遊戯王VRAINS Re:Construction 作:師走F
それはプレイメーカーとブルーエンジェルのデュエルが開始する少し前、彼らに声援を送る人々の頭上をDボードに乗った少年が通り過ぎる。
「あ?」
その直後、彼の視界の景色が乱れる。
気付くと、青いトンネルのような空間へと転送されていた。
「やはり来ましたね」
彼に立ちふさがるように出現したのは、Dボードに乗った一人の少女だった。
水色のショートカットの髪、弾帯ベルトのような装飾を施した青いコンバットスーツ、美海のLINK VRAINSでのアバターだ。
「そのアバター、SOLのデュエリスト……待ち伏せしてやがったのか」
「えぇ。ブルーエンジェルの呼び掛けに応じた人の中に、一人だけ随分優秀なハッカーがいたもので」
「まああんだけ派手にやりぁ、目つけられんのも無理ねぇか」
実際は葵がSOLに目をつけられる前に、彼女が一人で処理しに来ただけなのだが、彼には知るよしもないことだ。
「あなたは何者ですか?」
「ゴッドバード、しがないハッカーだ」
「目的は?」
「プレイメーカーを呼び出したのは俺の手柄だろ? なら俺が先に遊びに行ってもバチ当たんないだろ?」
彼の目的はプレイメーカーだと分かり、美海はひとまず安堵した。
この能力をもし葵に向けられていたら、美海でも彼女を守るのは難しいだろう。
「どうせここから出るには、テメェをデュエルで倒すしかないんだろ?」
「話が早くて助かります。では参りましょう」
「「スピードデュエル!」」
ターン1ゴッドバード
「自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、手札の
爪のようなパーツがついた円盤型の機械が現れる。
「このカードの特殊召喚に成功した時、デッキから「エリミネーター」1体を特殊召喚する。来い、
小型の飛行機のような物体が飛来する。
「ただし、この効果発動後、俺はターン終了時までメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。現れろ!未来を貫くサーキット!」
デートストリームが渦を巻き、コース上にアローヘッドが出現する。
「召喚条件はレベルが同じモンスター2体!」
Dボードが加速し、2体のモンスターと共にアローヘッドを突き抜ける。
「リンク召喚!
リンク·効果モンスター
風属性/サイバース族/攻 1000/LINK2
同じレベルのモンスター2体
(1)リンク召喚したこのカードは、リンク素材となったモンスターと同じレベルのモンスターとしてX召喚の素材にでき、このカードのリンクマーカーの数と同じ数のモンスターとしてX召喚の素材にできる。
(2)X素材となったこのカードが墓地に送られた場合に発動できる。除外されている「エリミネーター」モンスター2体を自分のXモンスターの下に重ねてX素材とする。
「モンスターの特殊召喚を封じてまで出したのが攻撃力1000のモンスター。いや、それよりも……」
効果モンスター
星4/風属性/サイバース族/攻 1000/守 1000
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)このカードが(1)の方法による特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「エリミネーター」モンスター1体を特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで自分はメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。
(3)相手ターン中、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「エリミーション」罠カード1枚をセットする。この効果でセットしたカードは、セットしたターンにも発動できる。
効果モンスター
星4/風属性/サイバース族/攻 1400/守 500
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドにサイバース族モンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)相手ターン中、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「エリミネーション」魔法カード1枚をセットする。この効果でセットしたカードは、セットしたターンにも発動できる。
(彼のカード、サイバース族)
「これで終わりじゃねぇぞ。ローディング・チャージャーの効果!このカードはリンク素材となったモンスターと同じレベルのモンスターとして、エクシーズ召喚の素材できる!」
「なっ!?」
「俺はレベル4扱いのローディング・チャージャーでオーバーレイネットワークを構築!」
彼の前後にエックス型のパネルが出現する。
すると、ローディング・チャージャーがデータの粒子となって消え、それらを繋ぐように光の道となる。
「エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!」
光が爆ぜる。
「
現れたのは、体の中央にレールガンを備えた、歪な機械仕掛けの竜だった。
エクシーズ·効果モンスター
ランク4/風属性/サイバース族/攻 2300/守 2000
風属性·レベル4·効果モンスター×2体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードの攻撃力·守備力はこのカードがX素材として持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×300アップする。
(2)相手の特殊召喚されたモンスターが効果を発動した時、このカードのX素材1つを取り除いて発動できる。その効果を無効にする。この効果発動のためにリンクモンスターを取り除いていた場合、かわりにその効果を無効にして破壊し、相手に500ダメージを与える。
(3)このカードが効果で破壊される場合、かわりこのカードのX素材1つを取り除くことができる。
「レベルを持たないリンクモンスターで、エクシーズ召喚を……」
「コンパイル・ブラスターはオーバーレイユニットのリンクモンスターのリンクマーカーの数×300攻撃力がアップする。俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
ターン2 美海
「私のターン!」
「ここで墓地のジャイロード、ラントリクターの効果発動!」
美海の宣言に割り込んで、ゴッドバードが効果を発動する。
「墓地のこのカードを除外して、デッキから「エリミーション」魔法カード、「エリミーション」罠カードをそれぞれセットする」
「では今度こそ。私は原初海祈シーライブラを召喚!」
効果モンスター
星4/水属性/サイバース族/攻 1000/守 1600
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードの召喚·特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「
(2)このカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。手札から「原初海祈シーライブラ」以外の「オリジンブルー」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
「そいつは、サイバース……」
「サイバースを使えるのがあなた方だけだと思わないことです。シーライブラの効果で、デッキから「原初海祈メガロガー」を手札に加えて効果発動」
効果モンスター
星3/水属性/サイバース族/攻 1300/守 500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。
(1)自分フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させ、手札からこのカードを特殊召喚する。
(2)このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの「オリジンブルー」モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させ、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドを離れた場合、除外される。
「自分の水属性モンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させることで自身を特殊召喚。さらにシーライブラの効果、このカードが移動した時、手札から「オリジンブルー」モンスターを特殊召喚できる。私はアノマロトレスを特殊召喚」
効果モンスター
星3/水属性/サイバース族/攻 800/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドのこのカード以外の「オリジンブルー」モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させ、元々の位置にそのカードと同じレベル·種族·属性の「オリジンブルー·トークン」(攻/守0)1体を特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
(2)墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。対象のカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。この効果は相手ターンでも発動できる。
「来なさい。未来を繋ぐサーキット!召喚条件は水属性効果モンスター2体以上!」
彼女の三体のモンスターがアローヘッドに吸い込まれる。
「リンク召喚!
それは奇妙なオブジェだった。
ハート型の巨大な水晶。背面には蝶の羽を象った飾り、先端部に青い女性の形をした彫像がついている。
リンク·チューナー·効果モンスター
水属性/サイバース族/攻 0/LINK3
【リンクマーカー:右下/下/左下】
水属性·効果モンスター2体以上
(1)リンク状態のこのカードは相手の効果を受けず、攻撃対象にならない。
(2)このカードのリンク先のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをチューナーとして扱う。その後、このカードのリンク先のモンスターのみを素材としてサイバース族Sモンスター1体をS召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。
(3)自分のモンスターの位置が移動する度に、このカードにバックログカウンターを1つ置く。
(4)自分フィールドのモンスターの攻撃力は、このカードのバックログカウンターの数×200アップする。
「攻撃力0、てことは何かあるんだろうが無駄だ。俺のコンパイル・ブラスターには相手の特殊召喚されたモンスターの効果を無効にする効果がある。どんな強力な効果を持ってようが通用しねぇ」
「それはどうでしょうか。私は
効果モンスター
星4/水属性/サイバース族/攻 1700/守 0
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、このカード名のカードを特殊召喚するターン、自分は水属性モンスターしか特殊召喚できない。
(1)自分フィールドにモンスターが存在しない、または水属性モンスターのみの場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)このカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。デッキから「オリジンブルー」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
「リンク先にモンスターがいることで、タイタニーニャは相手の効果を受けず、攻撃対象にもなりません」
「チッ、そういうことか……」
「さらに墓地のメガロガーの効果、オリジンブルー1体を隣に移動させることで自身を特殊召喚。自分のモンスターが移動したので、タイタニーニャにバックログカウンターを置きます」
タイタニーニャの体の水晶の中に、白い小さな光が一つ点灯する。
「タイタニーニャの効果、リンク先のモンスター1体をチューナーとして扱い、リンク先のモンスターのみを素材としてシンクロ召喚を行う!」
タイタニーニャから青い触手が伸びて、メガロガーに突き刺さる。
「私はレベル4のアンモジュールに、レベル3チューナー扱いのメガロガーをチューニング!」
二体のモンスターが消滅し、タイタニーニャの背後で二つのリングに変わる。
「シンクロ召喚!」
リングが重なり、分裂する。
「レベル7、
現れたのは、長い首をうねられる美しい水竜だ。
シンクロ·効果モンスター
星7/水属性/サイバース族/攻 2300/守 2000
水属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1)このカードが効果で隣のメインモンスターゾーンに移動する場合、かわりにリンクモンスターのリンク先となるメインモンスターゾーンに移動できる。
(2)1ターンに1度、自分フィールドのバックログカウンター1つを取り除いて発動できる。このカードと同じ縦列の相手のカードを全て手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
(3)1ターンに1度発動できる。このカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。
「プレシオルタの効果で、自身を隣のメインモンスターゾーンに移動させる。移動したので、さらにタイタニーニャにバックログカウンターを置きます」
プレシオルタがコンパイル・ブラスターの正面に移動する。
「わざわざタイタニーニャのリンク先からモンスターを退けた?」
「プレシオルタの効果!バックログカウンター1つを使うことで、このカードと同じ縦列の相手のカード全てを手札に戻す」
「チッ!そうは行くか!俺はコンパイル・ブラスターの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、相手の特殊召喚されたモンスターの効果を無効にする!さらにリンクモンスターを使って発動していれば、無効にして破壊!さらに相手に500ダメージを与える!リジェクトコンパイル!」
コンパイル・ブラスターのレールガンが瞬く。
一閃。
プレシオルタを跡形もなく吹き飛ばした。
美海:ライフ4000→3500
「ローディング・チャージャーの効果!オーバーレイユニットとなったこのカードが墓地に送られた時、除外されている「エリミネーター」モンスター2体を俺の「エリミネーター」エクシーズのオーバーレイユニットにする」
「ですが、オーバーレイユニットのリンクモンスターを失ったことで、コンパイル・ブラスターの攻撃力は2300に戻ります。私は魔法カード、
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1)以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分の墓地から「オリジンブルー」モンスター1体を特殊召喚する。
●自分フィールドのバックログカウンターを任意の数だけ取り除き、その数だけこのターンに墓地に送られた「オリジンブルー」モンスターを特殊召喚する。
「墓地からプレシオルタを特殊召喚。さぁバトルです!原初海祈プレシオルタで、コンパイル・ブラスターを攻撃!」
プレシオルタが大口を開ける。
「タイタニーニャの効果!自分のモンスターは、このカードのバックログカウンターの数×200、攻撃力がアップします」
攻撃2500となったプレシオルタが先の意趣返しかのようにコンパイル・ブラスターを吹き飛ばす。
ゴッドバード:ライフ4000→3800
「私はこれでターンエンド」
ターン3
「やってくれたな。俺のターン!」
(ここじゃあ俺のスキルは使えねぇが、まあ必要ねぇだろ)
「俺はセットされた魔法カード、RUM-バックアップ・エリミーションを発動!」
RUM-バックアップ・エリミネーション
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1)墓地の「エリミネーター」Xモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、そのモンスターよりランクの1つ高い「エリミネーター」Xモンスター1体をそのモンスターの上に重ねてX召喚扱いで特殊召喚し、墓地の「エリミネーター」リンクモンスターをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。
「墓地のエクシーズモンスター1体を、効果を無効にして特殊召喚。その後、そのカードよりランクが1つ高い「エリミネーター」エクシーズにランクアップさせる。俺はコンパイル・ブラスターでオーバーレイネットワークを再構築!」
コース上にエックス字のパネルが出現し、ゴッドバードが急加速したDボードでコンパイル・ブラスターと共に突っ込む。
「ランクアップ!エクシーズチェンジ!ランク5!
エクシーズ·効果モンスター
ランク5/風属性/サイバース族/攻 2500/守 2000
風属性·レベル5·効果モンスター×2体以上
このカード名の(1)(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードがX召喚に成功した場合、このカードがX素材として持つリンクモンスター1枚のLINKの数までお互いの使用していないメインモンスターゾーンを指定して発動できる。指定したゾーンは次の相手のターンのエンドフェイズまで使用できない。
(2)このカードの攻撃力·守備力はこのカードがX素材として持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×300アップする。
(3)自分・相手のエンドフェイズにこのカードのX素材2つ、またはX素材のLINK2以上のリンクモンスター1枚を取り除いて発動できる。お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する。
「その後、墓地のローディング・チャージャーをオーバーレイユニットにする。そしてエクス・ランサムウェアの効果!オーバーレイユニットとなったリンクモンスター1体のリンクマーカーの数だけお互いのメインモンスターゾーンを使用不可能にする!」
「なっ!?」
「これでお前のモンスターは移動できねぇ。バトルだ!エクス・ランサムウェアで、プレシオルタを攻撃!エクス・ランサムウェアはオーバーレイユニットのリンクモンスターのマーカーの数×300攻撃力がアップ!」
美海:ライフ3500→2900
「ターンエンド」
ターン4
「私のターン」
引いたカードを確認する。
しかしそれはこの状況を打開できるカードではなかった。
「私は裏守備表示でモンスターをセット。ターンエンド」
「この瞬間、エクス・ランサムウェアの効果。オーバーレイユニットを1つ使うことで、お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する」
「くっ……ここまでですか」
最後に身を守るモンスターも失い、美海は項垂れる。
ターン5
「終わりだ!エクス・ランサムウェア!タイタニーニャを攻撃!クラッキングブレイク!」
美海:ライフ2900→0
◆
美海とのデュエルに勝利した後、再び通常エリアに戻ってきたが、既にブルーエンジェルとプレイメーカーのデュエルは終わっていた。
「チッ、遅かったか」
一応探して見るが、プレイメーカーの姿はない。
「まあいい。サイバース使いと当たれたのは収穫だ」
DボードをUターンさせる。
「お前と遊ぶのは次の機会にとってやるよ。プレイメーカー」