遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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第38話:Countdown to destruction

 ライトニングからの宣戦布告が行われる数時間前、一足先に異変に気付いていたSOLテクノロジーの幹部三人はクイーンの呼び出しで社長室に集まっていた。

 

「軍事衛星の乗っ取りか。大胆なことをしてくれたな」

「ライトニングが、VISION DEROIDの情報を欲していたのはこれが狙いだったんですね……」

「感心してないで、すぐにどうにかなさい!」

 

 クイーンは机をバンッと叩き、ヒステリックに命令する。

 

「げ、現在、部隊を編成しておりまして……」

「新型AIは!? あれを出せばいいでしょう!!」

「タイプγは動作が不安定な状態にあります。今、実戦に投入するのは─────」

「非常時よ!つべこべ言わずにさっさと出しなさい!」

 

 クイーンの無茶な命令に、普段は堂々としている八神はどうすればいいか迷っていた。その時、急に周囲の景色が切り替わる。

 

「これは!?」

 

 空間が白と黒のパネルに置き換わり、無限に続くチェス盤のような空間に変貌する。

 

「我々のAR空間……」

「一体誰が……」

 

 すると、そこに四体の小さな影が現れた。

 

 ライトニング、アース、ウィンディの三人のイグニスだ。

 

「い、イグニス……」

「ごきげんよう。SOLテクノロジーの諸君」

 

 ライトニングがしたり顔で、クイーン達を見下したように見る。

 

「直接攻めてきたということですか?」

「まさか。この後、迎え撃つ敵のために、君達に手駒になってもらうだけだ。アース」

「了解した」

「はいよ」

 

 ライトニングの指示に従い、アースとウィンディが前に出る。

 すると、彼らの元にそれぞれ白いパーツで構成された等身大の人形が現れ、アースとウィンディはその肩に乗る。

 

「ビショップ様、ここは私が」

「クイーン、私が出ます」

 

 八神が、ナイトとしてデュエルディスクを構えて前に出る。

 同時にルークもデュエルディスクを構えて、ウィンディの前に立つ

 

「まずはあなたが相手か」

「えぇ。よろしくお願いしますね。アースさん」

 

 敵に対して丁寧に挨拶するが、この時ばっかりは彼女の笑顔も引きつっていた。

 

「「「「デュエル!」」」」

 

 ◆

 

 ナイトとアースのデュエル。

 

 先攻を取ったナイトのフィールドには、征令王(セントラルオーダーロード)グッドウィール、征令従騎(セントラルオーダーセクレタリー)ホワイトナイト、そしてカウンターの5つ置かれた征令の執務室(セントラルオーダー・ジェイル)

 

征令の執務室(セントラルオーダー・ジェイル)の効果で、私のモンスターの攻撃力は1000アップしています」

 

征令王の執務室(セントラルオーダー・ジェイル)

永続魔法

(1)自分のモンスターがリリースされる毎に、リリースされたモンスター1体に付き、このカードにオーバータイムカウンターを1つ置く。

(2)自分の「セントラルオーダー」モンスターの攻撃力は、このカードのオーバータイムカウンターの数×200アップする。

(3)自分の「セントラルオーダー」カードが相手の効果でフィールドを離れる場合、代わりにこのカードのオーバータイムカウンター2つを取り除くことができる。

 

「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

ターン2 アース

 

「私は手札のGゴーレム・ロックハンマーの効果発動!手札のサイバース族モンスター、Gゴーレム・ペブルドッグを墓地へ送り、このカードのレベルを2つ下げる。そして墓地に送られたペブルドッグの効果で、デッキからGゴーレムカード1枚を手札に加える。レベル4となったロックハンマーを通常召喚」

 

 尖った額を持つ岩の巨人が出現した。

 

「ロックハンマーの効果発動!このカードをリリースし、Gゴーレムトークン3体を特殊召喚!」

 

 ロックハンマーの体が砕け散り、円柱形の石の破片が三つ、フィールドに残された。

 

「現れろ、大地に轟くサーキット!」

 

 アースが手を掲げると、それに連動して人形も腕を空へと伸ばす。

 地面が割れ、地表に現れたアローヘッドにGゴーレムトークンが飲み込まれる。

 

「リンク召喚!リンク3、Gゴーレム・インヴァリッド・ドルメン!」

 

 現れたのは、岩によって構成された二つ浮遊する剛腕を従える、岩石の巨神だった。

 

「私はさらに魔法カード、重力転壊(グラビティ・プレスト)を発動!」

 

重力転壊(グラビティ・プレスト)

速攻魔法

このカードはルール上、「Gゴーレム」カードとしても扱う。

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドのリンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊し、デッキから地属性のサイバース族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚された「Gゴーレム」モンスター以外のモンスターの効果は無効化される。

(2)このカードを墓地から除外し、自分の墓地の通常召喚可能な地属性モンスター1体を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

「インヴァリット・ドルメンを破壊する」

 

 インヴァリット・ドルメンの体が砕けて、その破片がナイトのフィールドへ飛び散る。

 

「そしてデッキから地属性のサイバース族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。私はGゴーレム・ペブルドッグを特殊召喚。効果でデッキからもう1体のペブルドッグを特殊召喚!」

 

 破壊されたドルメンの中から、二体のオレンジの犬型のモンスターが出現する。

 

「現れろ、大地の轟くサーキット!」

 

 再び現れたアローヘッドの中に、二体のペブルドッグが沈んでいく。

 

「リンク召喚!Gゴーレム・クリスタルハート!」

 

 ハート型の青い水晶が、アローヘッドより浮上した。

 

「クリスタルハートの効果発動!墓地からインヴァリット・ドルメンを特殊召喚」

 

 クリスタルハートが輝くと、それに呼応して地面に光が灯り、インヴァリット・ドルメンが地より蘇った。

 

「そしてクリスタルハートにGGカウンター1つを置く。クリスタルハートの相互リンク先の地属性モンスターは、GGカウンターの数×600攻撃力がアップする」

 

 インヴァリット・ドルメン:攻撃力2800→3400

 

「インヴァリット・ドルメンの効果発動!手札1枚を捨て、デッキから1枚ドローする。さらに今捨てた墓地のGゴーレム・ストーンエッジを特殊召喚!」

 

 石の刃が三つ組み合わさったような物体が出現した。

 

Gゴーレム・ストーンエッジ

効果モンスター

星5/地属性/サイバース族/攻 1800/守 2000

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードを手札から捨てて発動できる。デッキからレベル6以上のサイバース族モンスター1体を手札に加える。このターン、この効果で手札に加えたカード及びその同名モンスターは特殊召喚できない。

(2)このカードが墓地に存在し、自分フィールドにサイバース族のリンクモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを墓地からそのモンスターのリンク先に特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れた場合、除外される。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。

 

「私はカードを1枚伏せて、バトルだ!インヴァリット・ドルメンでグッドウィールを攻撃!」

「え!?」

 

 グッドウィールの攻撃力は、征令の執務室(セントラルオーダー・ジェイル)の効果を合わせて4000、攻撃力3400のインヴァリット・ドルメンでは到底届かない。

 

 グッドウィールは玉座に腰かけたまま、乱暴に大剣を投げつけて、インヴァリット・ドルメンを粉砕した。

 

「インヴァリット・ドルメンの効果発動!相互リンク状態のこのカードが破壊された時、相手フィールドの表側表示のカード全ての効果を無効にする!」

 

 砕けたドルメンの破片が、ナイトのフィールドに降り注ぎ、彼女のカードに張り付く。

 

「そんな効果が……」

征令の執務室(セントラルオーダー・ジェイル)の効果が無効になったことで、あなたのモンスターの攻撃力は元に戻る」

 

 ホワイトナイト:攻撃力3400→2400

 グッドウィール:攻撃力4000→3000

 

「そして私はセットされた(トラップ)カード、零重力(ラヴ・グラビティ)を発動!」

 

零重力(ラヴ・グラビティ)

通常罠

このカードはルール上「Gゴーレム」カードとして扱い、自分フィールドに「クリスタルハート」モンスターが存在する場合、セットされたターンでも発動できる。

(1)自分の墓地のサイバース族リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で自分フィールドのリンクモンスターと相互リンク状態となるようにして特殊召喚された場合、そのモンスターの攻撃力は1000アップする。

 

「私のフィールドにクリスタルハートがいることで、このカードはセットされたターンでも発動できる。墓地からインヴァリット・ドルメンを特殊召喚!」

 

 インヴァリット・ドルメンが再びクリスタルハートの真後ろに蘇る。

 

「この効果で相互リンク状態になるように特殊召喚された時、ドルメンの攻撃力は1000アップする。バトルだ!インヴァリット・ドルメンで、ホワイトナイトを攻撃!」

 

 効果が無効になったことで、ホワイトナイトの持つ攻撃力を上昇させる2種類の効果が発揮されない。

 力を失った騎士を、岩の巨人が一方的に蹂躙した。

 

 ナイト:LP4000→2000

 

「まだだ!クリスタルハートの効果により、相互リンク状態の地属性モンスター、すなわちインヴァリット・ドルメンは2回攻撃できる!グッドウィールを攻撃!」

 

 巨大な拳を飛ばし、さっきの意趣返しと言わんばかりにグッドウィールを粉砕する。

 

 ナイト:LP2000→600

 

「終わりだ!ストーンエッジでダイレクトアタック!」

 

 ストーンエッジの体が飛び、ナイトに突き刺さる。

 それはARだというのに、まるで本物のようにナイトを突き飛ばし、彼女の体は地面を転がった。

 

「ナイト!」

 

 ビショップが駆けよるが、彼女は眠ったように目を開かない。

 

「彼女の意識データは預かった」

 

 アースは右手を開き、その中に浮かぶ光の玉のようなものを彼らに見せつける。

 

「さて、あちらも大詰めのようだぞ」

 

 クイーンとビショップは、ウィンディとルークのデュエルの方へ目をやる。

 

「くっ……」

 

 ルークは歯噛みしながら、相対するウィンディのモンスターを見つめる。

 

 ウィンディのフィールドには巨大な鯨のようなモンスター、バハムートボマーが1体。

 対するルークのフィールドには四輪の戦車に上半身を接合したようなモンスター、征令従機(セントラルオーダーセクレタリー)ネゴシエーターが1体と伏せカード1枚。

 

征令従機(セントラルオーダーセクレタリー)ネゴシエーター

効果モンスター

星7/闇属性/サイキック族/攻 2200/守 2600

(1)アドバンス召喚されたこのカードがフィールドに表側表示で存在する限り、相手はこのカード以外のモンスターを攻撃・効果の対象にできない。

(2)自分の手札から「セントラルオーダー」カードが墓地へ送られる毎に、このカードの攻撃力・守備力は1000アップする。

(3)このカードが戦闘・効果で破壊される場合、かわりに自分の手札から「セントラルオーダー」カード1枚を墓地へ送ることができる。

(4)このカードが「セントラルオーダーロード」モンスターの効果で手札から墓地へ送られた場合に発動できる。このターン、自分フィールドの「セントラルオーダーロード」モンスターは相手の効果を受けない。

 

「僕はバハムートボマーの効果発動!」

 

嵐闘機艦(ストームライダーシップ)バハムートボマー

リンク・効果モンスター

風属性/サイバース族/攻 2800/LINK 3

風属性・サイバース族モンスター2体以上

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、発動するターン、自分は魔法・罠カードをセットできず、「ストームライダー」カード以外の魔法・罠カードを発動できない。

(1)自分の魔法&罠ゾーンにカードが存在せず、このカードがリンク召喚に成功した場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、相手に500ダメージを与える。この効果の発動に対して、相手は魔法・罠カードを発動できない。

(2)自分の魔法&罠ゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。相手の魔法・罠カード1枚を選んで墓地へ送り、相手に500ダメージを与える。この効果の発動に対して、相手は魔法・罠カードを発動できない。

 

「このカードがリンク召喚に成功した時、自分の魔法(マジック)(トラップ)ゾーンにカードがなければ、相手フィールドのカード1枚を破壊し、相手に500ダメージを与える!」

 

 バハムートボマーの口が開き、その中から大砲が突き出る。

 

「私はセットされた……」

「ざんねーん!バハムートボマーの効果に対して、相手は魔法(マジック)(トラップ)カードを発動できない!やれ!バハムートボマー!」

 

 バハムートボマーから放たれた高エネルギーの弾丸が、ネゴシエーターを貫き、そのままルークのライフを削り取る。

 

 ルーク:LP4000→3500

 

「さらにバハムートボマーの効果発動!自分の魔法(マジック)(トラップ)ゾーンにカードがない時、相手の魔法(マジック)(トラップ)カード1枚を破壊し、相手に500ダメージを与える。当然、この効果に対しても魔法(マジック)(トラップ)カードは発動できない!」

 

 バハムートボマーが今度は伏せカードを破壊し、さらにルークのライフを奪う。

 

 ルーク:LP3500→3000

 

「バトルだ!バハムートボマーでダイレクトアタック!」

 

 バハムートボマーがルークに対して主砲の照準を合わせる。

 

「フィールド魔法、嵐闘機流(ストームライダー・タービュランス)の効果で、僕のストームライダーの攻撃力は300アップする!これで終わりだ!」

 

 閃光と共に、ルークの体が吹き飛ばされた。

 

「意識データの回収は完了。さあ、次はそいつらもやるの?」

 

 ウィンディは残された二人を指さして、ライトニングに尋ねる。

 

「いや、デュエリストとして使えるのはさっきの二人だけだ。撤収するぞ。どうやらアクアもうまくやってくれたようだ」

「アクア……水のイグニスか。一体どういうことだ」

 

 この場にいないイグニスのことを思い出し、ビショップは問いただすが、ライトニングは答えず、彼らはAR空間から姿を消した。

 

 ◆

 

 

 そして時は戻る。

 VISION(ヴィジョン) DEROID(デロイド)にやってきた五人は、上空にある巨大なオブジェの中へ侵入した。

 

「プレイメーカー、道は覚えてるか?」

「ああ。だが……」

 

 プレイメーカーは奥へ続く道を見る。

 以前は入り口からはしばらく一本道だったが、今は道がちょうど人数ピッタリの五つに分かれている。

 

「内部のプログラムが書き換えられてるな。どうする? 分かれて進むか?」

「向こうの思惑に乗る形になりますが、時間もありませんしそれしか手はないでしょう」

 

 五人はそれぞれ別の道を選ぶ。

 

「それじゃあ、また後で」

「気をつけろよ」

 

 彼らに一度別れを告げて、プレイメーカーは通路の奥へと進む。

 静かな通路には警備AIの一体も見当たらない。

 

 やがて、円形の開けた空間に出た。

 そこに待ち受けていたのは、彼のよく知る人物だった。

 

「財前、晃……」

 

 晃は、現実世界の姿そのままのアバターで、プレイメーカーの行く手を遮るように立っていた。

 

「プレイメーカー!よくも葵をっ!」

 

 血走った目で訳の分からないことを口走る。

 

「財前が……なんのことだ?」

「惚けるな!貴様のせいで私の妹は電脳ウイルスに犯され、今も目を覚まさない!」

 

 意味が分からなかった。

 財前葵、ブルーエンジェルはついさっきまで自分達と一緒にこの建物の中に潜入した。意識を失っているはずがない。

 

「ライトニング達の作った洗脳プログラムだ。前もファウストとゲノムが操られていた」

「ウィンディがLINK VRAINSで実験してたやつか……」

 

 だとすれば、このまま説得をしても意味がないと、プレイメーカーはデュエルディスクを構える。

 

「邪魔するなら押し通る!」

 

「「デュエル!」」

 

ターン1 晃

 

「私はモンスターを裏守備表示でセット!永続魔法、ナーゲルの守護天を発動!」

 

 晃のフィールドに光が走り、地面に三角形を描く。

 

「これで私のメインモンスターゾーンのティンダングルモンスターは戦闘及びカードの効果で破壊されない。私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

ターン2 プレイメーカー

 

「確か、財前兄のデッキは……」

「ティンダングル・アキュート・ケルベロス、あの怖いワンちゃんを使ったコンボデッキだな」

 

 ジェルゴンヌの終焉の効果で、アキュート・ケルベロスのリンク先のモンスターを生け贄に、4500ものバーンダメージを与えて一撃で相手を倒す。

 以前、葵とのデュエルで、その光景を目の当たりにしている二人は警戒を強める。

 

「俺はリンクスレイヤーを特殊召喚!」

 

 ヤマネコを象った金の鎧を纏う戦士が、両腕の剣を振りながら現れた。

 

「自分フィールドにサイバース族モンスターが存在する時、手札からバックアップ・セクレタリーを特殊召喚!リンクスレイヤーの効果!」

 

 リンクスレイヤーの両腕の剣に光が灯る。

 

「手札を2枚まで捨てることで、捨てた枚数だけ相手の魔法・罠カードを対象にそれを破壊する!俺はナーゲルの守護天と伏せカードを破壊!」

「ならば私は永続罠!モーリーの盾を発動!」

 

モーリーの盾

永続罠

(1)1ターンに1度、自分のメインモンスターゾーンの「ティンダングル」モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージを0にする。

(2)自分フィールドに「ティンダングル」モンスターが存在する限り、自分は効果ダメージを受けない。

(3)自分フィールドの表側表示の「ティンダングル」魔法・罠カード、または「モーリーの盾」以外の効果テキストに「ティンダングル」と記された魔法・罠カードは相手の効果で破壊されない。

 

「このカード以外の効果テキストに「ティンダングル」と記されたカードは相手の効果で破壊されない!」

「くっ……ならモーリーの盾を破壊!」

 

 モーリーの盾を破壊するが、プレイメーカーは手札コスト1枚分損をした格好だ。

 

「現れろ、未来を導くサーキット!」

 

 リンクスレイヤーとバックアップ・セクレタリーがアローヘッドに飛び込む。

 

「リンク召喚!リンク2、スプラッシュ・メイジ!」

 

 青と白のローブの魔術師が現れ、泡を象った杖をクルッと一回転させる。

 

「効果で墓地からバックアップ・セクレタリーを効果を無効にして特殊召喚!さらにレディ・デバッカーを通常召喚!」

 

 人型のてんとう虫のような格好をしたモンスターが現れ、その羽を揺らす。

 

「効果でデッキからレベル3以下のサイバース族、サイバース・マジガールを手札に加え、特殊召喚!」

 

 白を基調とした服装の、緑髪の電脳の魔術師少女が長い前髪から瞳を覗かせる。

 

サイバース・マジガール

効果モンスター

星3/光属性/サイバース族/攻 1300/守 600

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(3)の効果はデュエル中、1度しか使用できない。

(1)自分フィールドにレベル4のサイバース族モンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。

(2)1ターンに1度、相手フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの守備表力を半分にし、その数値分、自分フィールドに他のサイバース族モンスター1体の攻撃力をアップする。

(3)このカードがリンク素材となって墓地に送られた場合、自分の墓地のそのリンク召喚の素材とした「サイバース・ウィザード」1体を対象として発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚できる。

 

「現れろ、未来を導くサーキット!召喚条件は効果モンスター2体以上!俺はレディ・デバッカーと、リンク2のスプラッシュ・メイジをリンクマーカーにセット!」

 

 アローヘッドに上、右下、左下の矢印が描かれる。

 

「リンク召喚!リンク3、デコード・トーカー!」

 

 アローヘッドより、青い甲冑をまとう電脳の騎士が降臨した。

 

「さらに俺はレベル3のサイバース・マジガールと、バックアップ・セクレタリーでオーバーレイ!」

 

 二人の電脳少女が向かい合わせとなり、互いの両掌を合わせて握り、赤と青の光となって螺旋を描きながら空へ吸い込まれる。

 

「エクシーズ召喚!ランク3、コンペネント・マネージャー!」

 

 白いケープから黒い衣装に包まれた胸を覗かせ、額にゴーグルをつけた少女が現れた。

 

コンペネント・マネージャー

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/光属性/サイバース族/攻 2100/守 1400

レベル3・サイバース族モンスター×2

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードのX召喚に成功した場合に発動できる。そのX召喚のX素材としたモンスターによって以下の効果を適用する。

●バックアップ・セクレタリー:デッキから効果テキストに「コード・トーカー」と記されたモンスター1体を手札に加える。

●サイバース・マジガール:墓地からレベル4のサイバース族モンスター1体を特殊召喚する。

(2)X素材1つを取り除いて発動できる。このターン、このカード以外の自分のサイバース族モンスター1体の攻撃力は700アップし、守備表示モンスターを攻撃した場合、その攻撃力が守備力を超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

(3)自分のサイバース族のリンクモンスターが戦闘・効果で破壊される場合、かわりにこのカードのX素材1つを取り除くことができる。

 

「バックアップ・セクレタリーを素材とした時、デッキから効果テキストに「コード・トーカー」と記されたモンスター1体を手札に加える。さらにサイバース・マジガールを素材としたことで、墓地からレベル4のサイバース族、レディ・デバッカーを特殊召喚!」

 

 デコード・トーカーのリンク先にレディ・デバッカーが甦る。

 

「コンペネント・マネージャーの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、このターン、俺のサイバース族モンスター1体の攻撃力を700アップし、貫通効果を与える!」

 

 コンペネント・マネージャーが本を開くと、そのページから青いエフェクトがデコード・トーカーに流れ込む。

 

「さらにデコード・トーカーの効果!リンク先のモンスターの数だけ攻撃力をアップさせる!パワーインテグレーション!」

 

 さらにリンク先の2体モンスターからエネルギーが送られ、デコード・トーカーが雄叫びを上げる。

 

「これでデコード・トーカーの攻撃力は4000になったぜ!」

「バトルだ!俺はデコード・トーカーで、セットモンスターを攻撃!」

 

 デコード・トーカーが伏せられたカードに向けて剣を振り上げると、その正体が明らかとなる。

 

「リバースモンスター!ティンダングル・サインの効果発動!」

 

 現れたのは緑の三角形のパーツで構成された、まるで折り紙細工のような二足歩行の獣だった。

 

「ティンダングル・サインがリバースした時、デッキからレベル4以下の「ティンダングル」モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚!私はティンダングル・コサインをセット!そしてナーゲルの守護天の効果で、戦闘破壊はされない!」

「だがダメージは受けてもらう!」

 

 デコード・トーカーが剣を振り下ろすと、放たれた衝撃波が晃を襲う。

 

 晃:LP4000→1300

 

「俺はこれでターンエンド」

 

ターン3

 

「私のターン、私はティンダングル・コサインを反転召喚!」

 

 セットモンスターがあらわになり、今度はサインとは色違いの赤いモンスターだ。

 

「効果でデッキから効果テキストに「ティンダングル」の記された魔法・罠カード1枚を手札に加える。さらに自分フィールドのモンスターがティンダングル、もしくは裏側表示モンスターのみの場合、手札からティンダングル・タンジェントを特殊召喚できる!」

 

 3体目の、色違いの青い獣が並び立つ。

 

「モンスターが3体来るか……」

 

 彼のエースモンスターの姿を思い浮かべ、プレイメーカーは気を引き締める。

 

「いくぞ。私はティンダングル・サイン、コサイン、タンジェントの3体でオーバレイ!」

「「なっ!?」」

 

 その宣言に、プレイメーカーとAiは驚愕した。

 3体のモンスターが光の線となり、螺旋状に絡まりながら空に出現したエックス字のパネルへと吸い込まれる。

 

「狂気なる猟犬達を統べる、歪んだ時空の女王!エクシーズ召喚!現れろ、ランク3!ティンダングル・ファイ・ミゼーア」

 

 空より現れたのは、人と狼を無理やり混ぜられたような歪な姿、その周囲を巡るオーバレイユニットは、彼女を囲む三角の光の頂点に固定される。

 

「エクシーズモンスターだと……」

「しかもこいつ、サイバースだぞ!」

 

ティンダングル・ファイ・ミゼーア

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/闇属性/サイバース族/攻 3300/守 300

レベル3の「ティンダングル」モンスター×3

このカードをX召喚する場合、裏側表示の「ティンダングル」モンスターもX素材にできる。

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)相手フィールドの表側側表示のモンスター1体を対象として、このカードのX素材1つを取り除いて発動できる。このカードの攻撃力は300アップし、以下の効果のうちいずれか1つを適用する。この効果は相手のターンでも発動できる。

●対象のモンスターを裏側守備表示にする。

●対象のモンスターの効果を無効にする。

(2)相手フィールドの裏側表示のモンスターは表示形式を変更できない。

(3)相手フィールドのモンスターが裏側表示モンスターのみの場合、X素材のないこのカードは直接攻撃できる。

 

「エクシーズ素材となった3体のモンスターの効果!」

 

ティンダングル・サイン

リバース・効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻 300/守 1300

(1)このカードがリバースした場合に発動できる。デッキからレベル4以下の「ティンダングル」モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。

(2)このカードを素材としてリンク召喚、またはX召喚された「ティンダングル」モンスターは以下の効果を得る。

●このカードのX召喚は無効化されない。

●このカードは相手の効果の対象にならない。

 

ティンダングル・コサイン

リバース・効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻 300/守 1300

(1)このカードがリバースした場合に発動できる。デッキから効果テキストに「ティンダングル」と記された魔法・罠カード1枚をセットする。

(2)このカードを素材としてリンク召喚、またはX召喚された「ティンダングル」モンスターは以下の効果を得る。

●自分フィールドの「ピタゴラスの極点」または「ジェルゴンヌの終焉」は相手の効果を受けない。

●このカードは相手の効果で破壊されない。

 

ティンダングル・タンジェント

効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻 300/守 1300

(1)自分フィールドのモンスターが裏側表示のモンスターまたは「ティンダングル」モンスターのみ場合、このカードは手札から表側守備表示、または裏側守備表示で特殊召喚できる。

(2)このカードを素材としてリンク召喚、またはX召喚された「ティンダングル」モンスターは以下の効果を得る。

●このカードの効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない。

●このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力が攻撃力を越えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

「これらを素材としたティンダングルエクシーズモンスターは効果で破壊されず、効果の対象にならず、そして効果の発動に対して相手は効果を発動できず、貫通効果を得る。さらに永続魔法、ピタゴラスの極点を発動!」

 

 晃の背後に、中心に眼が描かれた三角形の模様が浮かび上がる。

 

「ティンダングル・ファイ・ミゼーアの効果発動!」

 

 ファイ・ミゼーアを囲む三角形の光が回転し、その頂点に固定されたオーバーレイユニットが目映い光を放って消滅する。

 

「オーバーレイユニットを1つ使うことで、このカードの攻撃力を300アップ!」

 

 ティンダングル・ファイ・ミゼーア:攻撃力3300→3600

 

「そして、相手フィールドのモンスター1体の効果を無効にする!デコード・トーカーの効果を無効!これによりパワーインテグレーションが切れ、攻撃力は元に戻る」

 

 デコード・トーカー:攻撃力3300→2300

 

「オーバーレイユニットを消費したことで、ピタゴラスの極点にピタゴラスカウンターが置かれる。バトルだ!ティンダングル・ファイ・ミゼーアで、デコード・トーカーを攻撃!」

 

 ファイ・ミゼーアが手を掲げると、空から三角の輪の光が三つ降りてきて、デコード・トーカーを締め付ける。

 

「コンペネント・マネージャーの効果発動!自分のサイバース族リンクモンスターが戦闘・相手の効果で破壊される時、オーバーレイユニットを使うことで、破壊を無効にする!」

 

 コンペネント・マネージャーが本を広げると、青白い光が放たれ、デコード・トーカーを締め付ける輪が弾き飛ばされる。

 

「だがダメージは受けてもらう!ナーゲルの守護天の効果でティンダングルモンスターがバトルする時、1ターンに1度だけ、戦闘ダメージを倍にできる!」

 

 プレイメーカー:LP4000→1400

 

「私はカードを2枚を伏せてターンエンド」

 

ターン4

 

「どうする? 次あれを食らったらヤバいぞ?」

「対処するカードならある。俺のターン!現れろ、未来を導くサーキット!」

 

 プレイメーカーが手を伸ばす先に光が駆け、その先にアローヘッドが出現する。

 

「俺はレディ・デバッカーとコンペネント・マネージャー、そして手札のマイクロ・コーダーをリンクマーカーにセット!リンク召喚!トランスコード・トーカー!効果発動!」

 

 現れたトランスコード・トーカーが地面に手を伸ばし、スプラッシュ・メイジを引き上げる。

 

「さらに魔法カード、サイバネット・マイニングを発動!手札1枚を捨てて、デッキからサイバース・シンクロン手札に加え、そのまま通常召喚」

 

 白い円盤形の飛行物体が飛来する。

 

「スプラッシュ・メイジの効果発動!墓地からさっき捨てたバックアップ・セクレタリーを特殊召喚!サイバース・シンクロンの効果で、バックアップ・セクレタリーのレベルをその元々のレベル分上げる!俺はレベル6となったバックアップ・セクレタリーにレベル1のサイバース・シンクロンをチューニング!」

 

 粒子に分解された二体のモンスターが、そのレベルの数のリングへと再構成される。

 

「紫電一閃!未知なる力が飛竜乗雲となる!シンクロ召喚!」

 

 リングが1つに重なる。

 

「レベル7!サイバース・クアンタム・ドラゴン!」

 

 リングを貫くように光が駆け、その光の中から白き翼を広げる電脳の竜が降臨した。

 

「サイバース・クアンタム・ドラゴン、させるか!私はティンダングル・ファイ・ミゼーアの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、攻撃力を300アップし、相手フィールドのモンスター1体を裏側守備表示にする!」

 

 サイバース・クアンタム・ドラゴンの姿が消滅し、裏向きのカードになる。

 

「くっ……なら俺はデコード・トーカーとスプラッシュ・メイジをリンクマーカーにセット!」

 

 アローヘッドより、竜巻が発生する。

 

「唸れ嵐!虚構に渦巻く旋風は、万物を震わす竜の雄叫びとなる!リンク召喚!現れろリンク4!ファイアウォール・ドラゴン!」

 

 風の中から翼を広げて、白い電脳の竜がトランスコード・トーカーの右横に降臨した。

 

「リンク先にモンスターが特殊召喚されたことで、墓地のシーアーカイバーを特殊召喚!ファイアウォール・ドラゴンの効果発動!」

「だが、私のティンダングル・ファイ・ミゼーアはティンダングル・サインの効果で、相手の効果の対象にならない。さらにティンダングル・コサインの効果でピタゴラスの極点は相手の効果を受けない」

「分かっている。俺が手札に戻すのは、俺の墓地にあるレイテンシ!レイテンシは効果で墓地から手札に加わった時、特殊召喚できる!現れろ、未来を導くサーキット!リンク召喚!」

 

 シーアーカイバーとレイテンシがアローヘッドに吸い込まれる。

 

「リンク2、サイバース・ウィッチ!」

 

 赤髪の電脳の魔女が現れた。

 

「リンク素材となったレイテンシの効果で1枚ドロー!そして手札からリンク・フライヤーをサイバース・ウィッチのリンク先に特殊召喚!」

 

 三角形の青い飛行物体が、サイバース・ウィッチの真後ろに飛来する。

 

「サイバース・ウィッチの効果発動!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、墓地の魔法カード1枚を除外することで、デッキからサイバネット・リチューアルと、サイバース族儀式モンスターを手札に加える。俺は儀式魔法、サイバネット・リチューアルを発動!」

 

 裏側守備表示にされたサイバース・クアンタム・ドラゴンの下に青い魔法陣が描かれる。

 

「契約は結ばれた。未知なる竜の魂は、闇の力を操る賢者へと受け継がれる」

 

 裏向きのカードが青い炎となり、七つに分裂して魔法陣の周囲を照らす。

 

「儀式召喚!出でよレベル7!サイバース・マジシャン!」

 

 魔法陣の中から現れたのは、白と黒を基調とした衣装を纏う電脳の魔術師だ。

 

「サイバース・マジシャンがモンスターゾーンに存在する限り、俺が受ける全てのダメージは半分になる。サイバース・ウィッチの効果発動!墓地からレディ・デバッカーを特殊召喚!」

「私はセットされた速攻魔法、墓穴の指名者を発動!墓地からレディ・デバッカーを除外する!」

 

 対象のカードを失ったことで、サイバース・ウィッチの効果は不発に終わる。

 

「くっ……俺はカードを1枚を伏せて、ターンエンド」

 

ターン5

 

「守りを固めたつもりか。私はティンダングル・ファイ・ミゼーアの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、相手モンスター1体を裏側守備表示にする!」

 

 今度はサイバース・マジシャンが裏側守備表示にされる。

 

「そしてオーバーレイユニットを消費したことで、ピタゴラスの極点にピタゴラスカウンターを置く。バトルだ!ティンダングル・ファイ・ミゼーアで、トランスコード・トーカーを攻撃!」

「俺は(トラップ)カード!スリーフェイト・バリアを発動!」

 

スリーフェイト・バリア

通常罠

(1) 以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このターン、自分のモンスターは戦闘・効果で破壊されない。

●このターン、自分はダメージを受けない。

●このターン、自分のモンスター1体は1度だけ戦闘で破壊されず、その戦闘によって戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分、自分のライフを回復する。

(2)自分がダメージを受けた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、自分が受ける効果ダメージは0になる。

 

「このターン、トランスコード・トーカーは1度だけバトルで破壊されず、戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分、ライフを回復する!」

 

 トランスコード・トーカーが赤い半球形のバリアに包まれ、ファイ・ミゼーアから守られる。

 

 プレイメーカー:LP1400→LP2800

 

「いくらライフを回復しようが無駄だ!私はカードを1枚をセット。そして永続魔法!ピタゴラスの極点の効果発動!」

 

ピタゴラスの極点

永続魔法

(1)自分の「ティンダングル」Xモンスターの効果を発動するためにX素材が取り除かれた場合に発動できる。このカードにピタゴラスカウンター1つを置く(最大3つ)。

(2)自分・相手のエンドフェイズに、このカードにピタゴラスカウンターが3つ以上置かれていて、自分フィールドにX素材のない「ティンダングル」Xモンスターが存在する場合に発動できる。相手のライフを300にする。

(3)墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「ピタゴラスの極点」または「ジェルゴンヌの終焉」1枚を手札に加えるか、セットする。この効果でセットされたカードはセットされたターンでも発動できる。

 

「自分のエンドフェイズに、このカードにピタゴラスカウンターが3つ以上置かれていて、オーバーレイユニットのないティンダングル エクシーズモンスターがいる時、相手のライフを300にする!」

「なっ!!」

 

 プレイメーカー:LP2800→300

 

「さあこれでターンエンドだ」

 

ターン6

 

「くっ……」

 

 プレイメーカーのフィールドには相互リンク状態のファイアウォール・ドラゴンとトランスコード・トーカー、そして裏側守備表示のサイバース・マジシャン。

 サイバース・マジシャンは、ティンダングル・ファイ・ミゼーアの効果で反転召喚できないため、事実上いないも同然。

 

 そして手札はゼロ、前のターンで墓地のリソースも使いきった。

 

「俺のターン!」

 

 引いたカードは、クロック・ワイバーン。

 

「来たぞ!俺はクロック・ワイバーンを召喚。効果発動!自身の攻撃力を半分にすることで、トークンを生成」

 

 紫の飛竜が羽を広げると、そのとなりに水晶のような物体が出現する。

 

「トランスコード・トーカーの効果発動!墓地からスプラッシュを特殊召喚!」

「私はセットされた罠カード!ティンダングル・ムーヴポイントを発動!」

 

ティンダングル・ムーヴポイント

カウンター罠

(1)相手のモンスター効果が発動した時、自分のEXモンスターゾーンの「ティンダングル」モンスター1体を対象として発動できる。その効果を無効にして破壊する。その後、対象のモンスターをメインモンスターゾーンに移動させる。この効果でリンクモンスターを破壊した時、このターン、そのリンクマーカーの数以上のリンクマーカーを持つリンクモンスターを相手は特殊召喚できない。

 

「ティンダングル・ファイ・ミゼーアをメインモンスターゾーンに移動させ、トランスコード・トーカーの効果を無効にし、破壊する!」

 

 黒い波動が放たれ、それに飲み込まれたトランスコード・トーカーが力を失い、消滅する。

 

「そしてリンク3のトランスコード・トーカーを破壊したことで、このターン、君はリンク3以上のリンクモンスターを特殊召喚できない」

「なら現れろ、未来を導くサーキット!サイバース・ウィッチとクロックトークンをリンクマーカーにセット!リンク召喚!クロック・スパルトイ!効果でデッキからサイバネット・フュージョンを手札に加え、発動!」

 

 クロック・ワイバーンを中心に光の渦が巻き起こり、ファイアウォール・ドラゴンが飲み込まれる。

 

「今、雄大なる翼の元に集いし強者達よ、新たなる伝説となれ!融合召喚!出でよレベル7!サイバース・クロック・ドラゴン!」

 

 紫の水晶に覆われた体を持つドラゴンが、クロック・スパルトイのリンク先に現れた。

 

「それで一気にライフを削るつもりか。だが私は永続罠!モーリーの盾を発動!」

「そ、それは……」

 

 既に効果を知っているAiはわなわなとする。

 

「これで1ターンに1度、私が受ける戦闘ダメージはゼロになる。さらにナーゲルの守護天の効果で、ティンダングル・ファイ・ミゼーアは戦闘で破壊されない!」

「お仕舞いだー!」

 

 Aiは絶望的な状況に狼狽える。

 

「……俺は、サイバース・クロック・ドラゴンの効果を発動する。融合召喚に成功した時、融合素材としたリンクモンスターのリンクマーカーの合計分、俺のデッキの上からカードを墓地へ送り、墓地へ送ったカード1枚に付き、攻撃力を1000ポイントアップする。融合素材となったファイアウォール・ドラゴンのリンクマーカーは4。よって4枚墓地へ」

 

 プレイメーカーはデュエルディスクのデッキに手を当て、祈るように目を閉じる。

 

「どうした? 早く効果を解決しろ」

「……っ!」

 

 プレイメーカーは意を決して、4枚のカードを墓地へ送る。

 

「……これなら、俺は墓地へ送られたグリッドスイーパーの効果発動!墓地のこのカードと自分のリンクモンスターを除外し、相手フィールドのカード1枚を破壊する!モーリーの盾を破壊!」

 

 永続罠が破壊され、晃を守る盾はなくなった。

 

「終わりだ!サイバース・クロック・ドラゴン!パルスプレッシャーッッ!」

 

 ◆

 

 デュエルが終了すると、倒れた晃が目を覚ました。

 

「こ、ここは……」

「気が付いたか」

「プレイメーカー!?」

 

 彼の顔を見て、晃は目を見開いた。

 

「どうやら正気に戻ったようだな」

「私は、君に何かしたのか?」

「デュエルをしただけだ。あんたは早くここから出ろ」

「……いや」

 

 晃は立ち上がり、アバターだというのに服を手で払って埃を落とすような動作を取る。

 

「状況は私も把握している。イグニス達の企みを阻止しなければ」

 

 責任感の強い彼のことだ。ここでなんと言っても引き下がる気はないだろう。そう考えたプレイメーカーはため息を付き、後ろの通路を指差した。

 

「……なら、この道を戻って、一番左の通路から向かえ」

「え?」

「そっちに多分、あんたを必要としてる人がいる」

「?……わ、分かった」

 

 いまいち納得していない様子だったが、晃は彼の言葉を信じて走り去っていった。

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