迷える魂は安眠を求める   作:ハリボー

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結構期間開いちゃいました。

まぁ自分のミスで書いてた下書き、全部消しちゃってちょいとやる気無くして充電期間に入っちゃってました。

申し訳ありません。

今後も不定期更新ですが、応援して頂けると幸いです。

コメントどしどし待ってます!

書いてる人あるあるだと思うんですけど、コメントって今後の作品のモチベーションアップや改善点を指摘していただき次の作品に繋がる物なので、どんな些細なことでも嬉しいですよね〜。


ブルーペガサス

ーブルーペガサスー

 

「なんでなんですか!マスター!あのクエストを他に回すなんて!」

 

「聞き分けてちょうだい。私だって本音を言えば、ウチであの子の仇をとりたかったわ。でもね、貴女だって分かっているはずよ。ウチの今のメンバーで、あのクエストを達成出来る実力者がいない事くらい。」

 

「っ!でもっ!一夜さんなら!それにトライメンズだって!私も!」

 

()()()()ちゃん!」

 

「っ!」

 

「分かってちょうだい。コレでも悩みに悩んだ、マスターとしての決断よ。恨んでもらっても構わないわ。けれど、既に決定した事よ。」

 

ボブの言葉に何も言えなくなるブルーペガサス所属の魔導士、ジェニー・リアライト。

 

「ジェニー君」

 

「一夜さん」

 

下唇を噛み、悔しそうなジェニーに声をかけたのは、ブルーペガサスきっての実力者、一夜=ヴァンダレイ=寿こと一夜。

 

「君のあのクエストに対する思いが、我々の中で一番強いのは知っている。だが、忘れないで欲しい。我々も悔しいのだ。・・・他に回すしかなかった己自身が。」

 

一夜の言葉に、聞き耳を立てていたギルドの者達が顔を俯かせる。一夜の言葉にハッと、皆の思いも己と同じだった事を分かっていたはずなのに、独りよがりにマスターに抗議した自信を恥じるジェニー。その瞳から涙がツゥーと一雫。

 

「マスター」

 

「・・・何かしら一夜ちゃん」

 

「あのクエストは何処のギルドに?」

 

「フェアリーテイルよ。」

 

「!」

 

「メェーン!なんと!フェアリーテイルか。」

 

「それで、一週間前にマカロフちゃんから連絡をもらったんだけど、フェアリーテイルのS級魔導師が依頼を受けたそうよ。」

 

「もしやエルザさんが!」

 

「いいえ」

 

メェーンと、エルザではなくて少しホッとしている一夜。次はジェニーがボブに質問した。

 

「じゃあミラですか?」

 

「彼女もS級だったわね。けど、違うわ。」

 

自分と同じく週刊ソーサラーでグラビアを飾る事もあるミラが受けたと思ったが違った。二人は考える。残るフェアリーテイルのS級は?

 

「でも、フェアリーテイルのS級魔導師が受けたんですよね。エルザでもミラでもない。なら後は、数も絞れます。私、同行させてもらえる様に頼んでみる!」

 

そう言って出口に向かって駆け出すジェニー。

 

「ジェ、ジェニー君!」

 

「待ちなさい!」

 

「絶対に私が!」

 

突然の事に動く事ができなかった一夜。しかし、ボブは違った。普段では想像がつかない魔力を纏い、いかにも怒っている表情でジェニーの前に立ちはだかる。

 

「待てって言ってんだろうが!」

 

「!」

 

ジェニーは思わず一歩後退する。しかし、コレだけは譲れなかった。

 

「マキナソウル!貴方を倒してでも私は!」

 

一触即発。だがその時、ギルド全体に異変が起こる。

 

「一夜さん!」

 

ギルドメンバーの声の方向へ視線を向けると、一夜が倒れていた。

一夜だけではない、突然次々と人が倒れていく。

 

「み、皆んな!」

 

「これは!」

 

ボブも驚いてはいるが、心当たりのありそうな顔。

しかし、ジェニーは倒れた一夜に駆け寄った。

 

「一夜さんどうしたの⁉︎しっ・・・かり?アレ?」

 

「zzzメーン。zzzメーン。」

 

心配して駆け寄ってみれば、ただ眠っているだけ。

他の者達も確認してみるが、一夜と同じく皆眠っているだけだった。

 

「ど、どういう事⁉︎突然皆んなが寝ちゃった。あれ?なんで、私とマスターは大丈夫なの!?」

 

「それは多分・・・」

 

ボブがジェニーの疑問に応えようとした時、一人の来客が。

二人は入口に視線を向ける。

 

「・・・驚いた。・・・マスターボブ以外に起きている者がいるとは。」

 

その言葉に、この現象を起こしたのは間違いなく目の前の男だと確信するジェニーだった。

 

 

 

ーミストガンー

 

 

「・・・驚いた。・・・マスターボブ以外に起きている者がいるとは。」

 

魔法を発動させ、ギルドブルーペガサスに入ってみれば、予想通りマスターと同等の魔力を持つマスターボブが起きているのは分かっていたが、まさかマスターボブ以外に起きているものがいようとは。

しかし、対面して思ったが彼女には俺の魔法に抗えるほどの魔力を感じない。彼女の使う魔法特性?体質?いや・・・これは。

 

「・・・なるほど。マスターボブの魔力域の中に居たからか。・・・何か取り込み中で?」

 

二人を見れば、一触即発の場面だ。これは間が悪かったか?

 

「いいえ、そんな事ないわ。ようこそブルーペガサスへ。マカロフちゃんから話は聞いているわ。改めて、私がブルーペガサスマスターのボブ。よろしくね。」

 

「・・・ミストガン」

 

差し出された手を握り返し、ボブと簡単な自己紹介をする。ジェニーは何が何だか分からずに、置いてけぼりを食らっていた。

 

「マカロフちゃんから忠告は受けては居たけれど、なるほどこれは驚いたわ。まさかギルド全体に眠りの魔法をかけるなんてね。ウフフ〜シャイなのね。」

 

「・・・」

 

「マカロフちゃんからは?」

 

「・・・頼みがあるとだけ。」

 

「そう「ちょ、ちょっとマスター!」あら、なに?ジェニーちゃん。」

 

我にかえり、ミストガンとボブの会話に割って入るジェニー

 

「何なんですかその覆面の人は!貴方も、みんなにかけた魔法を早く解いて!」

 

「・・・」

 

「何か言いなさいよ!」

 

「・・・頼みとは?」

 

「ええ、実はね」

 

「そっちじゃないわよ!」

 

もはや芸人顔負けのツッコミを披露するジェニー。

それに対して、このギルドでは彼女はそう言った立ち位置なのだろうか?と思い始めていたミストガン。

 

「・・・」

 

「うっ!な、なによ!」

 

ミストガンにジッと見つめられ、思わず弱々しく警戒する。

 

「ジェニーちゃん、()()起きていたとは言え、自分の魔法で眠っていなかった貴女に興味があるのよ。自己紹介しなさい。」

 

「自己紹介って・・・えっ?貴方もしかして私のこと知らない?そこそこ有名だと思ったたんだけど。もしかして雑誌とかグラビアとか興味ない人?男なのに?」

 

「・・・」

 

「んんっ!じゃあ、私はジェニー・リアライト。週刊ソーサラーでグラビアなんかをたまにやってるわ。ミラから聞いたことないかしら?使う魔法はテイクオーバー・マキナソウル。触れた機械なんかを取り込んでその力を使うの。一応、そのよろしく。」

 

「・・・ミストガン」

 

「知ってるわ。・・・フェアリーテイル最強候補の一人でしょう?」

 

「・・・興味はない。」

 

「ふーん」

 

マスターボブの言っていた通り、シャイなのか?と考えるジェニー。

こちらの自己紹介も終わると、ボブがパンッと手を叩き本線に引き戻す。

 

「クエストのギレーシア太陽時計遺跡は、この街から西に進むと見えてくる大森林の中にあるわ。けれど、気をつけてね。あの大森林は別名【針林】と呼ばれてるわ。」

 

「・・・針林?」

 

話によれば、太古より魔力が溜まりやすい場所らしく、特殊な成長を遂げ拡大を広げた森林。まるで侵入者を拒むように、葉やツタをまるで針や刃物のように襲いかかってくるのだとか。

 

「・・・魔力の溜り場・・・か」

 

「ええ、だから自分の魔法もうまく発動しない時があるから注意してちょうだい。」

 

「・・・了解」

 

背を向け出口へと向かうミストガン。

 

「そう言えばミストガンちゃん。」

 

その背をボブが引き止める。

 

「貴方、遺跡までの道のりは分かっているの?」

 

「・・・」

 

分からない。しかし、しらみつぶしに探して最終的に対象の魔力でも探知すればいいと考えていた。

 

「そこで、提案と同時にお願いなんだけど」

 

そう言えば、ボブからの頼みをまだ聞いていないことを思い出す。

 

「ここにいるジェニーちゃんを同行させてもらえないかしら?」

 

「マ、マスター!」

 

「・・・」

 

まさかの提案。反応は二通り、ジェニーは驚きミストガンはいつもと変わらない。

 

あたかもボブの提案を

 

「あら?驚かないのね。予想していたのかしら?」

 

そう。まるで、ボブの提案を予想していたと言わんばかりに冷静だった。

 

「・・・そちらのギルドから回って来たんだ。・・・・・・因縁もあるだろう?」

 

「そうね。・・・それで、返答を聞いてもいいかしら?」

 

「・・・無論、断る。」

 

ミストガンが示したのは、否。

 

「・・・ひとつ・・・・・・彼女と俺とでは・・・差がある。」

 

「・・・」

 

この場で言う差。それは単純な実力差。そんなことは言われなくても分かっていると、ジェニーは顔を顰める。

 

「・・・ふたつ・・・・・・・・・今日会ったばかりで・・・・・・戦闘をしたとしても・・・・・・連携が取れない。」

 

「そうね、もっともな意見だわ。」

 

二つ目が戦闘の連携。

 

一瞬の判断が命取りの危険なクエスト。

会ったばかり、しかも互いの戦闘スタイルを知らない。これは致命的だった。

 

「だけど、それを承知の上でお願いするわ。どうか、この子を同行させてあげて。」

 

「「!」」

 

まさかのマスターボブの土下座である。

 

予期せぬアクションに、驚愕し固まる二人。

 

「亡くなってしまった子に、ジェニーちゃんはすごく懐いてた。まるで本当の姉妹のように。だから・・・だからどうか亡くなってしまった子の為にも、そしてジェニーちゃんの為にもどうか!」

 

「マスター!ダメよ!私なんかの為に土下座なんて!」

 

「子の為ならこんな頭いくらでも下げてやる!それが親ってもんよ!」

 

「・・・」

 

あぁ、知っている

 

本当の親でなくとも

 

真に思い

 

時に見守り、時に叱り、時に助け、時に捧げる

 

そんな親達を知っている。

 

「・・・・・・・・・分かった。」

 

「・・・ッ!アリが・・・ドウ!」

 

涙を流しながら感謝するボブに対し、ミストガンは言葉を続けた。

 

「・・・ただし、クエスト達成の為そして何より彼女の身の安全の為にも、いくつか条件をつけさせていただく。」

 

こちらから頼んでいる事。承知の上だと言うように、二人は強く頷く。

 

「・・・己の身の安全を最優先、・・・俺の詮索はするな以上だ。」

 

「・・・え?そんな事だけでいいの⁉︎」

 

ポカンとあっけにとられるジェニー。

そんなに変なことを言ったつもりはないミストガン。

未だに、え?と言った表情のジェニーに対し言葉を続ける。

 

「・・・なんだ?」

 

「いや〜その〜もっと凄い要求があるのかと思ってたから。アハ、アハハハ。」

 

「・・・は?」

 

「い、いやホラ!あるじゃない!?無茶な依頼の報酬はお前の体だ!とか!一応!私は!ソーサラーでグラビアもやってるし!ナイスバディだし!美人だし!普通は要求するでしょう!?てか男なら私のあんな姿こんな姿を妄想してらもんでしょう!?」

 

「いや、まったく」

 

「なんで今回即答なのよ!今までの間はどうした!」

 

本当に連れて行っても大丈夫なのだろうか。

 

いささか判断が早計すぎたと思い直すのだった。

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