暗黒と光道   作:必殺雷撃人

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ご無沙汰しております。ようやく本腰入れて執筆出来ます。最近筆の進みが悪いので次はいつになるのか分かりません。よろしくお願いいたします。


IF3.新たな力、代わりの友

 

 

〜 ジャスティス·ワールド 〜

 

鏡介

 「遂に……このときが来たか……この時をどれ程待ち望んでいたか……」

 

 太陽が眠りについた夜中、俺はスマホの前で歓喜に振るえていた。スマホの画面には暗黒界ストラクRの発売の文字。暗黒界使いなら全員が狂喜乱舞するカードが多数実装されている。 

 

鏡介

 「3箱購入っと……よし、早速組むぞ」

 

 直様カードを召喚し、カードをデッキに組み込んでいく。

 

 新規の投入により、ここぞという時に大事故起こしたりする問題がかなり解決したし、制圧力も向上した。

 あれよあれよと言う間にデッキが完成し、明日の訓練に向けて床についた。

 

鏡介

 『透子……最近様子がおかしいな……まるで俺から距離を置こうとしてるみたいな……何か気に触れる事したのかな……』

 

……最近、寝る前はいつも透子の事考えてるな……やっぱり胸イジりしたの根に持ってるのかな……謝らないとな……

 

 俺はどうやって謝りに行くか考えながら眠りについた。

 

 

 翌朝、俺は食堂に向かい、透子の近くに座り手を合わせた。

 

 最近の透子はどこか浮ついた様子で、無性に不安になってくる。

 

鏡介

 「なぁ……透子。最近大丈夫か?何だか調子悪そうだぞ?もし何か俺が原因だったら……何でもするぞ?」

 

透子

 「ふ、ふぇ!?な、何でもないです!なんでも……」

 

 そうは言うが明らかに透子の様子がおかしい。顔も僅かに赤みがかっている、もしかしたら風邪なのだろうか。でも大丈夫と言っている以上は信じるしかない。

 

 それ以降は会話も無く食事は終わり、透子が食器を片付け始めようとする。話すならここしかない。

 

鏡介

 「なぁ……透子。どうして俺から距離を置こうとするんだ?もしあのとき胸ネタを弄った事を恨んでるならここで謝らせて欲しい。本当にすまない」

 

 俺がテーブルに頭を擦る勢いで頭を下げると、透子は驚き、バツが悪そうに顔を反らした。

 

透子

 「そ、それは……私は気にしてないので大丈夫です。私も何かおかしいのは分かっているですけど……それが何なのか分かんないんです。本当にごめんなさい」

 

 透子はそう言って食器を片しに行った。

 

 透子……どうすれば俺は今までみたいに戻れるんだろう。

 

 訓練が始まる寸前まで考えたけど、結局答えは出なかった。

 

 

〜 訓練所 〜

 

 俺が(ガロス)との訓練を終え、(ベージ)達が他のライトロード達と合同訓練していた場所に向かうと、そこには猫背気味だった(グラファ)の姿が無かった。

 

 3対の翼を生やし、4本の脚でしっかりと地面を踏みしめるドラゴン(悪魔族)。(暗黒界の龍神王グラファ)が稲妻を迸らせて立っていた。

 

鏡介

 「ああ……(グラファ)様。なんと雄々しいお姿に……」

 

グラファ

 「おぉ鏡介……しかしこうも褒められると少しこそばゆいわ。ハッハッハ」

 

 俺の姿を視認して建物中に響く笑い声を上げる(グラファ)。

 

鏡介

 「さて……その姿は(カラレス)様に与えられたんだろ?具合はどうだ?」

 

グラファ

 「そのとおり、余の他にも(レイン)も(カラレス)様の力を授かっておる。具合はもうすこぶる良い。これならダークネスなど一捻りよ」

 

 本当に調子が良さそうだ。実際効果も強烈だし、これからもエースを張り続けるだろう。

 

鏡介

 「あぁ、期待しているぞ。我らの王よ」

 

グラファ

 「フフフ……ご期待に応えて見せましょうぞ。我が主よ」

 

 あぁ……早く暗黒界でデュエルしたいぜ!

 

 

 

〜 アカデミア 〜

 

???

 「貴方が鏡子?」

 

 始業式を終え、身体測定や新学期初の授業を受けた放課後。帰路につこうとすると、寡黙そうな銀髪ツインテな女子生徒が見えた。せっかくだしデュエルするか。

 

鏡介

 「おう、デュエルしようぜ」

 

レイン

 「ッ……分かった」

 

 よし!OK出たしデュエルしにいくぞ!

 

 

〜〜〜

 

 ほんの少し順番待ちをしてようやく俺たちの番になる。大した言葉は交わさず、お互いにデュエルディスクを構えて、デュエルの開始を宣言する。

 

鏡介·レイン

 「デュエル!」

 

レイン

 「私の先攻。ドロー」

 

レイン 手札5→6

 

 

レイン

 「私は(アンデットワールド)と(生還の宝札)を発動。そして(ユニゾンビ)を召喚。効果発動。デッキの(グローアップ·ブルーム)を墓地に送り自身のレベルを1つ上げる。」

 

ユニゾンビ レベル3→4

 

レイン 手札6→5→4→3

 

レイン

 「(グローアップ·ブルーム)の効果発動。墓地のこのカードを除外してデッキから(死霊王ドーハスーラ)を特殊召喚」

 

 なんか見たことある動きだなぁ……あ、思い出した。コイツ(アンワ)で俺の真竜を封殺しかけたアンデシンクロ使いのデュエリストだ。まぁ、あのときとは違うんだぜ?

 

レイン

 「私は(簡素融合)を発動。エクストラデッキからレベル6以下の効果を持たない融合モンスターを特殊召喚する。来て、(金色の魔象)。そして(おろかな埋葬)を発動。デッキから(終末の騎士)を墓地へ送る」

 

レイン LP4000→3000 手札2→1

 

レイン

 「私はレベル6の(金色の魔象)とレベル4になった(ユニゾンビ)をチューニング。シンクロレベル10(真紅眼の不死竜皇)。」

 

 フィールドに降り立つ屍界の支配者。初動は墓地肥やしに徹する訳だな。

 

レイン

 「私はカードを1枚セット。これでターンエンド」

 

レイン LP4000 手札0 伏せ1

フィールド(アンデット·ワールド)

 

死霊王ドーハスーラ 攻2800

真紅眼の不死竜皇 攻2800

 

鏡介 LP4000 手札5 伏せ0

 

鏡介

 「俺のターンドロー!」

 

鏡介 手札5→6

 

レイン

 「(真紅眼の不死竜皇)の効果発動。墓地のアンデットになった(終末の騎士)を特殊召喚。(終末の騎士)と(生還の宝札)の効果発動。1枚ドローして(馬頭鬼)を墓地へ送る」

 

 屍界の王と屍の騎士が蘇り、墓地を増やす。

 

レイン 手札0→1

 

 さて、まずは(ドーハスーラ)を黙らせないとな!

 

鏡介

 「(暗黒界の門)発動!これで(ドーハスーラ)は置物だぜ!」

 

鏡介 手札6→5→6→5

 

 アンデットの楽園は崩れ去り、禍々しい装飾の施された門が地面からせり上がってくる。これで(ドーハスーラ)はただの置き物に成り下がった。

 

鏡介

 「手札の(暗黒界の門番ゼンタ)の効果発動!このカードを手札から捨てて2枚目の(暗黒界の門)を手札に加える!(門)の効果発動!コストで(ゼンタ)除外して!1枚捨てて1枚ドロー!捨てられた(スノウ)の効果と(ゼンタ)の効果発動!(ゼンタ)は除外された場合、フィールドに暗黒界カードがあれば特殊召喚!(スノウ)で(暗黒界の文殿)を手札に加える!」

 

 フィールドに舞い降りる門番。暗黒界のエンジンである(門)を持ってこれる上に自力で帰ってこれる偉いやつ。

 

 鏡介 手札5→4→5→6

 

鏡介

 「そして(暗黒界の文殿)を発動!」

 

レイン

 「チェーンしてトラップ発動(不知火流 燕の太刀)。フィールドの(死霊王ドーハスーラ)をリリースして(暗黒界の門番ゼンタ)と(暗黒界の文殿)を破壊。その後、不知火モンスターを除外する」

 

 突如フィールドに降りたった(戦神-不知火)。彼が放った一太刀が門番と小さな図書室が細断された。除外されたのは……(隠者)か。不知火カードはそこまで入ってないみたいだな。

 

鏡介 手札6→5

 

鏡介

 「(未界域のビッグフッド)の効果発動!手札を選んで貰おうか!」

 

レイン

 「……真ん中」

 

鏡介

 「捨てられたのは(暗黒界の魔神王レイン)!捨てて特殊召喚して1枚ドロー!捨てられた(魔神王レイン)の効果発動!デッキからレベル5以上の暗黒界(暗黒界の龍神グラファ)を手札に!」

 

鏡介 手札5→4→3 →4→5

 

鏡介

 「まだまだソリティアは続く!(闇の誘惑)を発動!2枚ドローして(ブラウ)を除外!(未界域のサンダーバード)の効果発動!もう一回手札を選びな!」

 

鏡介 手札6→5→7→6

 

レイン

 「右から3番目」

 

鏡介

 「選ばれたのは(グラファ)!捨てて特殊召喚して1枚ドロー!捨てられた(グラファ)の効果発動!(真紅眼の不死竜皇)を破壊!」

 

 墓地から吹き出す瘴気が紅眼の竜を破壊する。

 

鏡介 手札6→5→4→5

 

鏡介

 「(門)を張り替え!効果発動!(スノウ)除外して1枚捨てて1枚ドロー!捨てられた(ケルト)は特殊召喚!」

 

鏡介 手札5→4→3→4

 

鏡介

 「墓地の(魔神王レイン)はレベル7以下の暗黒界モンスター(ケルト)を手札に戻して墓地から特殊召喚!更に(魔神王レイン)戻して(グラファ)!」

 

 (ケルト)が地面を強く蹴り勢いよく飛び立つと、空からゆったりと降りてくる(レイン)。その攻撃力は……(門)込みで3300。しかしすぐに高く跳躍してグラファが蘇る。

 

鏡介

 「(グラファ)と(ビッグフット)でオーバーレイ!ランク8(神竜騎士フェルグラント)!そのまま効果を発動して(グラファ)きって自身に完全耐性付与!そして(魔界発現世行きデスガイド)を通常召喚!効果発動!デッキから(魔サイの戦士)を特殊召喚!これら2体でオーバーレイ!ランク3(虚空海竜リヴァイエール)!効果発動!(魔サイ)を取り除き除外されている(スノウ)を帰還!更に墓地へ送られた(魔サイ)の効果で2枚目の(グラファ)を墓地へ!(スノウ)戻して(グラファ)!」

 

 (ガイド)使った(リヴァイエール)の動き本当に好きだ。無駄がない。

 

鏡介 手札5→4→5

 

鏡介

 「(サンダーバード)と(グラファ)でオーバーレイ!ランク8(聖刻神竜エネアード)!効果発動!(グラファ)きって(リヴァイエール)をリリースして(終末の騎士)を破壊!」

 

 自身を贄に放たれたブレスがレインの場を焼き払う。

 

鏡介

 「永続魔法(暗黒界の文殿)を発動!そして効果発動!手札の(魔神王レイン)を捨てて、ターン終了時まで暗黒界モンスターはそのレベル×100攻撃力を上がる!レベルは8だから800アップだ!」

 

 小さな図書室に入っていく(魔神王レイン)。彼は虹色の厚手の書籍を持ち出しそれを開くと虹色の光が溢れ出す。

 

鏡介 手札5→4

 

鏡介

 「(文殿)にチェーンして(魔神王レイン)の効果発動!(魔神王レイン)で3枚目の(グラファ)を手札に!相手の効果で俺の悪魔族モンスターが捨てられるか暗黒界カードに捨てられた場合、1枚捨てて2枚ドロー」

 

鏡介 手札4→5→4→6

 

鏡介

 「捨てられた(シルバ)は自己蘇生!(シルバ)戻して(魔神王レイン)!更に戻して(グラファ)!」

 

鏡介 手札6→7→8

 

 

鏡介 LP4000 手札6 伏せ0

 

暗黒界の龍神グラファ 攻2700→3000→3800

神竜騎士フェルグラント 攻2800

聖刻神竜エネアード 攻3000

 

鏡介

 「バトルフェイズ!(グラファ)、(フェルグラント)と(エネアード)でダイレクトォ!」

 

 (フェルグラント)の斬撃と(グラファ)と(エネアード)のブレスでレインのLPは容易く消し飛んだ。    

 

 レイン LP4000→200→-2600→-5600

 

レイン

 「ッ……やはり私では歯が立たない……」

 

鏡介

 「安定感やっば……これでもギミック少ししか使ってねぇぞ?なぁレイン。また機会があればデュエルしようぜ?」

 

 膝をついているレインに手を差し出すと、迷わず手にとった。

 

レイン

 「やはり……貴方は強いのね。全く太刀打ち出来なかった」

 

鏡介

 「ハハハ。まぁ、俺は自慢じゃないが強いんでな。2ターン目、3ターン目あったら分からなかったが」

 

透子

 「鏡介!」

 

 想像を超えた新規の力に困惑していると、焦った様子で透子が建物の入り口から声をかけてきた。

 

 

 

 (ライコウ)さんに言われた通りにデュエルフィールドにやってくると、そこでは鏡介と……確かレインさんがデュエルフィールドで楽しそうに話をしていました。

 

透子

 『鏡介が他の女の人と話してる……付き合っているのでしょうか』

 

 なんでしょう……胸が締め付けられるような……でもそんなことよりもダークネスについて伝えないといけません!

 

透子

 「鏡介!ミスターTと名乗るデュエリストが襲いかかってきました!ダークネスの侵攻が始まったんです!」

 

鏡介

 「マジか!今すぐ行くぞ!」

 

 鏡介は私の後をつける様に走ってきます。

 

 そして、私達はジャスティス·ワールドでダークネスによる襲撃を相互に確認し、ダークネスとの戦い方等の議論を詰めて行きました。

 

 

〜〜〜

 

 太陽がすっかり水平線に沈んだ頃。会議とシャワーを終えて扉を開けて部屋に入ると、いつもの私の部屋が私を迎えてくれます。

 

 1人で寝るには余りにも大きいベッドに寝転び、先程の会議を思い返します。

 

 ある程度頭の中で内容をまとめ終えると、ふとデュエルスペースでの出来事を思い出します。

 

 デュエルをして、笑顔でレインさんに話していた鏡介の姿。それを思い出すだけで何故か胸が苦しくなります。

 

 私と身体が分かれてから見せなくなった鏡介の笑顔。今まで手にしていたそれが離れていく様な気がして……頭のモヤモヤがどんどんと募って行きます。

 

 ふと時計を見ると……もう23:00を越えようとしています。これ以上起きてると明日に支障をきたしてしまいます。

 

 私は側で立ちながら寝ているユニコールさんを優しく撫でて、僅かな安らぎを得て眠りにつきました。

 

〜〜〜

 

 日がすっかり沈み、月が夜を照らす頃、俺は無駄にデカいベッドで腕を枕に寝転んでいた。

 

 考えている事はただ一つ。最近の透子が俺から距離を置こうとしている事だ。

 

 それに気づいたのは暗黒世界に居た時の事。透子の自室にノックして入りファルコンビート用のカードを渡そうとした瞬間に突然苦しげに胸を押さえた時に、透子が俺に距離を置こうとしてるのを確信した。

 

 なんか居た(ユニコール)に追い返されてドアを閉めて俺の部屋に帰るまで、俺の頭が真っ白で何も考えられないぐらいまで落ち込んだ。

 

 話は変わるが俺には透子以外の友達がいない。デュエルが全てのこの世界で、相手の全てを否定するデッキを使いまくる俺と友達になる奴なんて、相当な自殺志望者ぐらいなものだろう。

 

 前には十代と絡んでた事もあったりなかったりしたが、超融合事件で合わせる顔もない。ダークネス戦では全力で頭下げて協力してもらうつもりだが。

 

 その唯一の例外が透子で、俺の盤面をそこそこの確率で捲りきって、そのままワンキルしてくる稀有なデュエリストだ。

 

 そんな彼女が離れてしまった今、俺は完全無敵ボッチと化してしまった。

 

鏡介

 「透子には嫌われているから……可能な限り何かに誘うのは避けないと……これから誰とデュエルするか……レインしかいねぇな」

 

 彼女のカードパワーなら、きっと透子以外だと俺の暗黒界にそれなりに耐えられるだろう。あんまり彼女の事を知らないが、これから知ればいいだろう。

 

 それにしても……なんでだろうな。心の穴が埋まらない。まるで……1年前のデスクローザーデュエルの時に感じた虚無感の様な……

 

鏡介

 「透子……俺は寂しいよ」

 

 ふと呟いたそんな言葉は、この無駄に大きな部屋で虚しく闇に消えていった。

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