遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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第41話:Connect the will to penetrate(後編)

 美海は自分の胸に手を当てて、大きく深呼吸する。

 

(大丈夫。みんなが戦っている。だから私だけ折れるわけにはいかない)

 

 美海は目を開けて、目の前に立つアクアを見据える。

 

「アクア、イグニスは優れている。だから人類を導くことができる。そう言いましたね?」

「えぇ。そうですね」

「ですが、今、あなた達が行っていることはなんですか?」

 

 美海は力強く訴える。

 

「ライトニングは自分の恨みを晴らすために、デンシティを焦土に変えようとしている。これがあなたのいう愚かな人類とどう違うのですか?」

「それは彼の目的であり、私個人の考えではありません」

「そうです。イグニスにも意思がある。人は考えが異なるから争い合い、それはイグニスも同じ。どれほど演算能力が優れていようと、そこに差異はない」

 

 美海の主張に対して、アクアはなるほどと言うような顔をする。

 

「それで、あなたの主張は分かりましたが、それがこの戦争を止める理由にはありません」

 

 イグニスの攻撃性を証明したところで、人間の攻撃性を否定する材料にはならない。

 

「アクア、人間の歴史は争いの歴史です。戦い、憎しみが生まれ、また争いが起こる。あなたが人間を支配しようとしても、その中で憎しみが生まれ、いずれお互いに滅ぼし合うことになる」

 

 鴻上博士のシミュレート結果も、イグニスが人間を滅ぼすという結末も、きっとその果ての出来事なのだろう。なら、そのシミュレートを超えるには、こうして争うだけでは駄目だ。

 

「ならばどうするのですか?」

「私が、人とイグニスの未来を、”繋いで”見せる。私のターン!」

 

 美海は勢いよくデュエルディスクからカードを引き、盤面を確認する。

 

(私のフィールドには、カウンターが6つ置かれたタイタニーニャと、プレシオルタ、そしてフィールド魔法、原初海域(オリジンブルー・ウェブ)。一方、彼女のフィールドには、裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)と、そのリンク先を拡張するアローブ・スター。そして切り札のリンク4、アクア・アルゴノート)

 

 アクア・アルゴノートには海晶乙女の闘海(マリンセス・バトルオーシャン)の効果で装備されたリンクモンスターが3枚、これによりアクア・アルゴノートは攻撃力4300、さらに裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)の戦闘時には攻撃力が倍となる。

 

(なら、攻撃力が低いアローブ・スターを先に処理する?)

「言っておきますが、アクア・アルゴノートの効果で、あなたはアクア・アルゴノート以外を攻撃できませんよ?」

「なら、私はプレシオルタの効果発動!自身を隣のメインモンスターゾーンに移動させる。モンスターが移動したことで、バックログカウンターを追加!」

 

 タイタニーニャ:バックログカウンター6→7

 

「そしてプレシオルタの効果発動!バックログカウンターを使うことで、自身と同じ縦列のカードを手札に戻す!裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)を手札に!」

「私は手札より、海晶乙女波動を発動。プレシオルタの効果を無効にする」

 

 アクア・アルゴノートが大鎌を振るうと、水の波動がプレシオルタを襲う。

 

「そして、私の場にリンク2以上のマリンセスがいるなら、このターン、私のモンスターは相手の効果を受けない」

「なら、私はセットしてあった魔法カード、原初海復(オリジンブルー・リカバリー)を発動!」

「アクア・アルゴノートの効果発動。装備されているシーエンジェルを特殊召喚することで、その効果を無効にする」

 

 アクア・アルゴノートの座っていた二枚貝の中から、シーエンジェルが飛び出し、美海の発動した魔法カードに向けて泡の弾丸を放つ。

 

「シーエンジェルの効果で、デッキからマリンセス魔法カードを手札に加える。さあ、もはや手は尽きたように見えますが?」

「いいえ、まだです。私は原初海祈メガロガーを通常召喚」

 

 頭と尾以外が半透明のデータのエフェクトで構成されたサメ型のモンスターが現れる。

 

「そして現れろ、未来を繋ぐサーキット!」

「なに?」

 

 既にタイタニーニャが場にある状態でのリンク召喚宣言に、アクアは眉をひそめる。

 

「召喚条件は、リンクモンスターを含む水属性モンスター2体以上!私はメガロガーと、リンク3のタイタニーニャをリンクマーカーにセット!」

 

 タイタニーニャがアローヘッドに飛び込むと、アローヘッドに下方向の三つのリンクマーカーが描かれる。そして、その周りをメガロガーが泳いで上向きの4つ目のリンクマーカーとなる。

 

「母なる海よ、巡る命よ。大いなる根源へと帰還せよ!リンク召喚!」

 

 アローヘッドから水が渦を巻いてあふれ出る。

 

「現れろ、リンク4!原初海祈心晶(オリジンブルーハート)タイダヴェーラ!」

 

 水の中から現れたのは、胸元にハート型のブローチをつけた結晶(クリスタル)の人魚像だった。

 

原初海祈心晶(オリジンブルーハート)タイダヴェーラ

リンク・効果モンスター

水属性/サイバース族/攻 0/LINK 4

リンクモンスターを含む水属性モンスター2体以上

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードがリンク召喚に成功した場合、墓地のリンク素材となった「原初海祈タイタニーニャ」1体を対象として発動できる。対象のモンスターの上に置かれていたバックログカウンターと同じ数のバックログカウンターをこのカードの上に置き、1個以上置かれたら、対象のモンスターと同じ効果を得る。

(2)自分のバックログカウンター1つを取り除き、墓地のサイバース族Sモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「タイダヴェーラの効果発動!リンク素材となったタイタニーニャのバックログカウンターを全て引き継ぐ!」

 

 胸のブローチに、一気に6つの光が灯る。

 

 バックログカウンター:0→6

 

「この効果で1つ以上カウンターが置かれた時、さらにタイタニーニャの効果も全て引き継ぐ!そして、原初海域(オリジンブルー・ウェブ)の効果で、このターンにモンスターが移動した回数分のバックログカウンターをタイダヴェーラに置き、その数だけ、墓地からレベル4以下のオリジンブルーを特殊召喚!蘇れ、メガロガー!」

 

 メガロガーが浮上し、タイダヴェーラのリンク先で鳴き声を上げる。

 

原初海域(オリジンブルー・ウェブ)の効果で、プレシオルタを移動させ、タイダヴェーラのリンク先へ!」

「この布陣、まさか……」

「タイダヴェーラの効果発動!メガロガーをチューナーに変える!そして、私はレベル7シンクロモンスターのプレシオルタに、レベル3のメガロガーをチューニング!」

 

 プレシオルタとメガロガーに、タイダヴェーラから伸びた触手のようなコードが突き刺さり、その体をデータへと分解する。

 

「遍く命を包む神秘の煌き、シンクロ召喚!」

 

 データは重なり、一体のモンスターへと再構築される。

 

「現れろ、レベル10!原初海祈(オリジンブルー)グレート・デュアルリーフ!」

 

 現れたのは双頭の竜、長い首を伸ばすその額には、青いクリスタルが輝いている。

 

原初海祈(オリジンブルー)グレート・デュアルリーフ

シンクロ・効果モンスター

星10/水属性/サイバース族/攻 3300/守 2600

水属性チューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上

このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。自分の「オリジンブルー」モンスター1体の上にバックログカウンターを3つ置く。

(2)自分のフィールドのバックログカウンター2つを取り除いて発動できる。お互いのフィールドのEXモンスターゾーン以外のカードを全て手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。

(3)自分の「オリジンブルー」モンスターが効果でフィールドを離れる場合、かわりに自分のフィールドのバックログカウンター1つを取り除くことができる。

 

「グレート・デュアルリーフがシンクロ召喚に成功した時、バックログカウンターを3つ置く」

 

 バックログカウンター:7→10

 

「そしてグレート・デュアルリーフの効果発動!バックログカウンター2つ取り除くことで、互いのEXモンスターゾーン以外のフィールドのカード全てを手札に戻す!」

 

 グレート・デュアルリーフがその二つの口を開けると、タイダヴェーラの胸のブローチから、青い光が二つ、それぞれの口へ流れ込む。

 

 

「原初へ帰れ!オリジナル・リベレーション!」

 

 咆哮する。

 その口から放たれた水の波動は、周囲の全てを吹き飛ばす。

 

「くっ、海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)の効果で、私のモンスターは相手の効果を受けない」

「ですが、魔法カードは別!」

 

 アクア・アルゴノートに装備されていたリンクモンスター、そして裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)が手札へと戻される。

 

裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)がフィールドを離れた時、リンク先のモンスターを墓地へ送らなければならない。ですが、アローブ・スターの効果で、モンスターは守られます」

「でも、これでアクア・アルゴノートの攻撃力は元に戻る」

 

 アクア・アルゴノート:攻撃力3700→2300

 

「そして、グレート・デュアルリーフのさらなる効果、自分のオリジンブルーがフィールドを離れる時、かわりにバックログカウンター1つを取り除くことができる。これにより、自身の効果で手札に戻るはずだったグレート・デュアルリーフは場に残ります。さあバトルです!グレート・デュアルリーフで、アクア・アルゴノートを攻撃!」

 

 タイダヴェーラに置かれたバックログカウンターが7つ、これにより、グレート・デュアルリーフの現在の攻撃力は4700。

 攻撃力を大きく上回ったグレート・デュアルリーフは、アクア・アルゴノートを水流のレーザーで消し飛ばした。

 

 アクア:LP4000→2400

 

「タイダヴェーラの効果発動!墓地からサイバース族Sモンスター1体を特殊召喚する!蘇れ、プレシオルタ!」

 

 タイダヴェーラの歌声に呼ばれ、現れたプレシオルタがアクアに牙を向く。

 

「プレシオルタでダイレクトアタック!」

 

 ◆

 

 リンクセンスにより、美海の思いを受け取ったゴッドバードは、その表情からスッと怒りが消えた。

 

「……悪りぃな。美海」

 

 ゴッドバードは呟いて、ウィンディを見る。

 

「いけすかねぇが、お前は確かに、俺から生まれたAIだよ」

「なに?」

「そのねじ曲がった性格は俺そっくりだ」

 

 ゴッドバードと、人間と似ていると言われて、ウィンディは露骨に不機嫌そうな顔をする。

 

「僕は君みたいに、ビクビク怯えたりしないね」

「そうだな。俺は臆病だ。10年ぶりに会ったあいつらと、どう接していいか、どうやって信じればいいのか、そもそも俺はここにいていいのか、分からなかった」

 

 自分の掌を見つめる。

 

「けど、そんな俺に、言ってくれたんだ」

 

 ──── おかえりなさい、啓

 

 美海のかけてくれた言葉が、鳥籠に閉じこもっていた啓に、前に踏み出す勇気を与えてくれた。

 

「……ったく、俺も樹のこと、偉そうに言えねぇな」

「それで? 君はこの状況からどうする気?」

「決まってんだろ。お前をぶった押して先に進む!俺のターン!」

 

 右手でデッキに触れて、勢いよくカードを引く。

 ドローが一陣の風を引き起こし、戦場の空気を揺らす。

 

(あいつのフィールドにあるのは、バハムートボマーと嵐闘機流(ストームライダータービュランス)。俺のフィールドには、シークエンスコード1体のみ。伏せカードはない)

 

 押されてはいるが、まだ負けが決まった訳じゃない。

 

「いくぞ!俺は敵性機兵(エリミネーター)ショットキーを召喚!」

 

敵性機兵(エリミネーター)ショットキー

効果モンスター

星4/風属性/サイバース族/攻 1600/守 1000

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。手札から「エリミネーター」モンスター1体を特殊召喚する。

(2)相手ターンに、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、このカードを墓地から除外して発動できる。自分のデッキから「エリミネーション」罠カード1枚をセットする。

 

「その効果で、手札から敵性機兵(エリミネーター)ディメンターを特殊召喚」

 

敵性機兵(エリミネーター)ディメンター

効果モンスター

星4/風属性/サイバース族/攻 1500/守 1200

(1)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「エリミネーション」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

(2)相手ターンに、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない、またはこのモンスターのみの場合、自分のフィールド・墓地のこのカードを除外して発動できる。除外されている「エリミネーション」魔法・罠カード1枚をセットする。

 

「デッキからエリミネーション魔法カードを手札に加える」

「僕は手札の嵐闘機(ストームライダー)モノケローンを捨てることで効果発動!相手がカードの効果でデッキからカードを手札に加えた時、デッキからストームライダーカード2枚を手札に加える」

 

 ウィンディはカードの効果を発動し、冷めた目でゴッドバードを見る。

 

「諦めなよ。君が僕に勝つなんてできっこない」

「諦めねぇよ。立ち塞がるどんな未来も、全部"貫いて"突き進む!来やがれ、未来を貫くサーキット!」

 

 風が吹き抜け、その道の先にアローヘッドが出現する。

 

「召喚条件はレベルが同じ風属性モンスター3体!俺はシークエンスコード、ショットキー、ディメンターの3体をリンクマーカーにセット!」

 

 3体のモンスターが風となってアローヘッドにリンクマーカーを描く。

 

「リンク召喚!リンク3、敵性機兵(エリミネーター)ローディング・クラッチ!」

 

 激しい駆動音を響かせて現れたのは、無数の歯車が組合わさった体に、金属の骨組みでできた首と翼を伸ばす機械の鳥だった。

 

「どうせエクシーズ素材にするのに、わざわざリンク3モンスターを出すなんて」

「よく分かってるじゃねぇか」

「まあ無駄だけどね」

 

 ウィンディは勝ち誇ったように下卑た笑みを浮かべる。

 

「僕は嵐闘機流(ストームライダータービュランス)の効果発動!僕のフィールドがストームライダーモンスター1体のみの場合、相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、その効果を次の相手のスタンバイフェイズまで無効にする!」

 

 突風が吹き、風が編むように絡まってローディング・クラッチの歯車が軋むような音を上げる。

 

「アハハハハ!効果が無効になれば、レベルを持たないリンクモンスターはエクシーズ素材にできない!これで────」

「何勘違いしてる?」

 

 ゴッドバードが不敵に笑う。

 

「こいつはまだ、動くぞ?」

 

 ローディング・クラッチの止まりかけた歯車が加速して、巻き付く風を振りほどく。

 

「なっ!?」

「ローディング・クラッチの効果を、嵐闘機流(ストームライダータービュランス)の効果にチェーンして発動!」

 

敵性機兵(エリミネーター)ローディング·クラッチ

リンク·効果モンスター

風属性/サイバース族/攻 2100/LINK3

風属性モンスターを含む同じレベルのモンスター3体

【リンクマーカー:右/左/下】

(1)自分・相手のターンに発動できる。このカードのリンク素材となったモンスターのレベルの数と同じランクのXモンスター1体をEXデッキからこのカードの上に重ねてX召喚扱いで特殊召喚する。

(2)このカードまたはこのカードをX素材に持つXモンスターを素材としてX召喚された「エリミネーター」Xモンスターは以下の効果を得る。

●このカードがX召喚に成功した場合に発動できる。自分の墓地·EXデッキからリンクモンスター1体をこのカードの下に重ねてX素材とする。

●このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度、手札から「エリミネーター」カード1枚を捨て、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果は相手のターンでも発動できる。

 

「リンク素材となったモンスターのレベルの数と同じランクのエクシーズモンスター1体を、このカードの上に重ねてエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する!俺はローディング・クラッチで、オーバーレイネットワークを構築!」

 

 ローディング・クラッチが空に現れた赤と青のエックス字のパネルに飛び込む。

 

「出でよランク4!敵性機兵(エリミネーター)コンパイルブラスター!」

 

 パネルからレールガンを接合された機械仕掛けの竜が現れた。

 

「ローディング・クラッチの効果発動!このカードを素材としてエクシーズ召喚に成功した時、EXデッキ、または墓地からリンクモンスター1体をオーバーレイユニットにする!俺は墓地のローディング・チャージャーをオーバーレイユニットに!」

 

 地面から飛び出した光が、コンパイル・ブラスターの周りを巡る。

 

「コンパイル・ブラスターは、オーバーレイユニットとなったリンクモンスターのリンクマーカーの合計×300アップする」

 

 コンパイル・ブラスター:攻撃力2300→3800

 

「くっ……」

「まだ終わりじゃないぜ。俺はさっき手札に加えたこいつを使う」

 

 ゴッドバードは手札から1枚のカードを見せる。

 

「俺はRUM-オーバレイ・エリミネーションを発動!こいつは自分のエクシーズモンスター1体を、そのオーバーレイユニットのリンクモンスターのリンクマーカーの数までランクの高いエリミネーターにランクアップさせる!」

 

 今、コンパイル・ブラスターにはリンク3のローディング・クラッチと、リンク2のローディング・チャージャーがオーバーレイユニットになっている。すなわちランクが5つ高いエクシーズモンスターを呼べる。

 

「俺はコンパイル・ブラスターでオーバーレイネットワークを再構築!」

 

 コンパイル・ブラスターの体が分解され、エックス字のパネルに吸い込まれる。

 

「電子の大河、渦を巻く。過多なる情報は、惰弱なる世界を貫く牙となる!エクシーズ召喚!」

 

 空から緑の風が吹き、地上に竜巻を巻き起こす。

 

「現れろ、ランク9!敵性機兵(エリミネーター)ファイナライズ・ブレイカー!」

 

 風の中から、軋む機械の翼を広げ、一体のドラゴンが現れた。

 

敵性機兵ファイナライズ・ブレイカー

エクシーズ·効果モンスター

ランク9/風属性/サイバース族/攻 3300/守 3000

レベル9の風属性モンスター×2体以上

(1)このカードの攻撃力・守備力はこのカードがX素材として持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×500アップする。

(2)このカードのX素材1つを取り除いて発動できる。相手モンスター1体のコントロールを得る。そのモンスターは次のエンドフェイズに除外される。この効果を発動するためにX素材のリンクモンスターを取り除いていれば、自分のEXデッキから「エリミネーター」Xモンスター1体をそのモンスターの上に重ねてX召喚扱いで特殊召喚する。

(3)自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする(Xモンスターなら、その下にあるカードもこのカードの下に重ねる)。この効果を発動したターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「ローディング・クラッチの効果!こいつをオーバーレイユニットに持つエクシーズモンスターを素材としてエクシーズ召喚した時、そいつに墓地かエクストラデッキからリンクモンスター1体を選んでオーバーレイユニットにする!エクストラデッキのローディング・バスターのオーバーレイユニットにする!」

 

 新たなオーバーレイユニットを得たことで、ファイナライズ・ブレイカーの攻撃力は6800まで上昇する。

 

「ファイナライズ・ブレイカーの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、相手モンスター1体のコントロールを得る!俺は、お前のバハムートボマーをもらう!」

 

 ファイナライズ・ブレイカーの翼から光の粉が舞い、バハムートボマーにまとわりつく。

 すると、バハムートボマーがゆっくりと移動し、ゴッドバードの前に立ち、ウィンディの方を向く。

 

「バトルだ!ファイナライズ・ブレイカーでダイレクトアタック!」

「冗談じゃない!僕が人間なんかに負けるなんて!僕は手札のガルダイバーの効果発動!」

 

嵐闘機ガルダイバー

効果モンスター

星1/風属性/サイバース族/攻 0/守 0

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時に、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。その戦闘で自分が受ける戦闘ダメージを半分にする。ダメージステップ終了後、バトルフェイズを終了させる。

(2)自分のフィールドにフィールド魔法以外のカードがない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。墓地から「ストームライダー」リンクモンスター1体を特殊召喚する。この効果の発動に対して、相手は魔法&罠カードを発動できない。

 

「このカードを手札から墓地へ送り、戦闘ダメージを半分にする!」

 

 現れた輪のような翼を持つ鳥型の飛行船が、ファイナライズ・ブレイカーの放った竜巻を盾となって防いだ。

 

 ウィンディ:LP4000→600

 

「そして!お前のバトルフェイズは終了だ!」

「チッ、俺はファイナライズ・ブレイカーのもう1つの効果で、バハムートボマーをこのカードのオーバーレイユニットにする。俺はこれでターンエンド」

 

ターン4

 

「相手ターン開始時、俺は墓地のシークエンスコード、ショットキー、ラントリクターの3体の効果を発動。デッキからエリミネーションカードをセット。さらに墓地のエリミネーション・インターセプトの効果発動」

 

エリミネーション・インターセプト

カウンター罠

(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動できる。相手モンスター1体の特殊召喚を無効にして破壊する。

(2)墓地のこのカードと「エリミネーション」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。除外されている「エリミネーター」モンスター1体を墓地に戻す。

 

「このカードと、墓地のエリミネーション魔法・罠カードを除外することで、除外されてるエリミネーター1体を墓地に戻す。俺はショットキーを墓地へ。そしてディメンターの効果発動。こいつは自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない相手ターン中、墓地から除外することで、除外されているエリミネーション罠カードをセットすることができる。今除外したインターセプトをセットだ」

 

 ゴッドバードのフィールドに4枚の伏せカードが並ぶ。

 ウィンディのどのような手を撃とうが、それを無効にする万全の構えだ。

 

「自分のフィールドにフィールド魔法以外のカードがない時、墓地のガルダイバーを除外することで、墓地からストームライダーリンクモンスター1体を特殊召喚する!ロックバスターを特殊召喚!この効果の発動に対して、相手は魔法・罠カードを発動できない!」

 

 双頭の鳥を模した飛行船が浮上する。

 

嵐闘機(ストームライダー)ガーゴイリードを召喚」

 

嵐闘機(ストームライダー)ガーゴイリード

効果モンスター

星2/風属性/サイバース族/攻 600/守 800

このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれかしか使用できない。

(1)相手のフィールド魔法が発動した場合、または相手のフィールド魔法が効果を発動した場合、このカードを手札から捨てて発動できる。デッキ・墓地から「嵐闘機流」1枚を発動する。その後、相手のフィールドゾーンのカード1枚を選んで墓地へ送る。

(2)自分フィールドに「ストームライダー」カードが存在し、自分の魔法&罠ゾーンにカードがない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。自分のデッキ・墓地から「ストームライダー」フィールド魔法カード1枚を手札に加えるか、発動する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「ロックバスターのリンク先にモンスターが特殊召喚された時、相手の魔法&罠ゾーンのカード2枚を破壊する!この効果に対して相手は魔法(マジック)(トラップ)カードを発動できない!」

 

 ロックバスターの口が開き、風の弾丸が放たれる。

 着弾点で竜巻を巻き起こし、セットされたエリミネーション・インターセプトと、エリミネーション・ジャミングを吹き飛ばす。

 

「くっ……」

「墓地のトゥビエルーフの効果発動!」

 

嵐闘機(ストームライダー)トゥビエルーフ

効果モンスター

星1/風属性/サイバース族/攻 0/守 0

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分の魔法&罠ゾーンにカードが存在せず、自分フィールドが「ストームライダー」リンクモンスターが存在し、相手がモンスター効果を発動した場合、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。その効果を無効にする。

(2)このカードが手札・墓地に存在し、自分の魔法&罠ゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れた場合、除外される。

 

「自分の魔法(マジック)&(トラップ)ゾーンにカードがない時、墓地から特殊召喚できる!」

 

 白いU字型の翼を持つ鳥を象った飛行船がガーゴイリードの隣に浮上する。

 

「さぁ、ここからだよ」

 

 すると、どこからか轟音が響く。

 

「なんだ!?」

 

 空気の流れが変わり、周囲のデータが渦を巻いて、巨大な竜巻となってウィンディの方に近付いていく。

 

「データストーム!? テメェまさか!」

「僕はデータストームを一番上手く使える!お前らの猿真似とは違う、本物を見せてやる!」

 

 データストームがウィンディを飲み込み、その中で彼は手を掲げる。

 

「自分のライフが1000以下の時、データストームの中からサイバース族モンスター1体をエクストラデッキに加える!スキル発動!ストームアクセス!」

 

 データストームがウィンディの手の中に収束し、その手元に1枚のカードが現れた。

 

「マスターデュエルでスキル、テメェ、それでもデュエリストか!」

「最後に勝った方が正義なんだ!現れろ、我が行く手に吹き荒れるサーキット!」

 

 再び風が起こり、その流れの先にアローヘッドが出現する。

 

「召喚条件は、リンクモンスターを含む風属性モンスター2体以上!」

 

 ロックバスター、ガーゴイリード、トゥビエルーフが隊列を組んでアローヘッドに飛び込む。

 

「リンク召喚!リンク4!嵐闘機旗艦(ストームライダーフラッグシップ)バハムートボマー(カスタム)!」

 

 アローヘッドより出撃したのは、改修されて武装を増設したバハムートボマーだ。

 

嵐闘機旗艦(ストームライダーフラッグシップ)バハムートボマー(カスタム)

リンク・効果モンスター

風属性/サイバース族/攻 3000/LINK 4

リンクモンスターを含む風属性モンスター2体以上

このカードの効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない。

(1)このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。次の自分のスタンバイフェイズまで、お互いは魔法・罠カードをセットできない。

(2)1ターンに1度、自分の魔法&罠ゾーンにカードがない場合に発動できる。相手のモンスターゾーンのモンスターを選んで永続魔法扱いで相手の魔法&罠ゾーンに置く。

(3)1ターンに1度、発動できる。相手の魔法&罠ゾーンのカードを全て破壊し、破壊したカードの数×500ダメージを相手に与える。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「僕はバハムートボマー(カスタム)の効果発動!相手のモンスター1体を永続魔法扱いで、魔法&罠ゾーンに置く!」

「俺はカウンター罠……」

「バハムートボマー(カスタム)の効果に対して相手はカードの効果を発動できない!やれ!ファイナライズ・ブレイカーを消し飛ばせ!」

 

 バハムートボマー(カスタム)の口が開き、そこから嘶きのような音がしたかと思うと、ファイナライズ・ブレイカーは後方に吹き飛ばされ、その体は1枚のカードに変わる。

 

「そして!バハムートボマー(カスタム)の更なる効果!相手の魔法&罠ゾーンのカードを全て破壊し、破壊したカード1枚に付き、500ポイントのダメージを与える!」

 

 現在、ゴッドバードのフィールドには先程永続魔法に変えられたファイナライズ・ブレイカーを含めて、3枚のカードがある。

 

 ダメージは1500。そして彼のライフもちょうど1500。

 

「終わりだ!やれ!バハムートボマー(カスタム)!」

 

 バハムートボマー(カスタム)に搭載された無数の砲台が、一斉にゴッドバードの方を向く。

 砲門が火を吹き、砲撃の雨がゴッドバードを襲う。

 

「アハハハハ!どうだ!やっぱり僕は君達より……え?」

 

 砲撃が止み、その煙の中から現れたゴッドバードは無傷、彼の魔法&罠ゾーンのカードも無事だ。

 

「墓地のプロテクラフトの効果だ」

 

敵性機兵(エリミネーター)プロテクラフト

効果モンスター

星4/風属性/サイバース族/攻 1600/守 1200

(1)モンスターの攻撃宣言時、自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から攻撃表示で特殊召喚する。その後、自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、手札から「エリミネーター」モンスター1体までを特殊召喚するか、墓地へ送る。

(2)自分の魔法&罠ゾーンのカードが破壊される場合、かわりに自分のフィールド・墓地のこのカードを除外できる。

 

「こいつは俺の魔法&罠ゾーンのカードの身代わりになれる。この効果はチェーンブロックをつくらねぇ。バハムートボマーの効果にも有効だ」

「くっ……」

「俺はさらに、セットされた罠カード、エリミネーション・パルスを発動!」

 

エリミネーション・パルス

通常罠

(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動できる。相手フィールドの表側表示モンスター1体を選び、選んだモンスターはこのターン、効果を発動できず、攻撃できず、リンク素材にできない。自分のEXモンスターゾーンに「エリミネーター」がいれば、この効果で2体のモンスターを選ぶことができる。

(2)墓地のこのカードと「エリミネーション」魔法・罠カード1枚を除外して発動できる。除外されている「エリミネーター」モンスター1体を墓地に戻す。

 

「このターン、相手のモンスター1体の攻撃と効果の発動を封じる」

「くっ……僕はこれでターンエンド」

「ならエンドフェイズに、墓地のエリミネーション・インターセプトの効果を再び発動。このカードとジャミングを除外して、除外されているプロテクラフトを墓地へ戻す」

 

ターン5

 

「バハムートボマー(カスタム)の効果発動!相手の魔法&罠ゾーンのカードを破壊!」

「プロテクラフトで破壊を無効!」

 

 ターン開始時の猛攻をどうにか退け、ゴッドバードのターン。

 

「俺はセットされた魔法カード、バックアップ・エリミネーションを発動!」

 

RUM-バックアップ・エリミネーション

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1)墓地の「エリミネーター」Xモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、そのモンスターよりランクの1つ高い「エリミネーター」Xモンスター1体をそのモンスターの上に重ねてX召喚扱いで特殊召喚し、墓地の「エリミネーター」リンクモンスターをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。

 

「墓地のコンパイル・ブラスターを特殊召喚!そのままランクアップ!現れろ、敵性機兵(エリミネーター)エクス・ランサムウェア!」

 

敵性機兵(エリミネーター)エクス·ランサムウェア

エクシーズ·効果モンスター

ランク5/風属性/サイバース族/攻 2500/守 2000

風属性·レベル5·効果モンスター×2体以上

このカード名の(1)(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードがX召喚に成功した場合、このカードがX素材として持つリンクモンスター1枚のLINKの数までお互いの使用していないメインモンスターゾーンを指定して発動できる。指定したゾーンは次の相手のターンのエンドフェイズまで使用できない。

(2)このカードの攻撃力·守備力はこのカードがX素材として持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×300アップする。

(3)自分・相手のエンドフェイズにこのカードのX素材2つ、またはX素材のLINK2以上のリンクモンスター1枚を取り除いて発動できる。お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する。

 

「そして、墓地からローディング・クラッチをオーバーレイユニットにする」

「僕は嵐闘機流(ストームライダータービュランス)の効果発動!」

 

嵐闘機流(ストームライダータービュランス)

フィールド魔法

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドの「ストームライダー」モンスターの攻撃力は300アップする。

(2)自分フィールドに「ストームライダー」モンスター1体のみが存在し、相手がモンスターの特殊召喚に成功した場合に発動できる。そのモンスターの効果は次の相手のスタンバイフェイズまで無効化される。この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない。

(3)フィールドゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「嵐闘機爆流」1枚を発動する。

 

「エクス・ランサムウェアの効果を無効にする!」

 

 風がエクス・ランサムウェアにまとわりつき、その力を削ぐ。

 

「僕はさらに、墓地のガーゴイリードの効果発動!このカードを墓地から除外することで、デッキからストームライダーフィールド魔法を発動する!」

 

 既に発動されていた嵐闘機流(ストームライダータービュランス)が割れて、新たなフィールド魔法が展開される。

 

「出でよ、嵐闘機爆流(ストームライダーブラスト)!」

 

嵐闘機爆流(ストームライダーブラスト)

フィールド魔法

このカードは自分のフィールドゾーン・墓地に「嵐闘機流」が存在する場合のみ発動できる。

(1)自分の「ストームライダー」モンスターの攻撃力はフィールドゾーン・墓地のフィールド魔法の数×400アップする。

(2)自分フィールドの「ストームライダー」リンクモンスター1体のみが存在する限り、そのリンクモンスターはフィールド以外で発動した相手の効果を受けず、そのリンクモンスターのリンクマーカーの数以下の相手のリンクモンスターの効は無効化される。

(3)自分の「ストームライダー」リンクモンスターが存在する限り、攻撃可能な相手のモンスターはそのモンスターを攻撃しなければならない。

 

「これでバハムートボマー(カスタム)はお前がフィールド以外で発動した効果を受けない!さらにバハムートボマーのリンクマーカーの数以下の相手のリンクモンスターの効果は無効化される!さらに、フィールドゾーンと墓地のフィールド魔法の数だけ、僕のストームライダーの攻撃力をアップさせる!」

 

 バハムートボマー(カスタム):攻撃力3000→3800

 

「そして、お前は可能な限り僕のストームライダーを攻撃しなければならない!さぁ、とっととそいつで攻撃して自滅しろ!」

「ああ。攻撃してやるよ。だが、その前に、俺はRUM-超重層(ハイ・エリミネーション)を発動!俺のエクス・ランサムウェアをさらにランクアップさせる!」

 

 エクス・ランサムウェアの体が分解され、再構成される。

 

「ランクアップエクシーズチェンジ!現れろ、ランク6!敵性機兵(エリミネーター)バリアブルウィング!」

 

 現れたのは、緑に輝く三対の翼を広げる機械仕掛けのドラゴンだった

 

敵性機兵(エリミネーター)バリアブルウィング

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/風属性/サイバース族/攻 2700/守 2300

このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)このカードの攻撃力・守備力はこのカードがX素材に持つリンクモンスターのリンクマーカーの数×300アップする。

(2)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、自分の魔法・罠ゾーンのセットされたカードは相手の効果で破壊されない。

(3)このカードのX素材1つを取り除いて発動できる。このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。X素材のリンクモンスターを取り除いて効果を発動していた場合、デッキから「エリミネーション」魔法・罠カード1枚を手札に加えるか、セットする。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「ランクアップしたことで、タービュランスの効果で受けていた効果無効はリセットされる。そして、オーバーレイユニットのローディング・クラッチの効果で墓地のローディング・チャージャーをオーバーレイユニットにする。これでバリアブルウィングの攻撃力はさらにアップする」

 

 バリアブルウィング:攻撃力2700→4200

 

「バトルだ!バリアブルウィングで、バハムートボマー(カスタム)を攻撃!」

 

 バリアブルウィングの翼が光をまとい、七色の光線が照射される。

 バハムートボマー(カスタム)の体は、高温の光に当てられ、溶けて消える。

 

 ウィンディ:LP600→200

 

「バリアブルウィングの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、このターン、こいつは2回攻撃できる!(しま)いだ。ダイレクトアタック!」

 

 ◆

 

 デュエルが終了した後、ゴッドバードは倒れたウィンディに手を差し伸べた。

 

「何の真似?」

「憎しみだけじゃ変わらない」

 

 それは美海がアクアに対してぶつけた思いだった。

 

「お前と俺は似てる。とことん気は合わねぇが、ネジ曲がった性根はそっくりだ」

「ふんっ、人間と似てるなんて言われても不快なだけだ」

「ああ。けど嫌な奴を全員排除していったら、そこに残るのはテメェだけだ。だからさ」

 

 しゃがんでゴッドバードはウィンディの手を掴み、無理やり引っ張って起き上がらせる。

 

「分かり合えなくてもいい。ただ、そいつがそこにいる、それだけは認められるようになろうぜ。お互いな」

 

 ゴッドバードは笑いかけると、ウィンディは訳がわからないという顔をしながらも、不思議と彼の手を払ったり、拒絶したりはしなかった。

 

「じゃあデュエルには勝ったんだし、俺は先に進ませて─────」

 

 そう立ち上がったその時、ウィンディが突然苦しみ出した。

 

「がぁぁぁっ!」

「お、おい!どうした!」

 

 ウィンディは自身の喉を押さえて、白目を向き、その場で踊るように暴れまわる。

 

「何がどうなって……」

 

 ゴッドバードは手元にキーボードとウィンドウを出現させ、ウィンディの状態を確認する。

 

「なんだこれ……内側から崩壊してる?」

 

 そうこうしてる間に、ウィンディの体に目に見えて異常が起こる。

 

 彼の体に謎の黒い模様が無数に浮かび上がり、それらが光り、まるで焼けるようにその体を壊していく。

 

「タ、スケ……テ」

「くそっ!ちょっと待ってろ!」

 

 ゴッドバードがキーボードを操作して、ウィンディに発生した異常を取り除こうとする。

 

「なんだよこれ……自爆プログラムか? こいつを構成するコードに初めから組み込まれてる。だったら、コードの実行自体を強制終了させて……」

 

 だが、それを行おうとした瞬間、画面に表示されたのはエラーメッセージ。

 

「くそっ!」

「ア……ア……」

「ウィンディ!!」

 

 叫ぶ声も虚しく、ウィンディは消滅した。

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