遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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お待たせしました。



第36話:Awakening ZERO

 同刻、プレイメーカーとブルーエンジェルはLINK VRAINSのセントラルエリア地下にある大きな空間を探索していた。

 

「この先だな」

 

 ゴッドバードから貰った地図と、自身のリンクセンスを頼り先へ進む。

 そして目的の場所に辿り着くと、そこは円形の開けた空間だった。

 

 二人が足を踏み入れたその時、不意に景色が暗転する。

 

「なに!?」

 

 床が、天上が、空間が、マス目のように反転し白と黒のタイルに置き換わる。

 そして、チェス盤のような空間の中に一人、誰か立っていた。

 

「お前は……」

 

 半透明な体に蒼い瞳の少年のような顔、人の姿をしているが生物に見えないそのアバターが口を開いた。

 

「初めまして。僕はIGS-000のコピーモデル、タイプγです」

「IGS-0シリーズ、美海が以前にも戦ったやつか」

 

 彼女から聞いていた話では、もっと無機質な喋り方をするとのことだった。

 だが、今の彼は抑揚こそ少ないがほとんど人と変わらない、それこそAiや不霊夢など、イグニスと同等に見える。

 

(それにこの声、どこかで……)

「少し遅かったな」

 

 すると、空間に声が響き、等身大サイズのビショップのチェス駒がタイプγの隣に出現した。

 

「あんたは、SOLテクノロジーの……」

「ビショップだ。SOLテクノロジーで専務を務めている者だ。さて、プレイメーカーよ。鴻上博士のレポートのなら既に回収した」

 

 チェス駒の言葉に合わせて、AIが掌を出し、その上にカードの形をしたデータが出現する。

 

「君達の狙いもこれだろう?ならば取引といこう」

 

 ビショップの言葉に合わせて、タイプγがデュエルディスクを構える。

 

「このレポートが欲しければこのタイプγとのデュエルに勝つことだ。負ければ君の持つ闇のイグニスを貰う」

「Ai、どうする?」

「ここまで来たんだ。やってやる」

 

 Aiはデュエルディスクから顔を出して、ファイティングポーズを取る。

 

「「デュエル!」」

 

ターン1 タイプγ

 

「僕は征令セグメントーナを召喚」

 

征令セグメントーナ

効果モンスター

星4/闇属性/サイキック族/攻 1100/2000

(1)このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分の「セントラルオーダー」モンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからレベル3以下のサイキック族の「セントラルオーダー」モンスター1体を特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できず、通常召喚に加えて1度だけ、「セントラルオーダーロード」モンスターを召喚できる。

(2)このカードが「セントラルオーダー」カードの効果で手札から墓地へ送られた場合、相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。「セントラルオーダーロード」モンスターの効果で墓地へ送られていれば、この効果の発動に対して相手はカードの効果を発動できない。

 

「手札の征令リソースの効果発動」

 

征令リソース

効果モンスター

星3/闇属性/サイキック族/攻 900/守 1300

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードを手札から公開して発動できる。このカード以外の手札の「セントラルオーダー」カード1枚を墓地へ送り、このカードを手札から特殊召喚する。

(2)このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた、または「セントラルオーダー」カードの効果で手札から墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。

 

「手札からもう一体の征令リソースを墓地へ送り、自身を特殊召喚」

 

 機械の腕を磁力で接合した尖ったスーツのような服装の男が現れる。

 

「リソースが墓地へ送られたことで1枚ドロー。そしてセントラルオーダーが特殊召喚されたことでセグメントーナの効果発動」

 

 セグメントーナが天に掲げた腕を広げると、その頭上に磁場が起こり、空間に穴が開く。

 

「デッキからレベル3以下のサイキック族のセントラルオーダー1体を特殊召喚する。征令(セントラルオーダー)エンバッファ」

 

 穴の中から宙に浮く剛腕を操る戦士が現れた。

 

征令(セントラルオーダー)エンバッファ

効果モンスター

星3/闇属性/サイキック族/攻 1200/守 700

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからレベル5以上の「セントラルオーダー」モンスター1体を手札に加える。

(2)このカードが「セントラルオーダー」カードの効果で墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからレベル5以上の「セントラルオーダー」モンスター1体を手札に加える。

 

「デッキからレベル5以上のセントラルオーダーを手札に加える。そしてこの3体をリリースしてアドバンス召喚!」

 

 3体のモンスターが天に吸い込まれ、そこから玉座が降りてくる。

 

征令王(セントラルオーダーロード)メディクリア」

 

 機械の玉座に腰かけるのは、両腕を機械に改造し、三本の槍を携えた巨人だ。

 

征令王(セントラルオーダーロード)メディクリア

効果モンスター

星10/闇属性/サイキック族/攻 3000/守 3000

このカードをアドバンス召喚する場合、モンスターを3体リリースしなければならない。

(1)このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。この効果を発動するターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。

(2)アドバンス召喚されたこのカードがフィールドに存在する場合、相手のフィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。自分の手札から「セントラルオーダー」モンスター1枚を捨て、対象のカードの効果を無効にし、相手に200ダメージを与える。次の自分のスタンバイフェイズまで、自分は「征令王メディクリア」の効果で同名カードを対象にできない。この効果は同一チェーン上で1度しか発動できず、相手ターンでも発動できる。

(3)アドバンス召喚されたこのカードが戦闘・相手の効果で破壊されて墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚し、デッキ・墓地から「征令締結」1枚を手札に加える。

 

「効果で2枚ドロー。ターン終了時まで、僕はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。僕はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

ターン2

 

「早速王様が出やがったな。どうする……プレイメーカー?」

 

 ふと、プレイメーカーの様子がおかしいことに気付き、Aiが声をかける。

 

「あぁ。悪い」

 

 彼の視線は自分の手札でも、相手の強力なモンスターでもなく、対戦相手、タイプγの方を向いていた。

 

「どうしたの?」

 

 後ろで見ていたブルーエンジェルも心配そうに言う。

 彼は何でもないと首を振り、自分の手札を向き直った。

 

「俺はサイバース・ウィザードを召喚」

 

 白いローブをまとう電脳の魔術師が、杖を掲げる。

 

「自分フィールドにレベル4のサイバース族モンスターが存在する時、手札からサイバース・マジガールを特殊召喚!」

 

 その隣に、サイバース・ウィザードに似た衣装をまとう青髪の少女が現れる。

 

 

サイバース・マジガール

効果モンスター

星3/光属性/サイバース族/攻 1300/守 600

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(3)の効果はデュエル中、1度しか使用できない。

(1)自分フィールドにレベル4のサイバース族モンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。

(2)1ターンに1度、相手フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの守備表力を半分にし、その数値分、自分フィールドに他のサイバース族モンスター1体の攻撃力をアップする。

(3)このカードがリンク素材となって墓地に送られた場合、自分の墓地のそのリンク召喚の素材とした「サイバース・ウィザード」1体を対象として発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚できる。

 

「サイバース・ウィザードの効果発動!相手フィールドのモンスター1体を守備表示にする!サイバース・アルゴリズム!」

 

 サイバース・ウィザードが杖を掲げると、空に幾何学模様が光で描かれる。

 

「メディクリアの効果発動。手札1枚を捨てることで、相手フィールドの表側表示のカード1枚の効果を無効にする」

 

 しかし、メディクリアが右手を突き出すと、サイバース・ウィザードの繰り出す魔術は打ち消される。

 

「そして200ダメージ」

 

 メディクリアの腕から雷が放たれ、プレイメーカーに突き刺さる。

 

 プレイメーカー:LP4000→3800

 

「ならば、俺は手札から魔法カード、サイバネット・マイニングを発動。手札1枚を捨てることで、デッキからレベル4以下のサイバース族1枚を手札に加える」

「メディクリアの効果発動。手札のセントラルオーダー1枚捨てて、そのカードの効果を無効にし、200ダメージ」

 

 プレイメーカーの魔法も無効化され、さらにダメージが襲う。

 

 プレイメーカー:LP3800→3600

 

「1ターンに何回でも使えんのかよ……」

「だが、これで残りの手札は1枚。現れろ、未来を導くサーキット!召喚条件はサイバース族2体!」

 

 2体の電脳の魔術師がアローヘッドに飛び込む。

 

「リンク召喚!リンク2、サイバース・ウィッチ!」

 

 白と黒を基調としたマントをまとう赤髪の女性が現れた。

 

「サイバース・マジガールの効果発動!共にリンク素材となったサイバース・ウィザードを特殊召喚!墓地のシーアーカイバーの効果発動!自分のリンクモンスターのリンク先にモンスターが特殊召喚された時、このカードを墓地から特殊召喚!」

 

 白いタツノオトシゴのようなモンスターが、サイバース・ウィッチの後ろに浮上する。

 

「サイバース・ウィッチの効果発動!墓地の魔法カード1枚を除外することで、デッキからサイバネット・リチューアルとサイバース・マジシャンを手札に。サイバース・ウィザードの効果を発動!サイバース・アルゴリズム!」

 

 サイバース・ウィザードの魔法は今度こそ決まり、空に描かれた幾何学模様から雷光が降り注ぎ、メディクリアに突き刺さる。

 

「メディクリアを守備表示に変更。そして、このターン、俺はこの効果の対象としたモンスターしか攻撃できないかわりに、俺のサイバース族モンスターが対象のモンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与える」

「メディクリアの守備力は3000。通らない」

「まだだ!俺は儀式魔法、サイバネット・リチューアルを発動!」

 

 サイバース・ウィザードとシーアーカイバーの周りに青い魔法陣が描かれる。

 

「俺の手札、フィールドのモンスターをリリースし、サイバース族儀式モンスター1体を儀式召喚する。俺はサイバース・ウィザードとシーアーカイバーをリリース」

 

 2体のモンスターが青い炎に包まれ、その炎が分裂して七つの火を魔法陣に灯す。

 

「契約は結ばれた。2つの魂は、闇の力を操る賢者へと受け継がれる」

 

 火は回転し、魔法陣の中に人の影を作り出す。

 

「儀式召喚!レベル7、サイバース・マジシャン!」

 

 火が弾け、現れたのは新たなる装いに身を包んだサイバース・ウィザードだ。

 

「サイバース・ウィッチの効果発動!儀式魔法を手札に加える効果を使用したターンのメインフェイズに、墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚する」

 

 サイバース・ウィッチが踊るように杖を振ると、マジシャンの隣に魔法陣が現れ、そこからサイバース・マジガールが飛び出した。

 

「サイバース・マジガールの効果!相手の守備表示モンスター1体の守備力を半分にする!」

 

 サイバース・マジガールが手にした本を広げると、メディクリアの足元に魔法陣が現れ、発光する。

 

「そして、その数値分、他のサイバース族モンスター1体の攻撃力をアップする」

 

 魔法陣に力を吸い取られ、その力がサイバース・マジシャンに分け与えられる。

 

「バトルだ!サイバース・マジシャンで、メディクリアを攻撃!サイバース・マジック!」

 

 サイバース・マジシャンの杖から放たれた蒼炎がメディクリアを焼き尽くし、タイプγに貫通ダメージを与える。

 

 タイプγ:LP4000→1500

 

「破壊されたメディクリアの効果発動。このカードを墓地から特殊召喚」

 

 だが、炎の中からメディクリアは生還する。

 

「そしてデッキから征令締結(セントラルオーダー・コンクルード)を手札に」

「やはり、同じ効果を持っていたか……」

「てことは、こっからが本番だな」

 

 甦ったメディクリアの姿に、プレイメーカーとAiは一層警戒を強める。

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

ターン3

 

「儀式魔法、征令締結(セントラルオーダー・コンクルード)を発動」

 

 メディクリアの足元に魔法陣が展開される。

 

「数多の犠牲の元、その利を我が手に、儀式召喚!」

 

 魔法陣から蒼い炎が放たれ、メディクリアを包み込む。

 

「出でよレベル10、征令王ハイパーメディクリア!」

 

 炎のベールを脱ぎ捨て、現れたのは宙を舞う六つの鋼の腕を操り、頭を機械に改造された人型のモンスターだった。

 

征令王ハイパーメディクリア

儀式・効果モンスター

星10/闇属性/サイキック族/攻 4000/守 4000

「征令締結」により降臨

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドの「セントラルオーダーロード」モンスターを使用して儀式召喚に成功したこのカードは、相手の効果の対象にならず、相手の効果で破壊されない。

(2)自分・相手のメインフェイズに、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。手札から「セントラルオーダー」モンスター1体を墓地へ送り、対象のモンスターを破壊する。このターン、相手は対象のモンスター及びその同名モンスターの効果を発動できず、このカードは対象のモンスターと同じ効果を得て、その攻撃力の数値分、このカードの攻撃力をアップする。

(3)自分の手札から「セントラルオーダー」カードが墓地へ送られる毎に、相手に200ダメージを与える。

 

「ハイパーメディクリアの効果発動!僕の手札からセントラルオーダー1体を墓地へ送り、相手のモンスター1体を破壊する」

「俺は(トラップ)カード、スリーフェイトバリア!」

 

スリーフェイトバリア

通常罠

(1)以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このターン、自分のモンスターは戦闘・効果で破壊されない。

●このターン、自分はダメージを受けない。

●このターン、自分のモンスター1体は1度だけ戦闘で破壊されず、その戦闘によって戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分、自分のライフを回復する。

(2)自分がダメージを受けた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、自分が受ける効果ダメージは0になる。

 

「このターン、俺のモンスターは戦闘・効果で破壊されない」

 

 ハイパーメディクリアが浮遊する機械の腕を飛ばすが、緑色のバリアが展開され、その攻撃からサイバース・マジシャンを守る。

 

「ハイパーメディクリアが対象としたモンスターの効果、及びその同名モンスターの効果はこのターン、発動できない。さらに」

 

 バリアに阻まれた腕が手を開き、その掌の中心にある緑色の球体が光る。

 すると、0と1の羅列の緑のエフェクトがサイバース・マジシャンから流れ、球体の中に吸い込まれた。

 

「対象のモンスターの攻撃力と効果を自身に与える」

「こ、攻撃力6500!?」

「ハイパーメディクリアの効果、手札からセントラルオーダーが墓地へ送られる毎に、相手に200ダメージ」

 

 ハイパーメディクリアの手の球体からビームが放たれる。

 

「サイバース・マジシャンの効果!」

 

 サイバース・マジシャンの額のゴーグルが下りて、装着される。

 

「このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分が受ける全てのダメージは半分になる!」

 

 ゴーグルからビームが放たれ、ハイパーメディクリアのビームの威力を抑える。

 

 プレイメーカー:LP3600→3500

 

「ハイパーメディクリアで、サイバース・ウィッチを攻撃」

「サイバース・マジシャンは、フィールドにリンクモンスターがいる時、相手はサイバース・マジシャン以外を攻撃・効果の対象にできない」

「ならサイバース・マジシャンを攻撃」

 

 サイバース・マジシャンに向けて、ハイパーメディクリアがビームを放つ。

 

「スリーフェイトバリアの効果でサイバース・マジシャンは破壊されない。そして、サイバース・マジシャンの効果でダメージは半分となる」

 

 プレイメーカー:LP3500→1500

 

「僕はこれでターンエンド。この瞬間、ハイパーメディクリアの攻撃力は元に戻る」

 

ターン4

 

「相手のメインフェイズ開始時、ハイパーメディクリアの効果発動。手札のセントラルオーダーを墓地へ送り、サイバース・マジシャンを破壊」

 

 今度は守るものはない。

 サイバース・マジシャンはハイパーメディクリアの操る機械の腕に握りつぶされる。

 

「サイバース・マジシャンの効果と攻撃力をターン終了時まで得る。そして、手札から墓地へ送られた征令ダークローンチの効果発動」

 

征令ダークローンチ

効果モンスター

星2/闇属性/サイキック族/攻 0/守 800

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分・相手のメインフェイズに発動できる。このカードを手札から墓地へ送る。

(2)自分フィールドに「セントラルオーダー」カードが存在し、このカードが「セントラルオーダー」カードの効果で手札から墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。

(3)このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドの「セントラルオーダー」モンスター1体を対象として発動できる。このターン、相手は対象のモンスターのレベル以下のフィールドで発動するモンスターの効果を発動できない。

 

「ダークローンチを墓地から特殊召喚。そしてダークローンチは特殊召喚成功時、自分のセントラルオーダー1体を対象に効果を発動する。このターン、相手は対象のモンスターのレベル以下のフィールドで発動するモンスターの効果を発動できない」

 

 ダークローンチの足元から電気が走り、プレイメーカーのフィールドに電流の鎖を生み出した。

 

「くっ、現れろ、未来を繋ぐサーキット!サイバース・ウィッチとサイバース・マジガールをリンクマーカーにセット!リンク召喚!トランスコード・トーカー!」

 

 アローヘッドより、オレンジの重装甲をまとう電脳の騎士が下りてきた。

 

「トランスコード・トーカーの効果発動!墓地からサイバース・ウィッチを特殊召喚。さらにクロック・ワイバーンを通常召喚。現れろ、未来を繋ぐサーキット!」

 

 今度はトランスコード・トーカーとクロック・ワイバーンがアローヘッドに吸い込まれる。

 

「リンク召喚!リンク2、クロック・スパルトイ!」

 

 アローヘッドより現れたのは、長槍を携え、赤い模様の刻まれた体の戦士だった。

 

「クロック・スパルトイの効果で、デッキからサイバネット・フィージョンを手札に加える。俺は魔法カード、死者蘇生を発動!墓地からトランスコード・トーカーを特殊召喚!」

 

 トランスコード・トーカーが、クロック・スパルトイの左斜め後ろ、リンク先に蘇る。

 

「クロック・スパルトイの効果!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚する。甦れ、クロック・ワイバーン。俺は魔法カード、サイバネット・フュージョンを発動!」

 

 プレイメーカーのフィールドのモンスターが、その下に現れた渦巻く七色の光の中に吸い込まれる。

 

「雄大なる翼の元に集いし強者達よ、新たなる伝説となれ。融合召喚!」

 

 光の中から龍の雄叫びが響く。

 

「現れろ、レベル7、サイバース・クロック・ドラゴン!」

 

 紫の水晶の体、輝く翼に雷電をまとわせる巨大な竜が現れた。

 

「サイバース・クロック・ドラゴンの効果!融合素材となったリンクモンスターのリンクマーカーの合計だけ、デッキの上からカードを墓地へ送り、その枚数×1000ポイント、攻撃力をアップさせる!」

「素材にしたリンクマーカーの合計は7、攻撃力7000アップだ!」

 

 サイバース・クロック・ドラゴン:攻撃力2500→9500

 

「バトルだ!サイバース・クロック・ドラゴンで、ハイパーメディクリアを攻撃!」

 

 サイバース・クロック・ドラゴンの翼が紫電をまとい、その口元にエネルギーが集まる。

 

「パルスプレッシャー!」

 

 サイバース・クロック・ドラゴンから大電力が放出される。

 それはハイパーメディクリアを呑み込み、タイプγのライフを奪い去った。

 

「これで……!?」

 

 タイプγ:LP1500→300

 

「僕は速攻魔法、禁じられた聖衣を発動していた。この効果でサイバース・クロック・ドラゴンの攻撃力は600ダウン。そして、ハイパーメディクリアがコピーしたサイバース・マジシャンの効果で僕が受けるダメージは半分」

「くっ……」

「そして、ハイパーメディクリアが破壊されたことで、(トラップ)カード、征令王の会合(セントラルオーダーロード・エムティージー)を発動!」

 

征令王の会合(セントラルオーダーロード・エムティージー)

通常罠

(1)以下の効果から1つを選択して発動できる。

●自分のアドバンス召喚された「セントラルオーダーロード」モンスターが戦闘・相手の効果でフィールドを離れた場合に発動できる。自分の手札・デッキからそのモンスターとは種族が異なる同じレベルの「セントラルオーダーロード」モンスター2体まで特殊召喚する(同じ種族のモンスターは1体まで)。

●自分の儀式召喚された「セントラルオーダーロード」モンスターが戦闘・相手の効果でフィールドを離れた場合に発動できる。自分の手札・デッキからそのモンスターとは種族が異なり、同じレベルの「セントラルオーダーロード」儀式モンスター2体までを、儀式召喚扱いで特殊召喚する(同じ種族のモンスターは1体まで)。

 

「デッキからセントラルオーダーロード儀式モンスター2体を特殊召喚!出でよ、征令王(セントラルオーダーロード)グレートウィール、征令王(セントラルオーダーロード)コンプリートファンネル!」

 

 フィールドに巨大な鋼鉄の扉が出現し、中から二体の王が出てきた。

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。この瞬間、サイバース・クロック・ドラゴンの攻撃力は元に戻る」

 

ターン5

 

「タイプγよ。そのままとどめをさせ」

「了解。演算領域拡張。このデュエルにおける最適な戦術(ルート)の演算開始」

 

 タイプγの瞳が光り、その半透明の体に蒼い光が駆ける。

 その時、

 

「ぐっ……あ、あぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 突如、タイプγがうめき声をあげて、自分の胸を押さえつけ始めた。

 

「なんだ!?」

 

 プレイメーカー達はもちろん、ビショップも困惑している様子だった。

 だがしばらくして、タイプγは苦しそうにしながらも、虚空から一枚のカードを取り出して掲げる。

 

「墓地の……征令締結(セントラルオーダー・コンクルード)の効果、発動」

 

征令締結(セントラルオーダー・コンクルード)

儀式魔法

このカードを発動するターン、自分はこのカードの効果以外でモンスターを特殊召喚できない。

(1)レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドの「セントラルオーダー」モンスターをリリースし、「セントラルオーダーロード」儀式モンスター1体を儀式召喚する。発動時に自分フィールドに「セントラルオーダーロード」モンスターが存在する場合、手札のかわりにデッキからも儀式召喚できる。

(2)このデュエル中に、自分が儀式モンスターを3種類以上特殊召喚している場合、墓地のこのカードと,

自分のフィールド・墓地の種族が異なるレベル10の「セントラルオーダーロード」儀式モンスター3体を除外して発動できる。自分の手札・デッキ・墓地・除外されている「征令終王ラストピリオド」1体を特殊召喚する。

 

「グレートウィール、コンプリートファンネル、ハイパーメディクリアの3体を除外し、特殊召喚!」

 

 地響きが起き、空間が揺れ始める。

 

「お、おい。なんかヤバそうだぞ」

「分かっている」

 

 景色が何重にも重なり、その景色の中にそれぞれ3体の征令王の影が現れ、一つに重なろうとする。

 

 しかし、突如、空間は弾けて景色を構成する白と黒のパネルが吹き飛び、元の地下の無機質なエリアに戻る。

 同時に、フィールドに実体化していたモンスター達の姿も消えた。

 

「どういうことだ!?」

「くっ……デュエルは中止だ」

 

 ビショップはそう吐き捨てて、タイプγと共に姿を消した。

 

 ◆

 

 それからログアウトした二人は、尊達と合流し、五人で草薙のキッチンカーを訪れた。

 

「手に入ったのは、レポートナンバー05の方か」

「とりあえず歯抜けにならなくてよかったな」

 

 草薙、遊作、美海に啓も加わったことで、解析はすぐに終わった。

 

「えーっと、これも実験記録だな」

 

 九十五日:

 イグニスの成長は私の予想をはるかに超えていた。

 実験とは無関係に、彼らは自発的に様々なことを学び、指数関数的にその能力を向上させていく。

 私はイグニスの危険性を訴え、上に実験の中止を求めたが、聞き入れられることはなかった。

 

 百二十二日目:

 私は完成した六体のイグニスに対してあるシミュレートを行った。

 それは今後、イグニスが人間に対してどのような影響を与えるかだ。

 その結果、どのようなルートを辿ろうとも、待っているのは人類の破滅だった。

 

 百三十一日目:

 私は検証のために条件を変え、何度もシミュレートを行った。

 しかし、結果は変わることはなかった。

 

 百四十七日目:

 私は遂に強硬手段に出ることにした。

 イグニスをこの手で削除する。そのための準備を進めることとしよう。

 

 百六十四日目:

 全ての準備は整った。私はなんとしてでもイグニスを抹消しなくてはならない。

 あのような未来を回避するためにも。これは私の使命なのだ。

 

「で、最終的にイグニスの削除には失敗。全員に逃げられたってわけか」

 

 啓はそう言って、テーブルに置かれたデュエルディスクから顔を出しているAiと不霊夢の方を見る。

 

「……」

「遊作、どうしたの?」

 

 考え込むような顔をしている遊作に、尊が問いかける。

 

「やっぱり何か引っかかるな」

「やっぱ遊作も?」

 

 啓も遊作の発言に同意を示す。

 

「啓もか」

「見せてもらったレポートを読んだ時から、なんか……」

「二人が何か感じるなら、何かあるんだね」

「ま、まあ。具体的に何かって聞かれると答えられないんだけど……」

 

 直後に急に自信をなくし、声が小さくなる。

 

「遊作は前にも言ってましたよね。リボルバーの話に対して引っかかったとか」

「あーっ!」

 

 美海の言葉に、啓は大きな声を上げた。

 

「それだよ。リボルバー!あいつ言ってただろ。ハノイの塔を作ったのは先生だって」

「……そうか」

「いや、何々、二人だけ分かったみたいだけど」

「先生は罪の意識に耐えかねて自殺した。リボルバーはそう言っていたし、俺達もそうだと思っていた。だが」

 

 遊作はレポートの百六十四日目の項を指さす。

 

「これだけ使命感を持って、ハノイの塔まで作り上げるような人が自殺なんてするか?」

「「「「!」」」」

 

 遊作のそのセリフに、全員がハッとなった。

 

「そうなってくると、先生はどうして亡くなられたのでしょうか」

「その真相を突き止めるためにも、残りのレポートを手に入れる」




リアルが忙しくて、全然書けてなかったけど、ようやく投稿できました。
次回もよろしくお願いします。
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