暗黒と光道   作:必殺雷撃人

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大変お待たせしました。ラスボス戦が難産過ぎて完結後一気にまとめて……といった計画が頓挫したので、一部投稿します。


IF6.燻る心とペアデュエル

- IF6.燻る心とペアデュエル -

 

 

〜???〜

 

Z−ONE

 「(コズミック·ブレイザー·ドラゴン)……ですと!?」

 

 星々が煌めく不思議な空間の下で、機械の彼は絶叫に近い驚愕の声を上げる。

 

レイン

 「肯定。彼は正規の方法では無いものの、デルタアクセルシンクロモンスターを2体。その上で強力なレベル8と9のシンクロモンスターを展開。相手を圧倒しました。彼の脅威度の大幅な上方修正が必要と提案します」

 

Z−ONE

 「いえ、これは上方修正ではなく最優先事項にすべきイレギュラー!遊星達シグナーよりも優先して排除しなければなりません。しかし……」

 

レイン

 「彼を倒しうる手札が無い……」

 

 レインが申し訳無さそうにZ−ONEを見る。もし自分に力があればといった考えが透けて見えるようである。

 

Z−ONE

 「ゴーストを大量に動員することも考えましたが……あの時代にライディングデュエルは無いので、ライディングデュエル専用であるそれらを動かす事も出来ない。悔しいですが時を待つしかありません。逆に時が来れば……私を含めて今動かせるイリアステル滅四星を全て投入して対処しましょう。レイン、貴方はシンクロ講座を受けた生徒を全て抹殺しなさい。私はシンクロ講座があったという歴史を抹消します」

 

レイン

 「了解」

 

 レインは一礼して、再び十代の時代へ飛んだ

 

 

 

〜 大講義室 〜

 

 普段授業で訪れるこの大講義室で、緊急集会が行われ、大きく2つ程話があった。

 

 1つ、ある男女ペアが不純異性交遊で退学になったらしいこと。

 2つ、40名近くの生徒の名簿に空欄が出来、何故か校長室に結構強力なシンクロデッキが2種類置かれていたとのこと。

 

 1つ目はまだしも2つ目は謎だな……ダークネスの仕業か?それならシンクロデッキ残すわけもないしな……分からん。

 

 そんなこんなで集会も終わり、俺達2人は授業のを受けるすべく教室へ戻る。

 

 俺と透子は“あの日”から一気に距離が縮まり、友達としてよく側を歩き、他愛もない話をするようになった。

 ところで“あの日”ってなんだったか……透子とバニラ集めてたのは覚えてるんだが……なんで集めてたんだ?まぁいいか。気にすることでも無いし。

 

 そんなことを記憶の片隅に追いやると、代わりに別の考えが浮かんで来た。

 

 不純異性交遊って……どこまでやればアウトになるんだ?

 

 そもそも不純異性交遊は何をしたらそれにあたるのか……考えれば考える程分からなくなっていく。もしかして、今この瞬間透子と接してるだけで……

 

透子

 「鏡介?鏡介!どうしたんですか?そんな険しい顔をして……何か悩みがあるんですか?」

 

鏡介

 「……あ?あぁ、まぁしょうもない事だ。透子は気にしなくていい」

 

 透子に話しかけられて我に帰った俺は、気づいたらそんなことを言って教室の中に入っていた。

 

 万が一それで俺だけならまだしも透子も巻き込まれる形で退学にされたら……きっと俺は耐えられない。

 

 ……後でレインに聞くか。過ちを犯す前に。

 

〜 図書室 〜

 

レイン

 「……不順異性交遊?」

 

 期末試験の勉強中に切り出された質問に、どこか眠そうなレインはペンを動かす手を止めて首を傾げた。

 

鏡介

 「ほら、この前不順異性交遊でしょっぴかれたカップルいたじゃん?どんな事をしたらしょっぴかれるのかな……ってさ」

 

 その言葉を聞いたレインは、ほんの一瞬口角を上げた。しかし、それを鏡介が認識することはなかった。

 

レイン

 「それは……友達以上の関係になること。例えば……手を繋いだり、2人でデッキを組んだりすると不順異性交遊とされる」

 

鏡介

 「マ……ジで?それじゃあこれ以上関係深めたら……本当にしょっぴかれる?」

 

 顔を強張らせる鏡介に肯定するように、レインは首を縦に振る。

 

レイン

 「透子と共に退学するのは貴方にとっても不本意な筈。だからもっと私と関わると良い。元々私は貴方と友達以上になるつもりは無いし、万が一退学に追いやられても、透子はそれを免れる。どう?」

 

鏡介

 「透子を守る為……そうこれは透子を守るため。分かった。これから宜しくな」

 

 その言葉を聞いたレインは僅かに微笑み、新たな話を持ち出した。

 

レイン

 「ところで、最近始まる交友会でペアデュエルという催しが始まる。是非とも一緒に参加したい」

 

鏡介

 「ペアデュエル……透子としたかったなぁ……でもやったら間違いなく一緒にデッキ組むことになる。でもそんなイベント逃したくねぇしなぁ……分かった。レインに合わせたデッキ組んでおくよ」

 

 鏡介は少しため息をついて、ペアを組む約束をした。

 

 

〜 大体育館 〜

 

 突然始まったペアデュエル。なんでも男女ペアで特殊なタッグデュエルをする催しです。早速鏡介と……と思ったんですけど何故か見つける事が出来ませんでした。

 

 結局ペアを見つける事が出来ずに、ペアデュエルが始まってしまいました。

 

 仕方なく観客席で観戦することにして、フィールドに目を向けると、そこには……

 

透子

 「鏡介……それにレインさん……」

 

 どうして……こんなイベントがあったなんて教えてくれなかったんですか?なんでレインさんの隣にいるんですか?

 

 どんどんと疑問が湧いては消えている間に、対戦相手がやってきました。

 

六神

 「ラーイエローの六神だ。彼女は氷野(ひの)。よろしくな。アカデミアの魔王補佐」

 

鏡介

 「あぁ。よろしくな」

 

氷野

 「それしても……今回は透子さんと別の人とタッグなのね。仲違いかしら?」

 

鏡介

 「ま、まぁ……色々事情があんだ。色々とな」

 

 鏡介……後でしっかり話してもらいますからね。

 

六神·鏡介·氷野·レイン

 「デュエル!」

 

六神

 「俺のターン。ドロー!」

 

六神 手札5→6

 

六神

 「(強欲で金満な壺)を発動!EXデッキのカードを6枚裏側で除外して2枚ドロー!」

 

六神 手札6→5→7

 

六神

 「(テラ·フォーミング)発動!デッキからフィールド魔法(霊神の聖殿)を手札に加えて発動!」

 

六神 手札7→6→7→6

 

 現れたのは、清潔感に溢れた神殿。見たことないカードですがどんなことをするのでしょうか?

 

六神 手札6→5

 

六神

 「そして手札の(エレメントセイバー·ウィラード)の効果発動!手札のエレメントセイバーを2枚墓地へ送って自身を特殊召喚する……が!(霊神の聖殿)の効果により、1ターンに1度エレメントセイバーモンスターの手札コストをデッキから供給出来る!俺は地属性(エレメントセイバー·アイナ)と水属性(エレメントセイバー·ナル)を墓地へ送り特殊召喚!」

 

 フィールドに降り立ったのは、全身から光を迸らせる騎士。それにしても手札コストをデッキから供給出来るあのフィールド魔法は脅威ですね。一刻も早く除去しないと……大変なことになりそうです。

 

六神

 「俺は(エレメントセイバー·モーレフ)を召喚!カードを1枚セットしてターンエンドだ!」

 

六神 LP4000 手札2 伏せ1

フィールド(霊神の聖殿)

 

エレメントセイバー·モーレフ 攻1900→2300

エレメントセイバー·ウィラード 攻2400→2800

 

鏡介 LP4000 手札5 伏せ0

 

鏡介

 「俺のターンドロー!」

 

鏡介 手札5→6

 

鏡介

 「エレメントセイバーか……中々見ないデッキだな。確か(ウィラード)は自身を特殊召喚した時のコストの属性に対応した耐性を付与するだったか?」

 

六神

 「そうだ。今回の場合はフィールドのエレメントセイバーは戦闘·効果で破壊されない。更に(霊神の聖殿)の効果で俺のフィールドのモンスターは俺の墓地の属性の種類×200ポイントアップしている。万が一高打点のモンスターを無理やり出しても、(エレメントセイバー·モーレフ)の効果で裏側守備表示にして無力化出来る」

 

鏡介

 「なるほど。それじゃぁメインフェイズ開始時に(強欲で金満な壺)を発動!エクストラ6枚裏側除外して2枚ドロー!」

 

 鏡介は手札増強……真竜でしょうか?いえ、あのデッキは(命削りの宝札)で手札を補充する事も多いのでそれはない……見たことないデッキでしょうか?

 

鏡介 手札6→5→7

 

鏡介

 「手札の(黄金郷エルドリッチ)の効果発動!手札のこのカードと魔法罠(黄金郷のガーディアン)を墓地へ送り、(ウィラード)を対象に墓地へ送る!征服王葬送(アデランタード・エル・フォネラル)!」

 

 空中に浮かび、妖しく紅い宝石の輝きに当てられた騎士は身体を黄金に変えられてバラバラになりました。

 

鏡介 手札7→6→5

 

鏡介

 「俺は永続魔法(呪われしエルドランド)を発動!効果発動!800LP払って(黄金郷)魔法罠である(黄金郷のコンキスタドール)を手札に加える!カードを1枚セットして墓地の(エルドリッチ)の効果発動!フィールドの魔法罠。今回はセットカードの(黒き覚醒のエルドリクシル)を墓地へ送り、手札に加えて攻守1000上げて特殊召喚!」

 

 フィールドに降り立ったのは、黄金と宝玉に彩られた鎧を身に纏うアンデット。彼は雄大に両腕を広げて、自身の威風を誇示します。

 

 鏡介 手札5→4→5→4→5→4

 

六神

 「守備力3800!?だが無駄だ!(エレメントセイバー·モーレフ)の効果発動!(霊神の聖殿)の効果でデッキの(エレメントセイバー·マカニ)を墓地へ送り、(黄金郷エルドリッチ)を裏側守備表示にする!トワイライトサイズ!」

 

 紫を基調にした鎧を身に着けた戦士が手に握る大鎌を投擲して、黄金で出来たアンデットをカードに変えてしまいました。

 

鏡介

 「ok。俺はカードを2枚セットしてターンエンド。エンドフェイズに墓地の(ガーディアン)の効果発動!このカードを除外してデッキからエルドリクシル魔法罠(紅き血染めのエルドリクシル)をセットする!更に墓地の(黒き覚醒のエルドリクシル)を除外してデッキから(永久に輝けし黄金郷)をセット!」

 

鏡介 LP3200 手札2 伏せ4

 

セットモンスター

 

呪われしエルドランド

 

六神 LP4000 手札2 伏せ1

フィールド(霊神の聖殿)

 

エレメントセイバー·モーレフ 攻2300→2700

 

 (モーレフ)の攻撃力がもう最上級モンスターレベルに……

 

氷野

 「私のターンね。ドロー!」

 

氷野 手札5→6

 

鏡介

 「トラップ発動!(紅き血染めのエルドリクシル)!デッキ·墓地から(黄金郷エルドリッチ)を特殊召喚する!デッキからいでよ!(黄金郷エルドリッチ)!」

 

 また現れる黄金郷。守備力2800は中々突破し難い数値です。

 

氷野

 「私は(深海のディーヴァ)を召喚!効果発動!デッキからレベル2以下の海竜族モンスターを特殊召喚する!来て!(海皇子 ネプトアビス)!」

 

 フィールドに降り立つ人魚の歌姫。彼女が奏でる美しい歌声に誘われたのか、人魚の王子がやってきました。

 

氷野 手札6→5

 

鏡介

 「海皇水精鱗だと!その処理後に永続トラップ(黄金郷のコンキスタドール)!このカードを攻撃力500、守備1800のレベル5通常モンスターとして特殊召喚し、フィールドに(エルドリッチ)が存在するならフィールドの表側表示のカードを選んで破壊する!対象はもちろん(ネプトアビス)だ!」

 

 フィールドに突如として現れ突進する金の馬に乗る騎兵。それが人魚の王子を貫いて破壊していきました。

 

氷野

 「ウッ……六神!アンタのモンスター使うよ!私はレベル4の(エレメントセイバー·モーレフ)とレベル2の(深海のディーヴァ)をチューニング!シンクロ召喚!(スターダスト·チャージ·ウォリアー)!効果発動!シンクロ召喚に成功した時1枚ドロー!……良し!(ワン·フォー·ワン)を発動!手札を1枚(海皇の重装兵)を捨てて、デッキからレベル1モンスターを特殊召喚する!」

 

鏡介

 「(ネプトアビス)には絶対にアクセスさせない!カウンタートラップ(永久に輝けし黄金郷)!フィールドに(エルドリッチ)が存在し、相手がカードの効果を発動したとき、フィールドの(コンキスタドール)をリリースしてその発動を無効にして破壊する!」

 

 フィールドに魔法カードが現れたとき、フィールドに立っている(エルドリッチ)が神々しい光を放ち、魔法を打ち消してしまいました。 

 

氷野 手札5→6→5→4

 

氷野

 「墓地の(モーレフ)の効果発動。このカードの属性をターン終了時まで水属性にする。これで墓地に水属性が5体揃った」

 

 墓地の属性を変化させる効果?不思議な効果ですね……これで(サルベージ)とかで複数のカードを回収するのでしょうか……

 

鏡介

 「墓地水5体……まさか!」

 

氷野

 「ええ!そのまさかよ!このカードは私の墓地に水属性モンスターが5体存在する時にのみ手札から特殊召喚出来る!墓地に眠りし5つの水の魂よ!今ここに力を集わせ、大瀑布で世界を呑み込め!ボチミズゴタイ!(氷霊神ムーラングレイス)!」

 

 突然フィールドに白い霧がかかり、その霧を振り払う様に現れた氷の飛竜。その肌は白と金を基調とし、下腹部には氷柱のよう突起がいくつか連なっていました。

 

氷野 手札4→3

 

氷野

 「(ムーラングレイス)の効果発動!特殊召喚に成功した時、相手の手札を2枚ランダムに墓地へ送る!フローズ·クラッシュ!」

 

 氷の飛竜から放たれた霜のブレス。それが鏡介の手札を凍らせて破壊しました。

 送られたのは……(馬頭鬼)、(シノビネクロ)。あっ氷野さん可愛そう。

 

鏡介 手札2→0

 

氷野

 「ッ……ターンエンド」

 

六神·氷野 LP4000 伏せ1

フィールド(霊神の聖殿)

 

スターダスト·チャージ·ウォリアー 攻2000→2800

氷霊神ムーラングレイス 攻2800→3600

 

氷野 手札3

 

六神 手札2

 

鏡介·レイン LP3200 伏せ1

 

黄金郷エルドリッチ 守2800

セットモンスター

 

呪われしエルドランド

 

鏡介 手札0

 

レイン 手札5

 

レイン

 「私のターン。ドロー」

 

レイン 手札5→6

 

レイン

 「(黄金郷エルドリッチ)を反転召喚。そして私は(ユニゾンビ)を通常召喚。効果発動。手札の(屍界のバンシー)を墓地へ送り、自身のレベルを1つ上げる。墓地の(屍界のバンシー)の効果発動。自身を除外して、デッキから(アンデットワールド)を発動する」

 

 ユニゾンビ レベル3→4

 

 清潔な神殿は崩れて、変容する屍の世界。これにより、氷野さんのフィールドのモンスターに与えられていた加護はなくなりました。

 

スターダスト·チャージ·ウォリアー 攻2800→2000

氷霊神ムーラングレイス 攻3600→2800

 

レイン 手札6→5→4

 

レイン

 「私は更に(ユニゾンビ)の効果発動。デッキから(牛頭鬼)を墓地へ送りレベルを更に1つ上げる。このターン、自分はアンデットしか攻撃出来ない」

 

 奏でられる微妙な歌声。それに反応した牛頭の鬼が屍の世界に落ちてきました。

 

ユニゾンビ レベル4→5

 

レイン

 「墓地に送られた(牛頭鬼)の効果発動。墓地の(シノビネクロ)を除外して手札のアンデットモンスター(死霊王ドーハスーラ)を特殊召喚」

 

 アンデットが闊歩するこの世界に降り立つのは、屍界の王。その制圧力は驚異的なものがあります。

 

レイン 手札4→3

 

レイン

 「除外された(シノビネクロ)にチェーンして(死霊王ドーハスーラ)の効果を発動。(死霊王ドーハスーラ)はアンデットモンスターが効果を発動したとき、相手のフィールド·墓地のモンスターを除外出来る。私は(氷霊神ムーラングレイス)を除外する。(シノビネクロ)は除外されると特殊召喚される」

 

 (ドーハスーラ)から吐き出される黒い瘴気を受けた氷の飛竜は、ドロドロに溶けて地面と一体化してしまいました。そして異次元から忍者がやってきます。

 

レイン

 「私はレベル8の(死霊王ドーハスーラ)にレベル2の(シノビネクロ)をチューニング。来て、(真紅眼の不死竜皇)」

 

 フィールドに飛来する(真紅眼の黒竜)をアンデット化させたようなモンスター。しかし、実際のそれよりも体格的に強そうな感じがします。

 

レイン

 「私はこれでターンエンド」

 

鏡介·レイン LP3200 伏せ1

フィールド(アンデット·ワールド)

 

黄金郷エルドリッチ 守2800

黄金郷エルドリッチ 攻2500

真紅眼の不死竜皇 攻2800

 

呪われしエルドランド

 

鏡介 手札0

 

レイン 手札3

 

六神·氷野 LP4000 伏せ1

 

スターダスト·チャージ·ウォリアー 攻2000

 

氷野 手札3

 

六神 手札2

 

六神

 「俺のターン!ドロー!」

 

六神 手札2→3

 

レイン

 「スタンバイフェイズに(死霊王ドーハスーラ)の効果発動。墓地の自身を特殊召喚。そして(真紅眼の不死竜皇)の効果発動。墓地の(牛頭鬼)を特殊召喚する。それにチェーンして(ドーハスーラ)の効果発動。墓地の(エレメントセイバー·モーレフ)を除外」

 

 屍界から這い上がった牛頭の鬼と死霊王。それに反応した(ドーハスーラ)は黒い瘴気を吐いて墓地の闇の騎士を溶かしました。

 

六神

 「ッ……(強欲で金満な壺)発動!EXデッキのカードを6枚裏側で除外して2枚ドロー!」

 

六神  手札3→2→4

 

六神

 「フィールド魔法(霊神の聖殿)を発動!これで(ドーハスーラ)は殆ど無力化した!」

 

 屍の世界は薄れて、再び築かれる清潔な神殿。

 

六神 手札4→3

 

六神

 「手札の(エレメントセイバー·ウィラード)の効果発動!(霊神の聖殿)の効果でデッキから闇属性の(エレメントセイバー·モーレフ)と火属性(エレメントセイバー·マロー)を墓地へ送り特殊召喚!今回は効果の対象にならず、効果で破壊されない効果だ!」

 

 再び降り立つ金色の騎士。その風貌に特に変わった変化はありません。

 

六神 手札3→2

 

六神

 「墓地の(エレメントセイバー·マロー)と(エレメントセイバー·ナル)の効果発動!属性を闇に変更する!」

 

鏡介

 「これで墓地の闇属性は3体。となると……アイツだな」

 

六神

 「そうだ!このカードは墓地の闇属性モンスターが3体のみの場合に手札から特殊召喚出来る!闇に堕ちし3つの魂よ!今ここに集い全てを焼き払え!ボチヤミサンタイ!撃滅せよ!(ダーク·アームド·ドラゴン)!」

 

 地面を砕きながらやってきたのは、黒光りする身体の至る所に刃を生やしたドラゴン。

 その効果は……闇属性を除外することで発動できる、ターン1制限の無い破壊効果!

 

六神

 「墓地の(ラパウィラ)と(アイナ)、(マカニ)の効果発動!属性を闇に変更する!」

 

 これで闇属性は6枚……これらを全てコストにすれば鏡介のフィールドはほぼガラ空きになりますよ!?

 

六神

 「君たちのカードを全て破壊させてもらう!(マロー)、(モーレフ)、(ナル)、(アイナ)、(ラパウィラ)、(マカニ)を除外して(ダーク·アームド·ドラゴン)の効果発動!そちらの(エルドリッチ)2体、(ドーハスーラ)、(真紅眼の不死竜皇)、(牛頭鬼)、(呪われしエルドランド)を破壊する!ダーク·ジェノサイド·カッター!」

 

 黒いドラゴンから放たれた無数の刃がアンデット達を両断して破壊しました。このままだと本当にワンキルですよ!?

 

レイン

 「墓地に送られた(牛頭鬼)の効果発動。墓地の(ユニゾンビ)を除外して手札の(ゾンビ·キャリア)を特殊召喚」

 

 い、一応壁は作れましたけど……それでも大ダメージは不可避ですよ……ここからどう巻き返すのでしょうか。

 

六神

 「バトルフェイズ……と言いたいところなんだが、前のターンにフィールドから離れた(氷霊神ムーラングレイス)のデメリット効果により、バトルフェイズはスキップされる。カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

六神·氷野 LP4000 伏せ2

フィールド(霊神の聖殿)

 

スターダスト·チャージ·ウォリアー 攻2000→2400

ダーク・アームド・ドラゴン 攻2700→3100

エレメントセイバー・ウィラード 攻2400→2800

 

氷野 手札3

 

六神 手札0

 

鏡介·レイン LP3200 伏せ1

 

ゾンビ·キャリア 守200

 

 

鏡介 手札0

 

レイン 手札5

 

鏡介

 「俺のターンドロー!スタンバイフェイズに、フィールド魔法が存在するので墓地の(死霊王ドーハスーラ)は蘇る!」

 

鏡介 手札0→1

 

鏡介

 「(強欲で金満な壺)発動!EXデッキを6枚裏側で除外して2枚ドロー!」

 

鏡介 手札1→0→2

 

鏡介

 「(生者の書-禁断の呪術−)を発動!墓地の(黄金郷エルドリッチ)を特殊召喚し、相手の墓地のモンスター(海皇子ネプトアビス)を除外!」

 

 唐突に開かれる緑の書物。それと同時に緑の魔法陣が現れ、そこに墓地の(ネプトアビス)が吸い込まれていきました。

 (ネプトアビス)を取り込んだ魔法陣は光を強めて、黄金郷を現世に呼び戻しました。

 

鏡介 手札2→1

 

鏡介

 「墓地の(黄金郷のコンキスタドール)の効果発動!このカードを除外してデッキからエルドリクシル魔法罠(白き宿命のエルドリクシル)をセット!そして墓地の(紅き血染めのエルドリクシル)の効果発動!除外して(黄金郷のワッケーロ)をセット!」

 

六神

 「手札消費無しでさっきみたいに伏せカードを2枚も……知っているつもりだったがやはりとんでもない相手だ……」

 

鏡介

 「俺はレベル8の(死霊王ドーハスーラ)とレベル2の(ゾンビ·キャリア)をチューニング!革命の時は来たり!高貴なる白百合よ咲き誇れ!シンクロレベル10!(フルール·ド·バロネス)!」

 

 フィールドに降り立つのは白馬に跨がる女騎士。その攻撃力は……圧巻の3000。

 

鏡介

 「墓地の(エルドリッチ)の効果発動!フィールドの(白き宿命のエルドリクシル)を墓地へ送り、自身を手札に加えて自身を特殊召喚!」

 

 フィールドに降り立つ黄金の王。その攻撃力はあの(青眼の白龍)すら凌駕します。

 

鏡介

 「(フルール·ド·バロネス)の効果発動!1ターンに1度、フィールドのカードを対象にとって破壊する!対象は(ダーク·アームド·ドラゴン)だ!」

 

 女騎士はブンと剣を振って斬撃を飛ばし黒い竜を両断。破壊しました。

 

鏡介

 「バトルフェイズ!(フルール·ド·バロネス)で(スターダスト·チャージ·ウォリアー)を攻撃!」

 

 白馬の突進力を加えた一閃により、星屑の名を冠する戦士は真っ二つに切り裂かれました。

 

六神 LP4000→3400

 

鏡介

 「続いて攻撃力3500の(黄金郷エルドリッチ)で攻撃力3000になった(エレメントセイバー·ウィラード)を攻撃!征服王撃掌(アデランタード・ウェイガー)!更に攻撃力2500の(黄金郷エルドリッチ)でもう一度征服王撃掌(アデランタード・ウェイガー)!」

 

 凄まじく濃い闇を含んだ平手打ちが光の騎士を粉砕し、初撃よりは闇が薄いですが、それでも常人なら震えて動けなくなりそうな濃度の闇を込めた一撃が六神さんを襲います。

 

六神 LP3400→2900→400

 

鏡介

「メインフェイズ2!俺は墓地の(白き宿命のエルドリクシル)の効果発動!自身を除外してデッキから2枚目の(永久に輝けし黄金郷)をセット!カードを1枚セットしてターンエンド!さぁ来い!氷野!次のターンを凌いで華麗にレインへバトンを繋いでやるぜ!」

 

氷野

 「ならばエンドフェイズに伏せていた(サイクロン)発動!さっき伏せた(永久に輝けし黄金郷)を破壊させてもらうわ!」

 

鏡介

 「ッ……止める!(フルール·ド·バロネス)の効果発動!このカードが表側表示でいる限り1度だけ、ありとあらゆるカードの効果を無効にして破壊できる!(サイクロン)は無効だ!」

 

 (サイクロン)のカードが開かれた瞬間。女騎士が剣を振ったと認識した時には既にカードがバラバラに細断されていました。

 

鏡介·レイン LP3200 伏せ3

 

黄金郷エルドリッチ 攻2500→3500

黄金郷エルドリッチ 攻2500

フルール·ド·バロネス 攻3000

 

 

鏡介 手札0

 

レイン 手札5

 

六神·氷野 LP400 伏せ2

フィールド(霊神の聖殿)

 

氷野 手札3

 

六神 手札0

 

氷野

 「私のターン!ドロー!」

 

氷野 手札3→4

 

鏡介

 「スタンバイフェイズにフィールド魔法が存在するので、墓地の(死霊王ドーハスーラ)は特殊召喚される。」

 

氷野

 「(大嵐)発動!お互いの魔法罠カードを全て破壊する!」 

 

鏡介

 「クッ……カウンタートラップ(永久に輝けし黄金郷)発動!(黄金郷エルドリッチ)をリリースしてその発動を無効にして破壊!」

 

 暴風を掻き消す神々しい光。魔法罠全滅は回避出来ました。

 

氷野 手札4→3

 

氷野

 「手札の(瀑征竜-タイダル)の効果発動!手札の(海皇の竜騎隊)と共に捨ててデッキから(水精鱗-メガロアビス)を墓地へ送る!」

 

鏡介

 「せ、征竜入りだとぉ!」

 

氷野 手札3→1

 

氷野

 「効果を発動するために墓地へ送られた(海皇の竜騎隊)の効果発動!デッキから海竜族モンスター(深海のディーヴァ)を手札に加える!そして召喚!(深海のディーヴァ)!」

 

 フィールドから降り立つ深海の歌姫。なんだか逆転の予感を感じます。

 

氷野 手札1→2→1

 

氷野

 「(深海のディーヴァ)の効果発動!召喚に成功した時、デッキからレベル3以下の海竜族モンスターを特殊召喚!(海皇子ネプトアビス)!」

 

 歌姫の美声に惹かれてやってきた人魚。鏡介がなんとしても召喚を阻止しようとしたモンスターです。

 

氷野

 「(海皇子ネプトアビス)の効果発動!デッキからコストで海皇モンスター(海皇の重装兵)を墓地へ送り海皇カード2枚目の(海皇の竜騎隊)を手札に!」

 

 コストと効果で2枚分のアドバンテージ!?確かにそれなら必死に止めようとしますよね。

 

氷野 手札1→2

 

氷野

 「コストで墓地へ送られた(海皇の重装兵)の効果発動!(死霊王ドーハスーラ)を破壊する!」

 

 どこからともなく現れた両手に盾を握る魚人。盾を前面に構えて猛突進して屍界の王を破壊しました。

 

氷野

 「私はレベル1の(海皇子ネプトアビス)にレベル2の(深海のディーヴァ)をチューニング。シンクロ召喚!シンクロチューナー(たつのこ)!そして私は手札のレベル4の(海皇の竜騎隊)とレベル3の(たつのこ)をチューニング!」

 

 手札のモンスターをシンクロ素材にするシンクロチューナー。結構珍しい効果をしていますね。レベルの合計は……7ですか。

 

氷野

 「封印されし氷の竜よ!その封印解き放ち、一息で以て万物を凍らせ砕け!シンクロ召喚!降臨せよ!(氷結界の龍グングニール)!」

 

 フィールドに降り立ったのは、氷の様な甲殻を纏う龍。(トリシューラ)みたいに辺りに霜が降ったりはしませんが、まるで久々に動ける事を喜んでいるかの様に身体を震わせ雄叫びを上げています。氷結界……(トリシューラ)と同等の存在ですか。

 

 氷野 手札2→1

 

氷野

 「(氷結界の龍グングニール)の効果発動!手札を1枚捨てて、その(エルドリッチ)を破壊する!」

 

 氷の龍から放たれるブレスによって、黄金郷は氷像となって砕けました。

 

氷野 手札1→0

 

氷野

 「コストで捨てられた(水精鱗-アビスグンデ)の効果発動!墓地の水精鱗モンスターを特殊召喚する!来て!(水精鱗-メガロアビス)!」

 

 墓地から蘇ったのは、刺々をびっしりつけた棍棒を握る鮫頭で大柄な戦士。

 

氷野 

 「私は(水精鱗-メガロアビス)の効果発動!水属性モンスター(氷結界の龍グングニール)をリリースして2回攻撃を可能にする!(水精鱗-メガロアビス)の攻撃力は(霊神の聖殿)の効果で600ポイントアップして3000!更にセットされていた装備魔法(アビスケイル-ミヅチ)を装備して3800になる!」

 

 何やらガッチリとした鎧を着込む鮫の戦士。鏡介のフィールドには攻撃力3500の(黄金郷エルドリッチ)のみ。伏せカード次第ではワンキルもありえます。

 

氷野

 「バト……」

 

鏡介

 「それじゃあメインフェイズ終了時にトラップ発動!(黄金の征服王(エル・ドラド・アデランタード))!自分フィールドに(エルドリッチ)モンスターが存在する場合、除外されているエルドリクシル魔法罠か黄金郷罠3種をデッキに戻す事で効果を発動出来る!今回は(黒き覚醒のエルドリクシル)、(白き宿命のエルドリクシル)、(紅き血染めのエルドリクシル)をデッキに戻し、お互いのカードを全て破壊する!今こそ黄金の力を解き放て!(黄金郷エルドリッチ)!」

 

 黄金郷の胸に輝く紅い宝石が暴走したかの様に強く輝くと、彼の足元から大量の黄金の柱が乱立し、デュエルフィールドを破壊しつくしていきます。

 金の柱が消え、土煙が晴れると、そこには(黄金郷エルドリッチ)のみが残っていました。

 

鏡介

 「自身の効果で特殊召喚された(黄金郷エルドリッチ)は相手ターン終了時まで効果で破壊されない。さぁ、次はどんな手を見せてくれるのかな?」

 

氷野

 「何もできない事が分かっているクセに……ターンエンド」

 

鏡介

 「エンドフェイズに墓地の(ワッケーロ)の効果発動!除外して(紅き血染めのエルドリクシル)をセット!」

 

六神·氷野 LP400 伏せ0

 

氷野 手札0

 

六神 手札0

 

鏡介·レイン LP3200 伏せ1

 

黄金郷エルドリッチ 攻3500→2500

 

 

鏡介 手札0

 

レイン 手札5

 

鏡介

 「レイン。バトンは繋いだ。サクッと決めてやれ」

 

レイン

 「もちろん。私のターン。ドロー」

 

レイン 手札5→6

 

レイン

 「墓地の(馬頭鬼)の効果発動。自身を除外して墓地の(牛頭鬼)を特殊召喚。そして(牛頭鬼)を除外。墓地から蘇れ(真紅眼の不死竜皇)」

 

 墓地から蘇るレッドアイズ。その口に湛える炎がまだかまだかと発射の時を待っています。

 

レイン

 「バトルフェイズ。(真紅眼の不死竜皇)でダイレクトアタック。行って。大きいの」

 

 死の淵から蘇ったレッドアイズが放つブレスによって、氷野さんのLPが消し飛びました。

 

氷野 LP400→-2400

 

氷野

 「ッ……やっぱり強い……」

 

六神

 「相手のシナジーが強烈なのもあったが……俺が足を引っ張ってたのかもな……」

 

 (ムーラングレイス)のデメリットが重すぎましたからね……でも(ダーク·アームドドラゴン)のコンボにはヒヤリとしましたね。

 

鏡介

 「いや、あれかなり辛勝だったぜ?さっき残ってたセットカード確認したけど(異次元からの帰還)だったから、魔法を弾く(ミヅチ)じゃなくて罠を弾く(ケートス)だったら凌げなかった。まぁ、運が俺等に味方したわけだな」

 

 そんな話を数回交わして、このデュエルは終わりました。

 

 その後、鏡介とレインさんのペアは破竹の快進撃を続けましたが、決勝戦の十代さんと明日香さんペアとのデュエルで明日香さんが立てた(神の宣告)に近い効果を乱打できるレベル6儀式モンスターが決定打になり、2位になりました。

 

 表彰も終わったので、早速鏡介に話を聞きにいきましょうか。

 

 

〜〜〜

 

鏡介

 「あー悔しい!まさか(神光の宣告者)立てられるとは思わないじゃん!」

 

 さっきの決勝戦。明日香のターンで飛んできたのは、まさかの(神光の宣告者)。次の俺のターンでエルドビームかまそうとすると、手札コストに(弁天)使われて無効にされ、更に妨害の弾を増やされる地獄みたいな動きをされた。

 

 結局レインもマトモに動けずに明日香の機械天使達と死体蹴りと言わんばかりの(大天使クリスティア)にボコボコにされた。

 

透子

 「鏡介!」

 

 声がした方を向くと、そこには不満げな顔色の透子の姿が。あっ、これ問い詰められるやつだこれ。

 

鏡介

 「あ、透子……久し……」

 

 俺の言葉を待たずに、焦りを感じる歩調で距離を詰める透子。

 

透子

 「鏡介。どうしてペアデュエルで私を選んでくれなかったんですか?そんなにレインさんと組みたかったんですか?」

 

鏡介

 「いや、実は俺も透子と組みたかったんだけどレインの圧が凄まじくてな……マジで俺が首を縦に振らないと帰らないぐらいの勢いでさ……本当にすまねぇ」

 

 ここは謝るに限る。一瞬茶化す事も考えたけど、その考えはすぐに裏側で除外した。

 

透子

 「そう……ですか……私には鏡介が誰とデュエルしていても、それを止める権利はありませんから……気にしていません」

 

 気にしない奴はそんなこと言わないんだよなぁ……そんな辛そうな透子の目を見てると胸が痛むわ。

 

鏡介

 「本当にごめんて……無理だけはするなよ?それじゃぁまた明日」

 

 励ます言葉が思いつかなかった俺は、そう言って立ち去るしか出来なかった。

 

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