暗黒と光道   作:必殺雷撃人

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3.古神透子と月1テスト

 

〜 自室 〜

 

 私は今、教科書に書いてあることをノートを写すテスト勉強をしています。

 

 明日は月に1度のテストの日。オシリスレッドの人達みたいに落第みたいな事はないけど、それでもできるだけ良い点を取りたい。

 

 なにより……これ以上“もう1人の自分”に頼っていられないから。

 

 それはオベリスクブルーの生徒とデュエルをした次の日。私の机に置き手紙がありました。内容は私に“もう一人の自分”がいて、なんと(ナチュル)デッキを作ったのが、その人?だったのです。

 私が入試デュエルに合格したのも、オベリスクブルーに勝てたのも全部あの人のおかげだったんです。

 

 これからは、可能な限り自分の力だけでなんとか出来る様にしなきゃ!

 

 

 

〜 当日 試験終了後 〜

 

 お、終わった……後は結果を待つだけです。

 それにしても、テストが終わった瞬間みんなどこかに行ってしまいました。ご飯にしてもがっつきすぎですし……

 

 「なんの為に勉強したんだか……」

 

 あっ、翔さんに十代さん、三沢さんもいます!少し話を聞きに行きましょう!

 

透子

 「ところで、さっき走っていった皆さんは何をしに行ったんですか?」

 

三沢

 「ああ、今日は新カードが大量入荷するみたいでね。テスト前にデッキを強化したいんだろう。ちなみに僕は自分のデッキを信じているから買いにはいかない」

 

十代

 「俺は興味ある!どんなカードがあるのかワクワクするぜ!」

 

透子

 「わ、私もどんなカードがあるのか気になります!」

 

 そんなわけで購買部に言ったんですが……

 

十代

 「う、売り切れぇ!?」

 

 どうやら誰かが買い占めをしたらしいのです。あまり褒められたものではありませんね。

 

 その後、朝に十代さんが助けた購買部のおばちゃんことトメさんに、1箱分のパックを貰うことになりました。

 

 さて、私もデッキの調整をしなきゃ……

 

闇透子

 『今回は俺にやらせてくれないか?』

 

 え……まさか……もう一人の私!?

 

闇透子

 『今回はどうしても使いてぇデッキがあるんだ。だから頼む』

 

透子

 「わ、分かりました。でも、やるからには勝って下さいね?」

 

闇透子

 『おうよ!任せておきな!』

 

 「透子さ〜ん、何独り言を呟いているんすか?声が大きいッスよ」

 

透子

 「はい!今行きます!」

 

 初めてのテストは“私”に任せたので多分大丈夫でしょう。だって、あの巨人を倒した人なのですから。

 

 

 

〜〜〜

 

 さて、相手は誰かな。

 

???

 「うっ、あなたが相手ね!ま、負けないんだから!」

 

 確かあいつは《浜口ももえ》だったかな。いつも明日香の側にいる奴だった筈。

 

闇透子

 「まぁそんなキリキリすんなや。楽しもうぜ」

 

ももえ

「楽しめるわけないじゃない!あなたにはとあるオベリスクブルー生を精神破壊させて自主退学に追いやったって噂があるのよ!」

 

 まじかよそんなの身に覚え……あるわ。多分俺のナチュルモンスターを雑魚モンスターよばわりしたあのオベリスクブルー生か。2度とデュエルできなくするとは言ったが、まじで退学したのかアイツ。

 

闇透子·ももえ

 「デュエル!」

 

闇透子

 「先攻は俺だ!ド、ドロー!」

 

闇透子 手札5→6枚

 

 未だに先攻ドローが馴染まねぇな。手札はあまりよろしくねぇが、これがあるなら話は別だ。

 

闇透子

 「メインフェイズに入って、俺は(左腕の代償)を発動!手札を全て除外して、デッキの魔法カードを何でもサーチ出来る!このカードを発動するターン、俺は魔法罠をセット出来ない!」

 

闇透子 手札6→5→0→1

 

 (左腕の代償)を発動すると、目の前に左腕を鎖で繋がれた痩せたおっさんが現れた。

 おっさんが右腕で小さな宝箱を開けた瞬間、後ろに立っていた屈強な男がその手に持つ大剣で、おっさんの左腕を切り落とした。

 おっさんの腕が切り落とされた瞬間、俺の左腕に強烈な痛みが走る。

 

闇透子

 「イッテェェ!お、俺がサーチするのは(名推理)!」

 

ももえ

 「す、推理ゲート!?」

 

 推理ゲートか。確かに間違っちゃいない。だがそれが全てじゃない。いや、このデッキだとほぼ全てだわ。

 

闇透子

 「俺は(名推理)を発動!さぁ!レベルを宣言しな!モンスターが出るまでデッキを捲り、当たれば墓地へ、外れれば特殊召喚される!」

 

ももえ

 「なんてギャンブル性の高いカードを採用しているの!?私はレベル8を宣言するわ!」

 

闇透子

 「さて、君の推理は正しいか答え合わせをしてみようか!」

 

 ターバン巻いたおっさんが現れて、デッキからカードを捲る。捲られたのは(天魔神ノーレラス)。

 

ももえ

 「捲られたのは(天魔神ノーレラス)!星8のモンスター!当たっているから墓地に送られる!残念だったわね!」

 

闇透子

 「残念だが不正解だ!(名推理)は“通常召喚”出来るモンスターが出るまで処理を行う。こいつは特殊召喚モンスターだからまだまだ答え合わせは続く!更に俺のデッキには通常召喚出来るモンスターはたったの6枚!しかも俺のデッキは60枚!さぁ(名推理)よ!どんどん墓地を肥やすがいい!」

 

 俺の呼びかけに応えたのか、ターバンのおっさんはカード捲る速度を速めていく。

 どんどんとカードが捲られ、遂に答え合わせの時が来た。

 

闇透子

 「捲られたのは(ファントム·オブ·カオス)!レベル4モンスター!不正解なので特殊召喚!」

 

 現れたのはまっ黒な渦の様なモンスター。俺のデッキのキーカードだ。

 

闇透子

 「(ファントム·オブ·カオス)の効果発動!自分の墓地のモンスター(天魔神ノーレラス)を除外して!エンドフェイズまでそのモンスターと同名カードになり、元々の攻撃力と効果を得る!」

 

ファントム·オブ·カオス→天魔神ノーレラス

 

 黒い渦は(ノーレラス)を取り込み、包帯を巻いた禍々しい悪魔へと姿を変えた。

 

闇透子

 「そして(天魔神ノーレラス)の効果発動!コストで1000LPを払い、お互いの手札・フィールドのカードを全て墓地へ送り、自分はデッキから1枚ドローする!リセットウェーブ!」

 

闇透子 LP4000→3000

 

 禍々しい悪魔は自身をも巻き込む猛烈な波動を放ち、俺とももえの手札は0枚になった。まぁ俺は1枚ドローするんだけどな。

 

闇透子 手札 0→0→1

ももえ 手札 5→0

 

 

闇透子

 「俺はターンエンドだ。さぁ、たった1枚のカードで精々足掻くがいい」

 

 ああたまんねぇ。やっぱり先攻全ハンデスは決まると爽快だな。

 

闇透子 LP3000 手札1 伏せ0

 

ももえ LP4000 手札0

 

ももえ

 「わ、私のターンドロー!くっ……カードをセットしてターンエンド!」

 

ももえ 手札0→1→0

 

 伏せカード1枚でターンエンドか。まぁこの時代だとそんなもんだよな。

 

闇透子

 「俺のターンドロー!」

 

 闇透子 手札1→2

 

 ドローしたカードは……中々良いカードだ。

 

闇透子

 「スタンバイ、メインフェイズに……」

 

ももえ

 「永続トラップ発動!(グラヴィティ・バインド-超重力の網ー)!これで星4以上のモンスターは攻撃できませんわ!」

 

 なるほど、ロック系のデッキか。よくこの場面で引いたな。だが無意味だ!

 

闇透子

 「俺は永続魔法(煉獄の昇華)を発動!コストで手札を1枚捨てて効果発動!デッキから煉獄魔法罠をサーチ!俺は(煉獄の虚夢)をサーチ!」

 

手札 2→1→0→1

 

闇透子

 「こいつで君を火の洪水に沈めてやろう!永続魔法(煉獄の虚夢)発動!今のところは効果がない!」

 

ももえ

 「威勢がいいですわね。手札も0、モンスターも0。何が出来るのです?」

 

 確かにな。普通のデッキなら俺もそう思う。だが、このデッキはもうLPを削り取る準備は整ったぜ!

 

闇透子

 「だったら見せてやろう!墓地のインフェルノイドモンスター2体を除外!墓地から現われよ!醜悪のクリファ!(インフェルノイド·ヴァエル)!」

 

インフェルノイド·ヴァエル 攻2600

 

 現れたのは機械の様な見た目をした悪魔。突然の上級モンスターに場が騒然となる。

 

闇透子

 「まだだ!墓地のインフェルノイドを3体除外!墓地より現われよ物質主義のクリファ!(インフェルノイド·ネヘモス)!更に墓地のインフェルノイドを3体除外!不安定のクリファ!(インフェルノイド·リリス)!最後にインフェルノイドを2体除外!貪欲のクリファ!(インフェルノイド·アドラメレク)!」

 

インフェルノイド·ヴァエル 攻2600

インフェルノイド·ネヘモス 攻3000

インフェルノイド·リリス 攻2900

インフェルノイド·アドラメレク 攻2800

 

 湧き水の様に出てくる上級·最上級モンスター達。この異様な光景に、場が静まりかえる。

 

闇透子

 「上級(インフェルノイド)モンスターが持つ共通効果。墓地のインフェルノイドモンスターを指定の枚数除外して、手札·墓地から特殊召喚できる!(名推理)はこの展開の為の布石だったのだよ!」

 

ももえ

 「で、でも出てきたモンスターは全て星4以上!(グラヴィティ・バインド)の効果で攻撃出来ませんわ!」

 

 焦りながらも、どこか安堵した様子のももえ。だが安心していられる時間など無いのだよ。

 

闇透子

 「それはどうかな?永続魔法(煉獄の虚夢)の永続効果により、場にいる(インフェルノイド)モンスターは戦闘ダメージが半分になる代わりにレベルが1になる!これにより、(インフェルノイド)モンスターの殆どの共通効果でレベルの合計が8以上になると特殊召喚できなくなるデメリットを無視出来る!レベル1なので(グラヴィティ・バインド)の効果範囲外だ!」

 

 ももえが絶望しているのがよく見える。さぁ!覚悟は出来たか!

 

闇透子

 「バトルフェイズ!さぁ神の尖兵達よ!我に仇成す者を滅せよ!」

 

 悪魔達は各々の力を解き放ち、ももえのLPを吹き飛ばした。

 

闇透子

 「ガッチャ。楽しいデュエルだったよ。フフフ……」

 

 悪役みたいな不敵な笑みを浮かべて、フィールドを後にする。

 ちなみに(インフェルノイド·リリス)で(大嵐)する事も出来たが、敢えてそのままにした。

 

 さて、十代のデュエルでも見に行こうかな。

 

 

 

〜〜〜

 

結果を言うと、十代はいつぞやにデュエルした万丈目にリベンジを果たした。

 

先攻は十代で、初手に(融合派兵)で(E·HEROクレイマン)を呼び出し、更に(エアーマン)通常召喚して(スパークマン)をサーチ。(クレイマン)と(スパークマン)で(ワイアーム)を守備表示で融合召喚してターンを終えた。

 

 相手の万丈目も中々に凄い引きをしていた。

 

 あの専用構築が必要な(VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン)を(打ち出の小槌)、(死者蘇生)、(二重召喚)を使って強引に1ターンで出してきたのだ。

 

 しかし、本来ならそれを出す過程で(XYZ-ドラゴン・キャノン)の効果で手札1枚のコストに(ワイアーム)を破壊するつもりだったようだが、(ワイアーム)は効果モンスターには戦闘破壊されず効果モンスターの効果を受けないという鉄壁に近い耐性を持っており、どかす事が出来ず仕方なく(エアーマン)を破壊した。

 

 十代のターンに入ると、(沼地の魔神王)を捨てて(融合)をサーチ。(E·HEROフレイムウィングマン)を融合召喚。

 (フェイバリット·ヒーロー)を(フレイムウィングマン)に装備させて(ドラゴン・カタパルトキャノン)を戦闘破壊し、(フレイムウィングマン)の効果で3000バーン。残りLP700になったところで(フェイバリット·ヒーロー)を剥がしてもう一回殴ってゲームセットとなった。

 

 いやぁ俺が渡したカードが大活躍してて満足だわ。

 

 さて、テストも終わったし満足もしたし帰るか。

 

 そういえば、この後のGX原作はどうなんだろう?俺が十代のデッキに干渉したから

もしかしたら何らかの影響があるのかも。

 まぁそんな先の事を考えても分からんものは分からん。やばくなったらデュエルでどうにかなるしな。

 

 そんな事を考えながら、俺は寮に戻った。

 

 

〜 オベリスクブルー寮 〜

 

 夕食を終えた私は、早速もう一人の自分に声をかけました。

 

透子

 「ねぇ、もう一人の私。あのデュエルを見て思ってたんたけど、どうしてあんなに強いの?」

 

 それに対して、もう一人の私は少し間を置いて話し始めました。

 

闇透子

 『カードが強いから……なんて答えは聞きたくないだろ?簡単に言っちまうとな……相手が嫌がる事を全力でやるから……かな』

 

透子

 「相手が嫌がる事?」

 

 全く予想だにしなかった言葉に、私はつい首を傾げてしまいました。

 

闇透子

 『話は変わるけどさ……透子。デュエリストにおいて大切な事を3つ上げてみろ』

 

 これは分かりますよ。私がデュエルを始めようと思った時に聞いた言葉ですから。

 

透子

 「最後まで諦めない事、カードを信じること、カードを大切にする事です!」

 

闇透子

 『残念20点』

 

 え……結構自信あったんですけど……

 

闇透子

 『俺が考える大切な事は、最後まで諦めない事、カードの力を最大限活かせる様にデッキを作ること、相手の展開を読んでそれを潰す事だ』

 

透子

 「え?でもプロの人達はいつもピンチの時はカードを信じてドローして、そのカードで逆転してしましたよ?」

 

闇透子

 『俺はあまりプロは見ないんだが、これだけは言える。デッキトップに頼ってるようじゃ負けたも同然だ。デュエリストはあらゆる状況にある程度対応出来る様なデッキを構築する者だ。例えば透子。こちらが後攻で、なんでも無効な罠3枚とモンスター効果無効4回撃てる打点3200のモンスターと何でも効果無効のモンスター2体の布陣を作られたらどうやって突破する?』

 

透子

 「……突破出来ないです」

 

 そもそもそんな鬼畜極める盤面なんて作れるんですかね?

 

闇透子

 『だろ?俺だってこんな盤面完成したらそうそう突破出来ないわ。どんなにカードを信じても、デッキ内に解答札が無けりゃ詰む。だからそれを捲くる対策を入れるか、そもそも盤面を作らせない妨害カードを入れたりする必要があるんだ。まぁ、対策札積みすぎると今度は事故ったりするから、そこはデュエリストの腕の見せ所ってやつだ』

 

 確かにデッキに答えが無い盤面なんて作られたら絶望しかないですね……

 

闇透子

 『そういえば、アカデミアの大半の生徒は攻撃力の高いモンスターを出して終わりみたいなデッキが殆どだよな?あれじゃあ勝てない。何故だと思う?』

 

透子

 「え……でも私。そんなデッキに何度も負けてきたんですけど……」

 

 もう一人の私は、大きなため息をつきました。

 

闇透子

 『あのデッキは酷かったな……まぁそれはそれとして、正解は除去されたら終わりだからだ。ああいうパワー系のデッキに必要なのは、相手の妨害を潜り抜けられる突破力と、出したモンスターを守る手段だ。後続を確保して次のターンに同じかそれに近い展開が出来れば最高だな』

 

 頑張って除去しても、また次のターンに同じモンスターが出てくる……考えただけで頭が痛くなりそうです。

 

闇透子

 『そんなデッキとやり合うにはどうするか。答えは俺が大切にすべき物で言った相手の嫌がる事を全力でやる事だ。相手が嫌がる事ってのは止められたら困る事、もしくは解答が少ないカードを出される事だ。相手はリカバリーする時やそのカードを退かす為に多くの手札や時間を使う。こういうのを、アド損っていうんだ』

 

透子

 「アド損?なんですそれ?」

 

闇透子

 『アドバンテージの損失。略してアド損だ。アドバンテージってのはリソースの事で、1番分かりやすいのは手札だな。どんなにLPが多くても手札が無ければ何も出来ないし、逆ならばあっという間に逆転できたりする。少ない消費で相手のリソースを削るのが勝利の近道さ』

 

透子

 「つまり……相手の嫌がる事をやって手札やフィールドを消費させて、相手が弱った所を攻める……それがデュエルのコツなんですね?」

 

闇透子

 『まぁな、だがあまり嫌な事をやりすぎるとデュエルしてくれなくなったりするからな。さっき上げた盤面作りまくるやつなんて友達居ねぇってボヤいてたからな』

 

 あの盤面例え話じゃなくて実体験だったんですね……デュエルしたら勝てる未来が見えません。

 

闇透子

 『せっかくの機会だ。このデュエル歴3年の俺が、持っている知識をフル活用して透子にアドバンテージについて深く教えてやるぜ』

 

 えっ?もう一人の私って3年しかデュエルしてないんですか!?それなのにあんなに強いなんて……一体どんな世界を生きていたのでしょうか?

 

 そんな事を考えながら、私はもう一人の私の言葉に耳を傾けました。

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