遊戯王VRAINS Re:Construction 作:師走F
「おっはよう。藤木君」
ある日、遊作が登校すると、校門の前で切花とばったり会った。
「……ああ。おはよう」
「暗いなぁ。せっかく朝からボクに会えたんだし、もっと笑ってよ~」
切花は歩く遊作の周りをチョロチョロ動き回る。
「同じクラスなんだから、毎朝会ってるだろ」
「それもそうだね~」
切花は遊作の前に立ち、後ろ向きに数歩ステップを踏む。
すると、その彼女の背中が誰かとぶつかった。
「夢乃さん」
切花がクルッと後ろを向くと、そこに立っていたのは葵だった。
「あ~財前さんだったんだ。平べったくて壁かと思ったよ~」
ビュンッ
葵の高速のジャブが切花に飛ぶ。
「おっと」
切花はそれを華麗にかわすと、そのまま遊作の腕に抱き着いた。
「藤木君こわーい」
「っ……藤木くんから離れて」
葵がさらに切花に向かって腕を伸ばす。
その時、
ムニッ
誤ってその手が切花の胸を鷲掴みにした。
「……」
「……」
胸を揉まれた切花は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
それに対して、葵の顔からスッと感情が消える。
「ねぇ藤木くん、これ引きちぎったら私のものにならないかな」
葵が握力をかけて、胸を変形させる。
「あ、ちょっ、待って。痛い。本当に痛いから」
「先行くぞ」
「ま、待って藤木君、これマジ痛いからっ!」
キャットファイトを繰り広げる二人を放っておいて、遊作はさっさと校舎の中に入った。
「よう。藤木」
教室につくなり、島がタブレットを片手に遊作に話しかけてきた。
「なにかニュースか?」
島の様子から、何か話したいことがあるのだろうと踏んだが、案の定、島はタブレットの画面を遊作に見せてきた。
画面に映っているのは今朝のニュース番組のライブラリ動画だった。
『先日発生したハッカー組織、ハノイの騎士によるテロ行為について、明日、SOLテクノロジーのセキュリティ部署より、記者会見が開かれる模様です』
「この間のハノイの塔事件のことか」
ニュースの内容からして、矢面に立たされるのは葵の兄、財前晃だろう。
「プレイメーカーがハノイの騎士をぶっ倒してくれたんだよな。俺も動画でデュエルを見て、感動したぜ」
あの状況下で撮影を行うネットメディアの根性に脱帽しつつ、遊作はふと思い出したように口にする。
「そういえば、お前はあの時、LINK VRAINSにはいなかったのか」
「ふっ、俺が動くべき時じゃないと感じたのさ」
「そうか」
「何だよ。腰抜けだった思ったか?」
島は少しムッとしたような顔をする。
「いや、実力もないのに出しゃばって命を落とすよりかはずっといい」
その一言に、島はまた機嫌を悪くするが、タブレットの通知音を聞いて視線と興味を移す。
「お、おい見ろよ」
またタブレットを遊作の方へ向ける。
今度はニュースサイトの記事だ。
見出しにはデカデカと『SOLテクノロジー株価下落!』の文字。
「まああんなことがあれば会社の信用も落ちるよな」
島は記事を流し読みしつつ、別タブで株のリアルタイムチャートを開く。
SOLの株価は現在進行形で下落中だ。
「……いや、下がりすぎじゃないか?」
株価はある時を境に断崖のごとく下がっている。
遊作も決して株に詳しいわけではないが、どう考えてもこんなほぼ直角な下がり方はしないだろう。
何より、その株価が下がり始めた時間は、ハノイの塔事件が起きた日でも、その翌日でもなく、つい数分前なのだ。
「値段が下がったから、みんなが売りに出したんじゃないのか?」
「それにしても……」
その時、教室の扉が開く音がする。
「みんな、席に着きなさい」
担任のエマ先生が入ってきた。
時計を見ると、既に八時半を少し過ぎている。
葵と切花はまだ来ていないので、まだ取っ組み合いをしているのだろうかと、遊作はそんなどうでもいいことを考える。
「えーっと、今日の五限目は保健体育だけど、担当の響子先生がお休みしてるので、自習になるわ。ちゃんとサボらずに勉強すること。いい?」
生徒達は「はーい」と返事をするが、どうせこの中の半分もまともに勉強しないんだろうなと、その勉強しない側である遊作は考える。
(五限目が空くなら、その間にレポートを探しに行くか)
鴻上レポートはまだ三つしか見つかっていない。
遊作としては、一刻も早くレポートを全て集めたい。
(リボルバーとのデュエルで、新たな謎も出てきたことだしな)
「おい遊作」
すると、デュエルディスクの中のAiが小声で話しかけてきた。
「なんだ?」
「なんか美海からメッセージが届いてるぞ」
言われて遊作は自身のスマホを開く。
『一限が自習になったので、レポートを探しに行きます。なので、Aiを貸してもらえませんか?』
美海達のクラスは一限目が保健体育だ。どうやら考えることは同じらしい。
「Ai、行ってやれ」
「りょうかーい」
Aiは敬礼のポーズを取り、美海のディエルディスクへ転送された。
◆
同刻、SOLテクノロジー社、
「なるほど……」
殺風景な部屋、SOLの幹部室で一人の男が椅子に腰かけて、タブレットを眺めていた。
藍色のスーツに身を包み、整髪料で整えられた艶のある髪の四十代くらいの男、ビショップは自身の白いあごひげを指で撫でる。
「ビショップ様!」
ノックもせずに、彼の秘書の女性が、長い赤のポニーテールを揺らしながら部屋に入ってくる。
「大変です!我が社の株価が……」
「把握しているよ」
彼女の言葉を遮って、ビショップは手に持ったタブレットの画面を見せる。
そこに映っていたのは、奇妙なアドレスからのメールだった。
内容は簡潔に二行。
『二十四時間以内に、LINK VRAINSの全権限を明け渡せ。
さもなくばSOLテクノロジー社を倒産させる』
「これは……」
「見ての通り、脅迫状だ。イグニスからのね」
「い、イグニスが!?」
動揺を見せる秘書に対して、ビショップは会社の危機だというのに落ち着いている。
「本当に、鴻上博士はとんでもないものを遺したものだ」
ビショップはフッと笑い、タブレットを秘書に渡してスマホを取り出した。
「私だ。早速君に働いてもらうよ」
電話の相手にそれだけ告げると、電話を切って立ち上がる。
「向こうから攻撃を仕掛けてきたのは好都合だ。邪魔なハノイも消えたのだから、イグニスを全て手に入れる」
◆
LINK VRAINS、進入禁止エリア。
そこで美海はソウルバーナーとは別行動で、手分けしてレポートを探すことになった。
「さて、どのあたりから行きますか?」
進入禁止エリアにあるコンクリートで出来たビルのような建物の上で、デュエルディスクの中のAiに問いかける。
「俺のセンサーによると……」
「そんなものないでしょうが」
ふざけているAiにため息を吐き、彼女も意識を集中させる。
コツはある程度つかめているとはいえ、ノーヒントで
「ん?」
そこでふと、レポートとは別の気配を感じ取り、視線を下にやる。
「お、あれはゴッドバードだな」
「えぇ」
見知った顔を見つけて、美海はDボードに乗り、彼を追いかける。
「ゴッドバード!」
声をかけると、彼はDボードを停車させてこっちを向いてくれた。
「お前か。どうした?」
「いえ、見かけたので声をかけたんですけど、あなたこそ、こんなところで何を?」
ゴッドバードがこのエリアにわざわざ来ているということは、もしかすると近くにレポートがあるかもしれない。そう期待しての質問だったが、
「あぁ。俺はちょっと、人に会いにきたんだよ」
残念ながら違うらしい。
がっかりはしたものの、彼に会えたのは僥倖と思い、美海は話を進める。
「私は鴻上博士のレポートを探しにきたんですけど、よろしければ後でいいので付き合ってもらえません?」
「お前な、俺のことなんだと思ってんだ?」
最初の出会いからは想像できないほどにフレンドリーな彼女に、ゴッドバードは呆れたように言う。
「わりーけど、今日は忙しいんだ。つーかお前もこんなところぶらぶらしてていいのか? 今SOLが大変らしいじゃねぇか」
「株価の話ですよね。でも、私にはどうすることもできませんし……」
美海としては晃のことは確かに心配だったが、彼のことだから明日の会見で何とかしてくれると期待もしている。
「まあ別に俺はSOLがどうなろうが知ったこっちゃないけどな。じゃあな」
そう言って立ち去ろうとしたその時、ゴッドバードは足を止めて険しい顔をする。
その彼の視線の先には、十字路の陰から現れた一人の男がいた。
西部劇のガンマンを思わせるようなハットとマント、灰色の体表に描かれたのは赤と藍の模様のような顔、そして右腕は鋼鉄の義手となっている。
「久しぶりだな。ゴッドバード」
「……ブラッドシェパード。わざわざ迎えに来てくれたのか?」
ゴッドバードの口ぶりから、この男が彼の会う予定だった相手だと、美海は結論付ける。
「今更俺を呼び出して何の用だ?」
「警告をしにきただけだ」
ブラッドシェパードは右腕を彼に向ける。
「イグニスを追っているなら止めておけ。お前には無理だ」
「あぁ?」
二人は睨み合う。
そこで、ふと、ブラッドシェパードの方が美海の、正確にはそのデュエルディスク上に顔を出していたAiの存在に気付き、視線を向ける。
「イグニスか」
すると、ブラッドシェパードの動きに気付いたゴッドバードが、すぐに美海の前に立ちふさがる。
「こいつに手出す気ならあんたでも容赦しねぇぞ」
ゴッドバードに凄まれて、ブラッドシェパードはフッと笑う。
「まあいい。今は見逃してやる。仕事があるからな」
ブラッドシェパードはそう言って立ち去った。
「ゴッドバード~、ありがとう俺のために~」
「お前のためじゃねぇよ!」
瞳をうるうるさせるAiを怒鳴りつける。
「あの、ゴッドバード。さっきの、ブラッドシェパードとはどういう関係なんですか?」
「あぁ。前に話した俺の師匠だよ」
「それって、育ての親とかいう……」
あの時のゴッドバードの口ぶりから、もっと良好な関係だと思っていた。
だが、先程のはむしろ敵対していると言えるほど、険悪なムードだった。
「俺は別に、あいつのことは嫌ってねぇよ。俺はあいつのお眼鏡にはかなわなかったみてぇだがな」
すると、ゴッドバードはDボードを再出現させる。
「どこへ行くんですか?」
「後をつける。仕事だっつってただろ?」
すると、美海は彼の後ろに乗る。
「私も行きます」
「お前……勝手にしろ。飛ばすからな」
◆
そして二人がやってきたのは、瓦礫に囲まれた開けた場所だった。
物陰に隠れて様子を窺っていると、ブラッドシェパードの前に一人、黄色いイグニス、ライトニングが現れた。
「君が、SOLテクノロジーからの刺客か?」
「そうだ」
ブラッドシェパードはデュエルディスクを構える。
「ふっ、ではこちらも」
ライトニングが指を鳴らすと、彼の前に二人の男が出現する。
「あれは!」
それを見て、美海とAiは目を見開いた。
そこにいたのは、ファウストとゲノム、ハノイの騎士のメンバーだった。
彼らの目は赤く光っており、とても正気の状態には見えない。
「この前、ウィンディが使った洗脳プログラム、完成させていたのか」
Aiは以前の出来事を思い返して唸る。
「ふんっ、AI風情が人間を使役するか」
ブラッドシェパードは右手の人差し指をクイッと曲げる。
「来い、二人まとめて相手をしてやる」
「いいだろう。プログラムの最終確認だ」
「「デュエル!」」
ターン1 ファウスト
「私はベリアワームを召喚!」
ベリアワーム
効果モンスター
星1/光属性/昆虫族/攻 500/守 700
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「ワームトークン」と記された魔法・罠カード1枚をセットする。
(2)このカードが昆虫族リンクモンスターのリンク素材となって墓地に送られた場合に発動できる。自分フィールドに「ワームトークン」(昆虫族・地・星1・攻/守 0)1体を特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は昆虫族モンスターしか特殊召喚できない。
「デッキからワーム・ベイトをセットして、そのまま発動!ワームトークン2体を特殊召喚!」
頭部に骨の仮面をつけた黒い芋虫が二体、フィールドに生み出される。
「現れろ、我らの未来回路!」
三体の芋虫がアローヘッドに吸い込まれる。
「リンク召喚!リンク3!
現れたのは、肥大化した体から黒い脚を這わせる、女王蜂のようなモンスターだった。
リンク・効果モンスター
光属性/昆虫族/攻 1000/LINK3
【リンクマーカー:左/左下/下】
昆虫族モンスター2体以上
(1)このカードの攻撃力は、フィールドの昆虫族モンスターの数×700アップする。
(2)1ターンに1度、発動できる。このカードのリンク先に「ワームトークン」(昆虫族・地・星1・攻/守 0)1体を特殊召喚する。この効果は相手のターンでも発動できる。
(3)自分フィールドの「ワームトークン」は攻撃対象にならない。
(4)このカードが戦闘・効果で破壊される場合、かわりにこのカードのリンク先の昆虫族モンスターを破壊できる。
「リンク素材となったベリアワームの効果で、ワームトークン1体を守備表示で特殊召喚。さらにスプレッド
スプレッド女王の肥大化した胴体の先端から、黒い芋虫が二体生み出される。
「スプレッド
ターン2 ゲノム
「私は魔界発現世行デスガイドを召喚。その効果で、デッキからヘルモットを特殊召喚」
赤髪の女性が手を振ると、どこからか黒いバスが到着し、中から黒い毛むくじゃらのネズミが下りてくる。
「現れたまえ、我らの未来回路!召喚条件は悪魔族モンスター2体!リンク召喚!
現れたのは、むき出しの青い骨の首、胸に奇怪な仮面をつけた怪鳥だった。
リンク・効果モンスター
闇属性/悪魔族/攻 1800/LINK2
【リンクマーカー:上/左】
悪魔族モンスター2体
このカード名の(2)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)相互リンク状態のこのカードは攻撃対象にならない。
(2)このカードが墓地に存在する場合、自分の悪魔族リンクモンスターのリンク先となる自分フィールドにこのカードを特殊召喚することができる。
(3)自分にダメージを与える効果が発動した時に発動できる。その効果で自分が受けるダメージは0になる。その後、このカードの攻撃力はターン終了時まで元々の攻撃力の倍になる。
「墓地のヘルモットの効果発動!」
ヘルモット
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻 1200/守 800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが墓地に存在し、自分フィールドに悪魔族リンクモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できず、融合・S・X・リンク召喚を行う場合、このカードを素材に含む二体以上のモンスターを素材にしなければならない。
「ヘルモットを墓地から特殊召喚。現れたまえ、我らの未来回路!リンク召喚!リンク2、
現れたのは二足歩行する羊型の悪魔、細い棒人間に両手、胸部、下半身、顔を無理やり取り付けたような奇怪な姿をしている。
リンク・効果モンスター
闇属性/悪魔族/攻 0/LINK 2
【リンクマーカー:上/下】
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力と同じになる。
(2)このカードは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
(3)自分のターン中、このカードの(2)の効果を適用したダメージ計算後に、このカードのリンク先のこのターンに攻撃を行っていないモンスター1体をリリースして発動できる。リリースしたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「墓地のネクロ・ダーウィンの効果!ゴシックローンのリンク先に特殊召喚。私はこれでターンエンド」
「私はゲノムのエンドフェイズに、永続
産卵床
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドに昆虫族モンスターが特殊召喚された場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果を無効にし、種族を昆虫族として扱う。
(2)自分のエンドフェイズに発動できる。自分フィールドに「ワームトークン「(昆虫族・地・星1・攻/守 0)1体を特殊召喚する。
「これで私が昆虫族モンスターを特殊召喚するごとに、君のモンスターの効果を無効にできる」
「こりゃすげぇな」
二人の盤面が整った様子を見て、Aiはそんな感想を漏らす。
「ゴッドバード、あのガンマンは本当に強いのか?」
ファウストもゲノムも、それぞれプレイメーカーとソウルバーナーを一度は追い詰めた強敵だ。
そんな相手に二人係で挑まれて勝てるのか、Aiは疑問だった。
「自慢じゃねぇが、俺はあいつに一度も勝ったことがない」
「え?」
その発言に美海は驚いた。
「その、昔の話ですよね……?」
ゴッドバードの強さを知る彼女は、信じられないといった様子で尋ねる。
「昔、そうだな。半年やそこらであいつに勝てる程度に成長してるなら、まあ昔の話なんだろうな」
彼は視線をデュエルするブラッドシェパードの方へ戻す。
すると、彼は右手の人差し指を立てて、こう宣言する。
「
煽るような発言に、洗脳されているはずのファウストやゲノムも顔をしかめる。
デュエルを見守る美海とAiも訝しむような顔をするが、
「だろうな」
一人だけ、ゴッドバードだけはその宣言になんら驚くことはなかった。
ターン3 ブラッドシェパード
「相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、手札のドローン・エリアスは特殊召喚できる!」
直角三角形の翼が二枚ついた、小型の飛行機が飛来する。
ドローン・エリアス
効果モンスター
星3/風属性/機械族/攻 1000/守 0
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「ドローン」カード1枚を手札に加える。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は機械族モンスターしか特殊召喚できない。
「デッキからドローン・タンカーを手札に加える。現れろ、勝利を導くサーキット!」
右手でピストルを作ると、それが指さす先にアローヘッドが回転しながら現れる。
「召喚条件は、レベル4以下のドローン1体!リンク召喚!リンク1、バトルドローン・サージェント!」
アローヘッドより、白と青を基調とした戦闘機が発進した。
バトルドローン・サージェント
リンク・効果モンスター
風属性/機械族/攻 800/LINK 1
【リンクマーカー:下】
レベル4以下の「ドローン」モンスター1体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分のリンクモンスター以外の「ドローン」モンスターが相手に直接攻撃で戦闘ダメージを与えた場合に発動できる。このターン、このカードは直接攻撃できる。
(2)このカードが墓地に存在する状態で、自分のリンク2以上の「ドローン」リンクモンスターが効果で特殊召喚された場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはリンク素材にできず、エンドフェイズに除外される。
「ドローン・タンカーを召喚。効果で墓地からドローン・エリアスを特殊召喚」
長方形のコンテナがついたドローンが現れて、そのコンテナの中からドローン・エリアスが発進する。
ドローン・タンカー
効果モンスター
星4/風属性/機械族/攻 1000/守 1200
(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。手札・墓地からレベル3以下の「ドローン」モンスター1体を特殊召喚する。
(2)このカードは直接攻撃できる。このカードの直接攻撃によって相手に与える戦闘ダメージは半分になる。
「現れろ、勝利を導くサーキット!リンク召喚!バトルドローン・ウォラント!」
バトルドローン・ウォラント
リンク・効果モンスター
風属性/機械族/攻 1200/LINK 2
【リンクマーカー:左/下】
「ドローン」モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分のリンク1の「ドローン」モンスターが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動できる。このターン、このカードは直接攻撃できる。
(2)このカードが墓地に存在し、自分のモンスターがEXモンスターゾーンの「ドローン」リンクモンスターのみの場合に発動できる。このカードを墓地からそのモンスターのリンク先に特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は「ドローン」モンスターしか特殊召喚できない。
「さらにウォラントとサージェントをリンクマーカーにセット!リンク召喚!」
アローヘッドからカタパルトが飛び出し、そこへ黒い先端が顔を出す。
「出撃せよ、リンク3!バトルドローン・ジェネラル!」
黒い戦闘機がカタパルトより発進した。
バトルドローン・ジェネラル
リンク・効果モンスター
風属性/機械族/攻 2400/LINK 3
【リンクマーカー:左/右/下】
「ドローン」モンスター2体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分のメインフェイズに発動できる。墓地から元々の攻撃力が2000以下の「ドローン」モンスター1体を特殊召喚する。
(2)自分のレベル4以下の攻撃力1000以下の「ドローン」モンスター1体を対象として発動できる。このターン、そのカードは直接攻撃できる。
(3)自分の「ドローン」モンスターが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた場合、そのモンスターをリリースして発動できる。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果を3回以上適用したターン、このカードは直接攻撃できる。
「私はここでスプレッド女王の効果発動!自身のリンク先にワームトークンを特殊召喚する」
スプレッド女王の腹から、黒い芋虫が産み落とされる。
「産卵床の効果で、バトルドローン・ジェネラルの効果は無効!さらに昆虫族となる」
産卵床のカードから粘着質な白い虫のタマゴが撃ち込まれ、バトルドローン・ジェネラルの機体に張り付く。
「それがどうした。俺は墓地のバトルドローン・ウォラントの効果発動!自分フィールドのモンスターがエクストラモンスターゾーンのドローンのみの場合、このカードは墓地から特殊召喚できる!」
ウォラントが再び、ジェネラルのリンク先に浮上する。
「自分のリンク2以上のドローンリンクモンスターが効果で特殊召喚された時、墓地のサージェントを特殊召喚!」
さらにその隣にサージェントも飛来する。
「ジェネラルとウォラントでリンク召喚!バトルドローン・ジェネラル!」
古い機体がアローヘッドに飛び込み、真新しい黒鉄の戦闘機となってフィールドに舞い戻った。
「くっ……」
「ジェネラルの効果発動!墓地のバトルドローン・ウォラントを特殊召喚する。さらに永続魔法、ドローン・カタパルトを発動!」
ドローン・カタパルト
永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれフェイズ毎に1度しか使用できない。
(1)自分のメインフェイズ及びバトルフェイズに発動できる。手札から「ドローン」モンスター1体を特殊召喚する。
(2)自分の「ドローン」モンスターが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた場合、このカードを墓地へ送って発動できる。相手に1000ダメージを与える。
「その効果で、手札からドローン・ポーンを特殊召喚」
永続魔法から羽にプロペラとガトリングのついた小型の飛行機が射出された。
ドローン・ポーン
効果モンスター
星1/風属性/機械族/攻 600/守 600
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「ドローン」魔法・罠カード1枚をセットする。
(2)このカードの戦闘によって自分がダメージを受けた場合に発動できる。そのバトルフェイズ終了時、ダメージの数値分だけLPを回復する。
「デッキからドローン・テイクオフを手札に加える。ジェネラルの効果発動!ドローン・ポーンはこのターン、ダイレクトアタックができる!まずはドローン・ポーン、ゲノムにダイレクトアタック!」
ドローン・ポーンが前進。ゴシックローンもネクロ・ダーウィンも無視して、ゲノムに直接ガトリングによる攻撃を浴びせる。
ゲノム:ライフ4000→3400
「ジェネラルの効果発動!自分のドローンがダイレクトアタックによって戦闘ダメージを与えた時、そのモンスターをリリースすることで、その元々の攻撃力分のダメージを与える!」
攻撃を終えたドローン・ポーンが赤く輝き出し、ゲノムに向けて突進。そのままぶつかると同時に爆発する。
ゲノム:ライフ3400→2800
「サージェントの効果発動!リンクモンスター以外のドローンがダイレクトアタックでダメージを与えた時、このカードはダイレクトアタックできる!行け!サージェント!」
ゲノム:ライフ2800→2000
「ジェネラルでリリースし、その攻撃力分のダメージ!」
サージェントのゲノムの目の前で爆発し、その身を犠牲にダメージを与える。
ゲノム:ライフ2000→1200
「ウォラントの効果発動!自分のリンク1のドローンがダイレクトアタックでダメージを与えた時、このカードはダイレクトアタックできる!」
三機目の機体が、ゲノムに突っ込む。
防ぐ術を持たないゲノムはそのままライフを散らす。
ゲノム:ライフ1200→0
「次はお前だ」
ブラッドシェパードはファウストの方を向き、その右手を向ける。
同時にウォラントも旋回して、ファウストの方へと飛ぶ。
「ジェネラルの効果で、貴様にダメージ!」
ウォラントが特攻。
機体を爆発させて、ファウストにダメージを与える。
ファウスト:ライフ4000→2800
「だ、だがこれで、君の攻撃は終わり……」
「まだだ」
すると、ジェネラルがジェットエンジンをふかし、ファウストに狙いを定める。
「ジェネラルの効果ダメージを与える効果を3回以上適用したターン、このカードはダイレクトアタックできる!」
「なっ!」
「バトルだ!ジェネラルでダイレクトアタック!」
ジェネラルがミサイルを撃ち込み、ファウストのライフをさらに削る。
ファウスト:ライフ2800→400
「ジェネラルの効果!自身をリリースして、その元々の攻撃力分のダメージを与える!」
「私は手札のカバーモスの効果発動!」
カバーモス
特殊召喚・効果モンスター
星5/地属性/昆虫族/攻 2000/守 2600
このカードは通常召喚できず、カードの効果でのみ特殊召喚できる。
(1)以下のいずれかの効果が発動した場合、自分フィールドに通常召喚できない昆虫族モンスターが存在すれば、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。その効果を無効にする。
●ダメージを与える効果
●フィールドのカードを破壊する効果
●フィールドのカードを墓地へ送る効果
(2)自分のレベル7以上の通常召喚できない昆虫族モンスターの特殊召喚に成功した場合に発動できる。このカードを墓地から手札に加えるか、特殊召喚する。
「ジェネラルの効果を無効にする!」
ジェネラルが爆発する直前に、緑色の蝶が現れ、その羽を広げて爆風からファウストを守った。
「こ、これで、今度こそ攻撃は……」
「終わるのはお前だ。俺はドローン・カタパルトの効果発動!自分のドローンがダイレクトアタックでダメージを与えた時、このカードを墓地に送り、相手に1000ダメージを与える!」
カタパルトからレーザーが発射され、ファウストの体を撃ち抜いた。
「す、すごい……」
「あの二人を、本当に1ターンで……」
凄まじいデュエルに、美海とAiは開いた口が塞がらない。
「あれがブラッドシェパードのデュエルだ。あいつの攻撃を1ターンでも耐えられた奴は、俺の知る限りいない」
デュエルが終了すると、ライトニングは倒れたハノイの騎士二人を見下ろす。
「まあ、実験として十分だろう」
「さぁ、次はお前が相手をするのか?」
ブラッドシェパードの言葉に、ライトニングは首を振る。
「悪いが、私はまだ君達と戦うわけにはいかない。SOLの株価は元に戻しておいた。これで失礼する」
「待て!」
ライトニングは目にも止まらぬ速さで飛び去り、消えてしまった。
「チッ……おい、いつまで見ている」
ブラッドシェパードは、隠れていたゴッドバード達の方を向く。
「SOLはイグニスを全て手に入れるつもりだ。お前も俺に狙われたくないなら手を出さないことだ」
「はっ、言ってろ。俺はやりたいようにやる」
「そこのガールフレンドも、二度目はないと思え」
そう言って、ブラッドシェパードは立ち去った。
やっぱりドローンは戦い方がカッコいいですね。
メインデッキがほぼオリカになってしまいましたが、OCG化するなら、これくらい後攻ワンキルに特化させてほしい。