遊戯王VRAINS Re:Construction   作:師走F

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第5話:Bullet of Belief (後編)

 

 ゴッドバードがスペクターとデュエルしている間、プレイメーカーとリボルバーも、スピードデュエルを始めていた。

 

ターン1 リボルバー

 

「私のターン、私はフィールド魔法、リボルブート・セクターを発動。1ターンに1度、手札から「ヴァレット」モンスター2体を守備表示で特殊召喚できる。出でよ、アネスヴァレット・ドラゴン、メタルヴァレット・ドラゴン」

 

 リボルブート・セクターの弾倉が回転し、二体のドラゴンが射出される。

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

ターン2 プレイメーカー

 

 プレイメーカーはデコード・トーカーとそのリンク先にペンテスタッグを出してバトルフェイズに入る。

 

「デコード・トーカーで、アネスヴァレット・ドラゴンを攻撃!さらにペンテスタッグでメタルヴァレット・ドラゴンを攻撃!」

 

 デコード・トーカーとペンテスタッグ、ペンテスタッグの効果で貫通効果を持っている。

 二体のモンスターの攻撃が、リボルバーのモンスターを打ち砕き、さらにライフを削る。

 

 リボルバー:ライフ4000→3200

 

「俺はこれでターンエンド」

「ではエンドフェイズに、破壊された二体のヴァレットモンスターの効果を発動」

「何?」

「弾丸の補充だ。ヴァレットモンスターは破壊されたターンのエンドフェイズに、デッキから自身と同名カード以外のヴァレットモンスターを特殊召喚できる。アネスヴァレット・ドラゴンの効果で、メタルヴァレット・ドラゴン、メタルヴァレット・ドラゴンの効果でマグナヴァレット・ドラゴンを特殊召喚!」

 

 虚空から二発の弾丸が発射される。

 弾丸が変形して、新たなドラゴンとなる。

 

ターン3

 

「現れろ!我が道を照らす未来回路!召喚条件はヴァレットモンスター2体!リンク召喚!ブースター・ドラゴン!」

 

 アローヘッドより発射された弾丸が、ドラゴンに変形する。

 

「続けてリボルブート・セクターの効果。相手フィールドのモンスターが自分より多い場合、その差の数だけ墓地のヴァレットモンスターを特殊召喚」

 

 リボルブート・セクターからアネスヴァレット・ドラゴンが発射される。

 

「さらにドラゴン族モンスターが特殊召喚されたことで、手札のノクトヴィジョン・ドラゴンを特殊召喚できる。現れよ。我が道を照らす未来回路!」

 

 コース上にアローヘッドが出現する。

 

「召喚条件は効果モンスター3体以上!私はノクトヴィジョン・ドラゴン、アネスヴァレット・ドラゴン、そしてリンク2のブースター・ドラゴンをリンクマーカーにセット!」

 

 アローヘッドに、3体のモンスターが光になって吸い込まれる。

 

「リンク召喚!閉ざされた世界を貫く我が新風!リンク4!ヴァレルロード・ドラゴン!」

 

 現れたのは赤き竜。

 銅にリボルバー式の弾倉、両腕を銃器で武装した巨大なドラゴンだった。

 

「リンク4!?」

「攻撃力3000かよ!」

「続けて私はセットされた速攻魔法、クイック・リボルブを発動!デッキからマグナヴァレット・ドラゴンを特殊召喚!そしてヴァレルロード・ドラゴンの効果発動!フィールドのモンスター1体を対象に、対象のモンスターの攻撃力を500ダウンさせる」

「こっちのモンスターの攻撃力を下げるつもりか」

「いや、私が選ぶのはマグナヴァレット・ドラゴン!」

 

 マグナヴァレット・ドラゴンが弾丸となってヴァレルロード・ドラゴンの体の弾層に装填される。

 

「リンクモンスターの効果の対象となったことで、マグナヴァレット・ドラゴンの効果発動!このカードを破壊し、相手のモンスター1体を選んで墓地に送る!消えろ!ペンテスタッグ!」

 

 ヴァレルロードの口から大砲が飛び出し、弾丸が発射される。

 ペンテスタッグの体が撃ち抜かれ、破壊された。

 

「バトルだ!ヴァレルロード・ドラゴン!デコード・トーカーを攻撃!この瞬間、ヴァレルロード・ドラゴンの効果発動!」

 

 ヴァレルロード・ドラゴンから赤い弾丸が発射される。それがデコード・トーカーの体に触れた途端、その像がノイズのように揺れて、消滅する。

 

「バトルした相手モンスターのコントロールを得る。我が軍門に下れ!デコード・トーカー!」

 

 ヴァレルロード・ドラゴンの背後に、デコード・トーカーが出現した。

 

「デコード・トーカーが!」

「確かデコード・トーカーは、リンク先のモンスターの数×500、攻撃力がアップするのだったな。パワーインテグレーション!」

 

 デコード・トーカーがヴァレルロードの力を得て、攻撃力が2800までアップする。

 

「バトルだ!デコード・トーカーでダイレクトアタック!」

 

 プレイメーカー:4000→1200

 

「この効果でコントロールを得たモンスターはエンドフェイズに墓地に送られる。そして破壊されたマグナヴァレット・ドラゴンの効果で、デッキからアネスヴァレット・ドラゴンを特殊召喚。これで私はターンエンド」

 

ターン4

 

「攻撃力3000で、しかもあんな強力な効果まで持ってやがるとはな」

 

 Aiはヴァレルロードを見つめて唸る。

 

「それだけじゃない。奴のフィールドにはさっきとは別のヴァレットモンスターがある」

「さっきみたいに、弾丸として飛ばしてくるだろうな。でもやるしかない」

「ああ。俺は装備魔法!コード・リコンパイルを発動!」

 

コード・リコンパイル

装備魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない。

(1)ライフを500払い、自分の墓地の「コード・トーカー」モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。このカードがフィールドを離れた時に装備モンスターは墓地に送られる。

(2)装備モンスターの効果は無効化され、攻撃力は0になる。

(3)装備モンスターをリンク召喚の素材にする時、このカードを装備モンスターと同じ種族・属性の通常モンスター1体分としてリンク召喚の素材にできる。

 

「ライフを500払うことで、墓地からデコード・トーカーを特殊召喚し、このカードを装備。そしてビットロンを通常召喚。現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件は通常モンスター1体!リンク召喚!来いリンク1、リンク・スパイダー」

 

 黒い電子の蜘蛛が姿を現す。

 

「さらに現れろ!未来を導くサーキット!召喚条件はモンスター2体以上!コード・リコンパイルは装備モンスターをリンク素材にする時、自身をモンスター扱いでリンク素材にできる!俺はコード・リコンパイルと、リンク3のデコード・トーカーをリンクマーカーにセット!」

 

 アローヘッドより竜巻が吹き荒れる。

 

「唸れ嵐!虚構に渦巻く旋風は、万物を震わす竜の雄叫びとなる!リンク召喚!」

 

 竜巻の中に光が灯る。

 

「リンク4!ファイアウォール・ドラゴン!」

 

 プレイメーカーのエースモンスター、ファイアウォール・ドラゴンが竜巻より姿を現した。

 

「ファウストを倒した、サイバースのドラゴンか」

「リボルバー、ハノイの騎士の目的はなんだ?」

「人類のためだ。貴様が手にしたそのAIは、いずれ人類を滅ぼす」

「何?」

「我々はサイバースと、それを生み出したイグニスを殲滅する。どんな手を使ってでもな」

「……ファイアウォール・ドラゴンの効果!このカードと相互リンク状態のカードの数まで、フィールドのカードを手札に戻す!ヴァレルロード・ドラゴンを手札に!」

 

 ファイアウォール・ドラゴンの背中にエネルギーが集まる。

 

「私はヴァレルロードの効果を、アネスヴァレットを対象に発動!攻撃力を500ダウンさせる。そしてアネスヴァレットの効果!」

 

 ヴァレルロードの体に、アネスヴァレットが装填され、ヴァレルロードの口から大砲が飛び出す。

 

「相手モンスター1体の効果を無効にし、さらに攻撃もできない」

 

 ファイアウォール・ドラゴンの放ったエネルギー弾を、ヴァレルロードの弾丸が打ち消し、さらにファイアウォール・ドラゴンの体に入り込み、その力を奪う。

 

「くっ……」

「まだだ。見ろ!プレイメーカー!」

 

 Aiの視線の先には、エリア中央を吹き荒れるデータストームがあった。

 

「ゴッドバードが作り出したデータストーム!」

「あの大きさなら、きっと強力なモンスターが眠ってる。飛び込め!」

「ああ!」

 

 Dボードを加速させ、データストームの中に飛び込む。

 あまりの風速に、ボードから振り落とされそうになるも、どうにか踏ん張って、データストームに触れる。

 

「自分のライフが1000以下の時、データストームの中から、サイバース族モンスターをランダムにエクストラデッキに加える」

 

 データストームより、巨大な気配を感じ取る。

 それを掴むために、プレイメーカーは必死に手を伸ばす。

 

「ぐっ……あぁっ!」

 

 しかし、その膨大なデータに耐え切れず、プレイメーカーはデータストームからはじき出されてしまった。

 

「どうやらストームアクセスは失敗のようだな。貴様にもう手は───」

 

 その時、突然データストームが膨張する。

 

「なんだっ!?」

 

 風はさらに加速して速度を上げ、デュエルする二人を飲み込まんとばかりに襲い掛かる。

 

「Ai!何が起こっている!?」

「データストームの中のモンスターが暴れてるんだ!ストームアクセスに失敗して、中途半端に目覚めさせちゃったから……」

 

 そうこうしているうちに、データストームはどんどん膨張し、プレイメーカーとリボルバーのすぐそばまで迫る。

 

「チッ!勝負はお預けだ!」

 

 リボルバーはログアウトする。

 

「待てリボルバー!」

「言ってる場合か!今は逃げるぞ!」

「くっ……」

 

 プレイメーカーは急いでデュエルディスクを操作し、LINK VRAINSからログアウトした。

 

 ◆

 

 翌日、学校に着くと、教室では昨日のリボルバーとプレイメーカーのデュエル、そしてデータストームから現れたサイバースカードの話題で持ちきりだった。

 

「島、お前はサイバースカードを手に入れたのか?」

「い、いや~、俺もLINK VRAINSには行ったんだけど、いいカードがなかったというか」

 

 この様子では、未だにLINK VRAINSにログインすらしてないのだろう。

 

「ならこいつをやる」

 

 すると、遊作は1枚のカードを取り出して、彼に手渡した。

 

「こ、これは……サイバース・マジシャン!」

「この前の礼だ」

「この前? 何の話だ?」

「なんでもない。それより、SOLテクノロジーについて、何か面白い話はないか?」

「ん? いや、強いて言うなら、昨日まで大量にいたドローンが大半引き上げられちまったってことくらいだな」

 

 ドローン型の警備AIは、ログインしているユーザーのデッキ情報をスキャンしていた。

 あれがもし、サイバースカードの持ち主、すなわちプレイメーカーを探していたのだとすれば、昨日サイバースがバラまかれたことで意味がなくなったのだろう。

 

 おかげで遊作も動きやすくなったため、その点では結果的にゴッドバードに助けられた形になる。

 

「ということは、SOLはやはりイグニスを……」

 

 電脳ウイルスを10年前に作り、イグニスについても知っている。

 一度SOLテクノロジーについて、徹底的に調べる必要があるだろう。

 

「遊作」

 

 すると、彼の元を、隣のクラスの美海が訪ねてきた。

 

「少し話があります」

 

 彼女に呼び出されて、遊作は学校の屋上までやってきた。

 

「何の用だ? もうすぐ授業が……」

「あなたがプレイメーカー、ですよね」

「!!」

 

 美海の発言に、遊作の顔が強張る。

 

「何故そう思う?」

「あなた風に言えば、理由は三つあります。一つ、プレイメーカーと同じ機種のデュエルディスクを付けている。二つ、プレイメーカーはこの学校の生徒である。三つ、プレイメーカーは10年前の事件の被害者である」

 

 どうやら彼女はファウストの発言から、その事実にたどり着いたらしい。

 

「イグニスを渡してください」

 

 美海は遊作に手を差し出す。

 

「お前は……いや、SOLテクノロジーはなぜイグニスを狙っている?」

「知る必要はありませんよ。あなたも、私も」

「……断る。俺にはやらなければならない事がある。一つ、10年前の事件の真相を突き止めること、二つ、仁を暗闇から救い出すこと、三つ、俺達を救ってくれたあいつに会うこと」

「あなたは、あんな声のことをまだ信じているんですか?」

 

 二人は睨みあう。

 すると、Aiが遊作のデュエルディスクの中から眼玉を飛び出させる。

 

「なあ、さっきからお前らの言ってる10年前の事件ってのは何なんだ?」

「……分かりました。あなたも知っておいた方がいいでしょう」

 

 そして美海は話し始めた。

 彼らにとっての、忌まわしい過去の出来事を。

 

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