遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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第2話:Three Count your Life

 SOLテクノロジー、セキュリティ部門、

 ここではLINK VRAINSを含む、SOLテクノロジーが運営する電脳空間の安全を守るために、社員達は日々、不審なプログラムの検知や、悪質なハッカーの対処に明け暮れていた。

 

「昨夜、現れたハノイの騎士、それを退けたデュエリスト、プレイメーカー」

 

 その部長を務める財前晃は、巨大モニターに昨晩のデュエル映像を映しながら、部下達に話していた。

 

「彼が使用したカードは、いずれもSOLテクノロジーのデータベースに登録されていない未知のカードだ」

「サイバース族など、そのような種族は聞いたことがありません」

「やはりチートツールでしょうか?」

 

 部下達の質問に、晃は静かに首を振る。

 

「だが、ハノイの騎士を倒したとはいえ、彼もまた、LINK VRAINSの秩序を脅かす可能性がある。ハノイの騎士への対策と同時に、彼に対する調査も行ってくれ」

 

 そう指示を出して、晃は部屋を出ていく。

 

「財前部長」

 

 すると、部下の一人が彼を追ってきた。

 

「美海か」

 

 湊美海、彼女は財前家でメイドとして仕える傍らで、SOLテクノロジーのセキュリティ部門専属のデュエリストとしても活動していた。

 

「サイバースとは、何なのでしょうか?」

「私にも分からない」

「……5年前、サイバース族のカードは、データストリームの中から突如出現しました。しかし、それを知るのはほんの一部の人間だけ、SOLテクノロジーは、サイバースの存在を隠蔽しています」

「無用な混乱を避けるためだ」

「ではもう一つ聞かせてください。昨日の大規模スキャンを行った理由を教えてください」

「……ビショップの指示だ。詳しい理由は聞かされていない」

「そうですか……」

 

 美海はその答えに納得していないようだったが、あっさりと引き下がり、彼に頭を下げてから持ち場に戻った。

 

 ◆

 

 デンシティの海辺、人気のないこの場所にキッチンカーを止めた草薙と遊作は、デュエルディスクに入った眼玉型のAIを調べていた。

 

「いや~プレイメーカー様はすっかり有名人だな」

 

 眼玉はデータを吸い出されている間に、モニターに映ったLINK VRAINSの様子を見ていた。

 ハノイの騎士を倒した謎のデュエリスト、その話題はデンシティ中に広がっており、ネットニュースで特集を組まれるほどだった。

 

「まあログは消せても、画面に録画したものは消せないからな。目立たないようにしてたのに残念だったな」

「お前、なぜそれを知っている?」

「そりゃ分かるさ。俺はネットの世界を逃げ回っていたからな。色々知ってるのさ」

「なら質問に答えろ。なぜハノイの騎士はお前を狙っている」

「え~わからな~い。どうもデータが欠損して記憶がなくてな~」

 

 眼玉だけの体で、白々しくとぼけ顔をしてみせた。

 

「ふんっ、まあいい。お前を解析すればわかることだ」

「え~。それじゃ俺のあんな秘密もこんな秘密も、全部丸裸ってこと~!恥ずかしい~」

「草薙さん、スピーカーを切ってくれ」

「了解」

 

 草薙がコンソールを操作すると、眼玉の声が途切れて、聞こえなくなった。

 

「ところで遊作、こいつに何か名前をつけないか? いつまでもこいつじゃ紛らわしいからな」

「なら……Ai(アイ)でいい。AIだしな」

「なるほど、眼玉とAIをかけてってことか」

「じゃあ草薙さん。手伝ってくれ」

 

 ◆

 

 翌日、教室に入った遊作の前に、島が現れた。

 

「よう藤木」

「……ああ、おはよう」

 

 彼の横を通り過ぎて、自分の机に移動しようとする。

 島は遊作を追いかけて彼の席の前に立つ。

 

「昨日のプレイメーカー特集見たか?」

「見てないな」

「なんだよ。それじゃあこの前のプレイメーカーのデュエルも見てないんだろ」

 

 島はタブレットを操作して、録画映像を見せてくれた。

 バッチリ自分の顔が映ったそれを見て、遊作はげんなりした。当たり前だが、アバターは顔を変えているので、気付かれることはないだろうが。

 

「やっぱりカッケーよな。LINK VRAINSのヒーローだぜ」

「ヒーローねぇ」

 

 遊作はあくまでハノイの騎士から情報を得るために戦ったにすぎない。

 ヒーローなどともてはやされることに、面倒くささを感じていた。

 

「藤木君」

 

 すると、今度は彼の席に財前葵がやってきた。

 

「これ、先生から」

 

 彼女はプリントを手渡して、すぐに自分の席に戻ってしまった。

 

「財前のやつ、美人だけど愛想がないよなぁ」

「別に普通じゃないのか」

「だって、あいつ、教室でもずっと仏頂面で、あんまりクラスのやつとも話さないんだぜ。あ、友達が少ないって意味じゃ藤木と一緒だな」

「……」

 

 遊作は呆れた目を彼に向ける。

 

「安心しろよ。お前の友達はここにいるからな」

「どこだ?」

「ここだよここ」

 

 自分を指さす彼を無視して、遊作はタブレットを取り出す。

 

「そろそろ授業始まるぞ」

「お前、後で覚えてろよ」

 

 島はノシノシと自分の席に戻っていった。

 

 ◆

 

 某日、デンシティの孤児院、

 

「鬼塚兄ちゃん!」

 

Go鬼塚こと鬼塚豪がやってくると、子供達が彼の元に集まってきた。

 

「おおみんな」

 

 彼は自分にじゃれる子供達の頭を一人一人撫でていく。

 

「今日は何してたんだ?」

「プレイメーカーのデュエル見てたんだ!」

 

 子供達がテレビを指さすと、そこには先日のハノイの騎士とプレイメーカーのデュエルの録画映像が映っていた。

 

「そ、そうか」

 

 子供達の嬉しそうな顔に、鬼塚は少し苦い顔を見せる。

 

「ねぇねぇ鬼塚兄ちゃん、鬼塚兄ちゃんはプレイメーカーに勝てる?」

「もちろんだ。俺はLINK VRAINSのランキング一位だ。誰にも負けねぇ」

「じゃあ今度プレイメーカーとデュエルしてよ!」

「おう。任せろ」

 

 そう言って自分のドンと胸を叩いた。

 

 ◆

 

 孤児院を出ると、入り口でマネージャーの初老の男性が待っていた。

 

「鬼塚、よかったのか? あんなに簡単に引き受けて」

「俺が負けると?」

「まさか。だが、そもそもデュエルできなければ、子供達の願いを叶えることもできないだろう」

 

 彼の言う通り、プレイメーカーとデュエルしようにも彼は神出鬼没。LINK VRAINSのランキングにも載っていない。会うことすら叶わないのだ。

 

「どうにかして奴をおびき出すことができれば‥‥‥」

 

 その時、彼のデュエルディスクに着信があった。

 

「メール?」

 

 中を開いてみると、メールの相手はSOLテクノロジー社からだった。

 

「ふんっ、何が目的かしらねぇが、いいだろう」

「どうしたんだ?」

「いや、プレイメーカーとのデュエル、思ったより早くセッティングできそうだぜ」

 

 鬼塚は不敵に笑った。

 

 ◆

 

 某日、プレイメーカーはDボードでLINK VRAINS内を駆けていた。

 ハノイの騎士が現れた。その情報を得て、遊作はログインしたのだったが、

 

「ハノイの騎士が出たってのに、あんまり騒ぎになってないな」

 

 ハノイの騎士が確かにここを通ったのは、映像で確認している。しかし、なぜか破壊活動を行っていないのだろう。

 

「プレイメーカー!」

「こっち向いてー!」

「ハノイをやっつけてくれ!」

 

人々は逃げ惑うこともなく、むしろプレイメーカーの出現で歓声を上げているくらいだ。

 

「人気者だな。プレイメーカー様は。つーか本当にハノイの騎士はいんのか?」

「行けば分かるだろう」

 

 そしてやってきたのは、デュエルの大会などで使う闘技場エリア。

 その中央で、ハノイの騎士が仁王立ちでプレイメーカーを待ち構えていた。

 

「来たな。プレイメーカー」

 

 プレイメーカーはDボードから飛び降りて、ハノイの騎士に近付く。

 

「‥‥‥お前、ハノイじゃないな?」

「くくくっ、さすがはプレイメーカーだ」

 

 すると、ハノイの騎士のアバターが解けるように消え、中から別のアバターが現れた。

 

「お前は‥‥‥Go鬼塚」

「さあプレイメーカー、俺様とデュエルだ!」

「悪いがお前に興味はない」

 

 プレイメーカーはGo鬼塚に背を向ける。しかし、

 

 ブォンッ

 

 突如、闘技場を覆うようにドーム状のバリアが展開された。

 

「これは‥‥‥」

「このデュエルフィールドは、デュエルが終わるまで出ることはできねぇ。ここから出たければ、俺様とのデュエルに勝つことだ!」

「お前、誰に頼まれた?」

 

 情報ではGo鬼塚はただのプロデュエリスト、プログラムに関する知識などは持ち合わせていない。つまりこのプログラムを渡した何者かが存在する。

 

「お前に答える義理はない。俺はお前より強いことを証明するだけだ」

「‥‥‥いいだろう」

 

 観念して、プレイメーカーはデュエルディスクを構えた。

 

「「デュエル!」」

 

ターン1 プレイメーカー

 

「自分フィールドにモンスターが存在しない時、リンクスレイヤーを手札から特殊召喚できる」

 

 金色の獣を模した鎧をまとった戦士が、フィールドに姿を現した。

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

ターン2 Go鬼塚

 

「俺は剛鬼スープレックスを召喚。その効果で、手札から剛鬼ツイストコブラを特殊召喚」

 

 フィールドに二体の剛鬼が並び立つ。

 

「どっちも攻撃力はリンクスレイヤーには及ばない。だが‥‥‥」

「さらに俺は剛鬼ツイストコブラの効果発動。自分の「剛鬼」1体をリリースし、剛鬼モンスター1体を対象に発動する!」

 

 ツイストコブラがデータの破片となって消える。

 

「リリースしたモンスター、すなわちツイストコブラの攻撃力分、対象のモンスター、スープレックスの攻撃力をアップする!」

 

 爆散したツイストコブラのデータが、スープレックスに吸収され、攻撃力は一気に3400まで上昇した。

 

「さらに剛鬼ツイストコブラの効果発動!デッキから「剛鬼」カード1枚を手札に加える。俺は装備魔法、剛鬼チャンピオンベルトを手札に加え、そのまま発動!」

 

剛鬼チャンピオンベルト

装備魔法

「剛鬼」モンスターにのみ装備可能。

このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)これを装備したモンスターは攻撃力が600アップする。

(2)これを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動できる。装備モンスターの攻撃力は500アップする。

(3)このカードがフィールドから墓地に送られた場合に発動できる。デッキから「剛鬼チャンピオンベルト」以外の「剛鬼」カード1枚を手札に加える。

 

「スープレックスに装備。これでスープレックスの攻撃力はさらに600アップ!」

「いきなり攻撃力4000かよ!」

「バトルだ!剛鬼スープレックスで、リンクスレイヤーを攻撃!」

 

 スープレックスの剛腕を構えて、リンクスレイヤーへと突っ込む。

 

(トラップ)発動!スリーフェイト・バリア!」

 

スリーフェイト・バリア

通常罠

(1) 以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このターン、自分のモンスターは戦闘・効果で破壊されない。

●このターン、自分はダメージを受けない。

●このターン、自分のモンスター1体は1度だけ戦闘で破壊されず、その戦闘によって戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分、自分のライフを回復する。

(2)自分がダメージを受けた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、自分が受ける効果ダメージは0になる。

 

「三つ目の効果を選択、このターン、リンクスレイヤーは1度だけ戦闘で破壊されない!」

 

 リンクスレイヤーを赤いバリアが守る。

 

「さらに戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分だけ、俺のライフを回復する。」

 

プレイメーカー:ライフ4000→6000

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

ターン3

 

「俺はサイバース・ウィザードを召喚し効果発動!サイバース・アルゴリズム!」

 

 サイバース・ウィザードの効果で、スープレックスは守備表示となる。

 

「さらに手札1枚を捨てて、リンクスレイヤーの効果発動!相手の魔法・罠カード1枚を破壊する!」

 

 Go鬼塚の伏せカードが破壊され、これで彼を守るものはなくなった。

 

「バトルだ!リンクスレイヤーで、スープレックスを攻撃!」

 

 リンクスレイヤーがスープレックスを切り裂く。

 

「サイバース・ウィザードの効果で貫通ダメージだ!」

 

 Go鬼塚:ライフ4000→2000

 

「剛鬼スープレックス、剛鬼チャンピオンベルトの効果発動!デッキから「剛鬼」カードを手札に加える」

「まだだ!サイバース・ウィザードで、ダイレクトアタック!イリュージョンスパイク!」

 

 Go鬼塚:ライフ2000→200

 

「これで俺はターンエンド」

 

ターン4

 

「残りライフはたった200、こりゃ楽勝だな」

「いや、まだだ」

 

 Go鬼塚はダメージに膝をついていたまま動かない。

 モニター越しにデュエルを観戦するギャラリー達が固唾を飲んで見守る。

 そして、

 

「うおぉぉぉっ!」

 

 雄叫びを上げて鬼塚は立ち上がった。

 

「いくぜ俺のターン!俺は魔法(マジック)カード、剛鬼再戦を発動!墓地のレベルが異なる剛鬼2体を守備表示で特殊召喚!俺はスープレックスとツイストコブラを特殊召喚!さらに剛鬼スープレックスをもう1体召喚!その効果で、手札から剛鬼ライジングスコーピオを特殊召喚!」

 

 がら空きの盤面に一気に四体のモンスターが並ぶ。

 

「現れろ!俺様のサーキット!」

 

 指を天に掲げると、上空にアローヘッドが出現する。

 

「召喚条件は、「剛鬼」2体以上!俺は2体のスープレックスと、ツイストコブラを、リンクマーカーにセット!」

 

 鬼塚のモンスター3体が、赤い光になってアローヘッドに吸い込まれる。

 

「リンク召喚!現れろリンク3、剛鬼ザ・グレート・オーガ!」

 

 雄叫びを上げて現れたのは、灰色の装甲をまとった屈強な戦士だった。

 

「剛鬼ザ・グレート・オーガの効果!フィールドのモンスターはその守備力分、攻撃力がダウンする!」

 

 サイバース・ウィザードの攻撃力が1000、リンクスレイヤーの攻撃力が1400にそれぞれダウンした。

 

「さらに永続魔法、剛鬼咆哮を発動!」

 

剛鬼咆哮

永続魔法

(1) 自分の「剛鬼」モンスターが攻撃するダメージステップの間、

その攻撃力は自分フィールドの「剛鬼」モンスターの数×300アップする。

 

「バトルだ!剛鬼ザ・グレート・オーガで、サイバース・ウィザードを攻撃!この瞬間、剛鬼咆哮の効果で、グレート・オーガの攻撃力は600アップ!」

 

 攻撃力3200となったグレート・オーガの斧の一振りで、サイバース・ウィザードはなすすべもなく敗れる。

 プレイメーカー:ライフ6000→3800

 

「さらにライジングスコーピオで攻撃!剛鬼咆哮の効果で攻撃力600アップ」

 

 リンクスレイヤーも攻撃力2900のライジングスコーピオに倒される。これで今度はプレイメーカーのフィールドががら空きになった。

 プレイメーカー:ライフ3800→2300

 

「俺は(トラップ)カード!サイバース・ビーコンを発動!ダメージを受けた時、デッキからレベル4以下のサイバース族モンスター1体を手札に加える。俺はバックアップ・セクレタリーを手札に加える」

「俺はカードをこれでターンエンド」

 

ターン5

 

「どうすんだ。プレイメーカー様? このままじゃ負けちまうぜ?」

「分かっている」

 

とはいえ今の手札で、この状況を打開する術はない。ならば、次のドローが勝敗を分ける。

 

「いくぞ!俺のターン、ドロー!」

 

 引いたカードを見て、プレイメーカーは勝利を確信した。

 

「俺はスタック・リバイバーを召喚。さらにバックアップ・セクレタリーを特殊召喚。現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件はサイバース族モンスター2体!リンク召喚!リンク2、スプラッシュ・メイジ!」

 

 現れたのは泡を象った意匠のローブを身に着けた魔術師だ。

 

「スタック・リバイバーの効果で、墓地からバックアップ・セクレタリーを特殊召喚。さらにスプラッシュ・メイジの効果で、墓地からスタック・リバイバーを特殊召喚!」

 

 リンク素材となったモンスターが全てフィールドに戻ってくる。

 

「現れろ、未来を導くサーキット!召喚条件は効果モンスター2体以上!リンク召喚!」

 

 スプラッシュ・メイジとスタック・リバイバーが、アローヘッドに吸い込まれる。

 

「現れろ、リンク3、デコード・トーカー!」

「来たか。プレイメーカーのエースモンスター。だが俺はこの瞬間、(トラップ)、リビングデッドの呼び声を発動!墓地から剛鬼ツイストコブラを特殊召喚!」

 

 ツイストコブラが地面よりせり上がり、Go鬼塚のフィールドに立つ。

 

「これでお前が攻撃した瞬間、ツイストコブラの効果で攻撃力を上げることができる」

「いや、まだだ!俺は永続魔法、サイバネット・オプティマイズを発動!バトルだ!デコード・トーカーで、グレート・オーガをアタック!」

「迎え撃て!グレート・オーガ!オーガ・アックス!」

 

 デコード・トーカーの剣と、グレート・オーガの斧がぶつかり合う。

 

「デコード・トーカーはリンク先のモンスターの数×500攻撃力がアップする!」

「だが、こちらもツイストコブラの効果発動!モンスターをリリースして、グレート・オーガの攻撃力をアップする───っ!」

 

 効果発動宣言をしたにも関わらず、ツイストコブラは動かなかった。

 

「何故だ!?」

「サイバネット・オプティマイズの効果!コード・トーカーモンスターがバトルする時、相手はダメージステップ終了時まで、効果を発動できない」

「なんだとっ!!」

 

 デコード・トーカーの一振りで、グレート・オーガの斧は弾き飛ばされる。

 

「終わりだ!デコード・エンド!」

 

 ◆

 

 デュエルが終わり、闘技場のバリアが解除された。

 Go鬼塚は膝をついたまま動かない。

 

「お、おい。大丈夫か?」

 

 Aiが心配そうに鬼塚の方を見る。

 

「‥‥‥くくくっ、ははははは!」

「お、壊れたか?」

「俺の負けだプレイメーカー」

 

 Go鬼塚は立ち上がり、プレイメーカーに歩み寄って右手を差し出す。

 プレイメーカーは少し迷ってから、同じく右手を出した。

 

 二人のデュエルに、ギャラリーは喝采を送った。

 

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