遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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第33話:God speed Wind

 草薙のキッチンカーの中で、遊作は集まった尊、美海、葵の三人に、VISION DEROIDで起きた出来事を話した。

 

「仁くんが、ライトニングに!?」

 

 彼らにとっては、年少の仁は弟のような存在だった。

 その意識がライトニングに囚われていることに、動揺を禁じ得ない。

 

「ライトニングは、どうして仁の意識を……」

「分からない。だが、奴はこう言っていた。目的のために、破損した仁の意識データを修復したと」

「目的……先生への復讐、だよね」

 

 デュエル後に見せた表情、彼の中にある強い憎しみがうかがえた。

 

「けど、ライトニングはVISION DEROIDで何をしようとしてたんだ?」

 

 Aiの疑問に、遊作は静かに首を振る。

 

「俺にも分からない。そもそもあの場所がなんだったのか……」

 

 現実世界の映像を映した無数のモニター、あれがどこから撮影したのか、何の目的で作られたのか、それすら分からない。

 

「人間を滅ぼすようなことを仄めかしていたが、それと関係があるのか?」

「いずれにしても、その話を聞く限り、説得は難しそうですね」

 

 イグニスとの和解が難しいことを改めて実感し、美海はため息を吐く。

 

「ウィンディも、アースも、話を聞いてくれそうな感じじゃなかったし……」

「唯一話が通じそうなのはアクアくらいよね」

 

 その発言を聞いて、不霊夢は思い出したように口を開いた。

 

「そういえば、君はアクアのオリジンだったな」

「え、えぇ。彼女がそう言っていただけですが」

「イグニスとオリジンには強い結びつきがある。これは仮説でしかないが、我々は元より君達より生まれた存在なのだから、その影響を今でも強く受けるのではないか?」

「つまり、オリジンの話なら多少は耳を貸す可能性がある?」

 

 遊作の問いに、不霊夢は頷く。

 

「けど、(いつき)はハノイの騎士で、今は行方も分からない状態だし、(けい)はそもそも今何しているのかすら分からないよ?」

「仁はライトニングに囚われている」

「確かに……」

 

 その案は現実的ではないと分かり、不霊夢は少しへこんだように下を向く。

 

「ひょっとしたら……」

 

 そこで美海は、キッチンカーを飛び出す。

 

「どこ行くんだ?」

「すみません。少し抜けます」

 

 キッチンカーを出て、彼女はすぐにとある人物へ電話をかけた。

 

 ◆

 

 翌日、LINK VRAINSへとログインした美海達は、人気のないエリアを訪れていた。

 

「俺に何の用だ?」

 

 すると、彼らの元に一陣の風が吹く。

 見上げると、空からDボードに乗ったゴッドバードがやってきた。

 

「来ましたね」

 

 ゴッドバードがDボードから飛び降りて、美海達の前までやってくる。

 

「ったく、わざわざゴーストガール(ババア)使ってまで呼び出しやがって、俺に何の用だ?」

「今日はあなたにお願いがあってきました」

 

 美海は真剣なまなざしでゴッドバードを見つめる。

 

「私達に協力してほしい。ライトニングの企みを阻止するために」

「んなことを言うためにわざわざ呼んだのか?」

 

 美海は首を振る。

 

「そのために、あなたと話がしたい。VR(ここ)ではなく、リアルで」

「はぁ?」

 

 突然の申し出に、ゴッドバードも困惑した様子だった。

 傍で見ていたプレイメーカー達も、彼女の意図が掴みかねず、怪訝な表情を見せる。

 

「別に協力するのはやぶさかじゃねぇ。イグニスと戦うなら、今まで通り手を貸してやる。それじゃダメなのか?」

「はい。ゴッドバードとしてではなく、本当のあなたの力が」

「お前……」

 

 しばらくの沈黙の末に、彼は深いため息を吐いた。

 

「分かった。けどタダってわけにはいかねぇ。デュエリストなら、こいつで決めるぞ」

 

ゴッドバードは自らの左腕に装着されたデュエルディスクを掲げる。

 

「えぇ。元よりそのつもりです」

 

 予め予想していた展開に、美海もデュエルディスクを構える。

 

「で、お前は何を賭けるんだ? まさかこっちだけにリスクを背負わせるわけじゃねぇだろ」

「もちろんです。私は対価として……」

 

 彼女は自らの胸に右手を当てる。

 

「このアカウントを賭けます」

「ちょっ……!」

 

 これには静観していたソウルバーナーとブルーエンジェルも口を挟む。

 

「いくら何でも、危険すぎんだろ!」

「そうよ、何もそこまでしなくても……」

「いいんです」

 

 止めようとする彼らを制止して、美海はゴッドバードの方を向き直る。

 

「必要なことですから」

「……本当にいいんだな?」

 

 ゴッドバードの再度の問いかけに、美海は力強く頷いた。

 

「分かった。レギュレーションはどうする?」

「スピードデュエルで」

「……なるほど、そういや、これはお前にとってもリベンジマッチでもあるわけか」

 

 最初に彼らが出会った時、その時もスピードデュエルで戦った。

 結果はゴッドバードの圧勝であり、美海にとっては自分の実力不足を痛感した試合でもあった。

 

 とはいえ、モンスターゾーンの狭いスピードデュエルは、モンスターの移動を活用する美海のデッキにとっては少々不利なレギュレーションである。それを理解してか、ゴッドバードはこんな提案をした。

 

「だったら、先攻はお前に譲ってやる」

 

 カウンター(トラップ)による妨害を得意とする彼のデッキにとって、先攻を取れないのはかなり手痛いハンデとなる。

 

「これで条件は五分。負けても文句は言わせねぇ」

「えぇ。デュエリストに二言はありません」

 

 お互いに了承したところで、二人はDボードに乗る。

 

「おいゆ……プレイメーカー、止めなくていいのか!?」

「美海が覚悟したことだ」

 

 心配する二人に対して、プレイメーカーは冷静だった。

 

「「スピードデュエル!」」

 

 そしてデュエルが始まり、データストリーム()に乗って走り去る彼女の背中を静かに見届けた。

 

ターン1 美海

 

「私は原初海祈(オリジンブルー)シーライブラを召喚」

 

 空中を泳ぐようにして、胴体が半透明のデータとなった魚が現れる。

 

原初海祈(オリジンブルー)シーライブラ

効果モンスター

星4/水属性/サイバース族/攻 1000/守 1600

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードの召喚·特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「原初海祈シーライブラ」以外の「オリジンブルー」カード1枚を手札に加える。

(2)このカードが他のモンスターゾーンに移動した場合に発動できる。手札から「原初海祈シーライブラ」以外の「オリジンブルー」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

 

「その効果でデッキからメガロガーを手札に加える。メガロガーは自分のオリジンブルー1体を隣に移動させることで、手札から特殊召喚できる」

 

 シーライブラが横へ泳ぎ、その地点に上からサメ型のモンスターが降ってくる。

 

原初海祈(オリジンブルー)メガロガー

効果モンスター

星3/水属性/サイバース族/攻 1300/守 500

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。

(1)自分フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させ、手札からこのカードを特殊召喚する。

(2)このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの「オリジンブルー」モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させ、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドを離れた場合、除外される。

 

「シーライブラは移動した時、手札からオリジンブルー1体を特殊召喚できる。原初海祈マイアーカイブを特殊召喚」

 

原初海祈(オリジンブルー)マイアーカイブ

効果モンスター

星2/水属性/サイバース族/攻 500/守 500

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「オリジンブルー」カード1枚を墓地へ送る。

(2)このカードが他のメインモンスターゾーンに移動した場合、墓地の水属性モンスター1体を対象として発動できる。対象のカードを手札に加える。このターン、この効果で手札に加えたサイバース族モンスター以外のカード及びその同名カードの効果は発動できない。

 

「効果でデッキからオリジンブルー1体を墓地へ送る。来なさい、未来を繋ぐサーキット!」

 

 アローヘッドがコースの先に現れ、そこへシーライブラが泳いで潜る。

 

「リンク召喚!リンク1、原初海祈エルニーニャ!」

 

 現れたのは、水色の鉱石のような髪を持つ人魚だった。

 

原初海祈(オリジンブルー)エルニーニャ

リンク・効果モンスター

水属性/サイバース族/攻 0/LINK 1

【リンクマーカー:右】

リンクモンスター以外の水属性・サイバース族モンスター1体

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「原初海域(オリジンブルー・ウェブ)」1枚を手札に加える。

(2)1ターンに1度、このカードを空いている自分のメインモンスターゾーンに移動させて発動できる。自分のリンクモンスターにバックログカウンター1つを置く。

 

「デッキから原初海域(オリジンブルー・ウェブ)を手札に加え、発動!」

 

原初海域(オリジンブルー・ウェブ)

フィールド魔法

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分の「オリジンブルー」リンクモンスターのリンク召喚に成功した場合に発動できる。そのモンスターに、このターン中にモンスターが移動した回数だけ、バックログカウンターを置く。その後、この効果で置かれたカウンターの数まで、墓地からレベル4以下の「オリジンブルー」モンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

(2)1ターンに1度、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。

 

「エルニーニャの効果発動!このカードをメインモンスターゾーンへ移動させ、自身にバックログカウンターを置く。来なさい、未来を繋ぐサーキット!」

 

 再びアローヘッドが現れ、彼女のフィールドの3体のモンスターがそこへ飛び込む。

 

「リンク召喚!リンク3、原初海祈タイタニーニャ!」

 

 アローヘッドより現れたのは、ハート型の水晶に、女性の上半身を模した青い像が取り付けられたオブジェだった。

 

原初海祈(オリジンブルー)タイタニーニャ

リンク·チューナー·効果モンスター

水属性/サイバース族/攻 0/LINK3

【リンクマーカー:右下/下/左下】

水属性·効果モンスター2体以上

(1)リンク状態のこのカードは相手の効果を受けず、攻撃対象にならない。

(2)このカードのリンク先のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをチューナーとして扱う。その後、このカードのリンク先のモンスターのみを素材としてサイバース族Sモンスター1体をS召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

(3)自分のモンスターの位置が移動する度に、このカードにバックログカウンターを1つ置く。

(4)自分フィールドのモンスターの攻撃力は、このカードのバックログカウンターの数×200アップする。

 

原初海域(オリジンブルー・ウェブ)の効果発動!このターンに私のモンスターが移動した回数分、タイタニーニャにバックログカウンターを置き、その数だけ墓地のレベル4以下のオリジンブルーを特殊召喚する!」

 

 シーライブラとメガロガーが、タイタニーニャの後ろに浮上する。

 

「タイタニーニャの効果発動!メガロガーをチューナーとして扱い、シーライブラにチューニング!」

 

 タイタニーニャの水晶からコードのような触手が伸び、メガロガーの体に突き刺さる。

 そして二体のモンスターの体が分解され、リングのエフェクトとなる。

 

「太古の泉より、その美しき歌声を響かせよ!シンクロ召喚!」

 

 二つのリングが一つに重なり、その中心を光が貫く。

 

「レベル7、原初海祈プレシオルタ!」

 

 光の中から現れたのは、長い首をうねらせる美しい水竜だ。

 

原初海祈(オリジンブルー)プレシオルタ

シンクロ·効果モンスター

星7/水属性/サイバース族/攻 2300/守 2000

水属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1)このカードが効果で隣のメインモンスターゾーンに移動する場合、かわりにリンクモンスターのリンク先となるメインモンスターゾーンに移動できる。

(2)1ターンに1度、自分フィールドのバックログカウンター1つを取り除いて発動できる。このカードと同じ縦列の相手のカードを全て手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。

(3)1ターンに1度発動できる。このカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。

 

「プレシオルタと原初海域(オリジンブルー・ウェブ)の効果でプレシオルタを2回移動させる」

 

 プレシオルタが左右に動き、それにともなってタイタニーニャの水晶に光が2つ灯る。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

ターン2

 

「私は永続罠、原初海口(オリジンブルー・シークラフト)を発動」

 

原初海口(オリジンブルー・シークラフト)

永続罠

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドの水属性モンスター1体を隣のメインモンスターゾーンに移動させて発動できる。墓地からレベル5以下の「オリジンブルー」モンスター1体を特殊召喚する。

(2)自分のバックログカウンター3つを取り除いて発動できる。デッキから「オリジンブルー」モンスター1体を手札に加える。

 

「これで私は1ターンに1度、オリジンブルーモンスターを移動しながら、モンスターを出せる」

「俺を迎え撃つ準備は万全って訳か」

「先攻を譲ったこと、後悔してます?」

 

 彼女の挑発に、ゴッドバードは不敵に笑う。

 

「むしろおもしれぇ。存分に叩きのめしてやれる。俺は敵性機兵(エリミネーター)ジャイロードを特殊召喚!」

 

 爪のついた円盤型の機械が現れる。

 

「こいつは自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、特殊召喚できる。その効果でデッキからシークエンスコードを特殊召喚」

 

敵性機兵(エリミネーター)シークエンスコード

効果モンスター

星4/風属性/サイバース族/攻 1500/守 800

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「エリミネーター」モンスター1枚を手札に加える。

(2)相手ターン中、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しなければ、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「エリミネーション」罠カード1枚をセットする。この効果でセットしたカードは、セットしたターンでも発動できる。

 

「シークエンスコードの効果で、デッキからジャッキングスピアを手札に加える。来やがれ、未来を貫くサーキット!」

 

 ゴッドバードが手を伸ばす先へ風が渦を巻き、突風の中からアローヘッドを出現させる。

 

「召喚条件は風属性モンスターを含むレベルが同じモンスター2体!リンク召喚!敵性機兵(エリミネーター)ローディング・バスター!」

 

敵性機兵(エリミネーター)ローディング・バスター

リンク・効果モンスター

風属性/サイバース族/攻 1000/LINK2

風属性モンスターを含む同じレベルのモンスター2体

(1) リンク召喚されたこのカードは、リンク素材となったモンスターと同じレベルのモンスターとしてX召喚の素材にでき、このカードのリンクマーカーの数と同じ数のモンスターとしてX召喚の素材にできる。

(2)このカードを素材としてX召喚された「エリミネーター」モンスターは以下の効果を得る。

●このカードがX召喚に成功した場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

「もう知ってるだろうが、こいつはリンク素材となったモンスターと同じレベルで、リンクマーカーの数と同じ数分のモンスターとしてエクシーズ召喚の素材にできる。俺はローディング・バスターでオーバーレイ!」

 

 前方に赤と青のエックス字のパネルが出現し、ローディング・バスターがそこへ吸い込まれる。

 

「エクシーズ召喚!現れろ、ランク4!敵性機兵(エリミネーター)コンパイル・ブラスター!」

 

 現れたのは、胴体にレールガンを無理やり接合された機械仕掛けの竜だった。

 

敵性機兵(エリミネーター)コンパイル・ブラスター

エクシーズ·効果モンスター

ランク4/風属性/サイバース族/攻 2300/守 2000

風属性·レベル4·効果モンスター×2体以上

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードの攻撃力·守備力はこのカードがX素材として持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×300アップする。

(2)相手の特殊召喚されたモンスターが効果を発動した時、このカードのX素材1つを取り除いて発動できる。その効果を無効にする。この効果発動のためにリンクモンスターを取り除いていた場合、かわりにその効果を無効にして破壊し、相手に500ダメージを与える。

(3)このカードが効果で破壊される場合、かわりこのカードのX素材1つを取り除くことができる。

 

「ローディング・バスターの効果発動!このカードを素材としてエクシーズ召喚した時、相手フィールドのカード1枚を破壊する!プレシオルタを破壊!」

 

 コンパイル・ブラスターがレールガンの照準を、プレシオルタへと合わせる。

 

「私は永続(トラップ)原初海口(オリジンブルー・シークラフト)の効果発動!プレシオルタを移動させることで、墓地からシーライブラを特殊召喚!」

 

 プレシオルタが横に移動すると、プレシオルタがいた地点に渦潮が起き、渦の中からシーライブラが浮上した。

 

「やれ!コンパイル・ブラスター!」

 

 その直後、雷砲がプレシオルタを貫いた。

 

「くっ……シーライブラが特殊召喚されたことで、デッキからオリジンブルー1枚を手札に加える」

「それがどうした!俺はさらに、手札のジャッキングスピアの効果発動!」

 

敵性機兵(エリミネーター)ジャッキングスピア

効果モンスター

星5/風属性/サイバース族/攻 2000/守 1500

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。手札·フィールドのこのカードを対象のモンスターの下に重ねてX素材とする。その後、デッキから「エリミネーター」モンスター1体を対象のモンスターの下に重ねてX素材とする。この効果は相手ターンでも発動できる。

(2)相手ターン中、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「エリミーション」罠カード1枚をセットする。この効果でセットしたカードは、セットしたターンにも発動できる。

 

「このカードをコンパイル・ブラスターのオーバーレイユニットにし、さらにデッキからラントリクターをオーバーレイユニットに!」

 

 手札からカードが飛び、コンパイル・ブラスターの周囲を巡る光に変化する。

 

「バトルだ!俺はコンパイル・ブラスターで、シーライブラを攻撃!」

 

 レールガンが今度はシーライブラに向けて放たれる。

 空を貫く光は、電子の魚を跡形もなく消し飛ばした。

 

「俺はさらに速攻魔法、RUM-超重層(ハイ・エリミネーション)を発動!」

 

RUM(ランクアップマジック) - 超重層(ハイ・エリミネーション)

速攻魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1)自分・相手のXモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターよりランクが1つ高い「エリミネーター」Xモンスター1体を対象のモンスターの上に重ねてX扱いで特殊召喚する。その後、墓地の「エリミネーター」リンクモンスター1枚までをその下に重ねてX素材にできる。

 

「ランクアップ!エクシーズチェンジ!」

 

 コンパイル・ブラスターの上空からエックス字のパネルが現れ、その体を通過する。

 

「現れろ、ランク5!敵性機兵(エリミネーター)エクス・ランサムウェア!」

 

敵性機兵(エリミネーター)エクス·ランサムウェア

エクシーズ·効果モンスター

ランク5/風属性/サイバース族/攻 2500/守 2000

風属性·レベル5·効果モンスター×2体以上

このカード名の(1)(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードがX召喚に成功した場合、このカードがX素材として持つリンクモンスター1枚のLINKの数までお互いの使用していないメインモンスターゾーンをそれぞれ指定して発動できる(最大3つ)。指定したゾーンは次の相手のターンのエンドフェイズまで使用できない。

(2)このカードの攻撃力·守備力はこのカードがX素材として持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×300アップする。

(3)自分・相手のエンドフェイズにこのカードのX素材2つ、またはX素材のリンク2以上のリンクモンスター1枚を取り除いて発動できる。お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する。

 

「次の相手ターン終了時まで、互いのメインモンスターゾーン2か所を使用不可能にする!」

 

 スピードデュエルの数少ないメインモンスターゾーンが封じられる。

 

「私はここで、原初海口(オリジンブルー・シークラフト)のもう1つの効果!バックログカウンター3つを使うことで、デッキからオリジンブルーモンスター1枚を手札に加える」

「バトルだ!エクス・ランサムウェアで、タイタニーニャを攻撃!」

 

 エクス・ランサムウェアが雷撃を落とす。

 タイタニーニャの体はたちまち砕け散った。

 

 美海:LP4000→1300

 

「俺はこれでターンエンド」

 

ターン3

 

「以前戦った時と、全く同じですね」

 

 あの時も、美海はここで何もできずに、セットモンスターを出してターンを終えた。

 そこでエクス・ランサムウェアの効果が発動し、美海のモンスターを破壊。ダイレクトアタックによりとどめを刺された。

 

「狙ってやったわけじゃねぇけどな」

「でしょうね。これが私に対する最適解ですから。展開も自ずと同じになります」

 

 実際、モンスターの移動先を封じられたことで、美海のデッキはかなり動きづらくなった。

 

(前回と違うところと言えば、フィールド魔法と永続(トラップ)ですが、いずれもモンスターゾーンが使えなければ効果を発動できない。ライフ1000以下でもないのでスキルは使えない。ならばこのドローに勝敗がかかっている)

 

 美海は大きく深呼吸をして、デッキのカードに触れた。

 

「行きます。私のターン!」

「俺はこの瞬間、墓地のジャイロード、シークエンスコードの効果発動!デッキからエリミネーション・インターセプト、エリミネーション・ジャミングをセットする!」

 

 ゴッドバードのフィールドに、二枚のカウンター(トラップ)が伏せられる。

 これで彼女は、効果発動1回と、特殊召喚1回をそれぞれ止められてしまうことが確定した。

 

「私は魔法カード、原初海帰(オリジンブルー・リコンパイル)を発動!」

 

原初海帰(オリジンブルー・リコンパイル)

通常魔法

(1)自分の墓地の「オリジンブルー」リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのカードをEXデッキに戻し、EXデッキから対象のモンスターと同名のリンクモンスター1体を特殊召喚する。

(2)墓地のこのカードを除外し、自分のバックログカウンター1つを取り除いて発動できる。自分の墓地から水属性モンスター1体を手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

「墓地のタイタニーニャをエクストラデッキに戻し、再度特殊召喚!」

「カウンター罠!エリミネーション・ジャミングを発動!」

 

エリミネーション・ジャミング

カウンター罠

手札の「エリミネーター」モンスターを墓地に送ってこのカードを手札から発動できる。

(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在せず、相手がモンスター効果・魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にする。自分のEXモンスターゾーンに「エリミネーター」モンスターが存在する場合、かわりにその発動を無効にして破壊する。

 

「その発動を無効にする!」

 

 起死回生の魔法カードは、あっさりと無効にされてしまう。

 

「原初海祈キンベレートを特殊召喚!」

 

原初海祈(オリジンブルー)キンベレート

効果モンスター

星2/水属性/サイバース族/攻 700/守 900

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドに「オリジンブルー」カードが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。

(2)自分のサイバース族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。その後、そのモンスターのレベルをこのターンに自分のモンスターが移動した回数まで上げる。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「このカードは自分フィールドにオリジンブルーカードが存在する場合に特殊召喚できる。そして、このカードをリリースして、アドバンス召喚!原初海祈ウロコディアーム!」

 

 キンベレートが消滅し、代わりに現れたのは灰色の鱗が連なったムカデのようなモンスターだ。

 

原初海祈(オリジンブルー)ウロコディアーム

効果モンスター

星5/水属性/サイバース族/攻 2200/守 0

このカードを召喚する場合、リリースするモンスターはリンクモンスター以外のサイバース族モンスターでなければならない。

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。墓地から「オリジンブルー」魔法・罠カード、または「サイバネット」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

(2)このカードの他のモンスターゾーンに移動した場合、またはフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、フィールドを離れた場合、除外される。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。

 

「このカードがアドバンス召喚に成功した時、墓地から原初海帰(オリジンブルー・リコンパイル)を手札に戻す。そして再び原初海帰(オリジンブルー・リコンパイル)を発動!」

 

 エクストラモンスターゾーンに、タイタニーニャが蘇った。

 

「私はこれでターンエンド」

「エンドフェイズに、エクス・ランサムウェアの効果発動!」

 

 エクス・ランサムウェアが天を仰ぐ。

 

「オーバーレイユニットを2つ使うことで、互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する!」

 

 エクス・ランサムウェアの口にオーバーレイユニットが2つ取り込まれる。

 その瞬間、天から雷が落ち、エクス・ランサムウェアの口に電気をまとわせる。

 

「吹き飛べ!ランサムバースト!」

 

 周囲に電気が広がり、彼女のフィールドの海洋生物は瞬く間に消し炭になる。

 

「墓地へ送られたウロコディアームの効果発動!墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚!」

 

 シーライブラが彼女のフィールドに甦った。

 

「チッ、ターンを終えたことで、エクス・ランサムウェアによるモンスターゾーンの使用制限は解除される」

 

ターン4

 

「相手ターン開始時、私は原初海口(オリジンブルー・シークラフト)の効果発動!シーライブラを隣に移動させ、墓地からキンベレートを特殊召喚!」

 

 シーライブラがタイタニーニャのリンク先から移動して、代わりにキンベレートが浮上した。

 

「バトルだ!エクス・ランサムウェアでシーライブラを攻撃!」

「私はここで墓地のアノマロトレスの効果発動!」

 

原初海祈(オリジンブルー)アノマロトレス

効果モンスター

星3/水属性/サイバース族/攻 800/守 800

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドのこのカード以外の「オリジンブルー」モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを隣のメインモンスターゾーンに移動させ、元々の位置にそのカードと同じレベル·種族·属性の「オリジンブルー·トークン」(攻/守0)1体を特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。

(2)墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの水属性モンスター1体を対象として発動できる。対象のカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「今そいつの効果を使って何の意味が……」

「さらに!そこへチェーンして、タイタニーニャの効果を発動!キンベレートをチューナーに変え、リンク先のモンスターでサイバース族シンクロモンスターのシンクロ召喚を行う!」

「っ!?」

 

 彼女の効果宣言に、ゴッドバードは首を傾げる。

 タイタニーニャの効果は、リンク先のモンスターのみを素材としてシンクロ召喚を行う効果だ。

 しかし、現在、シーライブラは原初海口(オリジンブルー・シークラフト)の効果発動のために移動したことで、タイタニーニャのリンク先にはいない。

 

「ミス、なわけねぇよな」

「私はさらにキンベレートの効果をチェーンして発動!シーライブラを移動させ、このターンに移動した回数分、レベルを上げる!」

 

 シーライブラがタイタニーニャのリンク先に戻り、そのレベルを6まで上げる。

 

「なるほど。だがそれまでだ!俺はカウンター罠!エリミネーション・インターセプトを発動!相手モンスター1体の特殊召喚を無効に……」

「それはできません」

 

 ゴッドバードの言葉を遮り、美海は微笑む。

 

「インターセプトの効果は、既にタイミングを逃している」

「っ……そうか。そのために無意味なチェーンを組んだのか」

 

 アノマロトレスの効果に対して発動したことで、タイタニーニャの効果はチェーン2で発動した。

 アノマロトレス→タイタニーニャの順にチェーンを組んだことで、効果の処理順はその逆のタイタニーニャ→アノマロトレスとなる。

 

 これにより、チェーン処理の途中でシンクロ召喚を行うこととなり、インターセプトのチェーンを組むタイミングがなくなり、特殊召喚が無効化されなくなる。

 

「行きます!私はレベル6となったシーライブラに、レベル2のキンベレートをチューニング!」

 

 二体の海洋生物の体が分解され、リングのエフェクトとなる。

 

「潮は満ちた。今こそ悠久の眠りから目覚めよ!シンクロ召喚!」

 

 リングは重なり、その中心を光が貫く。

 

「出でよレベル8、原初海祈(オリジンブルー)リオ・プロトコロドン!」

 

 現れたのはワニのような口を持ち、その周囲に水の剣を6つ従える首長竜だ。

 

原初海祈(オリジンブルー)リオ・プロトコロドン

シンクロ・効果モンスター

星8/水属性/サイバース族/攻 2800/守 2000

水属性チューナー+チューナー以外のサイバース族モンスター1体以上

(1)このカードのS召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのモンスター2体までを選んで手札に戻す。

(2)このカードが効果で隣のメインモンスターゾーンに移動する場合、かわりにリンクモンスターのリンク先となるメインモンスターゾーンに移動できる。

(3)1ターンに1度、発動できる。このカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる。この効果は相手ターンでも発動できる。

(4)このカードと同じ縦列の相手のモンスターゾーン及び魔法&罠ゾーンのカードの効果は無効化される。

 

「このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールドのモンスター2体まで選んで手札に戻す!」

 

 リオ・プロトコロドンが大口を開け、そこへ水弾を作り出す。

 

「そうは行くか!俺は手札のエリミネーション・ジャミングを発動!こいつは手札からエリミネーターを捨てることで、手札からも発動できる!」

 

 電光が走り、水弾はリオ・プロトコロドンの口の中で爆発する。

 

「私は手札の原初海祈アンプレクトベルンの効果発動!」

 

原初海祈アンプレクトベルン

効果モンスター

星3/水属性/サイバース族/800/守 800

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分のリンクモンスターまたはSモンスターが相手の効果でフィールドを離れる場合、かわりに手札のこのカードを墓地へ送ることができる。

(2)このカードが墓地に存在する場合、自分の「オリジンブルー」モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスター1体を隣のメインモンスターゾーンに移動させ、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れた場合、除外される。

 

「手札から捨てることで、シンクロモンスターの身代わりとなる」

「チッ、残ったか」

 

 リオ・プロトコロドンは、タイタニーニャの効果を受けて、攻撃力は3200

 対してエクス・ランサムウェアは、自身の効果での上昇分を含めても攻撃力は3100。あと少し届かない。

 

「俺はこれでターンエンド」

「エンドフェイズに、リオ・プロトコロドンの効果発動。自身を隣に移動させる」

 

 リオ・プロトコロドンが移動したことで、タイタニーニャの水晶に光が灯る。

 

ターン5

 

「相手ターン開始時、墓地のラントリクター、ジャッキングスピアを除外し、デッキからエリミネーション・ジャミングと、超重層をセット」

「私は墓地のアンプレクトベルンの効果発動。リオ・プロトコロドンを隣に移動させ、自身を墓地から特殊召喚」

 

 リオ・プロトコロドンの隣に、甲羅に羽の生えた虫が現れる。

 

原初海域(オリジンブルー・ウェブ)の効果でリオ・プロトコロドンを移動。原初海口(オリジンブルー・シークラフト)の効果で、さらにリオ・プロトコロドンを移動させ、墓地からウロコディアームを特殊召喚。移動したことでバックログカウンターを置く」

 

 これでタイタニーニャのバックログカウンターは6つ。

 彼女のモンスターの攻撃力は1200アップする。

 

「アンプレクトベルンをリリースして、ウロコディアームをアドバンス召喚。バトル!リオ・プロトコロドンで、エクス・ランサムウェアを攻撃!」

「墓地のデリューション・ウェアの効果発動!」

 

敵性機兵(エリミネーター)デリューション・ウェア

効果モンスター

星3/風属性/サイバース族/攻 1000/守 1000

(1)自分の手札・フィールドからこのカード以外の「エリミネーター」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

(2)自分のモンスター1体を対象として発動できる。このターン、自分のモンスターのレベルを対象のモンスターと同じにする。

(3)相手ターン中、フィールド・墓地のこのカードを除外し、自分のXモンスターのX素材を1つ取り除いて発動できる。そのモンスターはこのターン、戦闘・効果で破壊されない。

 

「エクス・ランサムウェアのオーバーレイユニットを1つ使うことで、このターン、こいつは戦闘・効果で破壊されない!」

「けどダメージは受けてもらう!」

 

 オーバーレイユニットのリンクモンスターを失い、攻撃力2500まで下がったところに、リオ・プロトコロドンの攻撃が襲う。

 

 ゴッドバード:LP4000→2500

 

「二体のウロコディアームで、エクス・ランサムウェアを攻撃!」

 

 ゴッドバード:LP2500→700

 

「私はこれでターンエンド」

 

ターン6

 

「そういえば……」

 

 ふと、美海が口を開く。

 

「あなた、自力でデータストームを起こせましたよね。スキルは使わないんですか?」

 

 現在は、周囲にデータストームは起きていない。

 お互いにデータストームがなければ発動できないスキルを持っているが、ゴッドバードには特殊なプログラムで、データストームを任意で引き起こすことができる。

 

 そして、ゴッドバードのライフは1000以下、発動条件は満たされている。

 

「冗談ぬかすな」

 

 しかし、ゴッドバードはそれを鼻で笑った。

 

「デュエル中に外部プログラムで干渉するなんざ誰がやるか。風が吹かねぇならスキルは使わない」

「なるほど。あなたらしい」

「それに、何勝った気でいるんだ?」

 

 ゴッドバードは不敵に笑う。

 

「俺にはまだ、セットしたカードが残ってる。俺はRUM-超重層を発動!エクス・ランサムウェアをランクが1つ高いエクシーズモンスターにランクアップさせる!ランクアップ!エクシーズチェンジ!」

 

 エクス・ランサムウェアがパネルに取り込まれ、その姿を変える。

 

「電子の嵐より、輝ける翼を広げ光臨せよ!ランク6、敵性機兵(エリミネーター)バリアブルウィング!」

 

敵性機兵(エリミネーター)バリアブルウィング

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/風属性/サイバース族/攻 2700/守 2300

このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードの攻撃力・守備力はこのカードがX素材に持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×300アップする。

(2)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、自分の魔法・罠ゾーンのセットされたカードは相手の効果で破壊されない。

(3)このカードのX素材1つを取り除いて発動できる。このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。X素材のリンクモンスターを取り除いて効果を発動していた場合、デッキから「エリミネーション」魔法・罠カード1枚を手札に加えるか、セットする。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「そして、墓地のリンクモンスター1体をオーバーレイユニットにする。さあバトルだ!バリアブルウィングで、ウロコディアームを攻撃!」

 

 バリアブルウィングが翼を広げると、眩い光により、モンスターが飲み込まれる。

 

 美海:LP1300→1200

 

「さらにバリアブルウィングの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、このカードはこのターン、2回攻撃できる!さらにリンクモンスターを取り除いたことで、デッキからRUM-超重層を手札に!そして発動!」

 

 バリアブルウィングがさらにランクアップする。

 

「無窮の時の中、刻まれた記憶は世界を飲み込むべく、今、起動する。ランクアップ!エクシーズチェンジ!現れろランク7!敵性機兵(エリミネーター)ライブラリ・エンターコード!」

 

敵性機兵(エリミネーター)ライブラリ・エンターコード

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/風属性/サイバース族/攻 3000/守 2500

風属性・レベル7・効果モンスター×2体以上

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分の「エリミネーター」Xモンスターの攻撃力·守備力はフィールドのX素材のリンクモンスターのリンクマーカーの合計×500アップする。

(2)自分のメインフェイズ・バトルフェイズに、このカードのX素材1つを取り除いて発動できる。自分の墓地からXモンスター1体を特殊召喚し、自分の墓地のモンスター1体をその下に重ねてX素材とする。この効果で特殊召喚したモンスターはターン終了時に除外される。

(3)相手がカードの効果を発動した時、自分の魔法&罠ゾーンのカード1枚を除外して発動できる。その発動を無効にする。

 

「ライブラリ・エンターコードの効果発動!」

「私はこの瞬間!リオ・プロトコロドンの効果発動!このカードを隣のメインモンスターゾーンに移動させる!」

「カウンター(トラップ)、エリミネーション・ジャミングを発動!」

 

 伏せカードが開き、リオ・プロトコロドンの効果を無効にしようとする。

 

「その効果を無効に────」

 

 だが、エリミネーション・ジャミングの効果は発動しなかった。

 見ると、表向きになったそのカードは、灰色に染まっていた。

 

「リオ・プロトコロドンと同じ縦列のカードの効果は無効化される」

 

 カウンター罠を無効にして、リオ・プロトコロドンが、ライブラリ・エンターコードの正面に立つ。

 

「ライブラリ・エンターコードと同じ縦列となったことで、その効果は失われる」

 

 ライブラリ・エンターは攻撃力も下がり、効果も発動できない。

 

「っ……ターンエンド」

 

 一瞬、悔しそうな顔を見せるが、すぐにその表情は穏やかなものとなる。

 

「……では行きます。リオ・プロトコロドンで、ライブラリ・エンターコードを攻撃!」

 

 ◆

 

 デュエルが終了した後、ログアウトした美海はデンシティの住宅街を訪れていた。

 

「ここが……」

 

 ゴッドバードに渡された住所に記載されていたそこは、五階建てのマンションだった。

 エレベーターで昇り、最上階の一番奥の部屋を訪ねる。

 

 ピーンポーン

 

 インターホンを鳴らすと、鍵の開く音がした。

 

「お邪魔します」

 

 狭く電気の点いていない廊下を奥へと進み、やがて一つの部屋までたどり着いた。

 

 閉め切られたカーテンから漏れ出る光と、三つのディスプレイの明かりだけに照らされた薄暗い部屋、乱雑に物が散らかり、PCのファンの音が鳴り響いている。

 

「やっぱり、あなただったんですね」

 

 PCと向き合うその後ろ姿を見て、美海は微笑む。

 

 すると、部屋の主は椅子を回転させ、美海の方を向いた。

 歳は美海と同じくらい、縮れた少し長めの髪、寝不足のせいか目つきが悪い。

 

 その少年、風間(かざま) (けい)はゆっくりと口を開いた。

 

「久しぶり、湊さん」

 





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