遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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第17話:Dive to Abyss(後編)

 その頃、プレイメーカー、ブルーエンジェル,ゴーストガールの三人は分かれ道に立っていた。

 

「この先に候補の場所があるけど、どっちへ行く?」

 

 すると、遊作は何かを感じ取ったように右の通路を見る。

 

「こっちだ」

「分かるの?」

 

 迷わず道を選んで進むプレイメーカーに、ゴーストガールは不思議そうに訪ねる。

 

「こいつにはリンクセンスがあるからな」

 

 Aiは誇らしげに語る。

 とりあえず二人はプレイメーカーの後を追う。

 

しばらく進むと、暗い通路の先に明かりが点っている。この先に何かあるのは間違いない。三人は慎重に歩みを進める。その時、

 

「っ! 待て!ブルーエンジェル!」

 

 プレイメーカーが何かを感じ取って、咄嗟に先行するブルーエンジェルの元へ駆ける。

 その瞬間、ブルーエンジェルの足元に大穴が開く。

 

「きゃぁっ!」

「ブルーエンジェル!」

 

 二人が落下する。

 ゴーストガールが自身のデュエルディスクからワイヤーのようなものを飛ばすが、その前に穴は塞がってしまう。

 

「トラップ、ってことはこっちが正解で間違いなさそうだけど」

 

 ゴーストガールは仕方なく先へ進み、通路の入り口から顔を覗かせる。

 

 そこではデータを削除するための装置の前で、バイラがホログラムパネルで操作していた。その横には、退屈そうに作業の様子を眺めるジャックナイフもいる。

 

(本当はプレイメーカーにハノイの相手をしてもらうつもりだったけど、しょうがないわね。さっさとSOLに連絡して、私はずらかるとしましょう)

 

 ゴーストガールが連絡のためにデュエルディスクに手をかける。

 

 その時、

 

 ヒュンッ

 

 コンバットナイフが彼女の手元めがけて飛んでくる。

 

 ゴーストガールは咄嗟に地面を転がって回避する。

 

「あー外しちゃった」

 

 ジャックナイフはけらけらと笑いながら、地面に伏せるゴーストガールを見下ろしていた。

 

「最初から気付いていたってことね」

「そ、あのトラップ操作してたのボクだからね」

 

 ジャックナイフはデュエルディスクを構える。

 

「さぁて、じゃあ始めようか」

「待ちなさい」

 

 すると、操作を終えたバイラが階段から降りてくる。

 

「彼女の相手は私がするわ」

「えー、セカンドの君には荷が重いんじゃないの?」

「向こうからも来てる。あなたはそっちをお願い」

「分かったよ。せーんせい」

 

 ジャックナイフはスキップして、ゴーストガールが入ったのとは別の通路へと向かう。

 

「さて、言っておくけどログアウトはできないわよ」

「みたいね」

 

 ゴーストガールは観念してデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

 ◆

 

 ハノイのいた部屋に反対の通路から迫りくる二体のAIがいた。

 

 半透明のつるつるした人の体に近いシルエットに、全身を血管のようにかける青いラインが怪しく光る不気味なAI。

 

「ここは通さないよ」

 

 そこに立ちふさがるのは、部屋から出てきたジャックナイフだった。

 

「君ら、SOLが作った新型AIだよね?」

「はい。我々はIGS-000のコピーモデルです」

「ああ。やっぱりあれの……じゃあなおのこと潰さないとね」

 

 ジャックナイフの顔から笑顔が消える。

 彼は右手でピストルの形を作ると、それを自身のこめかみに当てる。

 

「並列思考プログラム、限定解除」

 

 瞬間、彼のアバターの像が歪む。

 空間にノイズが走り、ジャックナイフが二人に分裂した。

 

「「さあ、これで二対二だ」」

「その能力は……ビショップ様、どうなさりますか?……了解です」

 

 AIもデュエルディスクを構える。

 

「「「「デュエル!」」」」

 

 ◆

 

 その頃、ゴッドバード、美海、ソウルバーナーの三人は壁の前に立ち尽くしていた。

 

「行き止まりだな」

 

 ソウルバーナーはゴッドバードを見る。

 

「こ、こっちなのは間違いないんだが……」

「つまり、感覚強すぎて、壁を貫通してしまったと」

 

 美海やソウルバーナーでも、この奥で大きなデータの流れがあるのは感じ取れる。

 だが、行き止まりではどうすることもできない。

 

「あーくそがっ!」

 

 ゴッドバードは壁を蹴って八つ当たりする。

 そして開き直ったように、拳を合わせる。

 

「よし、壊すか」

「やめてください。諦めて迂回するルートを探しますよ」

 

 美海がゴッドバードの手を引き、ソウルバーナーもその後を追う。

 

「待て」

 

 しばらく進んだところで、不意にゴッドバードが先に進む美海の腕を引っ張る。

 

「どうしたんですか?」

 

 ゴッドバードは答えるかわりに、先行して曲がり角から顔を覗かせる。

 二人もそれに倣って、通路の奥を覗き込む。

 

「あれは、ジャックナイフ」

「SOLの新型AIもいます」

 

 通路の奥では、ジャックナイフとその新型AIがデュエルをしていた。

 だが、奇妙なことに、ジャックナイフは二人いる。

 

「おい。あのジャックナイフってやつは双子かなんかか?」

「そんなはずは……」

 

 同じ見た目のアバターを使えば、確かに同じ人物を二人用意することは可能だろう。

 だが、誰かを騙す目的でもなければそんなことをする意味はない。

 

 とりあえず、三人はデュエルの様子を窺う。

 

「モンスター3体をリリースしてアドバンス召喚!征令王(セントラルオーダーロード)グッドウィール!」

 

 右側のジャックナイフとデュエルするAI、タイプαがカードを掲げると、上空より玉座が下りてくる。

 その上に腰かけるのは、黒鉄の鎧をまとい、大剣を携えた王だ。

 

征令王(セントラルオーダーロード)グッドウィール

効果モンスター

星10/闇属性/戦士族/攻 3000/守 3000

このカードをアドバンス召喚する場合、モンスター3体をリリースしなければならない。

(1)このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。自分の墓地からレベル6以下の「セントラルオーダー」モンスターを可能な限り、守備表示で特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は「セントラルオーダーロード」モンスター以外のモンスターを特殊召喚できない。

(2)アドバンス召喚されたこのカードがフィールドに表側表示で存在する場合に発動できる。自分フィールドの「セントラルオーダー」モンスター1体と、相手フィールドのモンスター1体をリリースできる。

(3)アドバンス召喚されたこのカードが戦闘・相手の効果で破壊されて墓地へ送られた場合に発動できる。デッキ・墓地から「征令締結」1枚を手札に加え、このカードを墓地から特殊召喚する。

 

「モンスター3体をリリースしてアドバンス召喚!征令王(セントラルオーダーロード)トータルファンネル!」

 

 左のジャックナイフとデュエルしているAI、タイプβがカードを掲げると、白い大理石の柱が二本、上空から落下して地面に突き刺さる。

 柱の間に白い光が満ちて、その光の扉から七色の宝石がはめ込まれた杖を携えて、新たな王が姿を現した。

 

征令王(セントラルオーダーロード)トータルファンネル

効果モンスター

星10/闇属性/魔法使い族/攻 3000/守 3000

このカードをアドバンス召喚する場合、モンスター3体をリリースしなければならない。

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキの上から5枚まで墓地へ送り、墓地へ送った枚数だけ、相手の墓地の魔法・罠カードを自分フィールドにセットする。

(2)アドバンス召喚されたこのカードがフィールドに表側表示で存在し、相手がモンスター効果を発動した時に発動できる。そのモンスターのレベル・ランクの数だけ自分のデッキの上から墓地へ送り、その効果を無効にする。その効果がフィールドで発動していれば、さらにそのモンスターのコントロールを得る。

(3)アドバンス召喚されたこのカードが戦闘・相手の効果で破壊されて墓地へ送られた場合に発動できる。デッキ・墓地から「征令締結」1枚を手札に加え、このカードを墓地から特殊召喚する。

 

「なるほど、同じテーマでも別デッキってわけね」

「バトル、バニシングファングをグッドウィールで─────」

「トータルファンネルで─────」

 

「「攻撃」」

 

 二体の征令王(セントラルオーダーロード)がそれぞれのフィールドにいるバニシングファングを攻撃する。

 

 ジャックナイフ(右):ライフ4000→3300

 ジャックナイフ(左):ライフ4000→3300

 

「さらにアライアンスで攻撃」

 

 がら空きのフィールドに、タイプαは容赦なく追撃する。

 グッドウィールの効果で蘇生させた3体の征令(セントラルオーダー)アライアンスで、攻撃を行う。その攻撃力の合計は5400。全て喰らえばライフは0になるが、

 

「ボクは(トラップ)カード、リビングデッドの呼び声を発動。墓地からバニシングファングを特殊召喚!」

 

 周囲から霊魂が集まり、紫の炎でできた蛇のようなモンスターの姿を再構成する。

 

「では、メインフェイズ2で、グッドウィールの効果発動。アライアンスとバニシングファングをリリース」

 

 復活したバニシングファングも、アライアンスの効果であっさりと墓地に戻されてしまった。

 

「「ターンエンド」」

 

ターン2 ジャックナイフ

 

「「ボクのターン」」

 

 二人のジャックナイフは同時にドローする。

 まず動いたのは右側のジャックナイフだ。

 

「手札のライヴコープスを墓地へ送り、墓地のアニマイール・トリックランタンの効果発動!」

 

アニマイール・トリックランタン

効果モンスター

星3/光属性/アンデット族/攻 800/守 800

このカード名の(2)(3)の効果はいずれか1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキ・墓地から「アンデットワールド」、または「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。

(2)自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

(3)このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールドの「アニマイール」カード1枚を墓地に送って発動できる。このカードを墓地から手札に加える。

 

「このカードを墓地から手札に加え、そのまま召喚」

 

 かぼちゃの頭の中からオイルランプの光を灯すモンスターが現れる。

 

「墓地のアンデットワールド回収し、発動。これで互いのフィールド・墓地のモンスターは全てアンデット族となる。さらに手札のアニマイール・フレアソウルの効果発動」

 

アニマイール・フレアソウル

効果モンスター

星1/炎属性/アンデッド族/攻 300/守 200

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分の手札からこのカード以外のアンデッド族モンスターを墓地へ送って発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分はカードの効果以外で、モンスターを1度しか特殊召喚できない。

(2)自分フィールドのアンデッド族モンスターを「アニマイール」リンクモンスターのリンク素材とする場合、墓地のこのカードもリンク素材としてデッキの下に置ける。リンク召喚後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

 

「現れろ!ボクだけの未来(みち)を拓く未来回路!リンク召喚!リンク3、アニマイール・オルトバイト!」

 

アニマイール・オルトバイト

リンク・効果モンスター

闇属性/アンデット族/攻 2300/LINK3

【リンクマーカー:右上/左上/下】

「アニマイール」モンスターを含むアンデット族モンスター3体

このカードは自分のEXモンスターゾーンにのみ特殊召喚でき、このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分のメインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールド及びこのカードのリンク先の相手モンスターの中から、アンデット族融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を融合召喚する。

(2)このカードのリンク先の自分・相手のモンスターを、それぞれ1体ずつを対象として発動できる。対象の相手モンスターを対象の自分のモンスターに装備カード扱いで装備する。装備モンスターは装備したカードの元々の攻撃力の半分、攻撃力がアップする。

 

「オルトバイトの効果発動!その効果にチェーンしてアニマイール・ポルターガイストを発動!」

 

アニマイール・ポルターガイスト

速攻魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードの発動に対して、相手はモンスター効果・魔法・罠カードを発動できない。

(1)以下の効果から1つを選択する。同一チェーン上に「アニマイール」リンクモンスターの効果がある場合、さらに、その効果以外の同一チェーン上の効果は全て無効になる。

●相手フィールドのモンスターを任意の数だけ対象にして発動できる。そのモンスターをそれぞれ別のメインモンスターゾーンに移動させる。

●相手のEXモンスターゾーンにモンスターが存在し、相手のメインモンスターゾーンにEXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する場合にそれら2体を対象として発動できる。そのモンスターの位置を入れ替える。

 

「アライアンス2体をオルトバイトのリンク先へ移動し、そのままオルトバイトの効果で融合素材に!」

 

 アライアンスがオルトバイトに食われる。

 

「魂を貪る猟犬よ、隷属共の屍を喰らい、その命を結び合わせよ!融合召喚!出でよ、レベル6、アニマイール・バーサーカー!」

 

 地面から砕け錆びた鎧を着た、屍の戦士が這い出てきた。

 

アニマイール・バーサーカー

融合・効果モンスター

星6/闇属性/アンデット族/攻 2500/守 0

アンデット族モンスター×2

このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手の守備表示モンスター1体を破壊する。そのモンスターがアンデット族なら、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

(2)このカードは、「アニマイール」リンクモンスターの効果で装備したモンスターのモンスター効果を得る。

(3)墓地のこのカード及び自分・相手の墓地のアンデッド族モンスター1体を除外して発動できる。自分の墓地から「アニマイール」融合モンスター1体を特殊召喚する。

 

「墓地のアニマイール・シルキーの効果発動!」

 

アニマイール・シルキー

効果モンスター

星3/闇属性/アンデット族/攻 900/守 1500

(1)このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合、自分の手札から「アニマイール」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキから「融合」魔法カード、または「フュージョン」魔法カード1枚と、「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。この効果を発動するターン、自分はカードの効果以外でモンスター1度しか特殊召喚できない。

(2)墓地のこのカードを除外して発動できる。墓地から「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。

 

「このカードを墓地から除外し、墓地のアニマイール・ポルターガイストを手札に戻す。そして、オルトバイトのもう1つの効果を発動し、そこにチェーンしてポルターガイストを発動!」

 

 グッドウィールが、オルトバイトの双頭の前に吸い寄せられる。

 

「リンク先の相手モンスターを、リンク先の自分のモンスターに装備カード扱いで装備する」

 

 グッドウィールが食われ、その体から出た魂がアニマイール・バーサーカーの中に吸い込まれる。

 

「これでアニマイール・バーサーカーの攻撃力は、装備したモンスターの攻撃力の半分、つまり1500アップする」

 

 攻撃力4000となったアニマイール・バーサーカーがタイプαへ迫る。

 

「終わりだ」

 

 タイプα:ライフ4000→0

 

「さあ、次は君だ。ボクは(トラップ)カード、リビングデッドの呼び声を発動」

 

 左側のジャックナイフが、伏せてあったカード発動し、墓地から黒いボロボロのマントに、死体の頭を縫い付けたような不気味な人形が蘇る。

 

アニマイール・ライヴコープス

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻 1100/守 0

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。墓地の「アニマイール」モンスター、または「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」があれば、さらに手札からレベル3以下の「アニマイール」モンスター1体を、効果を無効にして特殊召喚する。

(2)自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。リンク召喚後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。

 

「ライヴコープスの効果で、墓地からアニマイールモンスターを手札に加える」

「ここで征令王(セントラルオーダーロード)トータルファンネルの効果発動!相手モンスターの効果が発動した時、そのモンスターのレベル・ランクの数だけ、デッキからカードを墓地へ送ることで、その効果を無効にします」

 

 トータルファンネルが杖を振ると、三枚のドル札がライヴコープスの元に落ちてくる。

 

「そして、フィールドで発動した効果なら、そのモンスターのコントロールを得ます」

 

 お金を拾い集め、ライヴコープスはトータルファンネルの元へ駆け寄った。

 

「さらにデッキから墓地へ送られて征令(セントラルオーダー)キャピタルゲインの効果発動」

 

征令(セントラルオーダー)キャピタルゲイン

効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻 1400/守 900

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが「セントラルオーダー」カードの効果で墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「セントラルオーダー」魔法・罠カード1枚を手札に加える。自分の魔法使い族の「セントラルオーダーロード」モンスターの効果で墓地へ送られていれば、さらに自分のライフを1000LP回復する。

(2)墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、「セントラルオーダーロード」モンスターをアドバンス召喚できる。

 

「デッキからセントラルオーダー魔法カードを手札に加える。さらに魔法使い族のセントラルオーダーロードの効果で墓地へ送られたので、ライフを1000回復します」

 

 タイプβ:ライフ4000→5000

 

「ならボクは魔法カード、アニマイール・リベレーションを発動」

 

アニマイール・リベレーション

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1)以下の効果から1つを選択して発動できる。この効果を発動するターン、自分はカードの効果以外でモンスターを1度しか特殊召喚できない。

●自分・相手の墓地からアンデッド族モンスター1体を選んで、表側攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚された「アニマイール」モンスター以外のモンスターの元々の攻撃力は0になる。

●自分の墓地の「アニマイール」リンクモンスター1体をEXデッキに戻し、EXデッキからモンスターと同名の「アニマイール」リンクモンスター1体を特殊召喚する。

 

「墓地のオルトバイトをエクストラデッキに戻し、再度特殊召喚!」

 

 蘇ったオルトバイトが、ライヴコープスを睨みつける。

 

「オルトバイトの効果発動!手札、フィールド、及びこのカードのリンク先の相手モンスターを素材として融合召喚を行う!オルトバイト!その裏切り者のモンスターを喰らえ!」

 

 逃げ惑うライヴコープスを、容赦なく噛みちぎり、飲み込む。

 

「融合召喚!レベル6、アニマイール・バーサーカー!さらにオルトバイトの効果発動!そこにチェーンしてポルターガイストを発動!」

 

 こちらのフィールドにもアニマイール・バーサーカーが現れ、トータルファンネルの命を喰らって、攻撃力をアップさせる。

 

「バトルだ!アニマイール・バーサーカーでダイレクトアタック!」

 

 タイプβ:ライフ5000→1000

 

「終わりだ!オルトバイト!」

 

 オルトバイトに食いちぎられ、タイプβも消滅した。

 

「ふぅ。さあて、君達も隠れてないで出てきなよ」

 

 ジャックナイフには気付かれていたようで、三人も通路から顔を出す。

 

「せっかく来てもらったところ悪いんだけど、もう作業は終わっちゃったんだよね」

「作業だと、てめぇら、何を企んでやがる?」

「すぐに分かるよ。もうすぐ起動する。それじゃあね」

 

 ジャックナイフはデュエルディスクを操作してログアウトする。

 

「逃げやがった」

「今はいいでしょう。それより、奥の部屋へ」

「ああ」

 

 ◆

 

 時間は少し遡り、バイラとゴーストガールのデュエル、

 

 ゴーストガールのフィールドにはオルターガイスト・マリオネッター、オルターガイスト・シルキタス、そして伏せカードが1枚。

 

 対してバイラのフィールドには、両腕に血の滲んだ包帯を巻いた白衣の天使、インフェリアス・サージカルクーパーと伏せカード1枚、そして永続罠、インフェリアス・パンデミックコード。そしてバイラのターン。

 

「私は永続罠、インフェクション・ゾーンを発動」

 

インフェクション・ゾーン

永続罠

このカードはルール上「ウイルス」カードとして扱う。

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分の「ウイルス」通常罠カードの及び効果テキストに「ウイルス」罠カードと記されたモンスターの効果の発動とその効果は無効化されない。

(2)自分の「インフェリアス」リンクモンスター1体を対象として発動できる。自分の墓地から「インフェリアス」モンスター1体を、そのモンスターのリンク先に守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの表示形式は変更できず、効果は無効化される。

 

「だったら私はオルターガイスト・シルキタスの効果を発動!マリオネッターを手札に戻し、サージカルクーパーを手札に!」

「私は手札のインフェリアス・リリーの効果発動!」

 

インフェリアス・リリー

効果モンスター

星3/闇属性/天使族/攻 400/守 1500

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが手札に存在し、自分フィールドの「インフェリアス」リンクモンスターが相手の効果の対象になった場合に発動できる。このカードをそのモンスターのリンク先に特殊召喚し、その効果を無効にする。

(2)このカードとリンク状態の「インフェリアス」リンクモンスターの攻撃宣言時、自分の手札・フィールドから「ウイルス」罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。そのモンスターの攻撃力はダメージ計算時のみ元々の攻撃力の倍になる。

 

「このカードを手札から特殊召喚し、シルキタスの効果を無効にする」

「くっ……」

 

 バウンスは不発に終わり、コストとしてマリオネッターだけが手札に戻る。

 

「私はインフェリアス・サージカルクーパーの効果発動!」

 

インフェリアス・サージカルクーパー

リンク・効果モンスター

闇属性/天使族/攻 2400/LINK 3

【リンクマーカー:右/下/左下】

天使族モンスター3体

このカード名の(2)(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)1ターンに1度、自分の墓地の「ウイルス」罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。

(2)自分の「ウイルス」罠カードを発動するために、自分フィールドのモンスターをリリースする場合、このカードのリンク先の自分のモンスターをかわりにリリースできる。

(3)相手がドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。相手はそのカードを公開する。その後、公開したカードを破壊できる効果を持つ「デッキ破壊ウイルス」通常罠カードを自分のデッキから墓地へ送ることができる。送ったら、そのカードを破壊する。

 

「墓地のウイルス罠カード1枚をセットする。私は魔のデッキ破壊ウイルスをセット。バトル!私はインフェリアス・サージカルクーパーで、オルターガイスト・シルキタスを攻撃!この瞬間、インフェリアス・リリーの効果発動!手札からウイルス罠カード1枚を墓地へ送り、サージカルクーパーの攻撃力を元々の攻撃力の倍にする!」

 

 攻撃力4800となったサージカルクーパーが、シルキタスを襲う。

 シルキタスの攻撃力は800、このままではゴーストガールの負けだ。

 

「私は手札のオルターガイスト・クンティエリの効果発動!このカードを手札から特殊召喚し、その攻撃を無効にする」

 

 白いケンタウロスのようなモンスターが現れ、バリアを張ってサージカルクーパーの攻撃からシルキタスを守った。

 

「くっ、私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

ターン5

 

「私はオルターガイスト・マリオネッターを召喚。その効果で、デッキからオルターガイスト・カモフラージュをセットする」

 

 マリオネッターが触手のようなコードを伸ばすと、その先に虚空からカードが現れて、ゴーストガールのフィールドにセットされる。

 

「シルキタスの効果発動!クンティエリを手札に戻すことで、相手モンスター1体を手札に戻す」

「私はそこにチェーンして、魔のデッキ破壊ウイルスを発動。リリーをリリースし、相手の手札を確認し、その中の攻撃力1500以下のモンスターを全て破壊」

 

 本来であれば、攻撃力2000以上のモンスターをリリースする必要があるが、サージカルクーパーの効果で、自身のリンク先のモンスターをかわりにリリースすることができる。これにより、コストとして手札に戻ったクンティエリと共に、彼女が手札に握っていたマルチフェイカーも墓地へ送られる。

 

「そして、ウイルス(トラップ)を発動したことで、インフェリアス・パンデミックコードにウイルスカウンターを置く」

「でも、サージカルクーパーには今度こそエクストラデッキに帰ってもらうわ」

 

 シルキタスの効果が決まり、サージカルクーパーがフィールドから消えて、バイラのフィールドにモンスターはいなくなる。

 

「私の前に開きなさい、未知なる異世界へ繋がるサーキットよ」

 

 ゴーストガールが手を伸ばすと、そのスーツのラインが赤く輝き、彼女の背後にアローヘッドが開く。

 

「召喚条件はオルターガイスト2体。私はシルキタスとマリオネッターをリンクマーカーにセット!リンク召喚!リンク2!オルターガイスト・ヘクスティア!」

 

 現れたのは爬虫類の胴体に人の腕がいくつも生え、断面から人の体が生えたようなモンスターだった。

 

「私は罠カード、オルターガイスト・マテリアゼーションを発動!墓地からマルチフェイカーを特殊召喚!」

 

 ヘクスティアのリンク先に、マルチフェイカーが特殊召喚される。

 

「マルチフェイカーの効果で、デッキからオルターガイスト・シルキタスを守備表示で特殊召喚!バトル!ヘクスティアで、ダイレクトアタック!ヘクスティアの攻撃力は、リンク先のオルターガイストの攻撃力分アップする!」

 

 マルチフェイカーの攻撃力1200を加えて、攻撃力2700となったヘクスティアが腕を這わせてバイラに襲い掛かる。

 

 バイラ:ライフ4000→1300

 

「マルチフェイカーでダイレクトアタック!」

 

 バイラ:ライフ1300→100

 

「私はこれでターンエンド」

 

ターン6

 

「私はインフェリアス・ゾンデを召喚」

 

インフェリアス・ゾンデ

効果モンスター

星1/闇属性/天使族/攻 700/守 0

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「インフェリアス」カード、または「ウイルス」罠カード1枚を手札に加える。

(2)自分の「ウイルス」罠カードの効果を発動するために、このカードがリリースされた場合に発動できる。墓地から「インフェリアス・ゾンデ」以外のレベル4以下の「インフェリアス」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り、自分は「インフェリアス」モンスターしか特殊召喚できない。

 

「デッキからインフェリアス・リリーを手札に。さらに魔法カード、培養手術(インフェリアス・グレイトゥ)を発動!」

 

培養手術(インフェリアス・グレイトゥ)

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1)自分フィールドの「インフェリアス」モンスター1体をリリースして発動できる。自分フィールドに、インフェリアス・トークン(星1・闇属性・天使族・攻/守0)3体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分は「インフェリアス」モンスターしか特殊召喚できず、そのトークンを素材としてリンク召喚されたモンスターは、リンク素材にできない。

 

「ゾンデをリリースして、インフェリアス・トークン3体を特殊召喚!」

 

 ゾンデの体が溶けてなくなり、その残骸から真っ白い人形が三つ、現れる。

 

「この効果で特殊召喚したトークンがフィールドにある限り、私はインフェリアスモンスターしか特殊召喚できない。現れよ、我らの未来回路!リンク召喚!インフェリアス・サージカルクーパー!」

 

 アローヘッドから、再び黒髪の生気をない顔の白衣の天使が現れた。

 

「インフェリアス・トークンを素材としてリンク召喚したモンスターはリンク素材にできない。サージカルクーパーの効果で、墓地から闇のデッキ破壊ウイルスをセット。バトル!私はサージカルクーパーで、オルターガイスト・シルキタスを攻撃!」

「シルキタスの効果を発動!マルチフェイカーを手札に戻し、サージカルクーパーを手札に!」

「手札のリリーの効果!サージカルクーパーのリンク先に特殊召喚し、効果を無効!」

 

 シルキタスがサージカルクーパーに向けて触手を伸ばすが、それはリリーに防がれる。

 

「バトル続行!シルキタスを攻撃!」

 

 サージカルクーパーが巨大な鋏を広げ、シルキタスを切断した。

 

 ゴーストガール:4000→2400

 

「私はこれでターンエンド」

 

ターン7

 

「ねぇ。あなたが仕掛けていたプログラム。さっきチラッと見えたんだけど」

 

 プログラムに詳しいゴーストガールには、詳細までは分からないまでも、それがどれだけ危険なものなのか、一瞥しただけで理解できた。

 

「……必要なのよ」

「ハノイの騎士は、一体何がしたいの?」

 

 ゴーストガールの質問に、バイラは歯を食いしばるようにして答える。

 

「すべては、人類のため。そのために、そうよ。これは仕方のないこと」

 

 自分に言い聞かせるようにそう唱えると、彼女は自分のカードに手をかける。

 

「私は闇のデッキ破壊ウイルスを発動。自分の闇属性モンスターをリリースし、魔法か罠かを宣言。相手の手札とその後3ターンの間にドローしたカードを全て確認し、宣言したカードを破壊する。私は罠カードを宣言」

 

 ゴーストガールの手札が公開される。

 手札にはドローしたばかりの無限泡影があり、それが破壊される。

 

「さらにインフェリアス・パンデミックコードにウイルスカウンターを置く。さらに私は永続罠、インフェクション・ゾーンの効果を発動!自分のインフェリアスのリンク先にインフェリアスモンスターを、効果を無効にして、守備表示で特殊召喚する」

 

 先程、コストとなってリリースされたリリーが蘇る。

 

「そして死のデッキ破壊ウイルスを発動!リリーをリリースし、相手の手札から攻撃力1500以上のモンスターを全て破壊する!」

 

 ゴーストガールの手札が一気削られる。

 

「インフェリアス・パンデミックコードにウイルスカウンターを置く。そして、インフェリアス・パンデミックコードの効果発動!」

 

インフェリアス・パンデミックコード

永続罠

このカードはルール上「ウイルス」カードとして扱う。

(1)自分フィールドの闇属性モンスター1体をリリースしてこのカードを発動できる。

(2)自分の「デッキ破壊ウイルス」通常罠カードが発動した場合に発動できる。このカードにウイルスカウンター1つを置く。このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分はそのカードと同名カードの発動によって、「インフェリアス・パンデミックコード」にカウンターを置けない。この効果以外で、自分はこのカードにカウンターを置けない。

(3)ウイルスカウンターが4つ以上置かれているこのカードを墓地へ送って発動できる。相手の手札・デッキのカードを全て破壊する。

 

「相手の手札・デッキのカードを全て破壊する!」

「なっ!」

 

 ゴーストガールのデッキが全て吹き飛ぶ。

 

「次のあなたのターンがくれば、あなたはデュエルに敗北する。そして、あなたに残されたのは攻撃力1500のヘクスティアのみ。私のサージカルクーパーの攻撃力2400を突破することはできない。よって、このターンで勝つことはできない」

「くっ……ターンエンド」

 

 それは事実上の敗北宣言に等しかった。

 

「私は何もせずにターンエンド。さようなら、ゴーストガール」

 

 ゴーストガールのアバターが、赤く光り、足先から砕けて消えていく。

 

「っ……」

 

 ゴーストガールは最後の力を振り絞って、デュエルディスクを操作する。

 何かのメッセージが表示された次の瞬間、ゴーストガールの体は完全に消滅した。

 

「なっ、なんですか、今の……」

 

 遅れて到着した美海、ソウルバーナー、ゴッドバードの三人は、その光景を目の当たりにして驚愕していた。

 

「てめぇ、ババアに何しやがった!?」

「遅かったわね。既にハノイの塔は起動した」

「ハノイの塔?」

 

 バイラがその疑問に答える前に、地鳴りがする。

 

「なんだ!?」

 

 周囲からデータが集まり、それが糸のように編まれ、天高く伸びる。

 それはどんどん膨張し、やがて部屋も破壊し始める。

 

「おい、ヤバくねぇか!?」

「とにかく逃げるぞ!」

 

 三人は来た道を戻る。

 

 ゴッドバードがDボードを出して、データストリームを操作してログアウト不可エリアをどうにか突破した。

 

 ◆

 

 ログアウトした美海と尊は、先に脱出していた遊作と葵と草薙の店で合流した。

 

「LINK VRAINSはどうなってるんですか?」

「これを見ろ」

 

 草薙がパソコンを操作して、LINK VRAINS内部の映像を見せる。

 

「な、なにこれ……」

 

 それはまさしく塔だった。

 

 無数の赤い糸が螺旋状に織られて作られたそれは、天に届くほど高く、その上空では光の輪のようなものが浮いていた。

 

「これが、ハノイの塔……」

 

 




バイラさんは原作とデッキを大幅に変えてしまいました。
ジャックナイフとアンデットデッキというところがもろ被りしてたので、ウイルスデッキというところに着目して魔改造してみましたが、ダークマミーデッキが見たかった人には申し訳ないです。
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