ユウリは納得するまで戦うようです。   作:ザイエロー

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ユウリは旅に出るようです。

 ダンデさん──というよりはリザードンだけど──に連れられ、微睡みの森を出た後にホップたちと一度別れ、自宅に戻って旅の支度を済ませた後に母と話す。

 

「推薦状?」

 

「うん。ポケモンも貰ったし、あたしもジムチャレンジしたいなーって」

 

「ふーん……」

 

 母に抱き上げられたヒバニー(ニーバ)がきゃいきゃいと喜ぶ。抱き抱えられるのが好きな子のようだ。

 

「それよりユウリ、森に入ったんだって?」

 

「うっ……それは、その〜……」

 

「危ないから森に入ったらダメって言ったでしょ! ダンデさんがいなかったらどうなってたか……」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 母のお叱り言葉。やっぱりというか、ダンデさんから話が伝わっていたらしい。

 全面的にあたしが悪いので何も言い返せず、謝りながらその場に縮こまる。

 

「全くもう……ニーバちゃんもごめんね。怪我は無い?」

 

「ヒバッ」

 

 挙句、あたしよりも先にニーバの心配をする始末。それは母としてどうなのかと思わなくもない。

 

「あのね。戦うのはユウリじゃなくてポケモンなの。ユウリが無茶するって事は、この子にも無茶させるって事なのよ?」

 

「……はい……反省してます……」

 

 トレーナーとポケモンはお互いをパートナーとするけど、実際に身体を張って戦うのはポケモンだ。だからトレーナーはちゃんと考えて行動しないといけないし、ポケモンに無理を言ってもいけない。

 その意味では、今回のあたしの行動は浅慮だったと言わざるを得ない。

 もしもあの蒼いポケモンが凶暴なポケモンだったら、ニーバ諸共やられていたかもしれないのだから。

 

「……別にユウリが全部悪いとは言わないわ。きっと何か事情があったんだと思う。だけどあんまりお母さんを心配させないで?」

 

 無事でよかった、と母があたしを抱き締める。

 優しくて、とても安心する感じ。あたしは、母に心配をかけていたのだと今更ながらに理解した。

 しばらくの間抱き締められ、ゆっくりと母の体温が離れる。

 

「……ジムチャレンジって事は、旅に出るって事よね」

 

「うん。そのつもり」

 

「そっか。──うん、いいわ。頑張ってきなさい」

 

「え? いいの?」

 

 存外にあっさりと送り出されて面食らってしまう。

 森の件もそうだし、まだ早いとか言われると思っていたのだけど。

 

「本当は心配よ? ユウリはマサルと違って危なっかしいんだもの」

 

「うっ……」

 

 確かに兄は年齢の割に大人びていたから、母としても安心して旅を見送れたのだろう。

 逆にあたしは昔から落ち着きが無いと言われがちだった。行動力お化けだとか、褒められているんだかよくわからない言葉をホップから賜った記憶もある。

 まして、あたしたち兄妹をずっと見てきた母からの評価は覆らないだろう。甘んじて受け入れるしかない。

 

「でも、せっかく我が子が成長する機会を潰したくはないもの。やりたいようにやりなさい。お母さんは応援するわ」

 

「お母さん……」

 

 ただし、と母がピッと指を立てる。

 

「何かあったら──ううん、何も無くたっていつでも帰っておいで。家ならゆっくり休めるでしょ」

 

「──うん。ありがとう、お母さん」

 

 今度はあたしから母に抱き着く。

 旅に出たらしばらくはお別れだから、少しでも長くこの暖かさを覚えていられるように。

 母があたしの背に手を回す。とても優しい手つきだった。

 温もりを深く噛み締め──少し名残惜しいけどゆっくりと離れて。

 

「──じゃあ、行ってくるね、お母さん」

 

「うん。行ってらっしゃい、ユウリ」

 

 母の見送りを背に、あたしは旅への一歩を踏み出した。

 

 

 * * *

 

 

 1番道路手前にてホップと合流し、そのままブラッシータウンにあるポケモン研究所へと向かう。

 見れば入り口前にダンデさんが立っており、一人でどうやって来たのかと問えば、リザードンに連れてきてもらったとの事。どこまでも優秀なパートナーである。

 そうしてダンデさんを先頭に研究所内に入ると、大きな本棚がいくつも目に入ってきた。

 背表紙に書かれたタイトルを見ても、どれもこれも難しそうなものばかりであたしには理解出来そうにない。

 さすがは研究所といったところで圧倒されていると。

 

「ワパ!」

 

「わっ……この子って……」

 

 茶色く丸っこい体。マフラーのように生えた首元の黄色い毛。短い手足で愛嬌たっぷりな顔のこのポケモンは、確かこいぬポケモンのワンパチだったはず。

 

「かわいい……!」

 

「ワパ♪」

 

 屈んで頭を撫でてみると、気持ちよさそうに目を細める。

 静電気のせいか少しパチパチしたけど、触っているうちに気にならなくなった。

 ここにいるって事は野生ではないのだろうけど、トレーナー(飼い主)はどこにいるのだろうか。

 

「お、来たねダンデくん。ホップも久し振り。それと……あなたは?」

 

「あ、は、初めまして。ユウリといいます」

 

「ユウリね。わたしはソニア。博士の助手をしています」

 

 そう自己紹介してくれたのは、緑色の縦セーターの上から茶色のトレンチコートを羽織り、下は水色のスキニーパンツにブーツという活動的な服装をした大人の女性。

 小さなハートのアクセサリーを散らしたサイドテールと、頭に付けたサングラスが特徴のソニアという名前らしい人は、自らをマグノリア博士の助手だという。

 

「ふーん、この子が新しいトレーナーね。確かマサルの妹さんなんだっけ?」

 

「ああ。先輩として色々教えてやってほしい」

 

「と言っても、わたしもトレーナーは引退してるようなものだしなぁ……。むしろそういうのはダンデくんの仕事でしょ」

 

 そんな風に会話をする二人はとても仲が良さそうだ。気の置けない間柄というやつだろうか。

 

「この二人は幼馴染みなんだぞ。ジムチャレンジの時も一緒だったんだってさ」

 

「へえ……あたしとホップみたいだね」

 

 尤も、あたしとホップは幼馴染みという程昔からの関係ではないけども。

 ……それにしても、ソニアさんはとても美人だ。見た目の印象から少しギャルっぽいのかなとも思ったけど、親しみやすさと礼儀正しさがあって怖いイメージは全く感じられなかった。

 こんな美人さんと幼馴染みだなんて、ダンデさんもなかなかどうして隅に置けない男である。

 

「……ねえねえホップ、この二人ってお付き合いしてるのかな?」

 

「え? うーん……そんな話アニキからは聞いた事ないけど……」

 

「でもお似合いじゃない?」

 

「……オレにはよくわからないぞ」

 

 そう言って目を逸らすホップ。

 ダメだなぁ。こんなにも親しげなんだからきっと何かあるはずなのに、そんな事もわからないなんて。ここは直球勝負で聞いてみようか。

 

「あの、ソニアさん」

 

「ん? 何かな?」

 

「お二人はお付き合いしてるんですか?」

 

「お付き合い……って、わたしが? 誰と?」

 

「ダンデさんとです」

 

 ダンデさんとソニアさんが顔を見合わせる。

 そうして少し間が空いて──ぷっ、とソニアさんが吹き出した。

 

「あはははっ! ナイナイ! ダンデくんはわたしの事なんてナビゲーターくらいにしか思ってないって! それにわたしは助手っていったって自称だし、ガラルチャンピオンとは釣り合い取れてないよ」

 

「え……でも、あんなに仲良さそうに話してたのに……」

 

「そりゃ幼馴染みだもん。というか、もしわたしなんかが彼女だったら大スキャンダルだよ」

 

「えー……」

 

 なんというか、ちょっとがっかりしたというか。

 確かにバトル一辺倒かと思われている──事実あたしもそう思っていたし──ダンデさんに彼女がいたとすれば、それはもう凄い勢いでマスコミが飛びつきそうなネタではあるけど。

 ロマンスの匂いがしたと思ったのに少し残念。

 

「ごめんねー普通の関係で。でも惚れた腫れたの話をするにはまだ早いと思うよ?」

 

「むう……」

 

 ぽんぽんとソニアさんがあたしの頭を叩く。これが大人の余裕というやつか。

 

「あー笑った笑った。そのお礼ってわけじゃないけど、あなたはスマホロトム持ってる?」

 

「あ、はい。ヘイロトム!」

 

 呼びかけに応じて、スマホに憑依したロトムがポケットから飛び出してくる。

 

「いいよね、スマホロトム。マップも見れるしナビもしてくれるし。ダンデくんは何故かそれでも迷子になるけど」

 

 どうやらダンデさんの方向音痴は昔からのものらしい。一瞬だけソニアさんの表情に陰が差した。

 

「まあそれはいいや。ポケモン図鑑って知ってる?」

 

「はい、もちろん。ポケモンを自動で記録してくれるアプリですよね」

 

 ポケモン図鑑。それは出会ったポケモンをスキャンする事で、そのポケモンのデータを保存出来るアプリの事だ。

 昔は専用の機械があったみたいだけど、技術の進んだ今となってはスマホロトムにダウンロードする事も可能になっていて、随分とお手軽になった。

 尤も、ダウンロードするには企業やその道の人から直接譲ってもらう必要があるけど。

 

「あなた、トレーナーになるんでしょ? ならポケモン図鑑はあって損はないと思うし使えるようにしてあげる」

 

「えっ、いいんですか?」

 

「いいのいいの。じゃあスマホ少し借りるね」

 

 言ってソニアさんが何かの操作をする。

 一分もしない間に作業が完了し、戻ってきたスマホの画面に見ると、そこには『ポケモン図鑑』というアプリの文字がとアイコンが表示されていた。

 

「わあ……! ありがとう、ソニアさん!」

 

「うむ。ではこれから頑張って色んなポケモンと出会いたまえ──なんて、図鑑を作ったのはおばあ様だけどね」

 

 たはは、とソニアさんが笑う。

 ところであたしだけ図鑑を貰ったけど、ホップは必要ないのだろうか。

 それを尋ねてみると、どうやらホップは以前にダウンロードしてもらっていたらしい。二人は知り合いみたいだし、まあそういう事もあるだろう。

 

「なあソニア。マグノリア博士はいないのか?」

 

 ホップの問い。

 そうだ。そもそもあたしたちがここに来たのはマグノリア博士に推薦状を書いてもらう為。

 

「ああ、今日はお休みしてるんだよ。ほら、おばあ様もお歳だからさ。何か用があるならわたしが聞くけど」

 

「推薦状が欲しいんだ。それを博士に書いてもらおうと思って」

 

「推薦状……あー、確かにそれはおばあ様じゃないとダメだわ。でもそれこそダンデくんに書いてもらえばいいんじゃないの?」

 

「言ったけどダメだって言われたんだぞ」

 

 ホップが口を尖らせる。

 正確にはダメと言われたんじゃなくて迷ってる感じだったけど、まあ渡されていないのだから同じ事だ。

 

「ふーん? まあそこら辺の話はわたしにはわかんないし、とりあえずおばあ様に挨拶しておいでよ。連絡はしておいてあげるから」

 

「サンキューソニア! よし、ユウリ! 早速向かうぞ! またなソニア!」

 

「はいはい。勢い余って転ばないようにねー」

 

 そうしてソニアさんがひらひらと手を振り、ホップが研究所を出て行った。

 マグノリア博士の家は確か2番道路の先にあったはずだから、次の目的地はそこだ。

 ここからだと少し遠いけど、まあ一時間も歩けば着くだろう。ソニアさんの見送りを受けてあたしとダンデさんも研究所を出る。

 

「ソニアさん、いい人ですね。しかも美人さんだし、あんな人と一緒に旅してて本当に何も思わなかったんですか?」

 

「…………」

 

「ダンデさん?」

 

 返事が無い。

 ちらりと横目で確認すると、あんなにも輝かしい覇気を纏っていたはずのダンデさんが見る影もなく煤けていた。

 

「ど、どうしたんですか……?」

 

「ああいや、あそこまではっきりナシだと言われるとな……」

 

「あー……」

 

 言われてみて思う。

 あれは実質的に『あなたは恋愛的には眼中に無いです』と言っているようなもので、仮にソニアさんへの恋愛感情が無いのだとしても、男としては傷付く言葉だったのかもしれない。

 批判意見なんて気にしなさそうな人だけど、幼馴染みから言われるのは流石のダンデさんといえども効くらしかった。

 

「おーい、二人とも何してんだ? 早く行くぞ!」

 

「あ、うん、すぐ行くよ! ダンデさん、疲れてるなら少し休んだ方がいいですよ」

 

「ああ、そうしよう……。すぐに行くから先に行っててくれ……」

 

 先にいるホップがあたしたちを呼ぶ。

 やや傷心気味のダンデさんは未だに何かぶつぶつと呟いているけど、まあそのうち復活するだろう。

 とりあえず、なるべく早くそのチャンピオンらしからぬ影は消してほしいと思った。

 

 

 * * *

 

 

 マグノリア博士の家を目指す道すがら、2番道路にて。

 

「はぁぁぁ〜っ!」

 

「ワパ!」

 

「カア」

 

 ワンパチとココガラの二匹につぶらな瞳を向けられる。

 近付いても逃げないどころか、むしろ興味深そうにこちらを見てくるし、ワンパチに至っては尻尾をブンブンと振りまくっている。なんて愛らしいんだろう。

 

「見てホップ! かわいいよこの子たち!」

 

「そうだな。どっちか捕まえてみればいいと思うぞ」

 

「うーん、あたしもそうしたいんだけどボール持ってないし……」

 

 なんて言いながら未練がましくバッグを開ける。

 何度確認したところで、今入っているものは着替えとかお財布くらいのものなんだけど。

 

「──あれ?」

 

「ん? どうした?」

 

「ボールが入ってる……あとこれは……封筒?」

 

 封筒を手に取り中身を確認してみると、入っていたのは──なんと現金三万円だった。

 

「ちょっ……!? 何これ!? こんなの知らないんだけど!?」

 

 当たり前だけど、お金を持ち歩くならこんな封筒じゃなくてちゃんとお財布に入れる。だからこれはあたしのお金じゃない。

 お金を盗んでいくのならともかく、まさか入れていくなんて逆泥棒ではないか。

 どうしたものかと慌てていると、お金の間から白い紙が一枚落ちた。

 

「これ……手紙かな?」

 

 おっかなびっくり中身を開くと。

 

『ユウリへ。お小遣いです。無駄遣いしないようにね。母より』

 

「……いつ入れたんだろう……」

 

 少し考え、多分抱き合った時かなぁと当たりを付ける。

 こんな方法じゃなくて普通に渡してくれればいいのに、悪戯好きというかなんというか……。

 

「ま、まあお金はあって困るものじゃないしね。ボールもありがたく使わせてもらおう」

 

 びっくりしたけど無下にするようなものでもなし。それよりは母からの贈り物を有効活用するべきだろう。

 さて、どちらを捕まえようか。

 ぽてぽてして人懐っこいワンパチ。丸っこい身体でぱたぱた空を飛ぶココガラ。とても悩ましい。

 

「うーん、どうしよう……」

 

「別に両方捕まえたっていいんだぞ?」

 

「それはそうなんだけど、一度にいっぱい捕まえても面倒見切れないかなって」

 

 兄やダンデさんを見ていると感覚が麻痺するけど、複数のポケモンを同時に育成するというのはとても難しい。

 人の子どもだってそうだろう。いきなり六つ子の面倒を見ろと言われて、それをこなせる人間がどれだけいるのかという話だ。

 だから最初はまず一匹──ニーバを入れて二匹。残りのメンバーは後々増やしていくとする。

 

「うーん……う──ん……」

 

 悩む。悩む。悩む。

 ココガラは信じられない事に、ガラルタクシーで有名なあのアーマーガアに進化する。

 見た目もかっこいいし、バトルにおいても非常に頑強で頼りになるポケモンだ。兄の手持ちにも入っていたし、捕まえたい気持ちはある。

 だけどもワンパチ。あの子の瞳がずっとボールを捉えて離さない。

 すいと右にボールを動かす。ワンパチの目線がそれに吸い寄せられる。今度は左に。また動く。

 ころりとボールを転がしてやれば、短い手足でてしてしと遊び始めた。

 その姿にあたしのハートが撃ち抜かれる。

 

「はうぅっ……! ホップ! あたしこの子にする!」

 

「ワンパチか。ソニアとお揃いだな」

 

 研究所で見た時から思ってたけど、ワンパチというポケモンがかわいすぎる。

 つぶらな瞳。ぽてぽてとした身体。短い手足。そして愛嬌たっぷりの顔。それが嬉しそうに尻尾をブンブンと振ってくるのだからたまらない。

 

「よーし、じゃあきみ! あたしと一緒に来ない?」

 

「ワパ? ワンパ!」

 

 言うが早いか、ワンパチがボールのスイッチにタッチし中へ吸い込まれていく。

 一度、二度、三度と揺れて──ワンパチはあっさりとボールの中に収まった。

 

「は、初ゲット……! よろしくね、ワンパチ!」

 

「おめでとう、ユウリ! んじゃお前はオレと行こうぜ!」

 

「カア!」

 

 言ってホップもココガラにボールを投げると、そちらも特に問題なくあっさりと捕まった。

 ポケモンを捕まえる時は抵抗される事もあるというけど、ここのポケモンはそういう素振りを見せなかった。温厚な子たちが多いんだろう。

 

「よっし、ココガラゲットだぞ! 一緒にチャンピオンになろうな!」

 

「お、なんだお前たち。もうポケモンを捕まえたのか! 見どころがあるぜ!」

 

「あ、ダンデさん。復活したんですね」

 

「ああ、もう大丈夫だ! さあ、博士の家へ行こう!」

 

 そう言うダンデさんはすっかりいつもの調子に戻っていた。やっぱりダンデさんはこうじゃないと。

 

「ああそうだ。この辺りにはポケモントレーナーもいるからな。目と目が会ったらポケモンバトル! そうやってトレーナーもポケモンも成長していくんだぜ!」

 

 もちろん時と場合を考えてだけどな、とダンデさんが付け加える。

 

「よーし! まずはここにいるトレーナー全員と戦ってポケモンをバッチリ鍛えるぞ! ユウリはどうするんだ?」

 

「あたしは……じゃあ、あたしもそうしようかな。でもその前にこの子の名前を考えてあげなきゃ」

 

 ワンパチの入ったボールを見て。

 

「そうか、ならオレは先に行くぞ! アニキも行こう!」

 

「ああ! じゃあユウリ、博士の家で会おう!」

 

 言って、ホップとダンデさんが駆け出していった。

 二人ともせっかちだなぁなんて思いながら、あたしはワンパチのニックネームをどうするかを考えるのだった。

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