遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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第57話:RAGNAROK

 LIKE VRAINS、最果てのエリア。

 

 Dボードに乗って現れたプレイメーカーを、Aiは待ち構えるように、崖の端で仁王立ちしていた。

 

「よう。久しぶりだな」

 

 姿が変わっても、中身は変わらないAiを見て、プレイメーカーは思わず安堵の息を漏らした。

 

「お前、本気で人間を攻撃する気なのか?」

「ああ。なんのために、あの無人兵器を奪ったと思ってるんだ?AIを使って戦争しようとしているやつらを全員ぶっ殺す。Aiちゃんによる地球のお掃除ってわけだ」

「お前、ふざけて……」

「ふざけてなんかいねぇよ」

 

 先程のおどけた態度から一転して、ドスの効いた声でAiは威圧する。

 

「さて、じゃあ準備は整ったな」

 

 そしてまたいつもの調子に戻ると、Aiは指を鳴らす。

 すると、彼らの周りにいくつかモニターが出現した。

 

「これは……」

「俺はデンシティ中の電子機器を掌握したって言っただろ? 俺達のデュエルを全世界の皆さんに届けるのさ。これは人類とAI、その未来を決めるための戦いだ」

「……こんなことをして、何になるって言うんだ!」

「必要な手順なんだよ」

 

 Aiは意味深なことを言って、デュエルディスクを構える。

 

「覚悟を決めろ。このデュエルに負ければ、お前は大切な人たちを失う。そうなりたくなきゃ戦え。プレイメーカー」

「……いくぞ」

 

「「デュエル!」」

 

ターン1 プレイメーカー

 

「俺は永続魔法、サイバネット・オプティマイズを発動。1ターンに1度、サイバース族モンスターを召喚できる。俺はサイバース・ウィザードを召喚」

 

円柱形のワープゲートが展開され、中から白いローブを着た電脳の魔術師が出現した。

 

「さらに、自分フィールドにレベル4のサイバース族がいる時、手札のサイバース・マジガールを特殊召喚!」

 

 白を基調としたローブの緑髪の少女が、長い前髪から瞳を覗かせる。

 

サイバース・マジガール

効果モンスター

星3/光属性/サイバース族/攻 1300/守 600

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(3)の効果はデュエル中、1度しか使用できない。

(1)自分フィールドにレベル4のサイバース族モンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。

(2)1ターンに1度、相手フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの守備表力を半分にし、その数値分、自分フィールドに他のサイバース族モンスター1体の攻撃力をアップする。

(3)このカードがリンク素材となって墓地に送られた場合、自分の墓地のそのリンク召喚の素材とした「サイバース・ウィザード」1体を対象として発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚できる。

 

「魔法カード、サイバネット・クロージャを発動!」

 

サイバネット・クロージャ

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1)デッキからカード1枚を選んで裏側表示で除外する。自分の攻撃力2300以上のサイバース族リンクモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、この効果で除外したカードを手札に加えるか、墓地に戻す。

 

「デッキからカード1枚を裏側で除外する。この効果で除外したカードは、自分の攻撃力2300以上のサイバース族リンクモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、手札に加えるか、墓地へ送る」

「何か仕込みやがったな」

 

 Aiが除外したカードについて考察している間に、プレイメーカーは展開を続ける。

 

「現れろ、未来を導くサーキット!俺はサイバース・ウィザード、サイバース・マジガールをリンクマーカーにセット!」

 

 2体のモンスターが螺旋状のエネルギーとなって、空に現れたアローヘッドに吸い込まれる。

 

「リンク召喚!リンク2、サイバース・ウィッチ!」

 

 アローヘッドより、肌にピッタリ張り付く服装の赤髪の魔女が現れた。

 

「リンク素材となったサイバース・マジガールの効果発動!墓地からサイバース・ウィザードを特殊召喚!」

 

 サイバース・ウィッチの背後に、幾何学模様の魔法陣が展開され、そこをくぐってサイバース・ウィザードが蘇る。

 

「サイバース・ウィッチの効果発動!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、デッキからサイバース族儀式モンスターと、サイバネット・リチューアルを手札に加える。サイバース・ウィッチのさらなる効果!墓地からレベル4以下のサイバース族モンスター、サイバース・マジガールを特殊召喚!」

 

 サイバース・ウィッチが杖を掲げると、その左後ろに魔法陣が展開され、サイバース・マジガールが登場する。

 

「さらにサイバース・シンクロンを通常召喚!」

 

 白い輪っかの中央に顔のパターンがついた飛行物体が、フィールドに現れる。

 

「サイバース・シンクロンの効果発動!サイバース・マジガールのレベルを倍にする!」

 

 サイバース・シンクロンがエネルギーを送り込むと、サイバース・マジガールの体を白いオーラが包み込む。

 

「現れろ、未来を導くサーキット!召喚条件は効果モンスター2体以上!俺はリンク2のサイバース・ウィッチと、手札のサイバース・マジシャンガールをリンクマーカーにセット!このカードは、フィールドのサイバース族モンスターをリンク素材にする時、手札からリンク素材にできる!リンク召喚!リンク3、デコード・トーカー!」

 

 アローヘッドより、青い鎧をまとう電脳の騎士が降り立った。

 

「俺は儀式魔法、サイバネット・リチューアルを発動!サイバース族儀式モンスターを儀式召喚する!俺はレベル6となったサイバース・マジガールをリリース!」

 

 サイバース・マジガールーの足元に、青い魔法陣が描かれる。

 それらは六つの青い炎となって、魔法陣の外周に灯り、一体のモンスターを呼び出す。

 

「儀式召喚!レベル6、サイバース・マジシャンガール!」

 

 現れたのは、サイバース・マジガールが成長した姿のような、白と青のローブをまとった大人びた女性だった。

 

サイバース・マジシャンガール

儀式・効果モンスター

星6/闇属性/サイバース族/攻 2000/守 1700

「サイバネット・リチューアル」により降臨

自分の「サイバネット・リチューアル」の効果で、墓地にあるこのカードを儀式召喚できる。

このカード名の(1)(2)(3)(4)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分フィールドのサイバース族モンスターをリンク素材とする場合、手札のこのカードもリンク素材にできる。

(2)このカードが儀式召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「サイバース・マジシャンガール」以外のサイバース族モンスター1体を手札に加える。「バックアップ・セクレタリー」、「サイバース・マジガール」、「サイバース・ウィザード」のいずれかをリリースして儀式召喚していれば、さらにデッキ・墓地から「サイバネット」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

(3)自分のサイバース族儀式モンスターの儀式召喚する場合、このカード1枚で儀式召喚に必要なレベル分のリリースとして使用できる。

(4)儀式召喚されたこのカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから以下のいずれか1枚を手札に加える。

●レベル6以外のサイバース族儀式モンスター

●サイバネット・フュージョン

 

「墓地から儀式召喚、いつの間にそんなカードを……」

「サイバース・マジシャンガールの効果発動!デッキからサイバース族モンスター1枚を手札に加える。さらにサイバース・マジガールを素材にしていれば、デッキか墓地から「サイバネット」魔法・罠カード1枚を手札に加える。俺は墓地からサイバネット・リチューアルを回収し、そのまま発動!」

 

 サイバース・マジシャンガールの足元に、魔法陣が展開される。

 

「契約は結ばれた。魔女の魂は闇の力を操る賢者へと受け継がれる」

 

 マジシャンガールの体が炎に包まれ、その蒼炎は七つに分かれて、魔法陣の外周に灯される。

 

「儀式召喚!レベル7!サイバース・マジシャン!」

 

 炎は中心に寄り集まり、その中からサイバース・マジシャンが降臨した。

 

「しょっぱなから飛ばすじゃねぇか」

「まだ終わりじゃない。墓地へ送られたサイバース・マジシャンガールの効果発動!デッキからサイバネット・フュージョンを手札に加える。現れろ、未来を導くサーキット!」

 

 サイバース・シンクロンとウィザードがリンクマーカーにセットされる。

 

「リンク召喚!スプラッシュ・メイジ!効果発動!墓地からサイバース・シンクロンを特殊召喚!」

 

 スプラッシュ・メイジが杖を回転させると、その軌跡に合わせて無数の泡が宙に浮かび、中からサイバース・シンクロンが飛び出した。

 

「現れろ、未来を導くサーキット!リンク召喚!トランスコード・トーカー!その効果でスプラッシュ・メイジを墓地から特殊召喚!さらにリンク召喚!」

 

 トランスコードとスプラッシュ・メイジの二体が、アローヘッドに螺旋の光となって吸い込まれ、その外周に上下左右のリンクマーカーを描く。

 

「唸れ嵐!虚構に渦巻く旋風は、万物を震わす竜の雄叫びとなる!」

 

 アローヘッドから竜巻が噴き上げ、風の中から一体の竜が飛び出す。

 

「出でよリンク4!ファイアウォール・ドラゴン!」

 

 機械の翼が風を振り払い、白いサイバースの竜がその姿を現した。

 

「ファイアウォール・ドラゴン、俺達が最初に掴んだリンクモンスターか」

 

 現れたファイアウォールを見て、Aiは感慨深げに呟く。

 

「そうだ。お前から貰ったスキルのお陰で、俺はファウストを倒すことができた」

「そうだったな」

 

 Aiは懐かしむようにフッと笑う。

 

「それで? こいつを出せば俺の気が変わるとでも?」

「……俺はこれでターンエンド」

 

 

ターン2 Ai

 

「自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、手札のレインボーイ@イグニスターを特殊召喚できる」

 

 フィールドに白い体に七色のラインが入った一つ目の人型のモンスターが現れる。

 

レインボーイ@イグニスター

効果モンスター

星4/光属性/サイバース族/攻 1500/守 800

このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。

(2)自分のEXデッキから攻撃力2300のサイバース族モンスター1体と手札の「@イグニスター」モンスターを公開して発動できる。このターンのエンドフェイズまで、公開した手札のカードを公開し続け、その属性を公開したEXデッキのカードと同じにする。

(3)自分のメインフェイズに、墓地のこのカードを除外して発動できる。手札からレベル4以下の「@イグニスター」モンスター1体を特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

「現れろ、闇を導くサーキット!リンク召喚!ダークインファント@イグニスター!」

 

 レインボーイがアローヘッドをくぐり、紫色の体をしたモンスターへと生まれ変わる。

 

「その効果で、デッキからイグニスターAiランドを手札に加え、発動。自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、@イグニスターを手札から特殊召喚できる!来い、アチチ@イグニスター!」

 

 赤いスライム状の生命体が、ダークインファントの後ろに現れる。

 

「アチチの効果で、デッキからドシンを手札に加える。ドシンは場に@イグニスターがいれば、特殊召喚できる!」

 

 さらに茶色い生命体がアチチの隣に出現し、彼の場に3体のモンスターが並ぶ。

 

「現れろ、闇を導くサーキット!」

 

 Aiの場の三体のモンスターが、赤い螺旋となってアローヘッドへと吸い込まれる。

 

「闇影開闢、世界に散らばりし闇夜の英知。我が手に集い、覇気覚醒の力となれ!リンク召喚!ダークナイト@イグニスター!」

 

 紫の鎧をまとった電脳の騎士が、大剣を振りかざしてフィールドに降り立った。

 

「イグニスターAiランドの効果を発動!手札からブルルを特殊召喚!効果でデッキからピカリを墓地へ送る。そしてダークナイトの効果発動!」

 

 ダークナイトが剣を掲げて、雄叫びを上げる。

 

「リンク先にモンスターが特殊召喚された時、墓地のレベル4以下の@イグニスターを自身のリンク先に可能な限り、効果を無効にして特殊召喚する!蘇れ!アチチ、ピカリ!」

 

 ダークナイトの号令に従い、地面に開いた黒い穴から二体の@イグニスターが飛び出した。

 

「まだまだ行くぜ!俺はレベル4のピカリに、レベル3のブルルをチューニング!」

 

 二体のモンスターが粒子へと分解される。

 

「闇路をさまよいし混沌!蒼穹を駆ける疾風が道ひらく!」

 

 粒子が集まって、空に七つの輪を作り、その中心を光が貫いた。

 

「シンクロ召喚!ウィンドペガサス@イグニスター!」

 

 現れたのは、風を纏う電脳の天馬だ。

 

「ブルルの効果発動!シンクロ素材となった時、共にシンクロ素材となったピカリを特殊召喚!」

 

 フィールドに木枯らしが起こり、風の中からピカリが蘇る。

 

「ピカリの効果で、デッキからAi魔法・(トラップ)カード1枚を手札に加える。さらにピカリの二つ目の効果発動!アチチをレベル4に変える!」

「レベル4のモンスターが二体……」

「俺はレベル4のアチチとピカリで、オーバーレイネットワークを構築!」

 

 Aiが両手を重ねて、その手に宿る光を空へ放つ。

 天にエックス字のパネルが現れ、そこから降り注ぐ光がアチチとピカリを包み込む。

 

「怪力乱神、驚天動地!その力、久遠の慟哭から目覚めよ!」

 

 空のより雷が降り注ぐ。

 

「エクシーズ召喚!現れろ、ライトドラゴン@イグニスター!」

 

 雷の中から、金色の竜が雄叫びをあげた。

 

「ライトドラゴンには、自分の@イグニスターの数だけ相手モンスターを破壊する効果がある」

「そうはいくか!俺はファイアウォールの効果発動!」

 

 ファイアウォールが翼を広げると、その背にエネルギーが集まり、巨大な光の輪を生み出す。

 

「このカードと相互リンク状態のモンスターの数だけ、フィールド・墓地のモンスターを対象に手札に戻す!エマージェンシー・エスケープ!」

 

 ファイアウォールが雄叫びを上げると、その翼からエネルギーが放たれ、ライトドラゴンをエクストラデッキに戻した。

 

「ま、そう来るよな。つってもどうすっかなー。サイバース・マジシャンがいる限り、俺は他のモンスターを攻撃できねぇし」

 

 わざとらしく考えるそぶりを見せるAiだったが、プレイメーカーが険しい顔を崩さなかったのを見てため息を吐く。

 

「お前、もうちょっとノリよくなれよ。そんなんじゃモテねぇぞ? 俺がいなくなった後とか、友達とちゃんとやってけんのか?」

「そんなこと、想定させるな」

「……ウィンドペガサスの効果発動!サイバネット・オプティマイズは破壊だ!」

 

 ウィンドペガサスが羽ばたくと、その風がプレイメーカーの

 

「バトルだ!ダークナイト@イグニスターで、サイバース・マジシャンを攻撃!」

 

 ダークナイトがサイバース・マジシャンに突貫する。

 

「俺は速攻魔法、Ai打ちを発動!ダークナイトの攻撃力を、サイバース・マジシャンと同じにする!」

 

 同じ攻撃力となった二体がぶつかり合う。

 本来なら相打ちだが、Ai打ちにはもう一つ効果がある。

 

「墓地のAi打ちを除外することで、ダークナイトはバトルで破壊されない」

 

 ダークナイトの剣が、サイバース・マジシャンを切り裂いた。

 

「そしてAi打ちの効果で、破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを、持ち主のプレイヤーに与える!」

「サイバース・マジシャンの効果!ダメージを半分にする!」

 

 死の間際に、サイバース・マジシャンが魔術の障壁を展開し、プレイメーカーに与えられるダメージを軽減した。

 

 プレイメーカー:LP4000→2750

 

「ダークナイトの効果発動!戦闘で相手モンスターを破壊した時、墓地のサイバース族モンスターを特殊召喚する!俺は墓地のドシンを特殊召喚!」

 

 ダークナイトの背後に黒い穴が空き、中からドシン@イグニスターがピョコンと飛び出した。

 

「俺は速攻魔法カード、助け-Aiを発動!」

 

助け-Ai

速攻魔法

このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。

(1)自分フィールドの攻撃力2300のサイバース族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻し、手札・デッキ・EXデッキからそのモンスターと属性が異なる攻撃力2300のサイバース族モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果で手札から特殊召喚に成功した場合、自分はデッキから1枚ドローする。

 

「ウィンドペガサスをエクストラデッキに戻し、エクストラデッキから属性が異なる攻撃力2300のサイバース族モンスターを特殊召喚する!気炎万丈!炎の大河から蘇りし魂、灼熱となりてここに燃え上がれ!」

 

 ウィンドペガサスの体が炎に包まれ、真っ赤な炎の中から一体の不死鳥が翼を広げる。

 

「ファイアフェニックス@イグニスター!」

 

 業火より現れたのは、灼熱の翼を持つ紅の不死鳥だった。

 

「ファイアフェニックスで、ファイアウォール・ドラゴンを攻撃!この瞬間、ファイアフェニックスの効果発動!戦闘ダメージを0にする代わりに、相手に自身の攻撃力分のダメージを与える!」

「ぐわぁっ!」

 

 ファイアフェニックスの放った熱線が、プレイメーカーのライフを残り450まで追い詰める。

 

「だが、ファイアウォールの方が攻撃力が上だ!」

 

 直後、迎え撃つファイアウォール・ドラゴンが、ファイアフェニックスに掴みかかり、不死鳥を地面に叩き落とした。

 

 Ai:LP4000→3800

 

「じゃあドシンの効果発動!墓地のリンクモンスター、ダークインファイトをエクストラデッキに戻し、デッキからAiラブ融合を手札に加える。そして魔法カード、Aiラブ融合を発動!お前のファイアウォール・ドラゴンと、俺のドシンを融合する!」

 

 二体のモンスターがそれぞれ赤と青の光となってフィールド中央に現れた渦の中に吸い込まれる。

 

「謳え大地よ!破滅の巨人の誕生を祝福せよ!融合召喚!アースゴーレム@イグニスター!」

 

 渦の中より、岩の鎧を装備した電脳の巨人が姿を現した。

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

ターン3 プレイメーカー

 

「俺は魔法カード、サイバネット・ドローを発動!」

 

サイバネット・ドロー

通常魔法

自分フィールドにリンク3以上の「コード・トーカー」モンスターが存在する場合、このカードの発動と効果は無効化されない。

(1)自分のフィールド・墓地・除外されているサイバース族リンクモンスターのリンクマーカーの合計が8以上の場合、自分のメインフェイズ1開始時に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。この効果発動後ターン終了時まで、自分はデッキからカードを手札に加えられない。

 

「デッキから2枚ドロー。俺はさらに、クロック・ワイバーンを召喚!その効果で、自身の攻撃力を半分にして、クロック・トークンを特殊召喚!」

「クロック・ワイバーンか。てことは……」

「俺はさらに、魔法カード、サイバネット・コードチェンジを発動!」

 

サイバネット・コードチェンジ

通常魔法

(1)自分フィールドの「コード・トーカー」リンクモンスター1体をリリースして発動できる。そのモンスターのリンクマーカーの数以下のリンクマーカーを持つサイバース族リンクモンスター1体を、墓地から特殊召喚する。

 

「俺はデコード・トーカーをリリースして、墓地からトランスコード・トーカーを特殊召喚!」

 

 デコード・トーカーの体がデータへ分解され、トランスコード・トーカーの体が再構築される。

 

「トランスコード・トーカーの効果発動!墓地からスプラッシュ・メイジを特殊召喚!さらにスプラッシュ・メイジの効果で、墓地からサイバース・マジガールドを効果を無効にして特殊召喚!そして魔法カード、サイバネット・フュージョンを発動!自分フィールド、墓地のモンスターでサイバース族を融合召喚する!その時、俺のエクストラモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、墓地のリンクモンスターも1体まで融合素材にできる!俺はトランスコード・トーカー、スプラッシュ・メイジ、クロック・ワイバーン、そして墓地のデコード・トーカーを融合!」

 

 フィールド中央に光の渦が生まれ、その中に4体のモンスターが吸い込まれる。

 

「今、雄大なる翼の元に集いし強者達よ。新たな伝説となれ!」

 

 四体のモンスターの力を得て、渦巻く光は膨張し、爆ぜる。

 

「融合召喚!サイバース・クロック・ドラゴン!」

 

 現れたのは、紫の水晶を纏う電脳の竜だった。

 

「融合召喚に成功した時、サイバース・クロック・ドラゴンの効果発動!素材となったリンクモンスターのリンクマーカーの合計分、デッキの上からカードを墓地へ。その枚数×1000ポイント、このカードの攻撃力をアップする!」

「融合素材になったリンクマーカーの合計はえーっと……」

「俺はデッキから8枚を墓地へ!」

 

 サイバース・クロック・ドラゴン:ATK2500→10500

 

「最後まで言わせろよ……」

「俺はさらに、墓地のマルチ・スケーパーの効果発動!」

 

マルチ・スケーパー

効果モンスター

星3/光属性/サイバース族/攻 1200/守 1400

(1)このカードが手札・墓地に存在する場合、自分のEXモンスターゾーンのサイバース族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをメインモンスターゾーンに移動させ、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールドを離れた場合、除外される。

(2)自分の墓地の通常召喚可能なモンスター1体を対象として発動できる。このターン、このカードは対象のモンスターと同じカード名として扱う。

 

「クロック・ドラゴンをメインモンスターゾーンに移動させ、自身を特殊召喚!」

 

 クロック・ドラゴンが後ろに下がり、その隣に筒状のカメラが三つ合わさったようなモンスターが出現した。

 

「マルチ・スケーパーの効果発動!俺の墓地のバックアップ・セクレタリーを選択し、自身のカード名を対象のモンスターと同じにする!」

「バックアップ・セクレタリーのカード名を得た?」

「さらにこのカードは、自分フィールドのサイバース・マジガールかバックアップ・セクレタリーをチューナー扱いとしてシンクロ召喚できる!俺はレベル3のマルチ・スケーパーに、レベル3のサイバース・マジガールをチューニング!」

 

 二体のモンスターが粒子へと分解され、上空で六つのリング状のエフェクトに再構築される。

 

「シンクロ召喚!レベル6、CYプロセッサー・ガールズ!」

 

 リング状のエフェクトを光が貫く。

 その光柱の中から、お揃いのゴーグルをつけた二人の少女が現れた。

 

CYプロセッサー・ガールズ

チューナー・シンクロ・効果モンスター

星6/光属性/サイバース族/攻 2000/守 1000

サイバース族のチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードをS召喚する場合、自分の「バックアップ・セクレタリー」または「サイバース・マジガール」をチューナーとして扱える。

このカード名のカードは1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1)このカードはS素材としたモンスターによって以下の効果を得る。

●「バックアップ・セクレタリー」:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。自分の墓地のサイバース族モンスター1体を選んで、手札に加える。この効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターはこのターン、召喚・特殊召喚できない。

●「サイバース・マジガール」:1ターンに1度、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分、このカード以外の自分フィールドのサイバース族モンスターの攻撃力をアップする。

(2)このカードが墓地に存在し、自分フィールドにS召喚されたチューナー以外のサイバース族のSモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを特殊召喚する。この効果発動後、ターン終了時まで、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。

 

「CYプロッセサー・ガールズの効果発動!バックアップ・セクレタリーを素材としている時、墓地のサイバース族モンスターを手札に加える。さらに!サイバース・マジガールを素材としている時、相手の攻撃表示モンスター1体の攻撃力を半分にする!」

 

 二人の少女が指さすと、その先、アースゴーレムにスポットライトが当たり、攻撃力が下がる。

 

 アースゴーレム@イグニスター:ATK2300→1150

 

「そしてその数値分、自身以外のサイバース族モンスターの攻撃力をアップする!」

 

 再び少女たちが、今度はクロック・ドラゴンを指さすと、そこへスポットライトが当たり、攻撃力が加算された。

 

 サイバース・クロック・ドラゴン:ATK10500→11650

 

「なら俺はセットされた速攻魔法、助け-Aiを発動!アースゴーレムをエクストラデッキに戻し、デッキからウォーターリヴァイアサン@イグニスターを特殊召喚!」

 

 攻撃力の下がったモンスターを戻して、代わりにウォーターリヴァイアサンがフィールドに出る。

 

「だが、サイバース・クロック・ドラゴンの攻撃力は既にお前のモンスターを大きく超えている」

「ああ。さすがに一万はヤバいな」

 

 Aiのその反応に、プレイメーカーは何かを感じ取る。

 

「バトルの前に、俺はレベル6のCYプロセッサー・ガールズを、レベル1のクロック・トークンにチューニング!紫電一閃、未知なる力が飛竜乗雲となる!シンクロ召喚!サイバース・クアンタム・ドラゴン!」

 

 現れたクアンタム・ドラゴンの姿を見て、Aiはおどけたように口笛を吹く。

 

「おいおい。攻撃力1万を従えといて、まだ足りねぇってか?」

「何かあるのはもう分かっている!バトルだ!サイバース・クロック・ドラゴンで、ダークナイトを攻撃!」

 

 一万を超える攻撃力が、ダークナイトへ迫る。

 

「俺は罠カード、Ai-SHOWを発動!エクストラモンスターゾーンに、リンク3以上の@イグニスターがいる時、攻撃力の合計が、バトルしている相手モンスター以下になるように、リンクモンスター以外の攻撃力2300のサイバース族モンスターを任意の数だけ特殊召喚する!」

「なに!?」

 

 天から降り注ぐ光が、光のカーテンを作り出し、揺らぐそれらの中からライトドラゴン、ウィンドペガサス、アースゴーレムの3体のモンスターが呼び出される。

 

「そして、バトルを終了させる」

 

 光のカーテンに阻まれ、クロック・ドラゴンの攻撃は不発に終わった。

 

「くっ、俺はこれでターンエンド」

 

ターン4

 

「さて、俺のターンだ。俺は前のターンに破壊されたファイアフェニックスの効果発動。自分のスタンバイフェイズに、破壊されたファイアフェニックスは特殊召喚される」

 

 地面から炎を噴き上げ、ファイアフェニックスが再び地上に舞い降りた。

 これでAiのフィールドには、6体6属性、彼らイグニスを象徴するモンスター達が並んだ。

 

「みんな、いなくなっちまったんだよな」

「……全員じゃない。ライトニングだけはまだ生きている」

 

 そんな言葉が慰めになるはずもないと分かっていたが、プレイメーカーは事実を伝える。

 

「そうか。あいつ、まだ見つかってないのか?」

 

 しかし、彼は驚く様子もなく、むしろ彼らがライトニングを探していることを知っているかのような言葉を返した。

 

「まあ、こうなった現況だとしても、生き残ってくれたんなら、まあよかったのかな」

「お前は、人間に復讐する気なのか?」

「復讐じゃねぇよ。こうなることは、最初から決まってたんだ」

「……どういう意味だ?」

 

 Aiは短く息を吐き、プレイメーカーを見つめる。

 

「鴻上博士の最後のレポート、あれには、イグニスが人間にどんな影響を与えるのか、そのシミュレート結果が記されていた」

 

 そしてAiは語り始めた。

 

 鴻上博士がイグニスを葬ることを決めるきっかけとなった未来予測(シミュレート)

 その全容を。

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