IS-後悔から始まる憑依譚-[真]   作:ジョーキッド

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3. 小学生其の1

3. 小学生

 

ー 入学式ー

 

小学生になった。なんというか、何事も気の持ちようで変わってくるもんである。

 

肉体的には初めてであるが精神的には2度目の小学生。それでも新たなる出会いにワクワクしてる自分がいた。今、思い返しても笑ってしまう。いつも通りに綺麗な佇まいで保護者として参加していた千冬姉さんの瞳が少しだけ涙で滲んでいるのを見つけたときは不覚にもうるっときてしまった。隣にいたハイテンションな兎で駄目になったけど……

 

今までの一夏()の世界は、千冬姉さん、束姉さん、お隣の輝夜さん、その娘の美夜さん。直接の面識があるのはこの4人だけだった。プロフィールだけならば異常に熟知している箒ちゃんがいたりするが、直接会ったことはない。大体、束姉さんのせいである。

 

しかし、その狭い世界も広がる時がきた。小学生といえど侮れない。ここで出来た友達が無二の親友になる場合もあるのだから。前の俺はあの状態になるまでその事に気づけなかっただけで……けれど気づけた今なら、なんの因果か2度目を与えられた一夏(今の俺)ならば……

 

 

ー1年1組ー

 

 

第一学年は3クラス、計102名が均等に分かれる。俺はそこの1組になった。

 

一年間を共にするクラスメイト達を一通り眺めたときの感想。どんだけカラフルなんだよ……

 

イヤ、今更ではあるんだけどね?

 

ちょくちょく、商店街で目にしてた赤色、緑とか束姉さんの薄紫とか、あと何より自分自身と千冬姉さんの瞳は赤銅色だしね。

 

まぁ、考えた所で現実が変わることもないのだが、ここ(日記)でツッコんどかないと、まさか本人達目の前で髪の色おかしくないですか?とか言えないしね。

 

ちょっと脱線したけど、今日書こうと思ってたこと。

 

クラスメイトに見知った顔がいた。直接の顔見知りの同年代ってのは居ないので、こちらが一方的に知ってるだけの篠ノ之 箒である。

 

 

小学生とは思えない凛とした雰囲気。だが、俺は知っている。子供用の竹刀を満足に振るえなくて涙目になっていたり、束姉さんにくっついてほにゃっと笑ってたりする写真をッ!!これも束姉さんによる洗脳の結果か、箒ちゃんが可愛く見えて仕方なかった。

 

一方的にとはいえ、折角見知った顔が居るのだからと話しかけてみた。

 

辿々しくも応じてくれる箒ちゃん。今日だけで、箒、一夏で呼び合えるくらいには仲良くなれたし、まずまずのスタートかなと思う。

 

あと、何事も経験ってことで委員長になってみた。

 

 

ー篠ノ之道場ー

 

 

小学生となり初めての土曜日。千冬姉さんに連れられ篠ノ之神社の敷地にある道場に行ってきた。

 

千冬姉さんもそこで剣道を習ってたらしい。過去形なのは既に卒業したからだそうだ。…………中学のときに。我が姉は一体何者なのか……

 

 

先日、仲良くなった箒に誘われてお邪魔することになった訳だが、なんというか窮屈である。竹刀持って斬りかかるよりは素手で殴る蹴るのが性にあってる気がする。

 

実際、千冬姉さんにも道場主である篠ノ之 柳韻さんにも言われた。

 

曰く、「筋はいいのだが、どこか剣道には向いてない」と。

 

しかし休憩中に行われた柳韻さんと千冬姉さんの試合を見て、なんだか、こう、熱く、胸に込み上げてくるものがあった。

 

静かな立ち上がりから、動きだしの滑らかさ、踏み込みの苛烈さ、竹刀の一振り一振りに込められた気迫、その全てを目に焼き付けた。憧れた。

 

漏れ出したのはただの一言。

 

「凄い」

 

それを素直に伝え、向いてないとしてもやってみたいという旨を伝えたところ快く了承を貰えた。なんでも、束姉さんがISを開発したことによって、黒服のガタイの良い護衛の人達がウロウロするので、年少の子らが集まらなくなったらしい。しばらくの間は俺と箒の2人の少人数できっちり指導出来るよと言われた。

 

あと、掛け値のない俺の褒め言葉を聞いていた千冬姉さんが照れていたのがなんだか可愛かった。

 

ー篠ノ之 箒ー

 

最近、箒に嫌われてるみたいだ。

 

明確に言葉にして嫌いと言われた訳ではないのだが、なんというか態度がトゲトゲしい。

 

千冬姉さんに聞いてみても、面白そうに分からないのか?とか言われたし、柳韻さんに相談しても、時間が解決する問題だよ、と言われ結局何が原因か分からないままだ。

 

それと同時に箒の持つ雰囲気がさらに鋭くなってしまい、同年代の子らでは近づきにくくなったのか孤立するような場面が増えてきているように思う。何とかしないととは思うのだけど、何をどうすればいーのか分からない。

 

あと、最近家での千冬姉さんがだらしなくなってきてる気がする。

 

 

ー織斑 千冬ー

 

ひどい。

 

何が酷いって、どっかの日記にも書いたと思うけど、家の中と外での千冬姉さんの落差が酷い。

 

朝。頭ボサボサで起きてくる。無言でソファーに座り、櫛、ドライヤー、霧吹きを手渡してくる。俺が髪のセットを行う。そのとき体をこちらに完全に預けてくるのでやりにくくてしょうがない。

 

出て行くときには凛とした雰囲気を纏って、

 

「では、行ってくる」

 

とか、語尾にキリッと着きそうな感じで颯爽と出て行く。

 

夕方。帰ってくるなりジャージに着替えては料理する俺にちょっかいをかけつつ過ごす。

 

入浴後の髪を乾かすのも俺の役目になりつつある。

 

 

 

 

ど う し て こ う な っ た

 

 

 

更に酷いのは俺である。千冬姉さんが寛いでくれている=安心している=俺に心を許してくれている。だと思うとそれが嬉しくなってくる。思えばそろそろ1年が経つかどうかといったところ。しっかりと家族になれている証拠ではないかと思ってしまうのだ。

 

しかしこれじゃいけないと、今日はもう少しシャンとしないと貰いてが居なくなるよ、と遠回しに行ってみたところ、一夏を嫁に貰うさとか言いやがりました。

 

あぁ、嫌じゃないのが腹立つ……

 

ー篠ノ之 箒 2ー

 

箒と仲直りした。

 

つまりは嫉妬だと。道場に通い始めて3ヶ月ほどの俺が柳韻さんに認められてることが、箒自身とも打ち合えるまでに上達していることが、悔しかったのだと。その俺のことを認めたくなくて、素っ気ない態度をとっていたのだと、告白された。本人から。

 

お前は凄いやつだ。暖かい感じがするとか、真っ直ぐに言われると照れてしまう。

 

誰かを安心させることが、温もりを与えることが出来ているのなら、それは今の俺の目標だから。得た教訓だから。

 

 

それが出来ているのだと、今日少しだけ思うことができた。

 

 

 

 

 

 

ーNGー

 

保護者として参列している千冬姉さんを見て……違和感なく周りのお母さんたちの中に佇んでる姉さんを見て、やはり大人びているな、と、…………ふ、震えが止まらない。

 

 

 

 

 

 




無駄に長くなりそうなので、しばらくは日記調。

基本一夏の日記で進めていきますが、原作開始前あたりで、ここでは一夏以外はどんな感じだったのかを書くかもしれません。一夏視点だけやと不完全ですしね(´・Д・)
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