迷える魂は安眠を求める   作:ハリボー

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結構投稿期間あいちゃいましたね。

【奇術師は笑う】も同時並行で進めると中々www

はい、ね。言い訳です。

感想、評価お待ちしてます。そう言えば、この前ランキング載ってました。∑(゚Д゚)

うん、何回か見直したけど、載ってた((((;゚Д゚)))))))

それではどうぞ〜。


ギレーシア太陽時計遺跡【壱】

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・ね、ねえ。」

 

「・・・」

 

「あの〜ミストガン」

 

「・・・」

 

「ミストガンさ〜ん?」

 

「・・・」

 

「無視すんな!」

 

「・・・なんだ?」

 

ブルーペガサスを出立して三日、ジェニーとミストガンはギレーシア太陽時計遺跡は向け、ブルーペガサスのある街から西に進む。目指すは大森林。別名【針林】であった。

 

しかし、この三日間何とも気まずいことになっている。主にジェニーが。ミストガンは普段と変わらずただ黙々と歩くだけ。だがそれがジェニーを余計気まずくさせる。ただでさえ、10年クエストは一瞬の判断ミスが死に繋がるのだ。そんな危険なクエストに、S級でもない自分が無理を言って同行しているこの状況に、本当はミストガンは怒っているのでは?マスターボブの顔を立てただけで本当は是が非でも断りたかった?などと考えてしまう。

 

なんとか会話の機会を作ろうとしても、「・・・ああ」「・・・問題ない」「・・・そうか」ミストガンの短い返答により会話終了。

話を広げようにも即終了するので、会話のネタが底を尽きた。

本当に自分はただの遺跡までの案内人に成り果てている。

 

(落ち着け〜‼︎落ち着くのよジェニー‼︎そう、まずは深呼吸。まずは深呼吸して乱れた呼吸を正常に戻すの!)

 

「ついでに、()()()()()()!スゥーハー、スゥーハー、スゥー「・・・おい」はがっふぁ!」

 

突如、声をかけられ咽せた。

 

「・・・何をしている?」

 

「・・・」

 

なぜ今⁉︎私があれだけ会話を試みていたにも関わらず、素っ気無い態度を繰り返していたのになぜ今⁉︎

 

「・・・後ろ」

 

「へ?」

 

 

後ろ?訳も分からずそのまま後ろに振り返る。

 

まさに、目と鼻の先に迫る鋭く尖った先端。

 

(あ、これ死んだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・もう魔力溜まりに入った。気をつけろ」

 

「も、ももももももっと早く言ってくれない!そういう大事な事!」

 

 

鋭く尖ったものの正体は、魔力溜まりの影響で変異的に成長した木の枝先であった。既に二人は、針林に足を踏み入れていた。

 

「と、止まってる?」

 

自身を貫こうと迫っていた枝を見て呆然。

 

(もしかして、さっき杖を突いた時?あれだけで魔法を発動させたの?それともあらかじめ発動準備だけしておいて、突く事をキーに即座に発動させる様にしていた?)

 

などと、ミストガンが枝を止めた魔法を考察しているジェニー。そんなことはお構いなしに、ミストガンは枝に近づいていく。

 

「・・・」

 

そして、杖に魔力を少し集める。

 

 

 

 

 

シュン シュン シュン

 

 

 

 

すると、何処からともなく鋭利な枝先が迫る。

 

魔力を解き、その場から離れジェニーの隣まで戻る。

 

「・・・なるほど」

 

「え?何か分かったの?」

 

「・・・魔力に反応している。無闇に魔法は使わない方がいい。」

 

「え?魔力?」

 

枝は魔力に反応し、向かっていたのだった。

 

「あ!さっきのリフレッシブに反応したのね!でも、どういう事?それなら、この魔力溜まりに枝がそこらじゅうに伸びてないとおかしいわよ?これだけ魔力が溜まってるのに。」

 

そう、魔力に反応するのならばこの辺り一体が枝だらけになっていなければおかしいのだ。

 

「・・・歩きながら説明する」

 

そして再び歩みを進め、ジェニーもそれに続く。

 

「この魔力溜まりは言わば結界のようなものだ。」

 

「結界?」

 

「もっと簡単に言えば警備システム。この溜まっている魔力が探知の役割を担っていて、周囲の木々が迎撃の役割。この【針林】全体が侵入者を拒む結界であり正体だ」

 

「・・・」

 

「問題は、コレが偶発的に自然発生し今のようになったのか、もしくは何者かが作り出したのか」

 

「・・・」

 

「だがこの規模となると、相当の・・・なんだ?」

 

黙りこくってしまったジェニー。

一体どうしたのだろう?まさか先程の枝を何処かに食らっていたのか?

少し心配になり声をかける。

 

「なんか先生みたいね。」

 

「・・・は?」

 

「あっ!戻っちゃった。さっきまでスラスラ喋ってたのに。自分の好きな事?それとも専門分野?になるとすごい喋るのねミストガンって。」

 

「・・・」

 

「あれ?照れてるの⁉︎なんだ可愛いとこあるじゃない!」

 

ジェニーは気が付かない。己の先ほどまでの悩んでいた問題が、いつの間にか解決している事に。悩みとは、時に簡単に解決するものなのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いたわ・・・よね?」

 

「・・・」

 

針林を抜けた先、二人はついにギレーシア太陽時計遺跡に辿り着いた。

 

着いたのはいい。だが...。

 

「・・・遺跡は何処だ?」

 

「それよね、本当に何処?」

 

そう。

 

ないのだ。

 

遺跡の様な建造物が何処にも。

 

見渡すも、辺り一面草花が生い茂っているのみ。

 

「・・・それに、この一帯だけ魔力が溜まっていない。」

 

「言われてみれば‼︎」

 

針林には泥が沈殿するが如く溜まっていた魔力が、この一帯には全くと言っていいほどに存在しなかった。

 

「も、もしかして私・・・道を間違えちゃった⁉︎」

 

一応、マスターボブから渡された地図とジェニーが案内してくれた道を照らし合わせても、道順通り来ていてジェニーが道を間違えた可能性はない。

 

「一体どういう事?」

 

分からない。コレがミストガンの思う、正直な感想だ。

 

「どうするの?」

 

そこだ。

 

目的の場所には着いたが、目的の場所がない。

 

これは

 

「・・・長期戦になるわね」

 

「・・・仕方ない。上から見るか。」

 

「そうね・・・・・・今なんて言った?」

 

「・・・師匠みたく、視線を上から飛ばす事ができればいいんだが・・・できない事を嘆いても仕方がない・・・か。」

 

「スルーですね。分かります。」

 

「・・・行くぞ」

 

「へ?何処に?」

 

「・・・上だ。失礼。」

 

そういうと、ジェニーの肩に手を回し、膝裏を抱え俗に言う()()()()()()

 

 

 

お姫様抱っこ

 

 

お姫様抱っこ

 

 

お姫様抱っこ

 

 

「うえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ〜!!!!」

 

ジェニー・リアライトにとって人生初のお姫様抱っこは、逆バンジーとあいなった。それも命綱のない高度にして、約4000メートルの跳躍である。

 

「おおおおおお、おちおちおち!助け!!!!!!て、ててて手!手を離し!おおおお降ろ!!」

 

「・・・したら死ぬぞ?」

 

「・・・」

 

「・・・気絶したか。」

 

高度4000メートル。そこから見た針林、その全貌...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチ パチ パチ

 

 

 

 

「・・・」

 

「・・・ん、んん」

 

「・・・」

 

「あ、れ?私・・・何を?」

 

「・・・起きたか」

 

「ミストガン。・・・私、何で?」

 

「・・・高い所が苦手なのか?」

 

「高い所?・・・・・・・・・ああ!」

 

目を覚ましたジェニー。何故、自分は気絶していたのか考えていたが、目の前で焚き火をしているミストガンが答えをくれた。別に高い所が苦手というわけではないが、大いに取り乱し挙句の果てに気絶。本当に何のためについて来たのか。

 

(まぁ・・・・・・私の事は戦力に換算なんて最初からしていないんでしょうけど。)

 

こちらのワガママでついて来ているのだ。むしろ、邪魔で鬱陶しいと思われているのが普通だろう。

 

(だけど、そんな雰囲気なんてみじんも醸し出してないのよね)

 

「・・・」じ〜

 

「・・・なんだ?」

 

考えながらミストガンを凝視していたらしく、咄嗟に話題を転換する。

 

「それで?上から見た感じ、何か分かったの?」

 

「・・・まず、遺跡と聞いてどの様なものを想像する?」

 

「へ?」

 

唐突な質問。遺跡と聞かれたら?

 

「そんなの、古い建物とかそんな感じのものかな?うん。」

 

「・・・ではこのギレーシア太陽時計遺跡と聞けば?」

 

「そんなの古い時計でしょう?」

 

「・・・普通ならばな。」

 

ますますミストガンの言葉の真意がわからない。

 

「・・・まず聞くが、そもそも太陽時計というものを知っているか?いや、知っているだろう?」

 

まさか、強引にランクに見合わないクエストに出向こうとし、あまつさえ今回同行して来ているのだ。目的地であるギレーシア太陽時計遺跡の名の通り太陽時計は知っているよな?

 

そこまで入っていないが、迷惑をかけている申し訳なさから来るのか、頭の中でより酷い言い方に自動変換されてしまっていた。

 

「ええ、と、その、・・・・・・・・・

 

「・・・?」

 

「だ、だからその・・・・・・・・・し・・・せん

 

「・・・は?」

 

よく聞き取れず、顔を少しばかり近づける。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・知りません

 

聞こえた言葉は『知りません』

まさか、案内をしていて無理矢理にでも任務に赴こうとし、今回同行して来ているのに・・・『知りません』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジかよ」

 

「ごべんなざい〜〜」

 

半べそかいたジェニーと頭を抱えたミストガン。

とてもシュールな光景であった。

 

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