創立者達は生まれ変わる。   作:八重歯

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04 次の日(蛇と獅子と穴熊と鷲)

 

翌日、朝食の時間。

 

ゴードンはジェームズ、シリウス、リーマスと大広間に向かった。

サラはセブルスと大広間に向かった。

ルカはラピーヌと大広間に向かった。

ローシャとパンドラはその時間になっても本を読み耽り、止めるルームメイトが他には居なかった為まだ本に囲まれて読書を続けていた。

 

 

大広間へ向かう広い廊下で、それぞれのカラーのローブを着て、ネクタイを締めた3組が出会う。

ジェームズとシリウスはスリザリン生であるサラとセブルスを見ると嫌そうに顔を顰めていたがすぐにヒソヒソと意地悪げな表情で囁き合う。

セブルスの顔を見て汽車のコンパートメント内で出会った少年だと気がついたのだ。セブルスもまたジェームズとシリウスが、自分の事をスニベルスだと侮辱した2人だと気付き心から嫌そうに顔を歪める。

ラピーヌはスリザリン生とグリフィンドール生が出会えば碌な事にならないと兄から聞かされていたため、そっと壁際に寄った。 

 

 

しかし双方の間にそんな確執があるとは知らず、そもそもスリザリンとグリフィンドールの仲が険悪だと知ってはいたが気にするつもりのないゴードンとサラとルカはごく普通に近づき朝の挨拶を交わす。

 

 

「おはよう!ゴードン!サラ!」

「ああ、おはよう」

「おはよう!なぁ何人部屋だった?俺のところは4人だ!」

「僕は2人部屋だな。スリザリン生は比較的少ない。才ある者しか来れないからな」

「えー?私も2人部屋だよ、どの寮もみんな違っていいじゃない!ハッフルパフも負けてないんだからね!」

「ハッフルパフ生も、優秀な奴が多いよな。勿論!グリフィンドールも負けてねぇ!あっそうだ!ルームメイト紹介するよ!──あれ?どうしたんだお前ら」

 

 

ゴードンはすぐ隣に居ると思っていたジェームズ達が少し離れた所に突っ立っているのを見て不思議そうに首を傾げる。サラとルカも振り返りそれぞれのルームメイトが離れた所に居る事に気付くと不思議そうに顔を見合わせた。

 

 

「どうしたんだって…ゴードン、彼らはスリザリン生だ」

「そりゃ、…ジェームズにはネクタイの色が赤色に見えるのか?」

「そういう意味じゃなくて!…やけに仲が良さそうだけど、ここに来る前からの友人なのかい?」

 

 

ジェームズは怪訝な顔でサラとゴードンを見比べる。

ゴードンとサラ、そしてルカはきょとんとした顔で首を振った。

 

 

「いや、昨日出会ったばかりだ、なぁ?」

「ああ、そうだ」

「うん、そうだよ」

 

 

ゴードンの言葉にサラとルカは頷く。

出会ったのは昨日だが、魂の付き合いは長い──勿論それを言うつもりはない3人を見て、ジェームズは気の毒そうな顔でゴードンを見た。

 

 

「君はホグワーツのスリザリン生について知らないんだね…きっと嫌になるくらいわかるよ。スリザリン生に良いやつなんていないんだからね」

「──ああ、そういう事!グリフィンドール生とスリザリン生ってめちゃくちゃ仲悪いらしいな!んなの関係ねぇよ、サラ面白い奴だぜ?なぁ、ルカ?」

「うんうん、勿論ゴードンも面白いよ!」

 

 

からからと大口を開けて屈託のない笑顔でゴードンは笑い、ジェームズの言葉を吹き飛ばす。ジェームズは目を瞬かせ「本当に?スリザリン生なのに?」とまだ信じられず3人を見た。

 

 

「ねえねえ!君、名前はなんていうの?私はルカ・テイラーよ!そんな差別主義者のあなたとも友達になりたいの!」

 

 

ルカは全くもって悪意のない顔で笑うとジェームズに手を差し出す。辛辣な言葉と柔和な表情に、ジェームズは一瞬何を言われたのかわからなかったが、すぐにカッと顔を赤くし「さ、差別主義者じゃない!」と叫んだ。

 

 

「マグル生まれや混血を差別するのはスリザリン生(あいつら)の方だ!僕はそんな事をしない!」

「え?違うの?じゃあ、どうしてあなたはサラの事を良いやつじゃないって言い切れるの?サラの何を知っているの?生まれを知ってるの?実はホグワーツに来る前からの知り合いだったの?そこでサラがマグル生まれとか混血を差別する場面に遭遇したの?ねぇ、貴方達2人も同じように思うの?」

 

 

ルカの怒涛の疑問にジェームズは言葉に詰まり、シリウスとリーマスはいきなりキラキラと輝く目で見られ、思わず一歩後ろに下がった。

ルカはちっとも怒ってもいなければジェームズを責めるつもりもない、ただ心の底から疑問だったのだ。全てを受け入れる彼女は、受け入れることができない者を見ると不思議でならない。

 

サラは千年前も同じように言われた事を思い出し、少し懐かしむように目を細め苦笑した。

あの時はもっと激しい口調で、お互いマグル生まれについて議論を交わしていたがついぞ答えは出る事はなく2人の意見は平行線を辿り── サラザール(自分)がホグワーツから去ったのだ。

 

 

「あー。そうだな、俺はそいつの事は──よく知らない、うん」

「シリウス…」

 

 

シリウスは、ここで強くスリザリン生であるサラ個人の事を否定すれば、それはきっとマグルを侮蔑する両親と同じ事だと思い、──勿論良い気はしなかったが、サラに「シリウス・ブラックだ」とぶっきらぼうに自分の名前を告げた。

 

 

「そう…だね、僕はリーマス・ルーピンだよ、君はサラ・シェルターだよね?…えっと、そこの彼は?」

 

 

リーマスも困ったように笑いながら自己紹介をすると、サラの後方でシリウスとジェームズを睨み続けていたセブルスを見る。

セブルスは眉間に皺を刻ませたまま「セブルス・スネイプ」と吐き捨てるように答えた。

 

 

「私はルカ・テイラー!この子はルームメイトの──」

 

 

ルカはにっこりと笑い、壁に身を寄せて場を見守っていたラピーヌの手を取り、彼らの前に押し出した。ラピーヌはやや表情を引き攣らせていたが、彼女もまた、別に寮に深いこだわりはない。喧嘩に巻き込まれたくはないが。

 

 

「ラピーヌ・スキャマンダーよ」

「よろしくね!シリウス、リーマス、セブルス!…そして、ミスター…?」

「…ジェームズ!ジェームズ・ポッターだ!」

 

 

ジェームズはなんだか自分が駄々を捏ねている子どものような気がして耐えられず、自暴自棄になったように大声で「よろしく!!」と叫ぶ。

それを聞いて周りの生徒達は一体何事かと彼らを見たが、その中にスリザリン生とグリフィンドール生がいる事に気がつくと、コソコソと囁き合い見て見ぬ振りをした。どうせ、いつものようないざこざだろうと思ったのだ。

 

 

「ああ、僕はサラ・シェルター。スリザリン生としてではなく、サラとして見てほしい。それで嫌いになるのは仕方ないさ、人間、相性というものはある」

 

 

サラはルカほど博愛主義者では無い。相性の問題でどうしても相容れぬ存在がいるのだという事を知っている。

ゴードンは場が収まりなんとかそれぞれが自己紹介出来た事に満足そうに笑い、ジェームズの背を強く叩いた。

 

 

「友達は多い方がいい!友は、1番の宝だからな!」

 

 

ニコニコと笑うゴードンに、ジェームズは勿論まだ納得のいかないところは多かったが──とりあえず、このサラという人、そしてコンパートメントで侮辱してしまったセブルスという少年の事を知ってから付き合いを考えても良いのかもしれない、と思った。

スリザリン生は闇の魔法使いや魔女を多く排出しているが──まぁ、確かに、偉大だと言われ名を残す魔法使いがいるのは確かだ。

 

 

一方セブルスは、昨日のコンパートメントで受けた侮辱を忘れることが出来ず、ポッターとブラックの2人とは友人なんかになるものかと心の奥底で呟く。サラが言ったように、お互いに相性が悪いに違いない。友になどこちらから願い下げだ。

 

 

「──貴方達、こんな道の真ん中で邪魔ですよ」

 

 

和やかな雰囲気の中、切り裂くような冷たく鋭い声が響く。

彼らは一斉に振り返り、一部の者は首を傾げ、一部の者はぱっと表情を明るくさせた。

 

 

「ローシャ!おはようー!」

「おはようございます、ルカ」

「はよー」

「おはよう、ローシャ」

 

 

腕を組み顎をツンと上げたローシャと、その後ろから眠そうに目をこすりながらパンドラが現れる。

ルカはぱっと笑いローシャの首元に抱きつく、途端にローシャは険しかった表情を弛緩させると優しくローシャにだけ返事を返した。

 

 

「ゴードン、サラ、通行の邪魔です」

「はぁ?ルカもいたけど」

「ルカは、少し端に居ました。だからいいのです」

「…相変わらずだな」

 

 

ゴードンが片眉を上げ文句を言ったが、ローシャはさらりと流すとルカの頭を撫でる。

ローシャとルカ──ロウェナとヘルガは千年前からいつもこうだ、まぁ、同じ力と才能を持ち、さらに同性である2人は姉妹のように仲が良かった。ゴドリックとサラザールには言うことのできない話や悩みも、お互いだけには話す事が出来た。──最も、殆ど恋愛関係の話だったが。

 

 

「私は空腹です。さあ、ルカ、パンドラ、…そしてそこのミス…?」

「あ…ラピーヌ・スキャマンダーよ」

「ラピーヌ。大広間に行きましょう」

 

 

ローシャはそう言うとスタスタと歩みを再開させる。

ローシャという女性は唯我独尊我が道をゆく。自分の欲望に忠実であり、一部の人を除き──他者のことをあまり気にしない。

 

ルカは残された男子達に手を振り、ラピーヌはちらちらと見ながらもその後に続き、パンドラは自己紹介もしなかったが一切気にすることなく──その場を後にした。

 

 

残された彼らはちらりと顔を見合わせた。

 

 

「大広間、行くか」

「そうしよう」

 

 

ゴードンはローブのポケットに手を突っ込みジェームズ達に「ほら、行くぞ」と声をかけ、サラはちらりとセブルスを見て無言で歩くが、しっかりとセブルスの歩く速度に合わせていた。

 

 

グリフィンドール生とスリザリン生が争わず廊下を歩く事など、きっと──何百年ぶりだろう。

すれ違った生徒たちは自分の見間違いかと何度も彼らのネクタイカラーを確かめ、ひそひそと言葉を交わす。

 

 

勿論、ゴードンとサラはそんな囁きを気にせず楽しげに会話していたが、一年生であり、そもそもホグワーツでの生活が始まって二日も経っていないセブルス、ジェームズ、シリウスは流石に気まずそうに肩をすくめ無言で歩き、目立つつもりなど毛頭もなくひっそりと過ごしたかったリーマスは蒼白な顔でうつむきなるべく身を縮めていた。

 

 

 

大広間に着いた途端、飛び込んできたのはローシャの静かな怒りの声だった。

 

 

「何がいけないのか、全くもって理解出来ませんが」

「いや…だから、その…長机が四つあるよね?つまり、それぞれの寮で食べないと…ほら、仲が悪い寮もあるし…」

「四つ、ではなく四台と言いなさい。…ええそうですね、四台の机があります。三台では全生徒が座れません。ホグワーツの校則を見る限り式典以外で座る場所に明確なルールはありません、つまり、私たちが何処で、誰と食べようが自由です。ああ!5分も時間を浪費してしまいました、その時間があれば私は100ページは本を読めたのに…時は平等であり、その時の過ごし方に人生が現れる…貴方は私の尊い時間を消費したのです悔い改めなさい」

「上級生に向かって…!」

 

ローシャのマシンガントークに顔を真っ赤に染めわなわなと震える青年は、グリフィンドールの7年生だった。

彼は決して悪くない。グリフィンドール寮の席についているローシャ達を見て、まだホグワーツに来て暗黙のルールを知らないのだと思い──善意から、ローシャに「レイブンクローの机はあっち、ハッフルパフの机はその隣だよ」と教えただけなのだ。

 

ローシャ達はグリフィンドール生しか居ない長机の後方に座っていた。

ローシャの隣にいるパンドラは隣で起こっている事など気付いていないかのようにスコーンに蜂蜜をかけて食べ、ローシャの前に座るルカはトーストを齧りながら「ローシャ朝から元気ね!」と言わんばかりにニコニコと微笑み、ルカの隣にいるこの中で唯一の常識人であるラピーヌは流石に席をたつべきか悩んでいた。

 

 

「どーしたんだよローシャ」

「どうしたもこうしたもありません。この男が私の時間を無駄にしました」

 

 

ゴードンがパンドラとは反対側のローシャの隣に座り、オートミールが入ったボウルを引き寄せながら聞く。ジェームズとシリウスとリーマスは騒ぎに入るつもりは無かったが、とりあえず、椅子一つ分開けてその隣に座った。そもそもここはグリフィンドール生の場所だ。

 

 

「原因は?」

 

 

サラは「また別の寮生が増えた!」と愕然としてサラを見る男子生徒を見ながらルカの隣に座り、果物が入ったボウルから苺を摘み食べる。セブルスは流石にその隣に座る勇気は無く──スリザリン生達からの強く冷ややかな視線を感じていたのだ──かと言って、1人で寂しく食べるのも嫌で、サラの後ろに突っ立っていた。

 

 

「この男は、寮の仲が悪いから、寮ごとに別れて食事を取るべきだと言うのです」

「へー?そんなルールあったんだ?」

「暗黙の了解というやつだろう」

「私は納得のできない事に従うつもりはありません」

 

 

きっぱりと告げるローシャに、サラは周りを見渡し──どうやらこの中で1番スリザリン生が歓迎されていないようだとわかったが、彼にとってそれはどうでも良かった。

 

 

「私は好きな場所で食べます、どうぞミスター?気にせずお帰りください」

 

 

さらりと言われた言葉に、男子生徒は口を震わせ「どうなっても知らないぞ!」と怒りながら友人達の元へ戻った。

ようやく邪魔者が居なくなったとローシャはさっぱりとした顔で止まっていた食事を再開させる。

 

 

「…暗黙の了解なら、従うべきだと僕は思うが」

 

 

ぽつり、とセブルスはローシャに向かって呟いた。

別にあのグリフィンドールの上級生に加勢するわけではない、ただ、セブルスはスリザリン生の多い机に向かいたかったし、…1人では無く、サラと食事を共にしたかった。ルームメイトで固まって行動する者が多い中、元々人付き合いが得意ではないセブルスは──和気藹々とした知り合いが1人もいないグループの中に入っていく勇気はない。

 

サラとゴードンとルカは、セブルスを見上げどこか楽しげに視線を交わす。ローシャに意見を言う者など、なかなか居ない。それに先ほどのマシンガントークを聞いた後でローシャに異議を申し立てる事ができるセブルスを、少し意外そうな目で見ていた。

 

ローシャは口の中に入っていたサンドイッチをよく噛み飲み込むと、セブルスを厳しい目で見上げる。

 

 

「なんですか。ミスター。何故そう思うのですか」

「確かに、校則にそれは書いていないのかもしれないが…。暗黙の了解なんだ、きっと何十年もそうなのだろう、先人達もそれに従い、今まで問題が無く…寧ろ…意義があったからそのルールが続けられているのではないか?」

「…ミスターの考える、意義、とは?」

 

 

おや、とゴードンとサラとルカは思った。

ローシャがセブルスの発言にすぐに否定せず耳を傾ける姿勢を見せている。

そもそも、ローシャは論理的な説明を好む。ぼんやりとした曖昧な説明を嫌う彼女は、道理の通った説明を感情のままに否定するほど愚かではない。

 

セブルスは少し考え込み、辺りを見渡す。

机の先頭にいる生徒が羊皮紙の束を教師から受け取り、後ろに回している事に気がつくと、考えながらもぽつぽつと話した。

 

 

「…時間割等の配布物を配るときに、同じ寮生で固まっていた方が効率が良い。昨夜、寮に移動した時のように──寮生が同じ場所に居た方が、声が掛けやすく直ぐに集合できる。効率を重視した結果だ。──それが意義であり、規則ではないが先人達が守っていたルールが続けられる所以ではないだろうか」

 

 

セブルスは、単純にそれぞれの寮──とくにスリザリンとグリフィンドール──との間に対抗意識があるからだとも思ったが、その言葉を言う事はない。先ほどの彼女と上級生の会話から、彼女が感情論を好まない事は何となく理解していた。

 

 

ローシャはセブルスを見つめていたが、ぱちりと瞬きを一度する。

 

 

「あなたの名前は?」

「…セブルス・スネイプ」

「そうですか。セブルス、あなたの考えは理解しました。──私はレイブンクロー生の多い場所へ移動しましょう。確かに、その方が効率が良い」

 

 

ローシャは食べかけていたサンドイッチを手に持ったまま立ち上がる。

「あなた達も、それぞれの机へ行きなさい」とサラ達を見て言うと、先ほどまでの意見をすっかりと変えて颯爽とレイブンクロー生の集まる場所へ向かい、その後ろに座った。

セブルスはまさかローシャが納得し、移動するとは思わず驚いたような目でそれを見送る。

 

 

「セブルス!お前、やるなぁ!ローシャは議論が好きなんだよ、頑固そうに見えるけどな!」

「…ローシャは納得出来ればすぐに意見をかえる柔軟性があるからな」

「うん、漠然とした答えが嫌いなだけなんだよね、ローシャは」

 

 

ゴードンはセブルスを褒め、サラとルカは楽しげに笑いながら立ち上がる。

 

 

「ラピーヌ、ハッフルパフの所に行こう?時間割もらわなくちゃ!」

「ええ、そうね…うん、私もその方がいいっておもってたの」

「パンドラは、行かなくていいの?ローシャ行っちゃったよ?」

「え?──あ、ほんとだ、いつの間に…」

 

 

パンドラは本当に気が付かなかったようで、ゆっくりと立ち上がると気怠げにとぼとぼと歩き、しゃんと背筋を伸ばして朝食を取るローシャの隣に向かった。

ルカとラピーヌも──ラピーヌは内心かなり安堵していた──ハッフルパフ生の集まる長机へ向かい、サラはセブルスを見つめ何処か満足そうに微かに微笑んだ。

 

 

「セブルス、僕たちも行こう。──スリザリンの元に」

「…ああ」

 

 

これで、同じスリザリン生から冷ややかな目線で見られたり、一人で食事を取ることも無くなる。セブルスもラピーヌと同じように内心でほっと胸を撫で下ろし、サラと2人でスリザリン生の集まる机へ向かった。

 

 

「…さっきの子とも、知り合いだったんだね」

「嵐みたいな奴だったな」

 

 

ジェームズとシリウスがぽつりと呟き、ゴードンは楽しげに笑って頷く。

 

 

「ああ、昨日からの知り合いだが、ローシャもいい奴で面白いぜ?まぁ、議論が大好きだが石頭じゃねーよ」

 

 

確かに。反論のひとつしそうなものだったが、ローシャはあっさりとセブルスの言葉を受け入れ席を立った。きっと自分が納得さえ出来ればいいのだろう。

それは、わかったが──昨日会っただけにしては、やけにお互いを良く知っているような物言いだったと、ジェームズ達は思った。

 

 

「…4人とも、組み分けの時に創立者の名前を告げられていたね」

 

 

甘いフレンチトーストを食べながら、リーマスがふと4人の共通点に気がつく。

ジェームズとシリウスも顔を見合わせ、そういえばそうだったと思い出した。

 

 

「まさか、4人とも…創立者の子孫とか…?」

「さあな。ただ──俺たちが会ったのは、運命なんだよ。…きっとな」

 

 

ゴードンはくつくつと笑い、それ以上は彼らの事を何も言わず「ほら、さっさと食べねぇと授業に遅れるぞ」とジェームズ達を急かした。

 

きっと、運命なんだ。

そう思っているのはゴードンだけではない。

4人とも、同じことを思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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