遊戯王VRAINS Re:Construction 作:師走F
鴻上博士は生きている。
その結論が出たところで、美海がこんなことを口にした。
「樹とリボルバーにも、この事を伝えませんか?」
「リボルバーって、どうやって連絡を取るの?」
葵からの当然の疑問に、美海は啓の方を見た。
彼は以前、スペクターこと樹の連絡先を入手していた。彼を通じればリボルバーを呼び出すことができると考えたが、
「いや、あいつあの後メアド変えてたし。それに仮にもハノイの幹部が、俺に二回も垢バレされるほど甘くないだろ」
「まあ樹は誘えばまだ来る可能性もあるけど、リボルバーは……」
ライトニングとの決戦は、最終的に共闘したものの、彼は父である鴻上博士の意思を誰よりも強く受け継いでいる。
そんな彼が、この話に乗ってくれるかは分からない。
「そういえば、遊作達も、樹には会ったんだよな? どうやったんだ?」
「響子先生が樹の生きそうな場所を教えてくれた」
「あの人、前は樹が実験の後に引き取られた孤児院に勤めていたんだって」
「へぇ、すげー偶然だな」
そこで、遊作はその時のことを思い返す。
「あの時、響子先生のことを教えてくれてくれたのは夢乃だったな」
ハノイの騎士の幹部、ジャックナイフこと夢乃切花。元はといえば、彼女に樹の居場所を尋ねた時、彼女の方から響子先生の話題を出してきたのだ。
「確か、ハノイの塔事件の時も、響子先生のPCからLINK VRAINSにログインしたんだよな」
「……ちょっと本人問い詰めてみるか?」
「いや、こんな状況証拠だけではさすがに……」
「その推論は正しいわ」
その時、教室にエマが入ってきた。
「先生、いつからそこに……」
「ちょっと前からね。それよりも」
エマが廊下の方を向いて手招きすると、件の滝響子が教室の中に入ってきた。
「響子先生、まさか……」
「えぇ。私がハノイの騎士のセカンド、バイラよ」
響子は己の正体を明かすと、深々と頭を下げた。
「今まで、騙すような真似をしてごめんなさい」
「……響子先生、あんたなら、リボルバー達の居場所を知ってるんだな」
遊作の問いに、響子は頷く。
「私に任せて。了見君と樹君を必ず連れてくるわ」
◆
LINK VRAINS、旧ハノイのアジト。
プレイメーカー達五人と、リボルバー、スペクター、バイラのハノイの騎士のメンバー三人、さらにブラッドシェパードとゴーストガールまでもが一堂に会していた。
「貴様から呼び出されるとはな。一体何の用だ?」
リボルバーはこの奇妙な会合の中心人物、プレイメイカーに問い掛ける。
「俺達六人とイグニス、そしてお前にとっても、重要な話だ」
「手短に話せ」
「鴻上先生が、生きている可能がある」
その発言に、リボルバーはマスク越しに表情を歪ませる。
「下らん世迷いごとを。それ以上父を侮辱するならただでは済まさんぞ」
「俺達があの人が生きていると考えた理由は三つある」
激昂する彼に、プレイメーカーは人差し指を立てて彼に突き出す。
「一つ、七つの鴻上レポートを読むと先生は自殺ではないことが分かる」
リボルバーには、事前に鴻上レポートのコピーを渡しており、彼はその内容に目を通している。
「二つ、ライトニングの言葉。奴は鴻上先生がまるで生きているかのように語っていた」
「光のイグニスの言葉を信じるのか?」
「奴に嘘をつく理由がない。俺を動揺させるだけなら仁のことだけで十分だし、そもそも先生の話は俺から持ち出した。そして」
薬指を立てて、指で三つ目を示す。
「三つ、先生は亡くなる直前にLINK VRAINSにログインしている履歴が残っていた。だがログアウトした記録がどこにもない」
プレイメーカーが三つの証拠を言い終えたところで、ゴッドバードが手を上げた。
「あー、一応補足しとくと、電脳ウイルスを作ったのが鴻上博士で、ログイン中にそれで自分の意識を電脳空間に閉じ込めた後、装置で自殺したって俺達は考えてる。それからレポートが全体の整合性が取れていないことと、そもそも誰に向けた何を目的としたものなのかも分からなくて信用に値しないってのも理由だな」
「五つになっちゃったよ」
ソウルバーナーのツッコミと同時に、美海がゴッドバードに肘打ちを入れた。
「空気読んでください!せっかくプレイメーカーが三つでしめたのに!」
「知るか!今の補足はいるだろ!」
「おやおや、風のイグニスのオリジンの癖に、空気も読めないんですか?」
喧嘩する二人に、さらにスペクターが油を注ぐ。
「ああ。そういえばあなた、スキルも失敗してましたねぇ」
「テメェもういっぺん言ってみろ!」
「黙れ」
プレイメーカーに一言で、三人は喧嘩を止めた。
「そのレポートが、本当に父が書いたものだとする根拠はなんだ?」
「ハノイプロジェクトのことを知っている人間は限られる。俺達被験者、それからリボルバー、そしてSOLテクノロジー」
「ならばSOLが用意したはずだ!」
「SOLはレポートの回収を行おうとしていた。それに、こんな回りくどいことをして何の意味がある!?」
二人の議論は平行線だ。
リボルバーの方は亡くなった父親に疑惑を向けられて感情的になっており、プレイメーカーの話を聞き入れようとしない。
その時、
「全く、相変わらずだね。リボルバー」
突如、二人の間に、ポンチョ型のハノイの制服を着た少年が現れた。
「ジャックナイフ!」
「やあ、久しぶりだね」
驚いたリボルバーを、ジャックナイフはにやけ顔で見る。
「なぜ、貴様がここに……」
リボルバーの問いは無視して、彼、否、彼女はクルッとプレイメーカー達の方を向いた。
「みんなおめでとう」
ジャックナイフは張り付いた笑顔で、彼らに拍手を送った。
「よくここまで真実に辿り着いたねぇ。でーもー、どうして君達は、一番肝心なところから目を逸らすのかな~?」
わざとらしく首を傾げて見せると、ジャックナイフは一度彼らに背を向けて、スキップを踏んで彼らから離れる。
「夢乃、お前は何を知っている?」
「えぇ~、ここまで来てそれをボクに聞いちゃう?」
まるで全てを知っているかのような彼女の発言に、プレイメーカーは問いただすが、答える気はないようで、代わりに手をパチンと叩いて、
「じゃあ皆さんここで問題でーす」
再びくるっと体を反転させ、彼らの方を向いた。
「ボクは一体誰でしょう?」
その問いの意味が分からず、誰もが口を噤んだ。
「だ、誰って、切花でしょ?」
「ぶっぶー!もう、問題の意味を理解しなよ」
ブルーエンジェルの回答にため息を吐くと、気を取り直してジャックナイフは続ける。
「全ての始まりは10年前に行われた人体実験、ハノイプロジェクト、実験を行ったのは鴻上聖。被験者は全部で六人、穂村尊、湊美海、風間啓、聖辺樹、草薙仁、そして藤木遊作。実験によって生まれたのは同じく六体のイグニス、不霊夢、アクア、ウインディ、アース、ライトニング、Ai。さらに博士が死んだあと、一人息子の鴻上了見は彼の意志を継いで、行動を開始。その後、鴻上了見は同志として昔博士の勤め先で一緒に研究をしていた滝響子が選ばれた」
まるでこれまでの出来事を整理するように、一人一人人物の名前を読み上げていく。
「以上がこの物語の登場人物なわけですが、あれあれ? おかしいな~。どこにも夢乃切花なんて人物はいませーん!まさかこれまで散々意味深な発言でひっかきまわした切花ちゃんが、無関係なわき役だったなんて、そんなことあるわけないよね」
プレイメーカーは既にその答えに思い至っていたが、あえて口にはしなかった。その先を知れば、己が信じていたものが全て瓦解するからだ。
しかし、それをジャックナイフは、切花は許さない。
「じゃあ答えてみよっか。君はもう、知ってるはずだよ? 必要な情報は揃ってるからね」
「……IGS-000、イグニスのプロトタイプ、お前はそのオリジンだな」
「ピンポーン!せいかーい。まあ正確にはオリジンはボク一人じゃないんだけど、それはまた後で」
意味深な発言をしてから、ジャックナイフは問答を続ける。
「それじゃあ次の問題、行ってみようか。君達は全員リンクセンスを持っていたわけだけど、それって凄い偶然だよねぇ」
プレイメーカー達四人の脳裏に嫌な想像が頭を過る。
「ところで、そんな素敵な才能を授けてくれた君達のご両親は、一体どうやって死んだんでしょう」
四人は黙り込む。
「あれあれ~? どうしたの? 答えられるよね~? 自分のパパとママのことだよー」
「ぐっ……」
「あ、ちなみにスペクター。君は答えなくていいからね」
一人だけ両親に捨てられたスペクターは、黙ってその問答の様子を見守る。
「それじゃあ、せーので言ってみようか。はいせーのっ!」
「「「「交通事故」」」」
全員の答えが一致した。
「はいせいかーい!あれー、死因まで同じなんて凄い偶然!」
彼らの答えに、ジャックナイフはまるで子供のように嬉しそうにはしゃぐ。
「まあでも、交通事故なんて年間数万件とか起きてるらしいし、その程度の偶然はまだあり得るよね~」
徐々に真実に近付いていく。
その事に、美海の顔色が悪くなり、過呼吸になりながら苦しそうに自らの体を抱く。
「美海……おいジャックナイフ!これ以上は……」
「ところでぇ、その交通事故にはある共通点があるよねぇ?」
ゴッドバードの訴えを無視して、ジャックナイフは続ける。
「さて、その共通点とは何でしょう?」
「テメェ……プレイメーカー!これ以上答えんな!」
ゴッドバードが止めようとするが、プレイメーカーは何故か、ジャックナイフに逆らうことができなかった。
それは使命感か、この場を取り仕切り、支配する彼女は、彼が目を背けることを許さず、プレイメーカーはそれに答えるしかなかった。
「……AIの、暴走」
「はいせいかーい!」
振り絞るようなプレイメーカーの言葉を、彼女は嘲笑うように声を上げる。
「わーすごーい。たまたまAIの暴走事故で両親を亡くしてぇ、たまたま同じ孤児院に引き取られて、たまたまみんなリンクセンスを持っていてぇ、たまたま実験に巻き込まれるなんて……偶然なわけねぇだろバーカ!」
突然豹変したジャックナイフが、プレイメーカーを指差す。
「さて問題で~す。偶然じゃないとしたら、一体何でしょう?」
「……事故ではなく、故意に起こされた」
「ヘぇ、じゃあ犯人は?」
プレイメーカーは言葉を詰まらせる。
「答えろよ」
ジャックナイフはそれを許さない。
「鴻上、先生」
「はいせいかーい!」
ようやくプレイメーカーからその言葉を引き出せて、ジャックナイフは腹を抱えて笑う。
「ほんと君らってバカだよね!あいつにパパとママを殺されて、そうとは知らずに育ててくれたって感謝までして!挙げ句無実を信じて必死にレポート集めに勤しんでさぁ!」
誰も彼女に反論できない。
皆下を向いて、拳を握りしめ、美海にいたってはあまりのストレスから口を押さえて吐き気を必死に堪えている。
「ねぇねぇ今どんな気持ち? ボクに教えてよ」
「おいジャックナイフ」
すると、彼らの代わりに今まで黙っていたブラッドシェパードが口を開く。
「何? 脇役が入ってこないでよ」
「お前が何者かという問いの答えが、まだ途中だろう。そいつらを無意味に嘲るくらいなら、その続きを話せ」
「あーはいはい。じゃあ話して上げるよ」
◆
むかーしむかし、今から12年前、一人の可愛い女の子がいました。
その子はとても無知で、純粋で、この世界がどれだけクソなのかも知らないとっても愚かな子でした。
ある日彼女は、パパとママに連れられて、車でお出掛けしていました。けれど本当は遊園地に行くはずだったその車は、引き返せない地獄へと連れていきました。
AIの暴走による玉突き事故。
死傷者は27人。過去最大の凄惨な事件は、その場にいたたった一人の子供を誘拐するために仕組まれたものだったのです。
それがボク。
ボクは目を覚ますと、白い壁に囲まれた部屋にいました。部屋の中にはボクと同じように誘拐された子供達が全部で十人いました。
そこで何をさせられたのか。
負けたらペナルティのあるデュエル?
ブッブー!
そんな温いものじゃありません。
イグニスを作るために、ありとあらゆる方法で、子供達に精神的負荷をかける実験。時には食料のために殺し合わせたり、時には薬物で幻覚を見せられたり、当然まだ小さかったボクらが耐えられるはずもなく、すぐに壊れてしまいました。
しかし壊れたくらいでは終わってはくれません。
ボクらの意識データはバックアップが取られていました。それを入れ直せばはい元通り。当然記憶も残ってるのでぶっ壊される直前のことも覚えています。
追い詰められて遂には自殺する子まで出てきました。
すごいよねー。まだ6歳とかそんななのに、自らの命を絶つなんて選択ができるんだねー。
まあ死んでもクローンに意識データを載せ変えればはい元通り。
色々実験した結果、デュエルさせるのが一番効率がいいのが分かりました。
しかしボクらはリンクセンスの素質こそありましたが、それは君達よりずっと弱いものでした。
じゃあどうすればいいか。
よし、せっかく十一人いるんだから混ぜちゃおう。
というわけで全員の意識データを一人の脳に無理やりごちゃ混ぜにして入れられて、頭の壊れた子供が出来上がり。
あ、ちなみにボクはこの時、リンクセンスと一緒に、自分の意識を分割する能力を得たのです。
現実世界で意識を保ったまま、LINK VRAINSにログインしていたのはこの力のおかげだね。
そんな壊れちゃった子供にデュエルを強制。
負けた時のペナルティは、ご飯抜きと他の十人の子供達からひたすら責め立てられるイメージを見せられること。
そんな感じのことが一年以上続けられたある日、ボクは突然解放されました。
その実験を行っていたとある企業が、SOLテクノロジーに吸収合併されたのです。
実験の存在を秘匿しようと、大人達はボクを処分しようとしましたが、その時、突然完成したAIが暴走。
研究施設を爆破して、ボクは生き延びてしまったのです。
それからボクは復讐を誓いました。
その実験の首謀者、鴻上聖をこの手で殺すために。
◆
彼女の話を聞き終えて、そのあまりに酷い過去に、誰も言葉を発することができなかった。
「あー、年齢が合わないって思ってるー? だってボク、クローンだし。何回死んだかもよく分かんないから、年齢はテキトーに決めたんだ」
当事者であるジャックナイフは、あっけらかんとした様子で語る。
「12年前のAIの暴走事故、まさか……」
「ああ、そういえば君もその場にいたんだよね? 道順健吾さん」
ブラッドシェパードの方を見てニヤッと笑う。
「そうだよ~。君はボクを捕まえるために、巻き込まれたただの被害者だよ。まあでもよかったじゃん。君はラッキーだよ」
「っ……何がだ!」
その事故で父親を失ったいるブラッドシェパードは激昂するが、
「だって、
ジャックナイフのおぞましい発言に、怒りよりも恐怖が勝ち、ブラッドシェパードは黙る。
「君らだってそうだよ」
すると今度はプレイメーカー達の方を見る。
「君らはたかだか半年監禁されて、たかだかデュエルを強要されて、たかだか餓死寸前に追い込まれただけなんだから!」
彼らが受けた実験の内容を、「たかだか」と表現して地面を踏みつける。
「お前らがその程度で済んだのは全部!全部!全部!ボクが犠牲になったからだ!全部ボクのおかげなんだ!感謝しろ!感謝して死ね!」
己の苛立ちを全てぶつけるように、ジャックナイフは何度も何度も地面を踏みつける。
「黙れ!」
その時、ここまで黙って聞いていたリボルバーが声を上げた。
「貴様の言うことは全てデタラメだ!狂言だ!貴様ごときが、私の父を愚弄するな!」
「なにそれ」
その一言に、ジャックナイフの頭がプチンとキレた。
「……ボクはこんなに苦しんだのに、お前はその事実すら否定するんだ」
ジャックナイフはデュエルディスクを構える。
「やっぱり、君はこの手でぶっ殺さないと」
「やってみろ」
「「デュエル!」」
ターン1 先攻 リボルバー
「私はフィールド魔法、リボルブート・セクターを発動」
リボルバーの背後に、巨大な拳銃のシリンダーが出現する。
「手札からヴァレットモンスター2体を特殊召喚」
シリンダーが回転して、二発の弾丸が撃ち出される。
弾丸は地面に着弾すると変形して、二体のドラゴンへと変わる。
「続けてノクトビジョン・ドラゴンを特殊召喚。このカードは自分の闇属性・ドラゴン族モンスターを特殊召喚できる」
エネルギーの翼を広げて、四つの暗視スコープの目がついたドラゴンが現れた。
「現れろ、我が道を照らす未来回路!召喚条件はヴァレットモンスター2体!リンク召喚!ショートヴァレル・ドラゴン!」
現れたのは、細い胴体の右側に竜の首、左にリボルバー式拳銃となったドラゴンだ。
「速攻魔法、リンクバースト・リロードを発動!」
リンクバースト・リロード
速攻魔法
(1)自分フィールドの闇属性・ドラゴン族リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。その後、破壊したモンスターのリンクマーカーの数だけ、墓地から闇属性・ドラゴン族モンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚された「ヴァレット」モンスター以外のモンスターは効果を無効化される。
「ショートヴァレルを破壊!」
ショートヴァレルが爆発し、その場にアローヘッドが出現する。
「そして破壊されたリンクモンスターのリンクマーカーの数だけ、墓地の闇属性・ドラゴン族モンスターを守備表示で特殊召喚」
アローヘッドから、先程リンク素材となった二体のヴァレットモンスターが飛び出した。
「現れろ、我が道を照らす未来回路!」
リボルバーが空に手を掲げると、その手の先に光が駆けて、上空にアローヘッドを作り出す。
「召喚条件は闇属性・ドラゴン族効果モンスター2体以上!私は2体のヴァレットモンスターと、ノクトビジョン・ドラゴンをリンクマーカーにセット!」
二体のヴァレットモンスターが、螺旋の軌道を描きながら空へ放たれる。
「そして、このカードはリンク素材となるヴァレットモンスターを破壊してリンク召喚できる!」
アローヘッドが回転し、その外周にヴァレットモンスターが弾丸となって装填され、爆発する。
「リンク召喚!ヴァレルバースト・ドラゴン!」
アローヘッドが回転し、爆発が起こる。
現れたのは、胸部が弾倉となった赤いドラゴンだった。
ヴァレルバースト・ドラゴン
リンク・効果モンスター
闇属性/ドラゴン族/攻 2600/LINK 3
闇属性・ドラゴン族の効果モンスター2体以上
このカードはリンク素材となる「ヴァレット」モンスターを破壊してリンク召喚できる。
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードはリンク召喚に成功したターン、攻撃できず、効果を発動できず、効果の対象にならない。
(2)このカード以外の自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターを破壊する。この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない。この効果は相手ターンでも発動できる。
(3)リンク召喚されたこのカードが戦闘・効果で破壊されたターンのエンドフェイズに発動できる。墓地から「ヴァレット」モンスター3体を特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
「リンク素材となったノクトビジョンの効果で1枚ドロー。墓地のショートヴァレルの効果発動!リンク3以下のモンスターをリリースすることで、このカードを特殊召喚!」
ヴァレルバーストが地面に沈み、代わりにショートヴァレルが甦った。
「この効果で特殊召喚されたショートヴァレルは、リリースしたモンスターと同じ数のリンクマーカーのモンスターのリンク素材にできない。ゴールゲート・ドラゴンを通常召喚」
ゴールゲート・ドラゴン
効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/攻 2000/守 600
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)フィールドのモンスターがリンクモンスターのみの場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2)このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキからレベル4以下の闇属性・ドラゴン族モンスター1体を自分のリンクモンスターのリンク先に守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは、リンク4以上の「ヴァレル」モンスター以外のリンク素材にできない。
(3)このカードが既にモンスターゾーンに存在し、自分のドラゴン族モンスターの特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキの上から1枚を墓地へ送る。そのカードが「ヴァレット」モンスターまたはレベル6以上の闇属性・ドラゴン族のモンスターなら自分はデッキから1枚ドローする。
「デッキからハイバネーション・ドラゴンを特殊召喚。ゴールゲート・ドラゴンの効果発動!デッキの一番上を墓地へ!そのカードがヴァレットモンスター、もしくはレベル6以上の闇属性・ドラゴン族なら1枚ドローする!」
リボルバーが墓地へ送ったカードは、マグナヴァレット・ドラゴン。
「1枚ドローだ。そしてハイバネーション・ドラゴンの効果で今墓地へ送られたマグナヴァレットを手札に加える。顕現せよ、我が道を照らす未来回路!」
リボルバーが右手を掲げると、三度上空にアローヘッドが出現する。
「召喚条件は効果モンスター3体以上!私はハイバネーション・ドラゴン、ゴールゲート・ドラゴン、そしてリンク2のショートヴァレル・ドラゴンの3体をリンクマーカーにセット!」
アローヘッドに三体のモンスターが装填され、駆動音と共に煙が吹き出す。
「閉ざされた世界を貫く我が新風!リンク4!ヴァレルロード・ドラゴン!」
煙の中より出でたのは、巨大なシリンダーの形をした胴体を中心に、銃器を模したパーツを取り付けられた赤いドラゴンだ。
「来たね。君のエースモンスター」
「私はカードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに破壊されたヴァレットモンスターの効果で、デッキからアネスヴァレット・ドラゴンとマグナヴァレット・ドラゴンを特殊召喚!」
リボルブート・セクターより二発の弾丸が射出され、新たなヴァレットモンスターが補充された。
ターン2 ジャックナイフ
「ボクはアニマイール・トリックランタンを召喚」
フィールドにオバケカボチャを被った三頭身の子供が現れる。
アニマイール・トリックランタン
効果モンスター
星3/光属性/アンデット族/攻 800/守 800
このカード名の(2)(3)の効果はいずれか1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが召喚に成功した場合に発動できる。デッキ・墓地から「アンデットワールド」、または「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。
(2)自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、「アニマイール」リンクモンスターをリンク召喚する場合、墓地のこのカードをリンク素材としてデッキの下に置ける。リンク召喚後、ターン終了時まで、自分は融合モンスターしか特殊召喚できない。
(3)このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールドの「アニマイール」カード1枚を墓地に送って発動できる。このカードを墓地から手札に加える。
「デッキからアンデットワールドを手札に加え、そのまま発動!」
辺りが暗くなり、瘴気が立ち込める。
「現れろ、ボクだけの
暗雲たち込める空間に、アローヘッドの光が差す。
「召喚条件はリンクモンスター以外のアニマイール1体!リンク召喚!リンク1、アニマイール・フウロ!」
アローヘッドより現れたのは、紫の大きな瞳を怪しく光らせる、煙の翼を持ったフクロウだ。
アニマイール・フウロ
リンク・効果モンスター
光属性/アンデット族/攻 0/LINK1
【リンクマーカー:下】
リンクモンスター以外の「アニマイール」モンスター1体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードがリンク召喚に成功した場合、手札から「アニマイール」カード1枚を捨てて発動できる。デッキから「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を墓地に送る。自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」があれば、墓地に送るかわりに手札に加える。
(2)自分が融合召喚に成功したターンのエンドフェイズに、自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」があれば、墓地のこのカードを除外して発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
「その効果で、手札のアニマイール1枚を捨てて、デッキからポルターガイストを手札に加える。現れろ、ボクだけの
地面から飛び出した二つの霊魂が、フウロと共にアローヘッドに吸い込まれる。
「リンク召喚!魂を喰らう猟犬!アニマイール・オルトバイト!」
現れたのは、二つの頭を持つ犬、体は紫の炎のようなものでおおわれており、目は黒い革で隠されている。
アニマイール・オルトバイト
リンク・効果モンスター
闇属性/アンデット族/攻 2300/LINK3
【リンクマーカー:右上/左上/下】
「アニマイール」モンスターを含むアンデット族モンスター3体
このカードは自分のEXモンスターゾーンにのみ特殊召喚でき、このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分のメインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールド及びこのカードのリンク先の相手モンスターの中から、アンデット族融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を融合召喚する。
(2)このカードのリンク先の自分・相手のモンスターを、それぞれ1体ずつを対象として発動できる。対象の相手モンスターを対象の自分のモンスターに装備カード扱いで装備する。装備モンスターは装備したカードの元々の攻撃力の半分、攻撃力がアップする。
「そこまでだ!私はヴァレルロードの効果を、マグナヴァレットを対象に発動!」
マグナヴァレットが弾丸に変形して、ヴァレルロードの胴体に装填される。
「マグナヴァレットの効果発動!このカードがリンクモンスターの効果の対象になった時、自身を破壊し、相手フィールドのカード1枚を墓地へ送る!」
ヴァレルロードの口から砲身が飛び出す。
「オルトバイトを貫け!!」
砲身より発射されたマグナヴァレットが、オルトバイトを撃ち抜いた。
「墓地のモンスターをリンク素材にしたターン、貴様は融合モンスターしか特殊召喚できない。だったな」
「チッ……ボクはカードを2枚伏せて」
ターン3
「私のターン────」
「ボクはここで
アニマイール・ネクロダンス
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1)自分の墓地の「アニマイール」リンクモンスター1体を対象として発動できる。以下の効果のうち1つを適用する。この効果発動後、この効果で特殊召喚されたモンスターの融合召喚する効果を含む効果の発動時の効果をただちに適用する。
●対象のモンスターをEXデッキに戻し、EXデッキから同名モンスターを特殊召喚する
●対象のモンスターを特殊召喚する。
(2)自分の墓地の「アニマイール」モンスター1体を対象として墓地のこのカードを除外して発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
「墓地のオルトバイトを特殊召喚!」
オルトバイトがメインモンスターゾーン中央に出現した。
「そしてオルトバイトの融合召喚する効果をただちに適用する!ボクは君のヴァレルロードと、手札のアンデット族を融合!」
オルトバイトがヴァレルロードに襲い掛かり、頭から噛み砕く。
「融合召喚!アニマイール・バニシングファング!」
現れたのは無数の紫の炎が寄り集まった、巨大な蛇のようなモンスターだった。
アニマイール・バニシングファング
融合・効果モンスター
星7/闇属性/アンデット族/攻 2300/守 2000
アンデット族モンスター+リンクモンスター
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの表側表示モンスター全ての効果をターン終了時まで無効にする。この効果の発動に対して、相手はアンデッド族モンスターの効果を発動できない。
(2)このカードは、「アニマイール」リンクモンスターの効果で装備したモンスターのモンスター効果を得る。
(3)このカードが戦闘・相手の効果でフィールドから墓地の送られた場合、自分及び相手の墓地のアンデット族モンスターをそれぞれ1体ずつ除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。
「特殊召喚に成功した時、このターン、君の表側表示モンスターの効果は全て無効化される。これでアネスヴァレットの効果はこのターン、使えない」
「ならば、私は速攻魔法、スクイヴ・ドローを発動!アネスヴァレットを破壊して2枚ドローだ!」
使えなくなった弾丸は爆発し、リボルバーの手札へと変換される。
「リボルブート・セクターの効果発動!相手フィールドのモンスターの数が自分より多い場合、墓地のヴァレットモンスターを、同じ数になるように守備表示で特殊召喚!」
アネスヴァレットとマグナヴァレットが射出され、盤面は元の状態に戻されてしまう。
「いずれかのフィールドゾーンにカードが存在する時、手札のグランドローラー・ドラゴンを特殊召喚する!」
前足と後ろ足がそれぞれ黒いローラーに接合されたオレンジ色のドラゴンがフィールドに現れる。
グランドローラー・ドラゴン
効果モンスター
星6/闇属性/ドラゴン族/攻 2200/守 0
このカード名のカードは1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1)いずれかのフィールドゾーンにカードが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。お互いのフィールドゾーンのカードを全て破壊する。この効果で破壊されたカードの元々の持ち主は、デッキから1枚ドローする。その後、自分はデッキから破壊されたフィールド魔法とカード名の異なるフィールド魔法1枚を表側表示でフィールドゾーンに置ける。
「互いのフィールドゾーンのカードを全て破壊する!」
グランドローラーが地面を駆けると、その衝撃によって周囲の瘴気は晴れ、シリンダーも破壊される。
「そして破壊されたカードの持ち主はデッキから1枚ドローする」
互いにカードをドローする。
「そしてデッキから破壊されたカードとは別のフィールド魔法をフィールドゾーンに置く!出でよ、天火の煉獄!」
リボルバーがカードを掲げると、彼らの周りを巨大な鳥籠が覆う。
鳥籠の外周に灯火が順々に4つ点いていき、籠の中を照らした。
天火の煉獄
フィールド魔法
このカードは自分のメインフェイズ1開始時にのみ発動できる。
(1)お互い、1ターンに1度しかリンク召喚を行えない。
(2)フィールドにサイバース族リンクモンスターが存在する限り、以下の効果を適用する。
●サイバース族モンスターの発動した効果は無効化される。
●フィールドのサイバース族モンスターは攻撃できず、リンク素材にできない。
(3)このカードが相手の効果でフィールドを離れた場合、自分フィールド・墓地のリンク4のモンスター1体を除外して発動できる。EXデッキから「トポロジック」モンスター1体を特殊召喚する。
「どや顔で出したのはいいけどさ、ボクのデッキはサイバースじゃないから、そのカードは効かないよ?」
「慌てるな。私は墓地のハイバネーション・ドラゴンの効果を発動!自分フィールドにリンクモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを除外することで、墓地から闇属性・ドラゴン族リンクモンスターを特殊召喚する!甦れ!ヴァレルロード!」
空中に穴が開き、中からヴァレルロードが甦った。
「さらにクラックヴァレット・ドラゴンを通常召喚。現れろ、我が道を照らす未来回路!」
アネスヴァレット、マグナヴァレット、クラックヴァレット、そしてグランドローラーの四体がアローヘッドに吸い込まれる。
「閉ざされた世界を切り裂く我が烈風!リンク召喚!ヴァレルソード・ドラゴン!」
リボルバーの第二のエースモンスターが、額の刃を掲げてフィールドに降り立った。
「リンク素材となったクラックヴァレットの効果発動!」
クラックヴァレット・ドラゴン
効果モンスター
星3/闇属性/ドラゴン族/攻 900/守 1400
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。このカードを相手フィールドに特殊召喚する。
(2)フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動する。このカードを破壊する。その後、相手フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を選んで墓地へ送る。
(3)フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊されて墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「クラックヴァレット・ドラゴン」以外の「ヴァレット」モンスター1体を特殊召喚する。
「このカードを相手フィールドに特殊召喚!」
ジャックナイフ側のフィールドの地面に穴が開き、そこからクラックヴァレットが出てくる。
「魔法カード、おろかな重葬を発動!ライフを半分払い、エクストラデッキからヴァレルガード・ドラゴンを墓地へ送る。そしてヴァレルソードの効果発動!」
ジャックナイフの元へ移動したクラックヴァレットかが、弾丸となってヴァレルソードの体に装填される。
「クラックヴァレットはリンクモンスターの対象となった時、相手、つまりこの場合は私の表側表示の魔法・罠カードを墓地へ送る。この効果は強制効果、貴様は必ずこの効果を発動しなければならない!」
今リボルバーのフィールドにある表側表示の魔法カードは天火の煉獄のみ。
ヴァレルソードが天を仰ぎ、彼らを閉じ込める鳥籠に向けて砲門が向けられる。
「穿て!」
パァァンッッ!
ヴァレルソードの弾丸が鳥籠を貫き、檻は崩壊した。
「天火の煉獄がフィールドを離れたってことは……」
「ああ。トポロジックが来る」
耳鳴りのような音が周囲に響く。
「産声を上げよ、命運を閉ざす永劫の輪!」
空間が歪み、景色がぐにゃりと変化しながら、虚空に一体の竜の姿を作り出す。
「現れよ、リンク5!トポロジック・ヘルメビウス!」
それは両腕から広げた翼が円環を描くように背中に接合された電脳の竜だった。
トポロジック・ヘルメビウス
リンク・効果モンスター
闇属性/サイバース族/攻 4000/LINK 5
【リンクマーカー:右上/左上/右下/下/左下】
闇属性・効果モンスター3体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)このカードは効果で破壊されず、サイバース族モンスターが発動した効果を受けない。
(2)このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に発動する。フィールドのカード全てを破壊する。この効果でサイバース族モンスターを破壊した場合、その持ち主の空いているメインモンスターゾーン3ヶ所を指定する。このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、指定したゾーンは使用できない。
(3)このカードがサイバース族モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動する。その戦闘を行う相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。その後、このカードはもう1度だけ攻撃できる。
「バトルだ!ヴァレルソードで、バニシングファングを攻撃!」
ヴァレルソードが額の刃を振り上げて、バニシングファングに迫る。
「この瞬間、ヴァレルソードの効果発動!バトルする相手モンスターの攻撃力の半分、攻撃力をアップし、バトルする相手モンスターの攻撃力を半分にする!」
バニシングファング:ATK2300→1150
ヴァレルソード:ATK3000→4150
「
スリーフェイト・バリア
通常罠
(1) 以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このターン、自分のモンスターは戦闘・効果で破壊されない。
●このターン、自分はダメージを受けない。
●このターン、自分のモンスター1体は1度だけ戦闘で破壊されず、その戦闘によって戦闘ダメージを受けるかわりに、その数値分、自分のライフを回復する。
(2)自分がダメージを受けた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、自分が受ける効果ダメージは0になる。
「バニシングファングの破壊を無効にして、ダメージを受ける代わりに、その数値分のライフを回復する!」
バニシングファングが赤いバリアで包まれ、ヴァレルソードの斬擊を防いだ。
「だがヴァレルソードは、自身の効果でこのターン、2回攻撃できる!再びバニシングファングを攻撃!」
二度目の攻撃を防ぐことができず、バニシングファングは破壊される。
ジャックナイフ:LP7000→4000
「ヴァレルロードで、オルトバイトを攻撃!」
ジャックナイフ:LP4000→3300
「終わりだ!ヘルメビウスでダイレクトアタック!」
「ボクは手札のアニマイール・マッドクラウンの効果発動!」
アニマイール・マッドクラウン
効果モンスター
星2/闇属性/アンデット族/攻 0/守 0
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1)自分フィールドにモンスターが存在しない場合、1000LPを支払い、手札のこのカードを墓地へ送り、自分の墓地の融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。この効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン、戦闘で破壊されない。
(2)墓地のこのカードを除外して発動できる。墓地から「アニマイール・ポルターガイスト」か「アンデットワールド」1枚を手札に加える。
「自分フィールドにモンスターが存在しない場合、ライフを1000支払うことで、墓地の融合モンスターを特殊召喚!」
バニシングファングが蘇り、ジャックナイフを守るために盾となる。
「そしてこのターン、戦闘で破壊されない!」
「だがダメージは受けてもらう!」
ヘルメビウスより放たれた大出力の光線がバニシングファングの体を貫通し、ジャックナイフのライフを削り取る。
ジャックナイフ:2300→600
「私はこれでターンエンド」
「じゃあエンドフェイズに墓地のフウロの効果を発動。このターンに融合召喚に成功しているから、墓地のフウロを除外して1枚ドローだ」
ターン4
「ボクは魔法カード、超融合を……やっぱいいや」
ジャックナイフは手札からそれを見せたところで、不意にため息を吐いてカードを手札に戻す。
「お前さ。ボクの言ったことを全部嘘だって言ったよね?」
「父がそんなことをするはずがない」
マスク越しに睨むリボルバーを、彼女は軽蔑したような目で見る。
「ほんっとムカつく。じゃあ見せて上げるよ」
ジャックナイフは指でピストルを作り、こめかみに当てた。
「ボクがこれまでどんな目にあってきたのか」
ジャックナイフはニヤッと笑い、すぐにその顔から笑顔を消す。
「並列思考プログラム、完全解放」
その瞬間、一陣の風が吹く。
「なんだ!?」
「アハハハハハハハハハハッッ!」
突然、ジャックナイフが笑いだす。
彼女の笑い声が周囲に響き渡り、それに呼応するように風は勢いを増していく。
「ねぇ、何か聞こえない?」
ブルーエンジェルが怯えて辺りを見回す。
風の音に混じって、ジャックナイフの笑い声が聞こえる。しかし、その声は彼女一人のものではないことに気づく。
それ小さな子供達の声。
クスクスという笑い声は大きくなり、やがて別のものへと変化していく。
────助けて
────痛いよ
────苦しい
「これは……?」
────許さない
────許さない
────許さない
「大丈夫だよ。みんな。仇は……」
ジャックナイフはリボルバーを指差す。
「あそこにいる」
「っ……これはなんの真似だ!」
異常な状況に耐えきれず、リボルバーは怒鳴る。
「言っただろ? 実験を受けた子供はボクの他に十人、その意識を全部混ぜられたって」
ジャックナイフは口元を歪める。
「どう? これが君のお父さんの実験の成果だよ?」
「黙れ」
「あの日からずっと、鼓膜の裏がね。痒いんだ。みんなの声が四六時中許さない、許さない、許さないって」
「黙れ!」
「じゃあさ。殺すしかないじゃん。全部」
「黙れと言っている!」
「黙んのはテメェだろうがっ!」
リボルバーの声を掻き消して、ジャックナイフは怒りを爆発させる。
「ボクの人生を無茶苦茶にしやがって!全部全部全部全部お前の親父のせいだろうがっ!それなのに悲劇のヒーロー気取ってんじゃねぇよクソがっ!」
ジャックナイフの怒りに応えるように、吹き荒れる風はその激しさを増していき、やがて一ヶ所に集まって巨大な竜巻へと変貌する。
「データストーム、まさか!?」
リボルバーがその意味に気付くと同時に、ジャックナイフは空に手を伸ばす。
「自分のライフが1000以下の時、自分のエクストラデッキを全て、裏側で除外」
ジャックナイフのデュエルディスクから十二枚のカードが舞う。それらは風にあおられてデータストームに吸い込まれ、砕けて消える。。
「そして新たに15枚、ランダムなサイバース族モンスターをエクストラデッキに加える」
データストームはジャックナイフの元へ移動する。
「ストームアクセス────リ・コンストラクションッ!!」
データストームは収束して、彼女のデュエルディスクの中に吸い込まれた。
「マスターデュエルでスキルを、しかもエクストラデッキをまるごと入れ替えるだと……」
「さぁ始めようか。切り刻んで上げるよ。まずはアニマイール・ポルターガイストを発動!」
アニマイール・ポルターガイスト
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードの発動に対して、相手はモンスター効果・魔法・罠カードを発動できない。
(1)以下の効果から1つを選択する。同一チェーン上に「アニマイール」リンクモンスターの効果がある場合、さらに、その効果以外の同一チェーン上の効果は全て無効になる。
●相手フィールドのモンスターを任意の数だけ対象にして発動できる。そのモンスターをそれぞれ別のメインモンスターゾーンに移動させる。
●相手のEXモンスターゾーンにモンスターが存在し、相手のメインモンスターゾーンにEXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する場合にそれら2体を対象として発動できる。そのモンスターの位置を入れ替える。
「相手モンスターを好きなだけ対象に移動させる!」
「残念だったな。ヴァレルロードとヴァレルソードは相手の効果の対象にならない!」
「関係ないよ!トポロジック・ヘルメビウスを移動!」
トポロジック・ヘルメビウスが、ジャックナイフか空いているエクストラモンスターゾーンの正面に移動させられる。
「ヘルメビウスには横向きのリンクマーカーはない。これでもう効果は使えない。墓地のマッドクラウンの効果発動!このカードを墓地から除外することで、墓地のアンデットワールドを手札に加える。そして発動!」
周囲が再び瘴気に包まれる。
「アニマイール・セクレタリーを特殊召喚!」
バイザーをつけた少女のゾンビが、バニシングファングの後ろに現れる。
アニマイール・セクレタリー
効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻 1200/守 800
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(4)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1)自分フィールドにアンデット族モンスターが存在する場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」がない場合、このカードは墓地へ送られる。
(3)このカードをリンク素材とする場合、リンク素材となるモンスター全てをサイバース族としても扱える。
(4)このカードがリンク素材となってフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからレベル4以上の「アニマイール」モンスター1体を手札に加える。
「現れろ、ボクだけの
アニマイール・セクレタリーがアローヘッドに吸い込まれる。
「リンク召喚!アニマイール・スモークレイヴン!」
煙の翼を羽ばたかせ、黒い怪鳥がアローヘッドから飛び出した。
アニマイール・スモークレイヴン
リンク・効果モンスター
闇属性/サイバース族/攻 700/LINK 1
【リンクマーカー:右】
「アニマイール」モンスター1体
このカード名のカードは1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1)このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。自分の墓地の「アニマイール・ポルターガイスト」1枚を手札に加える。自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」があれば、手札に加えるカードを通常召喚可能な「アニマイール」モンスター1体にできる。
「リンク素材となったアニマイール・セクレタリーの効果で、デッキからアニマイール・スレイヤーを手札に加える。さらにスモークレイヴンの効果で墓地からアニマイール・セクレタリーを回収して、これを通常召喚」
再びアニマイール・セクレタリーが登場して彼女の場に三体のモンスターが並ぶ。
「現れろ、ボクだけの
その三体のモンスターがアローヘッドに飛び込む。
「リンク召喚!アニマイール・マルコシェーダー!」
アローヘッドより現れたのは、口から出る青いの炎で顔を覆い、背中の機翼で空を舞う狼だった。
「手札からアニマイール・スレイヤーを特殊召喚」
その背後に、ヤマネコを模した錆びた鎧をまとった屍が這い出てくる。
アニマイール・スレイヤー
効果モンスター
星5/闇属性/アンデット族/攻 2000/守 600
(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、このカードを手札から特殊召喚できる。
(2)自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」がない場合、このカードは墓地へ送られる。
(3)このカードをリンク素材とする場合、リンク素材となるモンスター全てをサイバース族としても扱える。
(4)1ターンに1度、自分の手札を2枚まで捨てて、捨てた数だけ相手フィールドの魔法・罠を対象として発動できる。そのカードを墓地へ送る。この効果の発動に対して、相手は対象のカードの効果を発動できない。
「アニマイール・スレイヤーの効果発動!手札を1枚捨てる!」
ジャックナイフが手札のカードを投げると、アニマイール・スレイヤーの大剣に吸収され、刃がどす黒いエネルギーをまとう。
「そうすることで、相手の魔法・罠カードを破壊する!」
大剣を振り下ろすと、まとったエネルギーがリボルバーの伏せカードに向けて放たれる。
「私は墓地のノクトビジョン・ドラゴンの効果発動!このカードを墓地から除外することで、自分の裏側表示のカードを対象とする効果を無効にする!」
しかし、伏せカードはそれを覆うように展開された球状のバリアによって守られる。
「さらにこのターン、その裏側表示のカードは相手の効果を受けない!」
「ふーん、そのカード。ひょっとしてミラーフォースかな?」
リボルバーはわずかに眉を動かす。
「ま、何でもいいけど。どうせこのターンで終わりだ」
「何を……」
「現れろ、ボクだけの
地に現れたアローヘッド。
だが、その様相はいつもと異なる。
黒く褪せた色、中央は紫の光を灯しており、そこから黒い煙が漏れ出てフィールドを覆う。
「召喚条件はアンデット族モンスター3体以上」
「また墓地リンクか」
ジャックナイフのフィールドのモンスター数を超える召喚条件の宣言に、リボルバーはそう捉えた。だが、
「ふふふっ、ボクはリンク3のアニマイール・マルコシェーダー、アニマイール・スレイヤー、そして君のヴァレルソード・ドラゴンをリンクマーカーにセット!」
「なんだとっ!」
アローヘッドから出る煙に飲まれ、三体のモンスターが闇の中に吸い込まれる。
「地に潜み、竜すら呑む悪逆の
長い胴体で地より這い出たのは、腐った龍の屍。
裂けた巨大な大口を開けて、地の底まで響くような声で吠える。
アニマイール・ドラグバイト
リンク・効果モンスター
闇属性/サイバース族/攻 3000/LINK 5
【リンクマーカー:左上/上/右上/左下/右下】
アンデット族モンスター3体以上
このカードはルール上、アンデット族としても扱う。
このカードをリンク召喚する場合、相手フィールドのリンクモンスター1体までもリンク素材にできる。
(1)このカードのリンク先の相手フィールドのモンスターが効果を発動した時に発動する。その効果を無効にする。
(2)1ターンに1度、自分のフィールド及びこのカードのリンク先の相手フィールドから「アニマイール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスターを可能な限りこのカードのリンク先に融合召喚する。その後、自分・相手の墓地のその融合素材としたモンスター好きな数選び、攻撃力1000アップの装備カード扱いで融合召喚したモンスターに装備できる。この効果は相手ターンでも発動できる。
(3)自分のエンドフェイズに発動できる。自分の墓地から「アニマイール・ポルターガイスト」または「超融合」1枚をセットする。
「相手モンスターでリンク召喚……だが、選択を誤ったな!貴様が召喚したその場所は、貴様が自ら移動させたヘルメビウスのリンク先だ!」
ドラグバイトが特殊召喚されたのは先程までヴァレルソードがいたEXモンスターゾーンだ。これにより、ヘルメビウスの効果が起動する。
「ヘルメビウスの効果!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、フィールドのカードを全て破壊する!」
「この瞬間!アニマイール・ドラグバイトの効果発動!このカードのリンク先の相手モンスターが発動した効果を無効にする!」
「バカめ!ヘルメビウスはサイバースの力を受けない!スキルを使ったことを後悔するがいいっ!」
ヘルメビウスの翼にエネルギーが収束する。
「消え去れサイバース!エタニティビヨンドッッ!」
ヘルメビウスがエネルギーを放とうとしたその時、ドラグバイトが咆哮する。
それを受けた途端、ヘルメビウスがまとっていた光は徐々に失せていき、効果は不発に終わる。
「なぜ……ヘルメビウスはサイバースが発動した効果を受けないはず」
「サイバース? ボクのフィールドのどこにサイバースがいるってぇ!?」
そう。ジャックナイフのフィールドにはアンデットワールドが展開されている。
これにより互いのフィールド、墓地のモンスターは全てアンデット族に書き換えられる。
「さあ蹂躙の時間だ。ドラグバイトの効果発動!自分フィールド及びこのカードのリンク先の相手モンスターを素材に融合召喚する!リボルバーのモンスターを喰らい尽くせ!」
ドラグバイトがヘルメビウスとヴァレルロードに襲い掛かる。
二体のドラゴンは、自分の倍以上の体躯を持つ屍になす術もなく取り込まれる。
「竜は死に、その屍の上に立つ災厄の王!融合召喚!現れろレベル10!アニマイール・イジェクト・ディアボロス!」
ドラグバイトの後ろに、巨大な鎌を携え、下半身がドラゴンのような姿をした二体の悪魔が現れた。
アニマイール・イジェクト・ディアボロス
融合・効果モンスター
星10/闇属性/サイバース族/攻 4000/守 3600
EXデッキから特殊召喚された元々の攻撃力3000以上のモンスター+攻撃力3000以上のアンデット族モンスター
(1)このカードが融合召喚に成功した場合、相手の墓地及び除外されているカード中からモンスター1体を対象として発動できる。そのカードを装備カード扱いでこのカードに装備する。装備モンスターの攻撃力は対象のモンスターの元々の攻撃力の半分アップする。
(2)自分・相手のメインフェイズに、このカードが装備したカード1枚を墓地へ送って発動できる。相手は、相手のフィールドのカード2枚を選んで墓地へ送らなければならない。相手のフィールドにカードがなければ、代わりに相手は、相手の手札2枚を墓地へ送らなければならない。
(3)このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分・相手の墓地からレベル9以下のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。
「なぜ二体ものモンスターが……」
「ドラグバイトは融合素材一組で、同じ融合素材のモンスターを好きなだけ自身のリンク先に特殊召喚できる。そして、融合素材モンスターをそのモンスターに装備カード扱いで装備する!」
地面から飛び出た二つの霊魂が、それぞれ二体のイジェクト・ディアボロスに吸収される。
「アニマイール・イジェクト・ディアボロスの効果発動!相手の墓地か除外されているモンスターを装備する!ヴァレルソード、ヴァレルガードをそれぞれ装備!」
さらに二つの霊魂を取り込み、二体のイジェクト・ディアボロスは攻撃力6500まで上昇させる。
「バトルだ!アニマイール・イジェクト・ディアボロスでダイレクトアタック!」
「まだだ!
リボルバーは伏せカードを解き放つ。
その瞬間、イジェクト・ディアボロスの前に輝く障壁が展開される。
「聖なるバリア-ミラーフォースッッ!」
障壁は攻撃を反射して、逆にジャックナイフのモンスターを飲み込んだかに見えた。しかし、
「墓地のアニマイール・ウィザードの効果」
アニマイール・ウィザード
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻 1800/守 800
(1)自分のフィールドゾーンに「アンデットワールド」が存在しない場合、このカードは墓地へ送られる。
(2)相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示にして守備力を半分にする。このターン、自分のモンスターが対象の守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力を超えた分だけの戦闘ダメージを相手に与える。
(3)このカードをリンク素材とする場合、リンク素材となるモンスター全てをサイバース族としても扱える。
(4)自分の融合モンスターが相手の効果で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。
「墓地のこのカードを除外することで、破壊を無効にする」
閃光が晴れると、イジェクト・ディアボロスは無傷でその場に立っていた。
「もういいよね?」
「っ……」
既に打つ手のないリボルバーは、目の前のモンスターを睨み付けることしかできない。
「やれ!イジェクト・ディアボロス!マリシャスブレイドッッ!」
イジェクト・ディアボロスが振り下ろした鎌に、リボルバーの体は引き裂かれた。
◆
デュエルが終わると、地面にうつ伏して倒れるリボルバーにジャックナイフが近付いて、
「ねぇ? どう?今の気分……は!」
その頭を踏みつけた。
「ねぇ!なんか言えよ!黙ってないで謝れよ!クソみたいな親父に騙されててごめんなさいって!なぁ!聞いてんのかクソが!」
何も言わないリボルバーの頭を何度も、何度も踏みつける。
「っ! その足をどけろ!」
「止めて!」
怒りに任せて掴みかかろうとするスペクターを、バイラが制止する。
「もうやめろ!」
その隙に、見かねたソウルバーナーとプレイメーカーが彼女を羽交い締めにして止める。
「離せっ!」
「お前を傷つけたのが先生だとしても、リボルバーは関係ないだろっ!」
「うるさいうるさい!ボクからすればこいつも同罪なんだよ!」
ジャックナイフは子供のように駄々をこねて、彼らの拘束を振りほどこうと必死に暴れる。
「お前らだってそうだ!何が友達だ!お前らのことなんか最初からずっと嫌いだ!幸せそうな面しやがって!ボクがお前らを友達だなんて思った瞬間は一秒だってない!」
彼女の怨嗟の叫びに、誰も何も返すことができない。
その時、
「「「「「「!!」」」」」」
ジャックナイフ含む実験被験者六人の頭に、突き刺すような感覚が襲う。
「何、今の?」
直後に、データストリームが吹き、その流動が一ヵ所に集まって一人の人物の姿を形作る。
「全く、騒がしいな」
六十代前後の白衣の男性、その姿は彼らのよく知るものだった。
「鴻上、博士」