。そして
「くっ……」
攻撃をしたところで、ドリュアスの効果でライフを回復され、モンスターを特殊召喚されて逆に不利になるだけだ。
「私はこれでターンエンド」
ターン4
「私のターン」
「スタンバイフェイズにプレシオルタの効果発動!バックログカウンター1つを使うことで、ドリュアスを手札に!」
プレシオルタの嘶きが、再びドリュアスを地に返した。
「私は
三度ドリュアスがフィールドに生えてくる。
「しかし困りましたねぇ。私の
スペクターは自分の手札を見ながら頭をひねる。
「では、その優秀なモンスターを貰ってしまいましょうか」
「え?」
「私は魔法カード、
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドに「サンアバロン」リンクモンスターが存在する場合、相手フィールドの表側表示のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。その後、自分は1000のダメージを受ける。そのカードはフィールドに表側表示で存在する限り、植物族として扱い、自分フィールドの「サンアバロン」リンクモンスターが効果でフィールドを離れたら、コントロールを戻す。
(2)墓地のこのカードを除外し、墓地の「
「まだ効果を使っていないプレシオルタのコントロールを得る」
ドリュアスから蔓が伸びて、プレシオルタに巻き付く。
プレシオルタの体のあちこちから芽が出て、その瞳からは生気が失われる。
「くっ……」
「その後、私は1000のダメージを受ける。ドリュアスの効果で、ライフを回復し、エクストラデッキから聖蔓の守護者を特殊召喚。現れろ、私達の
プレシオルタと
「リンク召喚!リンク3、
彼女を見下ろす巨大な怪樹に、美海はたじろいでいた。
「私は続けて永続魔法、
ドリュアノームより落ちた種から、
「スラッシャーは、リンク召喚時に、サンアバロンリンクモンスターのリンクマーカーの数×800攻撃力をアップします」
「攻撃力3200……」
「バトル!スラッシャーで、タイタニーニャを攻撃!」
リンク先のモンスターを失ったタイタニーニャへ、スラッシャーの剣が迫る。
「私は永続罠、
「ならスラッシャーでプレシオルタを攻撃!」
プレシオルタはタイタニーニャの身代わりとなって破壊される。
美海:ライフ4000→3100
「スラッシャーの効果で、破壊したプレシオルタを墓地から私のフィールドに特殊召喚」
「また私のモンスターを……」
「プレシオルタでシーライブラを攻撃!」
プレシオルタが、仲間であるはずの美海のモンスターへ牙を向く。
守備表示なので、どうにかダメージを防いだものの、彼女のフィールドにはタイタニーニャ以外のモンスターがいない。
「私はカードを1枚伏せてターンエンド」
ターン5
(さっきから、全くライフを減らせない)
削っても削ってもライフは元に戻り、エースモンスターも奪われ、戦況は徐々に悪化している。
「私は原初海祈メガロガーを召喚。
「モンスター二体、またシンクロ召喚ですか?」
「アノマロトレスの効果で、メガロガーを移動させてトークン生成。タイタニーニャの効果発動!メガロガーをチューナーとして扱い、アノマロトレスにチューニング!シンクロ召喚!原初海祈エラスモータル!」
シンクロ・効果モンスター
星6/水属性/サイバース族/攻 2000/守 2000
水属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1) このカードが効果で隣のメインモンスターゾーンに移動する場合、かわりにリンクモンスターのリンク先となるメインモンスターゾーンに移動できる。
(2)このカードが移動した場合、自分フィールドのバックログカウンター1つを取り除き、このカードが元々いた位置と、移動先の間にあるメインモンスターゾーンの数だけ、相手フィールドのカードを対象として発動できる。そのカードをデッキに戻す。
(3)S召喚されたこのカードがフィールドから墓地に送られた場合に発動できる。墓地から水属性モンスター1体を手札に加える。
「
エラスモータルがドリュアノームの正面、美海から見て左から二番目のメインモンスターゾーンに移動する。
「墓地のアノマロトレスの効果発動!このカードを除外し、エラスモータルを隣に移動!この瞬間、エラスモータルは自身の効果で、移動先をタイタニーニャのリンク先、右端のモンスターゾーンに変更!」
エラスモータルがタイタニーニャのリンク先に戻ってくる。
「モンスターを反復横跳びさせて何がしたいんですか?」
「これにより、エラスモータルの効果が発動します。移動先と元々の位置の間にあるモンスターゾーンの数だけ、相手のカードを対象に、デッキに戻す」
エラスモータルが口から水流を吐くと、それによりスラッシャーとプレシオルタが押し流される。
「私は手札から原初海祈アンモジュールを特殊召喚!」
効果モンスター
星4/水属性/サイバース族/攻 1700/守 0
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、このカード名のカードを特殊召喚するターン、自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
(1)自分フィールドにモンスターが存在しない、または水属性モンスターのみの場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)このカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。デッキから「オリジンブルー」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
「タイタニーニャの効果!トークンをチューナー変えて、アンモジュールにチューニング!シンクロ召喚!原初海祈プレシオルタ!」
「あの状態からここまでこぎつけるとは」
「プレシオルタを自身の効果でドリュアノームの正面に移動!そしてバックログカウンターを使い、ドリュアノームを手札に!」
プレシオルタが口を開く。
「この瞬間、私は罠カード、
通常罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドの「サンアバロン」リンクモンスター、または「サンヴァイン」リンクモンスター1体を対象として発動できる。このターン、対象のモンスターは効果では破壊されない。その後、自分は1000ダメージを受ける。
(2)墓地のこのカードを除外して発動できる。墓地から「サンシード」モンスター1体を特殊召喚する。
「このターン、自分のドリュアノームは効果破壊されない。そして私は1000のダメージを受ける」
スペクター:ライフ4000→3000
「そしてダメージを受けたことで、ドリュアノームの効果発動!エクストラデッキから
スペクター:ライフ3000→4000
ドリュアノームの枝から実が落ちて、中から大木の鎧を着た騎士が現れた。
リンク・効果モンスター
地属性/植物族/攻 1000/LINK 1
【リンクマーカー:右】
植物族通常モンスター1体
(1)自分フィールドの「サンアバロン」リンクモンスターが効果でフィールドから離れた場合に発動する。このカードを破壊する。
(2)このカードの特殊召喚に成功した場合、自分フィールドの「サンアバロン」リンクモンスター1体を対象として発動できる。このカードの攻撃力を、対象のモンスターのリンクマーカーの数×500アップする。その後、このカードの攻撃力以下の相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。
(3)自分フィールドの「サンアバロン」リンクモンスターが、戦闘・相手の効果でフィールドを離れる場合、かわりにフィールド・墓地のこのカードを除外できる。
「自分のサンアバロンがフィールドを離れる場合、かわりにこのカードを除外できる」
プレシオルタの攻撃を、ハーキュリーが木の盾で止めて、サンアバロンを守る。
「ターンエンド」
ターン6
スペクターはドローすると、引いたカードを見て肩を落とす。
「どうやら、目当てのカードは来なかったようですね」
「えぇ。おめでとうございます。あなたの勝ちですよ」
負けを確信したというのに、スペクターの顔は穏やかだった。
「一つ、聞かせてください」
美海はそんな彼を見て尋ねる。
「あなた達はなぜ、イグニスを狙うのですか?」
「ハノイの騎士としては、いずれ人類を滅ぼす存在であるイグニスの抹殺が目的」
「イグニスが、人類を……」
美海はAiのことしか、それも知り合って数日程度だが、それでも彼が人類を滅ぼすような存在だとはにわかには信じられなかった。
「まあ私個人としては、それはどうでもいい。私はただ、私を拾ってくださったリボルバー様のお役に立つため、ただそれだけです」
「そうですか……私も、まあ似たようなものかもしれません」
葵の顔を思い浮かべて、美海は息を吐く。
「では、私のターンでいいですね」
「えぇ、どうぞ」
「プレシオルタの効果でドリュアノームをバウンス」
ドリュアノームは、プレシオルタの歌声によって枯れて朽ちる。
「ダイレクトアタック」
◆
ソウルバーナーとゲノムのデュエル。
「どうしたんですかぁ? 目当てのカードを引けなかったみたいですけど」
「くっ……」
ソウルバーナーは改めて手札を見返す。
スーペルヴィス、ストライク・ギア・ブレード、華麗なる密偵-C
(考えろ。まだ諦めるわけにはいかねぇ。遊作と美海のためにも……)
「その熱い思い、確かに受け取ったぞ!」
「「!?」」
その時、どこからか炎が飛来した。
それはソウルバーナーのデュエルディスクに入り込み、炎を噴き上げる。
「なんだ!?」
すると、デュエルディスクからにゅっと黒い体に赤いラインが入った人型の何かが姿を現す。
「うあぁぁぁぁっ!」
「おいおいそんなに怖がるな。傷つくだろう」
叫び声を上げてデュエルディスクを外そうとするソウルバーナーに、その何かが顔をしかめる。
「私の名は不霊夢、不屈の魂、夢にあらずとかいて不霊夢だ」
「お、おばけ、デュエルディスクの付喪神か」
「AIだ。そんな非科学的なものではないから安心しろ。だいたい付喪神だったらそんなに怖がる必要ないだろう」
「確かに……」
ソウルバーナーはようやく落ち着きを取り戻す。
「あれはイグニス、何故イグニスがこんなところに……」
ゲノムはソウルバーナーのデュエルディスクに入り込んだ不霊夢を見て、ゲノムは驚愕する。
「私の友がここに囚われていると知ってな。助けに来たのだよ」
「お前もダチのために……」
「そうだ。さあソウルバーナーよ。君はまだ負けていない。その手札と君の力に逆転の鍵があるはずだ」
「俺の……そうか!俺は華麗なる密偵-Cを召喚!」
ソウルバーナーのフィールドに、赤いドレスの妖艶な女性が現れる。
「その効果で、相手のエクストラデッキからランダムに1枚を墓地へ。そのカードが攻撃力2000以上なら、自身の攻撃力を1000アップ、2000未満ならその攻撃力分ライフを回復する」
「どちらが出てもこの状況は変わりませんよ?」
ゲノムのデッキから1枚墓地に送られる。
めくれたカードは、ネクロ・ダーウィン。
「来たぜ!攻撃力2000未満!俺はネクロ・ダーウィンの攻撃力分、ライフを回復する!」
ソウルバーナー:ライフ500→2300
「その程度のライフでは、次の私のターンを凌げませんよ?」
「凌ぐんじゃねぇ。お前をこのターンで倒す!俺はスキルを発動!」
ソウルバーナーの服のラインが炎のように熱く輝く。
「自分のライフを100にし、その時失ったライフ1000に付き、1枚ドローする!」
「魂を燃やせ!ソウルバーナー!」
「スキル発動!バーニングドロー!」
手札に加わった2枚のカードを見て、ソウルバーナーは勝利を確信した。
「俺は装備魔法!ライジング・オブ・ファイアを発動!墓地のフェニックス・ギア・フリードを特殊召喚し、このカードを装備する!」
下から炎が鳥のように翼を広げて撃ちあがり、中からフェニックス・ギア・フリードが現れる。
「俺は装備魔法、スーペルヴィスとストライク・ギア・ブレードを装備!ストライク・ギア・ブレードの効果で、墓地のエヴォルテクター シュバリエを召喚」
ストライク・ギア・ブレードの効果が誘発して、ゲノムのライフを200削る。
「バトルだ!まずは華麗なる密偵-Cで、ゴシックローンを攻撃!」
「ゴシックローンの効果!攻撃力をバトルする相手と同じにする!そしてゴシックローンは1ターンに1度、戦闘で破壊されない」
ゴシックローンは密偵-Cの攻撃力をコピーし、一方的に倒す。
「さて、次はシュバリエで攻撃ですか?」
「いいや、俺はフェニックス・ギア・フリードでゴシックローンを攻撃!」
「なっ!」
フェニックス・ギア・フリードは、ゴシックローンと相打ちとなる。
「血迷ったのですか? エースモンスターを犠牲にするなど」
「いいや、俺は装備されたスーペルヴィスの効果発動!墓地の通常モンスターを特殊召喚!」
「あなたの墓地に通常モンスターなど……」
「デュアルモンスターは墓地に存在する時、通常モンスターとして扱われる!いでよ、ヘルカイザー・ドラゴン!」
フェニックス・ギア・フリードが炎となり、その姿を黒龍へと生まれ変わらせる。
「さらに俺は罠カード、アームズ・コールを発動!デッキからスーペルヴィスをヘルカイザー・ドラゴンに装備!これでヘルカイザー・ドラゴンは再度召喚状態になり、その能力を解放!ヘルカイザー・ドラゴンは2回攻撃できる!」
「なっ!」
「バトルだ!ヘルカイザー・ドラゴンでネクロ・ダーウィンを攻撃!」
ヘルカイザー・ドラゴンがネクロ・ダーウィン蹴散らす。
「終わりだ。行け!シュバリエ、ヘルカイザー・ドラゴン!」
◆
その頃、謎の空間にとじ込まれたプレイメーカーは、既に数十回もデュエルを行っていた。
「はぁはぁはぁ……」
勝とうが負けようが、デュエルは終わらない。
それはまるで、10年前の実験のようだった。
「思ったより耐えるねぇ」
その様子をジャックナイフは、外からニヤニヤしながら見ていた。
「そこは思考加速で、時間が圧縮されているから、短い時間で何度でもデュエルできるよ~。嬉しいよね~。あはははは────そのまま壊れちゃえ」
笑ったかと思えば、急に冷たい声で言う。
「お、お前!こんなことして、何がしたいんだよ!」
Aiは動けない状態で懸命に訴える。
「壊すんだよ。全部、お前らも、そいつも」
「くそっ……」
その時、
Dボードに乗ったソウルバーナーが、ジャックナイフに突進した。
ジャックナイフはひょいっと飛んでかわし、それを見てソウルバーナーはDボードを降りる。
「テメェ、俺のダチに何してやがる?」
「やあソウルバーナー」
「今すぐプレイメーカーを放せ!」
「そうして欲しかったら、分かるよね」
ジャックナイフはデュエルディスクを見せる。
「いいぜ。やってやる!」
「「デュエル!」」
ターン1 ジャックナイフ
「ボクはアニマイール・カラカライトを召喚」
アニマイール・カラカライト
効果モンスター
星2/地属性/アンデット族/攻 500/守 500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分の手札・墓地からアンデット族モンスターが特殊召喚された場合に発動できる。デッキから「アニマイール・カラカライト」1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、自分は「アニマイール」モンスターしか特殊召喚できない。
(2) 自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
「ボクはフィールド魔法、アンデットワールドを発動!」
フィールドが闇に包まれる。
「自分のフィールドゾーンにカードがある時、このカードを手札から特殊召喚できる!来い、アニマイール・ガラーラ!」
アニマイール・ガラーラ
効果モンスター
星3/地属性/アンデット族/攻 900/守 200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分のフィールドゾーンにカードが存在する場合に発動できる。手札からこのカードを特殊召喚する。
(2)このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手の手札をランダムに1枚選んで公開する。そのカードが通常召喚可能なモンスターなら、相手フィールドに特殊召喚する。その後、自分のフィールドに「アンデットワールド」がなければ相手はデッキから1枚ドローする。この効果発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスター以外のモンスター効果を発動できず、カード効果以外で1度しかモンスターを特殊召喚できない。
「このカードが特殊召喚に成功した時。相手の手札をランダムに1枚選び、そのカードが通常召喚可能なモンスターなら強制的に特殊召喚させる!」
ソウルバーナーの手札1枚が表向きになる。
オープンされたカードは、
「サラマングレイト、サイバース族のカード……」
「私が与えたのだ」
すると、ソウルバーナーのデュエルディスクから不霊夢が出てくる。
「お前は……炎のイグニス」
「私の名は不霊夢、不屈の————」
「お前無事だったのか!?」
彼が名乗り終える前に、Aiが不霊夢の姿を見つけて、はしゃぐ。
「最後まで言わせてくれ……」
不霊夢は不満そうに肩を落とす。
「デュエルを続けるよ。ボクはガラーラの効果で、Jジャガーを君のフィールドに特殊召喚。この効果発動後、ボクはアンデット族以外の効果を発動できず、カード効果以外で1度しかモンスターを特殊召喚できない。さらにカラカライトの効果、アンデット族モンスターが、手札か墓地から特殊召喚された時、デッキからもう1体のカラカライトを特殊召喚」
骨の怪人が地面から飛び出し、彼のフィールドに三体のモンスターが並ぶ。
「さあ現れろ、ボクだけの未来を拓く未来回路!」
天上にアローヘッドが現れる。
「召喚条件はアニマイールを含むアンデット族モンスター3体!リンク召喚!リンク3、アニマイール・オルトバイト!」
アニマイール・オルトバイト
リンク・効果モンスター
闇属性/アンデット族/攻 2300/LINK3
【リンクマーカー:右上/左上/下】
「アニマイール」モンスターを含むアンデット族モンスター3体
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードは自分のEXモンスターゾーンにのみ特殊召喚できる。
(2)自分のメインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールド及びこのカードのリンク先の相手モンスターを素材として、アンデット族融合モンスター1体を融合召喚する。
(3)このカードのリンク先の自分・相手のモンスターを、それぞれ1体ずつを対象として発動できる。対象の相手モンスターを対象の自分のモンスターに装備カード扱いで装備する。装備モンスターは装備したカードの元々の攻撃力の半分、攻撃力がアップする。
「オルトバイトの効果発動!自分の手札、フィールド、そしてリンク先の相手モンスターを素材として融合召喚を行う!Jジャガーとオルトバイトを素材に融合!」
オルトバイトがJジャガーを喰らう。
「魂を貪る猟犬よ、輪廻する炎獣を喰らい、その命を結び合わせよ!融合召喚!レベル7、アニマイール・バニシングファング!」
現れたのは、無数の魂が寄り集まった、紫炎の蛇だった。
アニマイール・バニシングファング
融合・効果モンスター
星7/闇属性/アンデット族/攻 2300/守 2000
アンデット族モンスター+リンクモンスター
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1) このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの表側表示モンスター全ての効果をターン終了時まで無効にする。この効果の発動に対して、相手はアンデッド族モンスターの効果を発動できない。
(2)このカードは、「アニマイール」リンクモンスターの効果で装備したモンスターのモンスター効果を得る。
(3)このカードが戦闘・相手の効果でフィールドから墓地の送られた場合、自分及び相手の墓地のアンデット族モンスターをそれぞれ1体ずつ除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。
「ボクはカードを1枚伏せてターンエンド」
ターン2 ソウルバーナー
「行くぞ!俺は手札の
手札より、炎をまとった猫のようなモンスターが現れる。
「墓地のフォクシーの効果発動!フィールドに表側表示の魔法・罠カードが存在する場合、手札のサラマングレイトを墓地に送り、墓地からこのカードを特殊召喚!効果でアンデットワールドを破壊!」
現れた青い狐のようなモンスターが、尾から火を噴き、周囲の闇を払う。
「墓地のファルコの効果!ミーアを手札に戻し、墓地から特殊召喚!そしてドロー以外で手札に加わったミーアは手札から特殊召喚される!」
ソウルバーナーのフィールドに三体のモンスターが並ぶ。
「現れろ!未来を変えるサーキット!召喚条件は炎属性の効果モンスター2体以上!」
三体のモンスターがアローヘッドに吸い込まれ、炎を上げる。
「リンク召喚!リンク3、
業火の中から現れたのは、炎を纏いし百獣の獅子だった。
「ヒートライオのリンク召喚成功時の効果!相手の魔法・罠ゾーンのカード1枚をデッキに戻す!リザウディング・ロアー!」
ヒートライオが吠えると、彼のフィールドにセットされたカードが吹き飛ばされる。
「くっ……攻撃力2300か」
ジャックナイフのフィールドには既にアンデットワールドがない。
バニシングファングの自己蘇生効果を使うには、相手の墓地にもアンデッド族モンスターが必要となる。
このままでは相打ちとなる。
「俺はフィールド魔法、
ソウルバーナーが手を伸ばす先に、アローヘッドが炎を上げながら出現する。
「
「なっ!」
「俺はヒートライオをリンクマーカーにセット!」
ヒートライオが炎となってアローヘッドに吸い込まれる。
「逆巻く炎よ、浄化の力で、ヒートライオの真なる力を呼び覚ませ!転生リンク召喚!生まれ変われ、
アローヘッドから炎が噴き出し、ヒートライオが再び姿を現した。
「ヒートライオの転生効果!自分の墓地のモンスターと、相手モンスターの攻撃力を同じにする!俺はバニシングファングの攻撃力をミーアと同じにする!」
「くっ」
「墓地のJジャガーの効果発動!墓地のサラマングレイト1体をデッキに戻し、このカードをサラマングレイトのリンク先に特殊召喚する!蘇れ、Jジャガー!」
ヒートライオの後ろに、Jジャガーが現れる。
「バトルだ!ヒートライオで、バニシングファングを攻撃!」
ジャックナイフ:ライフ4000→2500
「さらにJジャガーでダイレクトアタック!」
ジャックナイフ:ライフ2500→700
「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」
ターン3
「ボクはアニマイール・ベリアルを発動」
アニマイール・ベリアル
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1)手札1枚を捨てて発動できる。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地に送る。自分の墓地に「アニマイール」モンスターが4種類以上あれば、自分はデッキから1枚ドローする。
「手札1枚を捨てて、デッキからライヴコープスを墓地に送る。そしてアニマイール・トリックランタンを召喚」
アニマイール・トリックランタン
効果モンスター
星3/光属性/アンデット族/攻 800/守 800
このカード名の(2)(3)の効果はいずれか1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキ・墓地から「アンデットワールド」、または「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。
(2)自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
(3)このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールドの「アニマイール」カード1枚を墓地に送って発動できる。このカードを墓地から手札に加える。
「デッキからアニマイール・ポルターガイストを手札に加える。現れろ、ボクだけの未来を拓く未来回路!召喚条件はアニマイールを含むアンデッド族モンスター3体!ボクはトリックランタン、そして墓地のライヴコープス、カラカライトをリンクマーカーにセット!」
「墓地でリンク召喚だと!?」
「リンク召喚!アニマイール・オルトバイト!」
ジャックナイフのフィールドに、再び双頭の猟犬が姿を現した。
「墓地のモンスターを素材にリンク召喚した時、ボクはターン終了時まで融合モンスターしか特殊召喚できない。ボクはオルトバイトの効果発動!」
「なら俺はその効果にチェーンして、
「ボクはその効果にさらにチェーンして、アニマイール・ポルターガイストを発動!」
アニマイール・ポルターガイスト
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードの発動に対して、相手はモンスター効果・魔法・罠カードを発動できない。
(1)以下の効果から1つを選択する。同一チェーン上に「アニマイール」リンクモンスターの効果がある場合、さらに、その効果以外の同一チェーン上の効果は全て無効になる。
●相手フィールドのモンスターを任意の数だけ対象にして発動できる。そのモンスターをそれぞれ別のメインモンスターゾーンに移動させる。
●相手のEXモンスターゾーンにモンスターが存在し、相手のメインモンスターゾーンにEXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する場合にそれら2体を対象として発動できる。そのモンスターの位置を入れ替える。
「ヒートライオとJジャガーをオルトバイトのリンク先へ移動。さらに同一チェーン上にアニマイールリンクモンスターの効果があれば、その効果以外の同一チェーン上の効果を全て無効にする!」
「なっ!」
「オルトバイトの効果で、君のヒートライオと手札のライヴコープスを融合!いでよ、バニシングファング」
ヒートライオを喰らい、オルトバイトのリンク先にバニシングファングが姿を現した。
「さらにオルトバイトの効果!リンク先の相手モンスターを装備カード扱いで、リンク先の自分のモンスターに装備する!」
Jジャガーがオルトバイトに食われ、その口から人魂が吐き出される。
人魂がバニシングファングの体を構成する怨霊の中に混ざり、攻撃力をアップさせた。
「バトルだ!バニシングファングでダイレクトアタック!」
ソウルバーナー:ライフ4000→1100
「終わりだ!オルトバイトでダイレクトアタック!」
「俺は
通常罠
(1)相手の直接攻撃宣言時に発動できる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージを0にし、攻撃した相手モンスターの攻撃力以下の墓地の「サラマングレイト」モンスター1体を特殊召喚する。
(2)墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン中に相手によって破壊された「サラマングレイト」リンクモンスター1体を特殊召喚する。
「戦闘ダメージを0にし、墓地からヒートライオを特殊召喚!」
「ボクはカードを1枚伏せてターンエンド」
ターン4
「行くぞ。転生リンク召喚!
再び転生したヒートライオ、その効果でジャックナイフの伏せカードをデッキに戻す。
「さらにヒートライオの効果!バニシングファングの攻撃力をミーアと同じにする」
「くそっ……」
「バトルだ!ヒートライオ!バニシングファングを焼き払え!」
ヒートライオが右手に浄化の炎をまとわせ、怨霊の怪物を切り裂いた。
ジャックナイフ:ライフ700→0
◆
デュエルが終了すると、ソウルバーナーは膝をつくジャックナイフに詰め寄る。
「さぁ、早くプレイメーカーを解放しろ」
「……ほら」
ジャックナイフは、ソウルバーナーにカード状のプログラムを投げた。
「そこに、解除キーと、闇のイグニスの構成プログラムの一部が入っている」
ソウルバーナーはすぐにそれを自分のデュエルディスクに差し込む。
すると、プレイメーカーを閉じ込めていた空間は解かれた。
「プレイメーカー!大丈夫か?」
ソウルバーナーが疲弊した彼に駆け寄る。
「ああ。なんとか……」
「さあ覚悟しろ!ハノイの騎士!」
不霊夢がジャックナイフの方を指さす。
しかし、そこに既に彼の姿はなかった。
「逃げられてしまったか」
「まあいいじゃねぇか」
「おーい!俺を忘れるなよー!」
閉じ込められたAiが涙目で叫んだ。
「Ai、今助けるぞ」
プレイメーカーがロックを解除し、彼のデュエルディスクに戻ってきた。
「ふぅ……助かったぜ」
「お前のためじゃない。レポートを見つけるためだ」
「なあ、レポートってのは……」
「後で話す。それより美海は?」
「私ならここですよ」
すると、遅れて美海が部屋の中に入ってきた。
「すみません。少し手間取ってしまいまして」
「いや、無事なら良かった」
「時間もありません。足がつかないように、脱出しましょう」
◆
そしてログアウトした三人は、そのままPC室で落ち合った。
「尊、お前にも事情を話しておく」
遊作の口からこれまでの経緯について語られた。
「つまり、二人は先生の冤罪を晴らすために、先生が残したレポートを追ってるんだね」
二人は頷く。
すると、尊のデュエルディスクから不霊夢が出てくる。
「しかし、鴻上博士がイグニスアルゴリズムを使わないと解けない文書をLINK VRAINSに隠しているとは。これは我々も協力せねばな。尊」
「う、うん」
短い間に、尊と不霊夢は打ち解けたようだった。
「尊、分かっていると思うが……」
「危険なんだよね」
遊作の言葉を遮り、尊は真剣な顔で言う。
「それでも、先生の無念を晴らせるなら」
「分かった」
「よろしくお願いいたします。尊」
美海と遊作の差し出した手を、尊は固く握りしめた。