ウマ娘がTRPGをするようです   作:泥狼俯瞰

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本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『新クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
・リバースハンドアウトによる特殊PCの作製があります

 チャンミにもハッピーミークとの対戦にも勝てなかったので続きです。ようやく司波父が出ます。


クトゥルフ8(占術)

「そうそう、司波家突入前に三船さんにやっておいてもらいたいことがあったんだけど頼んだことにしておいてもいい?」

「今分裂した自分(お姉さま)が民宿側の進行をしてしまっているから、頼んだことにしておくと、巻き戻して行動を変更したいってなるかもしれないから今回それは出来ないってことで」

「あいk、えっ!?」

「代わりにこのタイミングで電話とかメッセージを使って連絡を入れたってことにしていいよ。ちょっと同期するから待ってて」

 

 トレーナー Now Loading……

 

「えっ?えっ?」

「マヤさん、どうかしましたか」

「グラスさんは今の聞いても驚かないの?」

「マヤさんは専属トレーナーでしたね。でしたら、休憩ついでにお話ししましょうか」

 コホンとグラスさんは一息入れて

「中央のトレーナーは多くの人が憧れる希望に満ちた職業です。ですが、その業務には私たちのレースに勝るとも劣らないプレッシャーがかかり、そのせいで次のような現象を引き起こします」

 専属トレーナーは重い吐き気と頭痛がする。

 二人を担当すれば平衡感覚の異常に、幻覚と幻聴を伴う。

 三人目で全身に激痛が走る。

 四人になると全感覚の喪失とそれに伴う意識混濁。

 五人のチームを担当することで人間性を喪失する。

「ですが、担当したウマ娘と心を通じ合わせ強い絆を育むことで三女神様による祝福が与えられ、それらの症状を軽減させトレーナーさんとウマ娘は恩恵を得られるようになるんですよ。ですから、マヤさんも専属トレーナーさんと強い絆で結ばれた時には普段よりも凄い力が発揮できますよ」

 グラスさんは笑顔で話を〆た。

 

「すまない。待たせてしまったな」

「KPちゃんもチームのみんなと頑張ってきたんだね。マヤ感動しちゃった」

仕切りの向こうから「そいつ、三女神に人間性を捧げて誓約を結んでステータスアップしたりスキルを発見するタイプだぞ」ってゴールドシップさんの発言が聞こえた気がするけどKPちゃんが再開するって言ってるから、マヤ聞こえなかったことにするね!

 

 

PM9:55 車内

 

 コール音

 

「ハイ。ゴールドマンデス。何かな矢野ガール」

「さっき頼み忘れていたことがあって」

「ああ、信用できる同僚(ダチ)なら附中に行くよう頼んであるぜ」

「さっすがー!」

「だろ。用がそれだけなら切、なんだ、アイドルガール。電話の相手が誰かって?さっきの探偵ガールと村ボーイだよ」

「それなら、話があるので電話を貸してください!

 電話の向こうで争う?一方的に飛び掛かるような音が聞こえる。

「わかった。わかった。変わってやるから落ち着け」

「もしもし、探偵さん!?でよかったですか」

 焦ってるのだろうか、声の調子というかテンションがおかしい気がする。いや、こっちが素なのかな。

「はい。探偵の矢野です。それで何かありましたか福路さん」

「さっき出会ったみなさんのことを占わせていただいたのですが……お二人の方にも悪いモノが近づいています。十分以内にそこから離れてください!」

 やっぱり今晩中に襲撃があるんだね。でも、ギリギリ助けるのに間に合うようにしてくれてるのはPLが動いたからKPが調整してくれたっぽいなぁ。だから、ここで帰ればPLは襲撃に遭わないけど司波君お父さんの無惨な死体が発見されました。疑わしいのは村の外から来たPLの皆さんです。ってなって身動きが取りづらくなっちゃうんだろうね。

「忠告ありがとう、福路さん。やることやったらすぐに離れるよ」

「そうしてください」

 ……人間じゃない何かが混ざってたのが福路さんだったし、これ黒幕に洗脳されてるから黒幕に都合がよくなるように行動させられてるのかな。隣にいるのが警官で全身改造した戦闘ガチ勢っぽい三船さんだからちょっとやってみようか。

「あ、でも、やることがさ、人の説得なんだよね。だから、したくないんだけど長居しちゃうことになっちゃうかもしれなくてさ」

「ィギャハア゛ア゛!?」

「えぇっ?」

 仕掛けておいてあれだけど、そこまで驚かれることだった?いや、驚いたのは裏で来たKPからの指示のせいとか?

「ごめんなさい。取り乱しました」

「うん。こっちも耳が震えたけど大丈夫だよ。それでなんだけど、もしその悪いモノと遭遇しちゃった時に逃げたり追い払ったりするのに使えるラッキーアイテム教えて欲しいな」

「そもそもいかないことなんですが。短刀です」

「担当?ああ、短刀ね」

「ただの短刀じゃありません。変な形の短刀です。緑上神社の神器の短刀です!」

「わか、ちょっと待って、今重要なこと」

「わりいな、ガールたち。こっちになんか来てるからお喋りは終了だ」

 電話が切れてしまった。

「頼みごとの方は終わりましたか、矢野さん」

「うん。そっちの方は既に手を回してくれてたんだけど、その後に聞かされた占いの結果が衝撃的すぎてね」

「なんでこのタイミングで占いをしてるんですか」

「ほんと、なんでだろうね」

 福路さんのリバースハンドアウトの中身を遠回しに伝えることで仲間だから信用してくださーい。ってことなんだろうけど……伝えられた内容が緑上神社側すぎて信用しにくいよ、フクキタルさん。

 司波君の隣にいる幽霊が緑上結歌ちゃんの魂で、福路さんの身体に緑上結歌ちゃんの肉体が混ざっていてだから記憶があるとか。それだったら司波君も幽霊も反応しそうだけどそんな感じはないし……。

 やめやめ。矢野のリバースハンドアウト(これ)のせいで他のPLたちと異なる情報を渡されてるのわかってるから一人で考えてても仕方ない!

 司波君のお父さん救出に集中、集中。

 

 

PM10:00 司波家

 

《聞き耳》→失敗

 

 田舎特有の自然豊かな環境。虫の声が鳴り響いているせいで、家の中の音はうまく拾えなかった。

 

「もう寝てるのかな?」

「家鳴りもしてるし、起きてると思いますよ」

 司波君が扉の前に近づいていく。

 

《ショットガン》→regular成功

 

 扉が蹴破られ、年老いた男が飛び出してくる。

 

 《聞き耳》失敗しているから矢野は行動出来ない。

 

 倒れる扉を避けることができず、下敷きになってしまった司波君の頭に猟銃が向けられる。

「動くな。撃つぞ!」

 

 

 

 


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