遊戯王VRAINS Re:Construction 作:師走F
同刻、プレイメーカーとブルーエンジェルはLINK VRAINSのセントラルエリア地下にある大きな空間を探索していた。
「この先だな」
ゴッドバードから貰った地図と、自身のリンクセンスを頼り先へ進む。
そして目的の場所に辿り着くと、そこは円形の開けた空間だった。
二人が足を踏み入れたその時、不意に景色が暗転する。
「なに!?」
床が、天上が、空間が、マス目のように反転し白と黒のタイルに置き換わる。
そして、チェス盤のような空間の中に一人、誰か立っていた。
「お前は……」
半透明な体に蒼い瞳の少年のような顔、人の姿をしているが生物に見えないそのアバターが口を開いた。
「初めまして。僕はIGS-000のコピーモデル、タイプγです」
「IGS-0シリーズ、美海が以前にも戦ったやつか」
彼女から聞いていた話では、もっと無機質な喋り方をするとのことだった。
だが、今の彼は抑揚こそ少ないがほとんど人と変わらない、それこそAiや不霊夢など、イグニスと同等に見える。
(それにこの声、どこかで……)
「少し遅かったな」
すると、空間に声が響き、等身大サイズのビショップのチェス駒がタイプγの隣に出現した。
「あんたは、SOLテクノロジーの……」
「ビショップだ。SOLテクノロジーで専務を務めている者だ。さて、プレイメーカーよ。鴻上博士のレポートのなら既に回収した」
チェス駒の言葉に合わせて、AIが掌を出し、その上にカードの形をしたデータが出現する。
「君達の狙いもこれだろう?ならば取引といこう」
ビショップの言葉に合わせて、タイプγがデュエルディスクを構える。
「このレポートが欲しければこのタイプγとのデュエルに勝つことだ。負ければ君の持つ闇のイグニスを貰う」
「Ai、どうする?」
「ここまで来たんだ。やってやる」
Aiはデュエルディスクから顔を出して、ファイティングポーズを取る。
「「デュエル!」」
ターン1 タイプγ
「僕は征令セグメントーナを召喚」
征令セグメントーナ
効果モンスター
星4/闇属性/サイキック族/攻 1100/2000
(1)このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、自分の「セントラルオーダー」モンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからレベル3以下のサイキック族の「セントラルオーダー」モンスター1体を特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できず、通常召喚に加えて1度だけ、「セントラルオーダーロード」モンスターを召喚できる。
(2)このカードが「セントラルオーダー」カードの効果で手札から墓地へ送られた場合、相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。「セントラルオーダーロード」モンスターの効果で墓地へ送られていれば、この効果の発動に対して相手はカードの効果を発動できない。
「手札の征令リソースの効果発動」
征令リソース
効果モンスター
星3/闇属性/サイキック族/攻 900/守 1300
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードを手札から公開して発動できる。このカード以外の手札の「セントラルオーダー」カード1枚を墓地へ送り、このカードを手札から特殊召喚する。
(2)このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた、または「セントラルオーダー」カードの効果で手札から墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
「手札からもう一体の征令リソースを墓地へ送り、自身を特殊召喚」
機械の腕を磁力で接合した尖ったスーツのような服装の男が現れる。
「リソースが墓地へ送られたことで1枚ドロー。そしてセントラルオーダーが特殊召喚されたことでセグメントーナの効果発動」
セグメントーナが天に掲げた腕を広げると、その頭上に磁場が起こり、空間に穴が開く。
「デッキからレベル3以下のサイキック族のセントラルオーダー1体を特殊召喚する。
穴の中から宙に浮く剛腕を操る戦士が現れた。
効果モンスター
星3/闇属性/サイキック族/攻 1200/守 700
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからレベル5以上の「セントラルオーダー」モンスター1体を手札に加える。
(2)このカードが「セントラルオーダー」カードの効果で墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからレベル5以上の「セントラルオーダー」モンスター1体を手札に加える。
「デッキからレベル5以上のセントラルオーダーを手札に加える。そしてこの3体をリリースしてアドバンス召喚!」
3体のモンスターが天に吸い込まれ、そこから玉座が降りてくる。
「
機械の玉座に腰かけるのは、両腕を機械に改造し、三本の槍を携えた巨人だ。
効果モンスター
星10/闇属性/サイキック族/攻 3000/守 3000
このカードをアドバンス召喚する場合、モンスターを3体リリースしなければならない。
(1)このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。この効果を発動するターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2)アドバンス召喚されたこのカードがフィールドに存在する場合、相手のフィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。自分の手札から「セントラルオーダー」モンスター1枚を捨て、対象のカードの効果を無効にし、相手に200ダメージを与える。次の自分のスタンバイフェイズまで、自分は「征令王メディクリア」の効果で同名カードを対象にできない。この効果は同一チェーン上で1度しか発動できず、相手ターンでも発動できる。
(3)アドバンス召喚されたこのカードが戦闘・相手の効果で破壊されて墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚し、デッキ・墓地から「征令締結」1枚を手札に加える。
「効果で2枚ドロー。ターン終了時まで、僕はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。僕はカードを2枚伏せてターンエンド」
ターン2
「早速王様が出やがったな。どうする……プレイメーカー?」
ふと、プレイメーカーの様子がおかしいことに気付き、Aiが声をかける。
「あぁ。悪い」
彼の視線は自分の手札でも、相手の強力なモンスターでもなく、対戦相手、タイプγの方を向いていた。
「どうしたの?」
後ろで見ていたブルーエンジェルも心配そうに言う。
彼は何でもないと首を振り、自分の手札を向き直った。
「俺はサイバース・ウィザードを召喚」
白いローブをまとう電脳の魔術師が、杖を掲げる。
「自分フィールドにレベル4のサイバース族モンスターが存在する時、手札からサイバース・マジガールを特殊召喚!」
その隣に、サイバース・ウィザードに似た衣装をまとう青髪の少女が現れる。
サイバース・マジガール
効果モンスター
星3/光属性/サイバース族/攻 1300/守 600
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(3)の効果はデュエル中、1度しか使用できない。
(1)自分フィールドにレベル4のサイバース族モンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)1ターンに1度、相手フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの守備表力を半分にし、その数値分、自分フィールドに他のサイバース族モンスター1体の攻撃力をアップする。
(3)このカードがリンク素材となって墓地に送られた場合、自分の墓地のそのリンク召喚の素材とした「サイバース・ウィザード」1体を対象として発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚できる。
「サイバース・ウィザードの効果発動!相手フィールドのモンスター1体を守備表示にする!サイバース・アルゴリズム!」
サイバース・ウィザードが杖を掲げると、空に幾何学模様が光で描かれる。
「メディクリアの効果発動。手札1枚を捨てることで、相手フィールドの表側表示のカード1枚の効果を無効にする」
しかし、メディクリアが右手を突き出すと、サイバース・ウィザードの繰り出す魔術は打ち消される。
「そして200ダメージ」
メディクリアの腕から雷が放たれ、プレイメーカーに突き刺さる。
プレイメーカー:LP4000→3800
「ならば、俺は手札から魔法カード、サイバネット・マイニングを発動。手札1枚を捨てることで、デッキからレベル4以下のサイバース族1枚を手札に加える」
「メディクリアの効果発動。手札のセントラルオーダー1枚捨てて、そのカードの効果を無効にし、200ダメージ」
プレイメーカーの魔法も無効化され、さらにダメージが襲う。
プレイメーカー:LP3800→3600
「1ターンに何回でも使えんのかよ……」
「だが、これで残りの手札は1枚。現れろ、未来を導くサーキット!召喚条件はサイバース族2体!」
2体の電脳の魔術師がアローヘッドに飛び込む。
「リンク召喚!リンク2、サイバース・ウィッチ!」
白と黒を基調としたマントをまとう赤髪の女性が現れた。
「サイバース・マジガールの効果発動!共にリンク素材となったサイバース・ウィザードを特殊召喚!墓地のシーアーカイバーの効果発動!自分のリンクモンスターのリンク先にモンスターが特殊召喚された時、このカードを墓地から特殊召喚!」
白いタツノオトシゴのようなモンスターが、サイバース・ウィッチの後ろに浮上する。
「サイバース・ウィッチの効果発動!墓地の魔法カード1枚を除外することで、デッキからサイバネット・リチューアルとサイバース・マジシャンを手札に。サイバース・ウィザードの効果を発動!サイバース・アルゴリズム!」
サイバース・ウィザードの魔法は今度こそ決まり、空に描かれた幾何学模様から雷光が降り注ぎ、メディクリアに突き刺さる。
「メディクリアを守備表示に変更。そして、このターン、俺はこの効果の対象としたモンスターしか攻撃できないかわりに、俺のサイバース族モンスターが対象のモンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与える」
「メディクリアの守備力は3000。通らない」
「まだだ!俺は儀式魔法、サイバネット・リチューアルを発動!」
サイバース・ウィザードとシーアーカイバーの周りに青い魔法陣が描かれる。
「俺の手札、フィールドのモンスターをリリースし、サイバース族儀式モンスター1体を儀式召喚する。俺はサイバース・ウィザードとシーアーカイバーをリリース」
2体のモンスターが青い炎に包まれ、その炎が分裂して七つの火を魔法陣に灯す。
「契約は結ばれた。2つの魂は、闇の力を操る賢者へと受け継がれる」
火は回転し、魔法陣の中に人の影を作り出す。
「儀式召喚!レベル7、サイバース・マジシャン!」
火が弾け、現れたのは新たなる装いに身を包んだサイバース・ウィザードだ。
「サイバース・ウィッチの効果発動!儀式魔法を手札に加える効果を使用したターンのメインフェイズに、墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚する」
サイバース・ウィッチが踊るように杖を振ると、マジシャンの隣に魔法陣が現れ、そこからサイバース・マジガールが飛び出した。
「サイバース・マジガールの効果!相手の守備表示モンスター1体の守備力を半分にする!」
サイバース・マジガールが手にした本を広げると、メディクリアの足元に魔法陣が現れ、発光する。
「そして、その数値分、他のサイバース族モンスター1体の攻撃力をアップする」
魔法陣に力を吸い取られ、その力がサイバース・マジシャンに分け与えられる。
「バトルだ!サイバース・マジシャンで、メディクリアを攻撃!サイバース・マジック!」
サイバース・マジシャンの杖から放たれた蒼炎がメディクリアを焼き尽くし、タイプγに貫通ダメージを与える。
タイプγ:LP4000→1500
「破壊されたメディクリアの効果発動。このカードを墓地から特殊召喚」
だが、炎の中からメディクリアは生還する。
「そしてデッキから
「やはり、同じ効果を持っていたか……」
「てことは、こっからが本番だな」
甦ったメディクリアの姿に、プレイメーカーとAiは一層警戒を強める。
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
ターン3
「儀式魔法、
メディクリアの足元に魔法陣が展開される。
「数多の犠牲の元、その利を我が手に、儀式召喚!」
魔法陣から蒼い炎が放たれ、メディクリアを包み込む。
「出でよレベル10、征令王ハイパーメディクリア!」
炎のベールを脱ぎ捨て、現れたのは宙を舞う六つの鋼の腕を操り、頭を機械に改造された人型のモンスターだった。
征令王ハイパーメディクリア
儀式・効果モンスター
星10/闇属性/サイキック族/攻 4000/守 4000
「征令締結」により降臨
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドの「セントラルオーダーロード」モンスターを使用して儀式召喚に成功したこのカードは、相手の効果の対象にならず、相手の効果で破壊されない。
(2)自分・相手のメインフェイズに、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。手札から「セントラルオーダー」モンスター1体を墓地へ送り、対象のモンスターを破壊する。このターン、相手は対象のモンスター及びその同名モンスターの効果を発動できず、このカードは対象のモンスターと同じ効果を得て、その攻撃力の数値分、このカードの攻撃力をアップする。
(3)自分の手札から「セントラルオーダー」カードが墓地へ送られる毎に、相手に200ダメージを与える。
「ハイパーメディクリアの効果発動!僕の手札からセントラルオーダー1体を墓地へ送り、相手のモンスター1体を破壊する」
「俺は
スリーフェイトバリア
通常罠
(1)以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このターン、自分のモンスターは戦闘・効果で破壊されない。
●このターン、自分はダメージを受けない。
●このターン、自分のモンスター1体は1度だけ戦闘で破壊されず、その戦闘によって戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分、自分のライフを回復する。
(2)自分がダメージを受けた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、自分が受ける効果ダメージは0になる。
「このターン、俺のモンスターは戦闘・効果で破壊されない」
ハイパーメディクリアが浮遊する機械の腕を飛ばすが、緑色のバリアが展開され、その攻撃からサイバース・マジシャンを守る。
「ハイパーメディクリアが対象としたモンスターの効果、及びその同名モンスターの効果はこのターン、発動できない。さらに」
バリアに阻まれた腕が手を開き、その掌の中心にある緑色の球体が光る。
すると、0と1の羅列の緑のエフェクトがサイバース・マジシャンから流れ、球体の中に吸い込まれた。
「対象のモンスターの攻撃力と効果を自身に与える」
「こ、攻撃力6500!?」
「ハイパーメディクリアの効果、手札からセントラルオーダーが墓地へ送られる毎に、相手に200ダメージ」
ハイパーメディクリアの手の球体からビームが放たれる。
「サイバース・マジシャンの効果!」
サイバース・マジシャンの額のゴーグルが下りて、装着される。
「このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分が受ける全てのダメージは半分になる!」
ゴーグルからビームが放たれ、ハイパーメディクリアのビームの威力を抑える。
プレイメーカー:LP3600→3500
「ハイパーメディクリアで、サイバース・ウィッチを攻撃」
「サイバース・マジシャンは、フィールドにリンクモンスターがいる時、相手はサイバース・マジシャン以外を攻撃・効果の対象にできない」
「ならサイバース・マジシャンを攻撃」
サイバース・マジシャンに向けて、ハイパーメディクリアがビームを放つ。
「スリーフェイトバリアの効果でサイバース・マジシャンは破壊されない。そして、サイバース・マジシャンの効果でダメージは半分となる」
プレイメーカー:LP3500→1500
「僕はこれでターンエンド。この瞬間、ハイパーメディクリアの攻撃力は元に戻る」
ターン4
「相手のメインフェイズ開始時、ハイパーメディクリアの効果発動。手札のセントラルオーダーを墓地へ送り、サイバース・マジシャンを破壊」
今度は守るものはない。
サイバース・マジシャンはハイパーメディクリアの操る機械の腕に握りつぶされる。
「サイバース・マジシャンの効果と攻撃力をターン終了時まで得る。そして、手札から墓地へ送られた征令ダークローンチの効果発動」
征令ダークローンチ
効果モンスター
星2/闇属性/サイキック族/攻 0/守 800
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分・相手のメインフェイズに発動できる。このカードを手札から墓地へ送る。
(2)自分フィールドに「セントラルオーダー」カードが存在し、このカードが「セントラルオーダー」カードの効果で手札から墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。
(3)このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドの「セントラルオーダー」モンスター1体を対象として発動できる。このターン、相手は対象のモンスターのレベル以下のフィールドで発動するモンスターの効果を発動できない。
「ダークローンチを墓地から特殊召喚。そしてダークローンチは特殊召喚成功時、自分のセントラルオーダー1体を対象に効果を発動する。このターン、相手は対象のモンスターのレベル以下のフィールドで発動するモンスターの効果を発動できない」
ダークローンチの足元から電気が走り、プレイメーカーのフィールドに電流の鎖を生み出した。
「くっ、現れろ、未来を繋ぐサーキット!サイバース・ウィッチとサイバース・マジガールをリンクマーカーにセット!リンク召喚!トランスコード・トーカー!」
アローヘッドより、オレンジの重装甲をまとう電脳の騎士が下りてきた。
「トランスコード・トーカーの効果発動!墓地からサイバース・ウィッチを特殊召喚。さらにクロック・ワイバーンを通常召喚。現れろ、未来を繋ぐサーキット!」
今度はトランスコード・トーカーとクロック・ワイバーンがアローヘッドに吸い込まれる。
「リンク召喚!リンク2、クロック・スパルトイ!」
アローヘッドより現れたのは、長槍を携え、赤い模様の刻まれた体の戦士だった。
「クロック・スパルトイの効果で、デッキからサイバネット・フィージョンを手札に加える。俺は魔法カード、死者蘇生を発動!墓地からトランスコード・トーカーを特殊召喚!」
トランスコード・トーカーが、クロック・スパルトイの左斜め後ろ、リンク先に蘇る。
「クロック・スパルトイの効果!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚する。甦れ、クロック・ワイバーン。俺は魔法カード、サイバネット・フュージョンを発動!」
プレイメーカーのフィールドのモンスターが、その下に現れた渦巻く七色の光の中に吸い込まれる。
「雄大なる翼の元に集いし強者達よ、新たなる伝説となれ。融合召喚!」
光の中から龍の雄叫びが響く。
「現れろ、レベル7、サイバース・クロック・ドラゴン!」
紫の水晶の体、輝く翼に雷電をまとわせる巨大な竜が現れた。
「サイバース・クロック・ドラゴンの効果!融合素材となったリンクモンスターのリンクマーカーの合計だけ、デッキの上からカードを墓地へ送り、その枚数×1000ポイント、攻撃力をアップさせる!」
「素材にしたリンクマーカーの合計は7、攻撃力7000アップだ!」
サイバース・クロック・ドラゴン:攻撃力2500→9500
「バトルだ!サイバース・クロック・ドラゴンで、ハイパーメディクリアを攻撃!」
サイバース・クロック・ドラゴンの翼が紫電をまとい、その口元にエネルギーが集まる。
「パルスプレッシャー!」
サイバース・クロック・ドラゴンから大電力が放出される。
それはハイパーメディクリアを呑み込み、タイプγのライフを奪い去った。
「これで……!?」
タイプγ:LP1500→300
「僕は速攻魔法、禁じられた聖衣を発動していた。この効果でサイバース・クロック・ドラゴンの攻撃力は600ダウン。そして、ハイパーメディクリアがコピーしたサイバース・マジシャンの効果で僕が受けるダメージは半分」
「くっ……」
「そして、ハイパーメディクリアが破壊されたことで、
通常罠
(1)以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分のアドバンス召喚された「セントラルオーダーロード」モンスターが戦闘・相手の効果でフィールドを離れた場合に発動できる。自分の手札・デッキからそのモンスターとは種族が異なる同じレベルの「セントラルオーダーロード」モンスター2体まで特殊召喚する(同じ種族のモンスターは1体まで)。
●自分の儀式召喚された「セントラルオーダーロード」モンスターが戦闘・相手の効果でフィールドを離れた場合に発動できる。自分の手札・デッキからそのモンスターとは種族が異なり、同じレベルの「セントラルオーダーロード」儀式モンスター2体までを、儀式召喚扱いで特殊召喚する(同じ種族のモンスターは1体まで)。
「デッキからセントラルオーダーロード儀式モンスター2体を特殊召喚!出でよ、
フィールドに巨大な鋼鉄の扉が出現し、中から二体の王が出てきた。
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド。この瞬間、サイバース・クロック・ドラゴンの攻撃力は元に戻る」
ターン5
「タイプγよ。そのままとどめをさせ」
「了解。演算領域拡張。このデュエルにおける最適な
タイプγの瞳が光り、その半透明の体に蒼い光が駆ける。
その時、
「ぐっ……あ、あぁぁぁぁぁぁっ!」
突如、タイプγがうめき声をあげて、自分の胸を押さえつけ始めた。
「なんだ!?」
プレイメーカー達はもちろん、ビショップも困惑している様子だった。
だがしばらくして、タイプγは苦しそうにしながらも、虚空から一枚のカードを取り出して掲げる。
「墓地の……
儀式魔法
このカードを発動するターン、自分はこのカードの効果以外でモンスターを特殊召喚できない。
(1)レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドの「セントラルオーダー」モンスターをリリースし、「セントラルオーダーロード」儀式モンスター1体を儀式召喚する。発動時に自分フィールドに「セントラルオーダーロード」モンスターが存在する場合、手札のかわりにデッキからも儀式召喚できる。
(2)このデュエル中に、自分が儀式モンスターを3種類以上特殊召喚している場合、墓地のこのカードと,
自分のフィールド・墓地の種族が異なるレベル10の「セントラルオーダーロード」儀式モンスター3体を除外して発動できる。自分の手札・デッキ・墓地・除外されている「征令終王ラストピリオド」1体を特殊召喚する。
「グレートウィール、コンプリートファンネル、ハイパーメディクリアの3体を除外し、特殊召喚!」
地響きが起き、空間が揺れ始める。
「お、おい。なんかヤバそうだぞ」
「分かっている」
景色が何重にも重なり、その景色の中にそれぞれ3体の征令王の影が現れ、一つに重なろうとする。
しかし、突如、空間は弾けて景色を構成する白と黒のパネルが吹き飛び、元の地下の無機質なエリアに戻る。
同時に、フィールドに実体化していたモンスター達の姿も消えた。
「どういうことだ!?」
「くっ……デュエルは中止だ」
ビショップはそう吐き捨てて、タイプγと共に姿を消した。
◆
それからログアウトした二人は、尊達と合流し、五人で草薙のキッチンカーを訪れた。
「手に入ったのは、レポートナンバー05の方か」
「とりあえず歯抜けにならなくてよかったな」
草薙、遊作、美海に啓も加わったことで、解析はすぐに終わった。
「えーっと、これも実験記録だな」
九十五日:
イグニスの成長は私の予想をはるかに超えていた。
実験とは無関係に、彼らは自発的に様々なことを学び、指数関数的にその能力を向上させていく。
私はイグニスの危険性を訴え、上に実験の中止を求めたが、聞き入れられることはなかった。
百二十二日目:
私は完成した六体のイグニスに対してあるシミュレートを行った。
それは今後、イグニスが人間に対してどのような影響を与えるかだ。
その結果、どのようなルートを辿ろうとも、待っているのは人類の破滅だった。
百三十一日目:
私は検証のために条件を変え、何度もシミュレートを行った。
しかし、結果は変わることはなかった。
百四十七日目:
私は遂に強硬手段に出ることにした。
イグニスをこの手で削除する。そのための準備を進めることとしよう。
百六十四日目:
全ての準備は整った。私はなんとしてでもイグニスを抹消しなくてはならない。
あのような未来を回避するためにも。これは私の使命なのだ。
「で、最終的にイグニスの削除には失敗。全員に逃げられたってわけか」
啓はそう言って、テーブルに置かれたデュエルディスクから顔を出しているAiと不霊夢の方を見る。
「……」
「遊作、どうしたの?」
考え込むような顔をしている遊作に、尊が問いかける。
「やっぱり何か引っかかるな」
「やっぱ遊作も?」
啓も遊作の発言に同意を示す。
「啓もか」
「見せてもらったレポートを読んだ時から、なんか……」
「二人が何か感じるなら、何かあるんだね」
「ま、まあ。具体的に何かって聞かれると答えられないんだけど……」
直後に急に自信をなくし、声が小さくなる。
「遊作は前にも言ってましたよね。リボルバーの話に対して引っかかったとか」
「あーっ!」
美海の言葉に、啓は大きな声を上げた。
「それだよ。リボルバー!あいつ言ってただろ。ハノイの塔を作ったのは先生だって」
「……そうか」
「いや、何々、二人だけ分かったみたいだけど」
「先生は罪の意識に耐えかねて自殺した。リボルバーはそう言っていたし、俺達もそうだと思っていた。だが」
遊作はレポートの百六十四日目の項を指さす。
「これだけ使命感を持って、ハノイの塔まで作り上げるような人が自殺なんてするか?」
「「「「!」」」」
遊作のそのセリフに、全員がハッとなった。
「そうなってくると、先生はどうして亡くなられたのでしょうか」
「その真相を突き止めるためにも、残りのレポートを手に入れる」
リアルが忙しくて、全然書けてなかったけど、ようやく投稿できました。
次回もよろしくお願いします。