遊戯王VRAINS Re:Construction 作:師走F
今回は時系列的には第24話とに25話の間くらいになりますが、特に過去編というほど重要な話でもないです
◆
LINK VRAINS ランクデュエル。
プロアマ問わず登録したデュエリストたちが鎬を削り、ランキングを競い合うLINK VRAINSのメインコンテンツだ。
ハノイの塔事件が終結してから少し経った頃、すっかり復興したLINK VRAINSでは今日も激しいデュエルが繰り広げられていた。
「行け!エヴォルテック・ドラグェント!」
白いドラゴンが、Dボードに乗ったデュエリストをなぎ倒し、そのライフを0にした。
「ふふふふっ、ははははははっ!見たか!これが僕の、デュアルモンスターの力だ!」
高らかに笑うのは、少年のアバターだ。
白を基調としたアンダースーツに、金色のチェストプレートを装備した騎士のような姿だ。
彼の名はアーサー。
このLINK VRAINS内でランキング71位というそこそこ上位にいるデュエリストだ。
デュエルが終わった後、彼はDボードに乗ったままエゴサを開始する。
デュエル後にSNSをチェックするのが彼のルーティーンである。
『ブルーエンジェル今日も可愛かった!』
『やっぱりGo鬼塚は最強』
『ソウルバーナー様かっこいい』
「なぜだ!なぜ誰も僕のことを話題にしない!」
SNSの投稿をひたすらスクロールして、自分に関する話題を見つける。
「おっ!ついに僕の名が……」
『アーサー勝ったってよ』
『試合終了0秒でSNS更新してんじゃねぇよ暇かよ』
『またソウルバーナーになんか言ってたよ』
『蕎麦の自称ライバルwwww』
『あんなのがソウルバーナーのライバルを名乗らないで欲しい』
「どいつもどいつも好き勝手言いやがって……」
SNSの画面を閉じて、アーサーは拳を握りしめた。
「こうなったら……」
アーサーは決意を胸に、Dボードを走らせた。
◆
プレイメーカーとソウルバーナーは、鴻上レポートを探すため、Dボードに乗ってLINK VRAINS内を探索していた。
「手伝わせて悪かったな。プロの仕事、忙しいだろうに」
「水臭いこというなよ。俺だって当事者なんだ。で、不霊夢、なんか反応はあるか?」
ソウルバーナーが声をかけると、彼のデュエルディスクの上からチョコンと顔を出した不霊夢が難しい顔をする。
「さっぱりだな。やはりこの広大なネットの海から、何の手がかりもなしに探すのは難しいな」
「まあそううまくはいかないよな」
ソウルバーナーが残念そうに肩を落としたその時、一陣の風が彼らの横を通り抜ける。
「見つけたぞ!ソウルバーナー!」
彼らの前に立ちはだかったのはアーサーだった。
「誰だ?」
「ふふふふっ、教えてやろう。僕こそが、ソウルバーナーのライバルの……ってプレイメーカー!?」
高らかに宣言すると同時に、自分に名を尋ねた相手が誰か気付いて腰を抜かした。
そんな彼を見て、Aiは検索を始めた。
「プレイヤーネーム、アーサー。LINK VRAINSランキング71位のプロデュエリスト。デュアルモンスターの使い手で、最先端デュアルデッキとかいうブログも作ってるが、フォロワーは500人程度、ちなみさっきソウルバーナーのライバルとか言ってたけど、前シーズンの戦績は1勝4敗だぞ」
「失礼なAIだな。今シーズンはたまたま調子が悪かっただけだ!」
「その前は全敗だったぞ」
「くっ……」
対戦相手であるソウルバーナーに指摘され、アーサーは苦い顔をする。
「というかソウルバーナー。なんでデュアルデッキを捨てたんだよ!僕とお前は、デュアリストとして共に高めあっていく中じゃなかったのか!」
「誰もそんなこと言ってねぇよ」
「なぜだ!同期でデビューして、共に切磋琢磨した下積み時代を忘れたのか!」
勝手に盛り上がっているアーサーに、ソウルバーナーは呆れた目を向けた。
「なるほど。君はソウルバーナーがデュアルモンスターを使わなくなったことに憤っているということだな」
「お前は?」
「私は不霊夢。不屈の魂夢にあらずと書いて不霊夢だ。彼のパートナーであり、彼に
「ふふふっ、そうか、そういうことか」
不霊夢の自己紹介を聞いて、アーサーは急に笑いだした。
「君が諸悪の根源。僕とソウルバーナーの友情を引き裂き、デュアルの未来を閉ざしたのか!」
「いや、そうではなく、というかソウルバーナーは別に前のデッキを捨てたわけでは……」
「デュエルだ!デュアルを裏切った君達を倒し、僕がこそが最強であると証明する!」
デュエルディスクを構えるアーサーに対して、ソウルバーナーはチラッとプレイメーカーの方を見る。
「まあいいんじゃないか。付きまとわれるより」
「そうだな。そんじゃやるか!」
「ふふふっ、その言葉、後悔させてやる!配信開始!」
彼の言葉で、周囲にカメラドローンが集まってくる。
「いくぞ、」
「「スピードデュエル!」」
ターン1 先攻 ソウルバーナー
「俺はヒートライオを素材に転生リンク召喚!生まれ変われ、
炎の魔法陣より、燃え盛る鬣の橙の獅子が降臨した。
「墓地のサラマングレイト・ロアーの効果で自身をセット。さらにカードを1枚伏せてターンエンド」
ターン2 後攻 アーサー
「僕はフィールド魔法、幻創郷-パンドランドを発動!」
彼らの周囲の景色が変わる。
金色の空に、竜の形をした雲が流れる幻想的な光景だ。
幻創郷-パンドランド
フィールド魔法
(1)このカードの発動時の処理として、デッキ・墓地から「幻創のパンドラゴン」1枚を手札に加える。自分のフィールドに「幻創のパンドラゴン」が存在する場合、かわりにデュアルモンスター1体を手札に加えられる。
(2)自分は通常召喚に加えて3度まで、フィールドのデュアルモンスターを召喚できる。
「その発動時の処理で、デッキから幻創のパンドラゴンを手札に加える。そして自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる!来い、エヴォルテック・メルシェント!」
金の鎧をまとった白い人型の竜が現れた。
エヴォルテック・メルシェント
デュアル・効果モンスター
星4/光属性/幻竜族/攻 1800/守 0
(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、または「幻創のパンドラゴン」1体のみの場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2)このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。
(3)フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。その場合、このカードは効果モンスターとなり以下の効果を得る。
●このカードの攻撃力は400アップする。
●このカードの召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキから「幻創のパンドラゴン」のカード名が記されたカード1枚を手札に加える。
「手札の幻創のパンドラゴンの効果発動!」
幻創のパンドラゴン
チューナー・効果モンスター
星2/光属性/幻竜族/攻 0/守 1200
このカードは「幻創のパンドラゴン」のカード名が記されていないモンスターの素材を必要とする特殊召喚の素材にできず、S素材とする場合、他のS素材モンスターはすべてデュアルモンスターまたは幻竜族モンスターでなければならない。
(1)このカードが自分の手札・墓地に存在する場合、自分フィールドの通常モンスター1体を対象として発動できる。このカードを特殊召喚する。対象のモンスターがデュアルモンスターなら、もう1度召喚できる。この効果で墓地からの特殊召喚に成功した場合、ターン終了時まで、自分は「幻創のパンドラゴン」の効果でモンスターを特殊召喚できない。
「自分フィールドの通常モンスター1体を対象に、手札から特殊召喚!」
大きな目の白き小竜が、エヴォルテック・メルシェントの横に現れる。
「さらに対象がデュアルモンスターなら、そのカードを再度召喚!そして再度召喚したエヴォルテック・メルシェントの効果発動!デッキから幻創のパンドラゴンのカード名が記されたカード1枚を手札に加える!」
「そこだ!俺はカウンター
開いた罠カードが、ヒートライオに力を与える。
「相手のカードの発動を無効にして破壊する!」
ヒートライオの咆哮が、エヴォルテック・メルシェントを吹き飛ばした。
「くっ、まだだ。僕は手札からアルスグラフ・メルシェントを特殊召喚!」
アルスグラフ・メルシェント
デュアル・効果モンスター
星6/光属性/幻竜族/攻 2200/守 1200
(1)自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、または「幻創のパンドラゴン」1体のみの場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2)このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。
(3)フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。その場合、このカードは効果モンスターとなり以下の効果を得る。
●このカードの攻撃力は400アップする。
●このカードの攻撃したダメージステップ開始時に発動できる。相手フィールドの表側表示モンスター1体を手札に戻す。
「僕はレベル6のアルスグラフ・メルシェントに、レベル2の幻創のパンドラゴンをチューニング!」
2体の竜がそれぞれのレベルの数の光輪となり、その中央に浮かぶデジタル数字が8を示した。
「シンクロ召喚!現れろ、幻刻龍アルスグラフ・ドラグェント!」
現れたのは時計の文字盤を模した光の輪を背中に背負い、長い胴をうねらせる白き龍だ。
幻刻龍アルスグラフ・ドラグェント
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/幻竜族/攻 3000/守 2400
「幻創のパンドラゴン」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
(1)このカードがS召喚に成功した場合、自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
(2)自分フィールドのもう1度召喚された状態のデュアルモンスターは攻撃力が800アップする。
(3)自分フィールドの通常モンスター扱いのデュアルモンスター1体と、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。対象の相手のカードを手札に戻し、対象の自分のモンスターを召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。
「アルスグラフ・ドラグェントの効果で、墓地のアルスグラフ・メルシェントを特殊召喚!タイムリバース!」
アルスグラフ・ドラグェントが、背中の光輪に時計の針を浮かび上がらせる。
それが逆方向に回転すると、その後ろにアルスグラフ・メルシェントが出現した。
「さらにアルスグラフ・ドラグェントの効果発動!通常モンスター扱いのデュアルモンスターと、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる!対象の相手カードを手札に戻し、自分のデュアルモンスターは再度召喚を行う!」
アルスグラフ・ドラグェントの光輪が光を放ち、時計の針が再び逆方向に回転する。
眩い光に包まれて、空間は歪み、その歪みはヒートライオを飲み込もうとする。
「俺は速攻魔法!
だが、ソウルバーナーの発動した魔法カードが炎の障壁を展開し、ヒートライオは踏みとどまった。
「くっ、だがバトルだ!アルスグラフ・ドラグェントで、ヒートライオを攻撃!」
「墓地のベイルリンクスの効果発動!このカードを除外して、戦闘破壊の身代わりとなる!」
アルスグラフ・ドラグェントが光線を放つが、今度はベイルリンクスが飛び出してそれを受け止めた。
「だがダメージは受けてもらう!」
ソウルバーナー:LP4000→3300
「アルスグラフ・メルシェントでヒートライオを攻撃!再度召喚されたアルスグラフ・メルシェントは自身の効果で攻撃力400アップ、さらにアルスグラフ・ドラグェントの効果で800アップ!攻撃力3400だ!」
続くアルスグラフ・メルシェントの光線。
今度こそ防ぐことはできず、ヒートライオは破壊された。
ソウルバーナー:LP3300→2200
「僕は速攻魔法!デュアル・ファンタズムを発動!」
デュアル・ファンタズム
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。
(1)自分フィールドのデュアルモンスター1体をリリースして発動できる。そのモンスターと種族が同じ通常モンスター1体を自分の墓地から特殊召喚する。この効果でもう1度召喚された状態のモンスターをリリースした場合、さらにデッキから「デュアル・ファンタズム」以外の効果テキストに「デュアルモンスター」と記された魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
(2)自分・相手のメインフェイズに、墓地のこのカードを除外して発動できる。以下の効果のうち1つを適用する。
●自分フィールドの通常モンスター扱いのデュアルモンスター1体を召喚する。
●自分フィールドのもう1度召喚された状態のデュアルモンスターを含むモンスターを素材として、「幻創のパンドラゴン」のカード名が記されたSモンスターのS召喚を行う。
「アルスグラフ・メルシェントをリリースして、同じ種族のモンスターを召喚する。僕はアルスグラフ・メルシェントを再び特殊召喚!」
光の粒子となって消滅したアルスグラフ・メルシェントが、フィールドに再構成される。
「さらにデッキからデュアルモンスター関連の魔法・罠カード1枚をセットできる。バトルだ!アルスグラフ・メルシェントでダイレクトアタック!」
「俺は手札の転生炎獣パローの効果発動!自身を特殊召喚!」
ソウルバーナーの手札から炎が飛び出した。
炎より出でた青い翼を広げる鳥が、アルスグラフ・メルシェントの前に立ちはだかる。
「そして墓地のサラマングレイト1体と攻撃力が同じになる!」
墓地に眠るヒートライオの幻影が、炎となってパローに取り憑いた。
パローの小さな体が、炎に包まれて巨大な怪鳥の姿でアルスグラフ・メルシェントを迎え撃つ。
「くっ、なら僕はスキル、インスタントデュアルを発動!」
インスタントデュアル
スキル
以下の効果のうち1つを選択して発動する。このスキルはデュエル中1度しか使用できない。
●このターンの間、自分のデュアルモンスター1体をもう1度召喚された状態として扱う。
●このターンの間、自分のデュアルモンスター1体を通常モンスター扱いに戻す。
「このターンの間、アルスグラフを再度召喚扱いにする。これで攻撃力アップだ!」
炎の怪鳥は、攻撃力3400となったアルスグラフ・メルシェントの放つ光にパローもろともかき消された。
ソウルバーナー:LP2200→1100
「僕はこれでターンエンド。この瞬間、スキルの効果が切れてアルスグラフは通常モンスターに戻る」
ターン3
「君に戦績で劣るとはいえ、実力は確かなようだな」
「そりゃランキング100位以内にはずっと食らいついてるからな」
「だが、負けるつもりはないだろう?」
「ああ俺は転生炎獣フォクシーを召喚」
尾から火を吹く青い狐のようなモンスターが現れた。
「僕はこの瞬間、僕はセットした永続
アーサーのフィールドにセットされたカードが開き、光の帯のようなものが彼らのフィールドに駆けて、彼らを取り囲む。
「なんだ!?」
「ふふふっ、これはまだ君とのデュエルでは使用していない新カードだ。こいつは発動時に対象としたデュアルモンスターの状態によって効果が変化する」
デュアル・イノセント
永続罠
自分フィールドのデュアルモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
(1)対象のモンスターが通常モンスターなら、お互いのメインモンスターゾーンのデュアルモンスター以外のモンスターは効果を発動できない。
(2)対象のモンスターが効果モンスターなら、相手のモンスターすべての攻撃力・守備力は1500ダウンし、相手のEXモンスターゾーンのモンスターの効果は無効化される。
(3)このカードは相手の効果で破壊されず、対象のモンスターがフィールドを離れた場合、このカードは破壊される。
「対象のモンスターが通常モンスターなら、互いのメインモンスターゾーンのデュアル以外のモンスターは効果を発動できない。デュアルを捨てたことが仇になったな」
「なら俺は、フォクシーをリンクマーカーにセット!リンク召喚!転生炎獣ベイルリンクス!」
ベイルリンクスがアローヘッドから出現した。
「確かに、EXモンスターゾーンなら効果を発動できるが、そいつの効果はデッキから
「それはどうかな。俺はデッキからサンクチュアリを手札に加える。俺はそして俺はスキルを発動する!」
ソウルバーナーが左腕を掲げると、デュエルディスクの中心に炎が集まっていく。
「自分のライフを100にし、失ったライフ1000につき、1枚ドローする!」
「魂を燃やせ!ソウルバーナー!」
「スキル発動!バーニングドロー!」
デッキの中から炎と共にカードを引き抜く。
「よし!俺は墓地のフォクシーの効果発動!フィールドに表側表示の
フォクシーが蘇り、その尾をアーサーのフィールドに向ける。
「言っておくが、デュアル・イノセントは相手の効果では破壊されない」
「ああ。俺が破壊するのは、幻創郷-パンドランドだ!」
フォクシーの放つ炎の弾丸が、空間を砕き、展開されたフィールド魔法を撃ち破った。
「さらに墓地のフォクサー、
さらに二体のモンスターがフィールドに並ぶ。
「くっ、確かにデュアル・イノセントは墓地のモンスター効果までは防げない」
「現れろ、未来を変えるサーキット!召喚条件は炎属性の効果モンスター2体以上!俺は4体のサラマングレイトをリンクマーカーにセット!」
晴れ渡る青空に展開されたアローヘッドへ、4つの炎が渦を巻きながら装填される。
「現れろ。
アローヘッドより、パイロ・フェニックスがフィールドに降り立った。
「パイロ・フェニックス、まずい!ヤツには全体除去効果が……」
「さらに転生────」
「させるか!僕はアルスグラフ・ドラグェントの効果発動!アルスグラフ・メルシェントを再度召喚することで、パイロ・フェニックスを手札に戻す!」
時計の針が巻き戻り、パイロ・フェニックスはEXデッキへと戻される。
「ふぅ……危なかった」
「何安心してるんだ? これでデュアル・イノセントの効果は変わっただろ?」
「……あ」
「俺は永続魔法、
銀のアーマーを装備した丸い炎の妖精が現れた。
「その効果でデッキからレベル4以下のサラマングレイトを手札に加える。俺は
サラマングレイト・オブ・ファイアを素材に、再びベイルリンクスが召喚された。
「サラマングレイトが墓地へ送られたことで、俺はガゼルの効果発動!このカードを手札から特殊召喚!さらに特殊召喚時の効果でデッキからスピニーを墓地へ送る。さらにスピニーの効果で自身を特殊召喚!」
「レベル3のモンスターが2体、ということは……」
「俺はスピニーとガゼルでオーバーレイネットワークを構築!」
ソウルバーナーの前後にそれぞれ赤と青のエックス字のパネルが出現。2体のモンスターは粒子となって分解されて、それらに吸収される。
「エクシーズ召喚!現れろ、
パネルが重なり、光が爆ぜる。
炎をまとう黒い戦馬が、フィールドに駆け降りた。
「ミラージュスタリオの効果発動!デッキから
3体のモンスターがアローヘッドに飛び込む。
「リンク召喚!
「手札1枚からエースモンスターに……だが、デュアル・イノセントの変化した効果により、君のモンスターの攻撃力と守備力は1500ダウン、さらに君のEXモンスターゾーンのモンスターは効果が無効化される」
「なら俺はミラージュスタリオの効果発動!エクシーズ召喚されたこのカードがリンク素材として墓地へ送られた時、相手のモンスター1体を手札に戻す!」
リンク素材となったミラージュスタリオの幻影が、フィールドを駆けて熱風を巻き起こす。
高熱の風にあおられて、アルスグラフ・メルシェントは吹き飛された。
「これで効果対象を失ったデュアル・イノセントは破壊される」
フィールドを包んでいた光の帯も消え、残るはシンクロモンスターのみとなった。
「さらにフェネックの効果発動!サラマングレイトのリンク素材として墓地へ送られた時、デッキからサラマングレイト通常魔法カード1枚を手札に加える。俺はサラマングレイト扱いのフュージョン・オブ・ファイアを手札に。そして現れろ。未来を変えるサーキット!」
上空に魔法陣が展開され、ヒートライオが炎に包まれてその中に吸い込まれる。
「逆巻く炎よ。浄化の力でヒートライオの真なる力を呼び覚ませ!転生リンク召喚!」
魔法陣より炎が吹き出す。
「生まれ変われ!
転生したヒートライオが燃え盛る鬣を揺らしながら、雄叫びを上げた。
「墓地の
墓地のもう1体のヒートライオがアーサーのフィールドに特殊される。
「ヒートライオを渡して、何の意味が……」
「ヒートライオの転生効果発動!相手モンスター1体の攻撃力を、墓地の自分のモンスターと同じにする!アルスグラフ・ドラグェントの攻撃力を、ベイルリンクスと同じにする!」
ヒートライオが両腕を掲げると、その両爪に炎が集まり、それをアルスグラフ・ドラグェントへ投げつけた。
幻刻龍アルスグラフ・ドラグェント:ATK3000→500
「そして魔法カード、フュージョン・オブ・ファイアを発動!自分と相手フィールドのモンスターを素材に融合召喚を行う!」
「なっ!」
「俺は俺とお前のヒートライオを融合!」
2体のヒートライオが、赤と青の光の粒となってフィールドの中央に吸い込まれる。
「1つの狂おしき魂の元、凶悪なる獣達の武具を集めし魔獣よ、今ここに目覚めよ!融合召喚!現れろ、
蒼炎をまとう紫の獣が、全身にまとう凶器を振りかざし、アーサーを威圧する。
「ヴァイオレットキマイラの攻撃力は、融合素材としたモンスターの攻撃力の合計の半分アップする!」
ヴァイオレットキマイラ:ATK2800→5100
「あ、あのーその辺で勘弁────」
「バトルだ!ヴォイオレットキマイラで、アルスグラフ・ドラグェントを攻撃!」
アーサーを無視して、ソウルバーナーの指示の元、ヴァイオレットキマイラがドラゴンに襲い掛かる。
「この瞬間、ヴァイオレットキマイラの効果発動!元々の攻撃力と異なる攻撃力のモンスターと戦闘を行うダメージ計算時、自身の攻撃力を倍にする!」
さらに10200となったヴァイオレットキマイラが、アルスグラフ・ドラグェントを串刺しに、その勢いのままアーサーに襲い掛かった。
「うわぁぁぁっ!」
◆
「なぜ勝てない!」
項垂れるアーサーに、追い討ちをかけるようにネットの反応が目に飛び込む。
『ざっっっこぉっwwwwww』
『プレミ乙wwww』
『格が違うんだよ。蕎麦様に近寄んな』
「お前らそんなに僕のことが嫌いか!」
「あ、あのさ、アーサー……」
そんな彼に、ソウルバーナーが申し訳なさそうに話しかけた。
「なんだよ!」
「いや、俺も正直、スキルのドローに助けられただけで、普通に追い詰められてたし、その、元気だせよ」
「そんな下手な慰めなどいるか!だいたい君がデュアルを捨てたから、僕がますますライバル感がなくなったんじゃないか!」
そんな彼らを他所にプレイメーカーは、ウィンドウを開いてネットの記事を閲覧していた。
「何見てるんだ?」
「アーサーのブログだ」
Aiもウィンドウを覗き込む。
「お前、本当にデュアルが好きなんだな」
「当たり前だ。何せデュアルは変身、2度の召喚によって新たな姿へと生まれ変わる。ロマン溢れるカードなんだ」
「生まれ変わるか……転生リンク召喚も、似たようなものだな」
プレイメーカーの何気ない発言に、アーサーの眉がピクッと動く。
「そうか。転生もデュアルも同じ、君はデュアルの魂を失ったわけではないんだな」
「え? あ、おお」
勝手に機嫌を直したアーサーは立ち上がり、またDボードを走らせる。
「僕はまた鍛え直して、必ず君に挑む。覚悟していろよ、僕の永遠のライバル、ソウルバーナー!」
そういって、アーサーは去っていった。
「何だったんだ……」
「ちなみに、お前はあいつのことはどう思ってるんだ?」
「やっぱり眼中にもないか?」
Aiは小馬鹿にしたように言うが、ソウルバーナーはあっけらかんと答えた。
「ライバルだよ。周りがどうとか、ついでにデュアルどうのとか関係なくな」