〜 デュエルアカデミア 〜
無事試験に合格してオベリスクブルーに所属することになった私は今、他のオベリスクブルーの女子の皆さんと歓迎会をしているところです。
豪華な食事が沢山あって、どれを食べようか迷ってしまいます。
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「貴方、少しいいかしら?」
透子
「は、はい!」
声がした方を向くと、とてもきれいな女性がいました。大人びていて、なんだかモデルさんみたいです。
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「あなたが入試デュエルでクロノス先生をオーバーキルした生徒ね?」
透子
「は、はい!先生!」
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「だ、誰が先生よ!私は貴方と同学年よ!」
透子
「え、えぇ〜〜!」
こんなにキレイで背が高いものだから、てっきり先生なのかと……
明日香
「そ、それはともかく、私は天上院明日香。あなたが試験で使ったデッキを一目見ようと思ってね」
透子
「は、はい。ちゃんと返して頂けるなら……三沢さんも見せてって言ってましたし、やっぱり私のデッキは変わっているんですかね」
デッキを手渡すと、明日香さんは真剣な表情でデッキを見ています。
明日香
「……確かにこれは面白いデッキね。相手の打点を逆手に取って致命傷を与えるデッキ。送りつける高打点モンスターもいるし攻撃を凌ぐ手段も豊富。さらには魔法罠を完全に封殺するモンスター。隙がない厄介なデッキね」
そ、そんなに凄いデッキだったんですね……一応ある程度回せるぐらいにはなったつもりだったんですが……あっデッキを返してくれました。
明日香さんはお礼を言って、身を翻してどこかへ行ってしまいました。無性に気になるのでついていってみましょう。
〜オベリスクブルーデュエルスペース〜
明日香さんにこっそりついていくと、デュエルスペースに辿り着きました。私は機械には詳しくないのですが、凄そうな装置が沢山あるのだけは分かります。
そんなデュエルスペースで2人のデュエリストが戦っていました。一方は最近知り合った十代さん。もう一方は……オベリスクブルーの生徒さんでしょうか。
明日香
「……もうデュエルが始まってる……挑発には乗るなと言ったのに……」
透子
「確か校則では夜間はデュエルフィールドは使っちゃ駄目なんですよね?なんで……」
明日香
「あ、あなた付いてきてたの!?」
翔
「あ、明日香さん!?それに透子さんも!?」
翔さんもいるんですね。一体何が起きているのでしょうか?
取り巻きA
「お、お前はクロノス先生を保健室送りにしたデュエリスト!おい!俺とデュエルしろ!男子と女子の力の差を分からせてやる!」
ほ、保健室送り!?一体あの先生に何があったんでしょうか?と、とにかくデュエルの準備を……
取り巻き
「クロノス先生を倒したぐらいで調子に乗りやがって!雑魚モンスターしか持ってないガキは大人しく小学校にでも通ってやがれ!」
闇透子
「あ゛?」
お前、今なんてった?
俺の依代である古神透子は低身長童顔という特徴があり、よく中学生に……酷い時は小学生に間違われたりする。それだけならまだしも低ステータスモンスターを雑魚呼ばわり……こいつはライン越えたなぁ!
闇透子
「上等だぁ!俺のお気に入りで、テメェを二度とデュエル出来なくなるように心を圧し折ってやる!」
取り巻き·闇透子
「デュエル!」
さぁ、俺のデッキに恐れ慄くがいいわぁ!
取り巻き
「俺の先攻だ!ドロー!」
取り巻き 手札5→6枚
取り巻き
「(ゴブリン突撃部隊)を召喚!更に(魔導師の力)と(デーモンの斧)を装備!カードを1枚セットしてターンエンドだ!」
取り巻き LP4000 手札2枚 伏せ1枚
ゴブリン突撃部隊 攻2300→4800
魔導師の力(ゴブリン突撃部隊)
デーモンの斧(ゴブリン突撃部隊)
闇透子 LP4000 手札5 伏せ0
ゴブリン突撃部隊
レベル4/地属性/戦士族/攻2300/守0
(1):このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の自分ターンの終了時まで表示形式を変更できない。
魔導師の力
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、
自分フィールドの魔法・罠カードの数×500アップする。
デーモンの斧
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップする。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた時、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
このカードをデッキの一番上に戻す。
ゴブリン突撃部隊 2300→4800
怪しげな斧を手に取り、更に後方から魔道士達が手を掲げ魔法の様な物を唱える事で、ゴブリン達はやたらと活発になり手に持つ斧をぶんぶんと振り回している。
取り巻き
「どうだ!これが俺の必殺コンボだ!今の(ゴブリン突撃部隊)の攻撃力は、あの(オベリスクの巨神兵)をも上回る!どうだ!恐ろしいだろう」
なんでモンスターに装備魔法つけただけであんなにイキれるんかね……まぁいいや、テメェのその自信を少しずつ削り落としてやろう。
闇透子
「俺のターンドロー!スタン……」
闇透子 手札5→6
取り巻き
「おっとその前に永続トラップ発動!(スキルドレイン)!こいつでお前の雑魚モンスターの効果は封じた!許して欲しければサレンダーしてお前のデッキをよこしな!」
取り巻き LP4000→3000
スキルドレイン
永続罠
1000LPを払ってこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。
突然フィールドに不気味な力場が現れた。しかし、場にいるゴブリン達にはあまり影響はなさそうだ。
闇透子
「ほぅ……メタを張ってくるか……確かにコレを張られるとかなりキツイ……少し見直したわ」
取り巻き
「だったらさっさとサレ……」
闇透子
「だが、それは俺がナチュルデッキを使っていたらの話だ」
残念ながら、俺が使うデッキに(スキルドレイン)は刺さらない。テメェのプライドを叩き割ってやる!
闇透子
「スタンバイ、メインフェイズに入る!手札から(おろかな埋葬)を発動!デッキから(暗黒界の龍神グラファ)を墓地へ送る!」
闇透子 手札6→5
おろかな埋葬
通常魔法
デッキからモンスターを1体墓地へ送る
取り巻き
「ふん!モンスターを墓地に落とすだけのゴミカードか。そんな物を使うデッキなんて高が知れている!無駄な抵抗せずにさっさとサレンダーしな!」
闇透子
「ほざくだけほざいてろ!カードを2枚セットして(墓穴の道連れ)を発動!お互いの手札を確認しその中からカードを1枚選んで捨てる。その後、お互いに1枚ドローする。俺は(偉大魔獣ガーゼット)を捨てる」
取り巻き
「くっ!なら俺は(暗黒界の術師スノウ)を捨てる!」
闇透子
「その後、お互いに1枚ドローする。ドロー。」
闇透子
5→3→2→1→2
取り巻き
2→1→2
取り巻きのもう片方は(偉大魔獣ガーゼット)。打点で殴るしか能のないデッキだな。
闇透子
「捨てられた(暗黒界の術師スノウ)の効果発動!デッキから暗黒界カードをサーチする!俺は(暗黒界の龍神グラファ)をサーチ!」
闇透子
2→3
闇透子
「手札から(トレード·イン)発動!コストで手札のレベル8モンスター(グラファ)を墓地へ送って発動!2枚ドロー!」
闇透子 手札3→1→3
闇透子
「手札からフィールド魔法(暗黒界の門)発動!墓地から(スノウ)を除外する事で、1枚捨てて1枚ドロー!」
闇透子 手札3→2→1→2
現れたのは装飾が施された巨大な門。門は半開きになっていて、そこから妖しい光が漏れていた。
闇透子
「捨てられた(暗黒界の狩人ブラウ)の効果発動!1枚ドロー!」
闇透子 手札1→2
闇透子
「よし!手札から(暗黒界の取引)発動!お互いに1枚ドローして1枚捨てる!捨てられた(暗黒界の尖兵ベージ)の効果!墓地から特殊召喚!」
闇透子 手札2→1→2→1
取り巻き 手札2→3→2
出てきたのは、骨と思われる材質で出来た鎧と槍を持つ兵士。どことなくだるそうにしているのは、俺のデッキで一ニを争う過労死枠だからだろう。
取り巻き
「ふん!あんだけ回しておいて出てきたのはたった攻撃力1600のモンスターかよ。足掻くだけ無駄だったなぁ!」
闇透子
「墓地の(暗黒界の龍神グラファ)の効果、フィールドの(ベージ)を手札に戻して特殊召喚する!」
闇透子 手札1→2
ベージが大きく跳躍すると、地面から刺々しい姿のドラゴンが姿を現し、暗黒界の門から漏れる光を浴びて、力強い咆哮をあげた。
暗黒界の龍神グラファ 攻2700→3000
翔
「墓地から星8モンスター!?こんなのありなの!?」
闇透子
「この程度で驚いていると気絶するぞ!手札から(暗黒界の援軍)を発動!墓地のレベル4以下のモンスター(ブラウ)を蘇生し、悪魔族モンスター(ベージ)を捨てる」
闇透子 手札 2→1→0
闇透子
「捨てられた(ベージ)の効果発動!自身を特殊召喚!更に場にいる(ベージ)を手札に戻してもう1体(グラファ)を特殊召喚!」
闇透子 手札0→1
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
暗黒界の狩人ブラウ 攻1400→1700
ドラゴンの様な悪魔が場に2体並ぶ凄まじい光景。取り巻きは冷や汗を流しているようだな。打点で上回っていると分かっていてもこの威圧感に押されているのだろう。
闇透子
「伏せていた魔法カード(闇の誘惑)を発動!2枚ドローして手札の闇属性モンスターを1枚除外する!俺は(ベージ)を除外!」
闇透子 手札1→3→2
闇透子
「手札から2枚目の(暗黒界の取引)発動。1枚ドローして1枚捨てる。そして捨てられた(グラファ)の効果発動。(魔導師の力)を対象に破壊」
墓地から漏れ出す紫色の瘴気が、魔導師達を蝕み、苦しみながら破壊された。
闇透子 手札2→1→2→1
ゴブリン突撃部隊 攻4800→3300
闇透子
「俺は(ブラウ)を手札に戻して(グラファ)特殊召喚。カードをセット。ターンエンドだ」
闇透子 LP4000 手札1 伏せ2
フィールド魔法(暗黒界の門)
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
取り巻き LP3000 手札2 伏せ0
ゴブリン突撃部隊 攻3300
スキルドレイン
デーモンの斧(ゴブリン突撃部隊)
取り巻き
「俺のターン、ドロー!」
手札2→3
闇透子
「スタンバイフェイズにトラップカード発動(闇のデッキ破壊ウイルス)、チェーンしてもう1枚発動!」
取り巻き
「な、なにぃ!」
明日香
「ウイルスカードを2枚も!?」
闇透子
「コストとして(グラファ)2体をリリースして(闇デッキ)は罠カードを、もう1枚は魔法カードを、相手の手札とフィールド、相手ターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、その内の魔法罠カードを全て破壊する!」
2体の(グラファ)が派手に弾けると、中から背中に(闇)と記されたウイルスが大量に現れ取り巻きに襲いかかり、取り巻きの手札と(デーモンの斧)、無意味な置物と化していた(スキルドレイン)を破壊していった。
取り巻き
「俺の……カードが……ほぼ全滅だと……」
取り巻き 手札2→0
いやぁたまらん。ウイルスはこれがあるからやめられない。
闇透子
「手札にカードは無い、あるのは打点が足りない(突撃部隊)のみ。さっさとサレンダーしな。エリートさん?」
取り巻き
「た、ターンエンド……」
闇透子 LP4000 手札1 伏せ0
フィールド魔法(暗黒界の門)
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
取り巻き LP3000 手札0 伏せ0
ゴブリン突撃部隊 攻2300
闇透子
「俺のターン、ドロー!」
闇透子 手札1→2
闇透子
「スタンバイ、メインフェイズに入る。(グラファ)で(突撃部隊)を攻撃!暗黒の吐息!」
(グラファ)から放たれる真っ黒なブレスに飲み込まれた(突撃部隊)は成すすべ無く破壊された。
取り巻き LP3000→2300
闇透子
「カードをセット。ターンエンド」
これは良いカードを引いた。楽しい事になりそうだ。
闇透子 LP4000 手札1 伏せ1
フィールド (暗黒界の門)
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
取り巻き LP2300 手札0 伏せ0
取り巻き
「お、俺のターン……」
取り巻きは荒い息遣いでデッキに指をかけたまま動かない。きっと負ける恐怖に震えているのだろう。ちょっと発破かけてやるか。
闇透子
「デュエルには無限の可能性がある。降参するにしてもドローしてから考えても、遅くはないんじゃねぇか?ほら、俺に男の力を分からせるんだろ?」
取り巻き
「そうだ……俺は勝たなくちゃいけないんだ!ドロォォ!」
闇透子
「ウイルスの効果、相手は手札に加えたカードを公開して魔法か罠だったらそのカード1枚を捨てる!手札を見せろぉ!」
取り巻きの迫真のドローカードを、どこからともなく現れたウイルスが集り、溶け落ちた。落とされたカードは(強欲な壺)。
強欲な壺(制限カード)
通常魔法
デッキからカードを2枚ドローする。
闇透子
「フフフ……アッハハハハ!どうだい!格下だと思っていた相手に一筋の希望をはたき落とされた気分はぁ!」
取り巻き
「タ、ターン……エンドォ……」
取り巻き 手札0→1→0
取り巻きはショックが大きすぎたのか涙を流していた。それはテメェが撒いた種だ。自業自得だよ。
取り巻き LP2300 手札0 伏せ0
闇透子 LP4000 手札1 伏せ1
フィールド (暗黒界の門)
暗黒界の龍神グラファ 攻3000
闇透子
「俺のターンドロー!(ブラウ)通常召喚!(ブラウ)を手札に戻して(グラファ)特殊召喚!バトルフェイズ!(グラファ)2体でプレイヤーにダイレクトアタック!暗黒の吐息ニレンダァ!」
取り巻き LP 2300→−700→-3700
(グラファ)の放つ真っ黒なブレスが、取り巻きのLPを焼き払った。ちなみに伏せは(強烈なはたき落とし)。アイツがモンスター引いてたらそいつでハンデスさ。
闇透子
「ガッチャァ!楽しいデュエルだったぜぇ!」
さて、デュエルも終わったし十代の方を見て……なんか足音が聞こえるな……
明日香
「ガードマンがくるわ!アンティルールは校則で禁止されてるし、時間外で施設を使ってるし、校則違反で退学になるかもしれないわ!」
闇透子
「十代の野郎そんな危険なことしてたのかよ!さっさとずらかるぞ!」
十代
「い、嫌だぁ〜俺はここから動かない〜!」
翔「何言ってんすかアニキィ!」
どうにか十代を説得して、明日香の後を追ってどうにか離脱に成功した。
〜〜〜
闇透子
「な、なんとかなったぁ〜」
ここまでくれば、ガードマンの哨戒範囲外らしい。いやぁ〜危なかった。
明日香
「どう?オベリスクブルーの洗礼を受けた感想は?」
十代「まぁまぁって感じかな。もう少しやるかと思ってたけど」
闇透子
「クソ雑魚だった。そのくせプライドが高いから質が悪い。でもだからこそ気持ちのいいデュエルが出来た」
俺と十代が答えると、明日香は十代に歩み寄って尋ねた。
明日香
「そうかしら?もし邪魔が入っていなかったらアンティルールで大事なカードを失うところじゃなかったの?」
十代
「いや、あれは俺の勝ちだよ。俺が引いたのは(死者蘇生)!これで(フレイム·ウィングマン)を召喚して逆転だ!」
闇透子
「いや、(死者蘇生)では(フレイム·ウィングマン)は特殊召喚出来ない。そいつは《融合召喚》でしか特殊召喚出来ないからな」
俺のツッコミに驚く十代。いや、自分のカードなんだから効果ぐらい把握しておけよ。
闇透子
「ところで十代。ちょっとデッキ見せてみろよ。代わりに俺のデッキ見せるからさ」
十代
「お、おう……いいけどさ……」
いつになく元気がない十代を後目に、彼のデッキを1枚1枚捲くっていく。
闇透子
「なぁにこれぇ!こんなん事故るに決まってんだろぉ!」
翔
「と、透子さん落ち着くッス!そんなに大きな声を出したらガードマンに見つかるッス!」
あぁすまない。それにしてもこれは酷い。融合素材が一組ずつしかないし、大半がバニラ。使い勝手の悪い魔法罠が何枚もある。
しかしこんな事もあろうかと、十代のデッキに合いそうなカードをいくつか見繕っておいたのさ!
闇透子
「とりあえず、十代のこのカードをあげる。入れるも入れないも十代の自由だが、入れてくれると嬉しいな」
十代
「え……となになに……お、おぉ……」
渡したカードは(沼地の魔神王)2枚、(E・HEROエアーマン)3枚、(始祖竜ワイアーム)1枚、(融合派兵)2枚、(増援)1枚、そして(フェイバリット・ヒーロー)1枚だ。いつ十代に会ってもいいようにわざわざ異世界通販で買ってきたぜ。
十代
「すげぇ!いいのか?こんな強いカード貰っちゃって!」
闇透子
「構わない。これでもうあんなヤツなんかにピンチにはならないな!あのいけ好かない野郎をボコボコにしてやれ!」
十代
「おう!それじゃあな!透子もカードありがとうな!」
翔
「あ、待つッスよアニキィ!」
さて、十代達を見送ったし俺も帰るか……
明日香
「待って」
闇透子
「どうした?」
帰ろうとしたら、明日香に待ったをかけられた。振り返ると、明日香は凄く真剣そうな顔をしていた。
明日香
「あなたに聞きたい事がいくつかあるわ。1つ、入試デュエルの時と違うデッキを使った理由。2つ、最初に会った時と口調が違う理由。それぞれ説明して欲しいの」
闇透子
「お、おう分かった。まず1つ目については(スキルドレイン)へのメタというのは建前で、単純に気分だ。今日はウイルス使って高打点で相手を殴り倒したい気分だったから使ったってだけだ」
明日香
「ま、待って!どうして?どうしてデッキを2つも持っているの?デッキはデュエリストの魂。だから1つのデッキに全てを注ぐの。あなたはデッキに絆は無いの?」
凄く混乱しているようだな。だが、俺にはしっかりとした答えがあるんだ。
闇透子
「愛着はあるが絆なんてない。デュエルに必要なのは、カードの構築とプレイングとなけなしの運だけだ。カードとの絆なんて入る余地は無い。それになにより同じデッキだけ回してると飽きる。違うデッキをいくつか持てば、コンセプトが合わずに余ってたカードを使えたりしてお得だし、メタを張られにくくなるからメリットが大きい」
明日香は本当に信じられない様な目つきで俺を見ている。そんなに複数のデッキを持つのが信じられないのか。
闇透子
「2つ目は【最初に会った時と口調が違う理由】だったか。単刀直入に言うと、本来の人格とは別に《俺》というもう1つの人格があるからだ。ちなみに、あの自爆ワンキルデッキも俺が作った」
明日香
「なるほど……どうりで口調が女の子らしくないのね……分かったわ、質問に答えてくれてありがとう。この質問は他の皆に話さないでおくわ。そういえば、あなた帰り道は分かる?送ってあげる」
闇透子
「おおそれは助かる。ぜひ頼む」
こうして、俺は初めてエスコートされる事になった。なんか凄く恥ずかしいなこれ。
……後で透子に俺の存在を伝えなきゃな。まだ記憶は把握できても、意識を奪って強引に掌握したり語りかけたりも出来ない。そこらへんもなんとかしなきゃな。頑張れば練習出来るものなのかな?