迷える魂は安眠を求める   作:ハリボー

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お待たせしました。

イヤー難産だったわ。

たかだか4,000文字程度だろうが!って思われるかもだけど設定とか辻褄合わせとか・・・めっちゃ疲れた。

感想と評価どしどし待ってます!


ギレーシア太陽時計遺跡【弍】

チチチッ、チュンチュンチュン!

 

「・・・ん、んん」

 

少し感じる肌寒さ。ジェニーは今日は少し冷えるなぁ、などと考えながら起床する。

 

いそいそと、1人用のテントから這い出ると、朝食の準備でもしていたのだろうか、焚き火の前で湯を沸かすミストガン。

 

「ふぁ〜あ〜あ・・・ああ、よく寝たわ。」

 

「・・・起きたか」

 

「おはよう。ん〜良い香り‼︎」

 

「・・・飲むか?今しがた豆を挽いたばかりだ」

 

「ええ、いただくわ」

 

大自然の中、ミストガンの淹れたコーヒーを堪能しつつ、今日行うことのミーティングをし始める二人。

 

「それで再度確認なんだけど、今日は辺り一帯の探索でいいのよね?」

 

「・・・ああ。」

 

話は昨夜、ジェニーが泣き止むまで遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー昨夜ー

 

「グズッ・・・ズビビビィ。でぇ?」

 

「・・・ティッシュはもう良いのか?」

 

「・・・ん、ありがと」

 

「・・・それで、なんだ?」

 

グラドルというよりも、ブルーペガサスで人気上位を誇る彼女が、まさかギャン泣きして、大量のティッシュで鼻を擤んでいるなど誰が想像できようか。

 

最初のうちは見栄を張るというよりも、己のイメージ(たとえ目の前の男が自分のことをこれっぽっちも知らなかったとはいえ)を崩すまい、はたまた人の口に戸を立てる事はできないゆえ、他人に実はジェニーとはこんな一面があるんだという情報が伝わる事を未然に防ぐ為、色々頑張ってはいたが、そんな事はもう知ったことでは無いと盛大に鼻を擤みまくる。

 

「それで、その太陽時計ってなに?」

 

涙目かつ上目遣いで聞いてくるジェニー。男達は軒並みこの視線にやられて来たことだろう。しかし、この男はいつも通りのワントーン間のあく口調で説明を始める。

 

「・・・太陽時計とは一般的に日時計と言われる。ゆえにコチラの方が聞き覚えはあるんじゃないか?」

 

「あっ!それなら知ってる!」

 

日時計。人類が初めて作ったとされる時計は、太陽の日周運動を利用して、太陽の時角の推移から時刻を定める装置。影を利用して視太陽時を計測する装置だ。

 

「・・・まず気絶した君を抱えて上から見てみたら、この周囲一体に木がないのは明白だが、そのない場所の形だ。・・・綺麗な円を描いている。」

 

「・・・グウッ!」

 

「・・・そして私達が進んできた道」

 

そして後方を指すミストガン。

 

「・・・その他にも11つの道が確認できた。・・・・・・気絶した君を抱えたまま。」

 

「ハグウァッ!」

 

「・・・ここまで言えばもう分かるな?」

 

「・・・この針林というかこの辺一帯が時計の羅針盤に似ている。」

 

そう、1から12の数字が置かれるであろう位置に道があり開けたここら一帯は白地の部分を連想させる。

 

「それは分かったけど、肝心の遺跡が何処にあるのかって話でしょう?それらしき建物なんてないじゃない。」

 

「・・・そこなん・・・!」

 

その時

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

 

 

突如、自然災害が見舞う。

 

「・・・地震⁉︎」

 

急な揺れにミストガンは咄嗟に焚き火を消し、物に燃え移らないように対処。

 

ジェニーはと言うと、

 

「あら?今回のは大きいわね。」

 

慣れた様子で落ち着き払っていた。まるで珍しくないかのように。

 

揺れが収まり、あたりを確認する。倒れた木々はなく、消した焚き火の跡だけが消した後の煙をあげている。

しばらくして、再び揺れが来ないことを確認したミストガンは、再度焚き火を起こし、腰を下ろした。

 

「・・・よくあるのか?」

 

「へ?」

 

あまりに唐突な質問に、一瞬呆け顔を晒すが自身のことを聞いていると理解し、説明を始める。

 

「まぁね。この辺りじゃ周期的に起きてるしね。」

 

「・・・そうなのか?」

 

「うん。フェアリーテイルのあるマグノリアはあんまり地震起きないの?」

 

「・・・ああ。だが海に面しているからな。・・・津波の被害はたまにある。」

 

「そっか〜それも大変だ。ああ、じゃなかった地震の話ね。なんて言えばいいのかなぁ?予兆・・・?と言うか、この時期と言うか周期で地震が起きるって事はそろそろ()()が近いんだなぁって。」

 

「・・・アレとは?」

 

()()()()

 

「・・・皆既・・・・・・日食か」

 

皆既日食。

月と太陽の軌道が被ることにより生じる現象。

辺りはまるで夜のように暗くなり、かつての人々は神が怒り太陽を隠したと考えていたと言う説もあると言う。

 

「見たことくらいはあるでしょ?」

 

「・・・ああ、確か以前は10年ほど前か?」

 

「そ。・・・あの揺れもすごかったなぁ。もうね、地面が割れるんじゃないか!ってくらい!アハハそんなわけないのにね!」

 

「・・・ほう。だが、君はそこまで見た経験はないだろう?・・・もし、そうだとするなら、・・・君の年齢は相当なものだが?」」

 

「当たり前でしょう。私は今回の見れば2回目。周期の話とかは街の人やマスターに聞いたのよ。あと、お酒を飲みに来るおじ様とかね。」

 

なるほどと、納得がいったのか首を何度も縦に振るミストガン。

 

「それで?さっき何か言いかけてなかった?」

 

何かを言いかけた時、タイミング悪く地震が起きた為、頭から中おいて叩いていたことを思い出し、再度戻る。

 

「・・・ああ!そうだったな・・・すまない。・・・それで、耳の言う通りこの辺り一帯には遺跡らしき建物は見当たらない。・・・明日は一日、探索に使う。」

 

「ん、妥当なところね。分かったわ。・・・ふぁ〜あ。」

 

「・・・移動で思っているよりも消耗しているはずだ。・・・もう休め。」

 

「そうさせてもらうわ。じゃあミストガンおやすみ。」

 

「・・・ああ。」

 

そう言って一人用のテントに入っていく。

入口のジッパーを閉める途中で、ニヤッと笑いながらミストガンの方を向く。

 

「襲っちゃダメよん❤︎」

 

「・・・」

 

しかし、思った反応は返ってこず、しかも聞こえていて無視を決め込んでいるのか、本当に微動だにしない。流石におかしいと思い、よーく観察をしてみれば答えは出た。

 

「・・・」スゥースゥー

 

「いやっ!寝るの早や!」

 

コレが昨夜の出来事だった。

 

 

 

探索開始から二時間弱、その間に数度の揺れの小さい地震が起きたが、問題なく探索は続く。探索に問題はない、しかし成果がこれといってないことが問題だった。

 

「・・・」

 

「あーもう!もう一度森に入っても木々が生い茂るばかり!戻ってきても変化なし!何度か揺れるし!一体全体、いせきなんてどこにあるのよーーー!」

 

ジェニー心からの叫びである。

 

だが、彼女を責める事はできない。この状況になれば誰しもがそう言いたくなる。ミストガンも内心、少しばかり溜息をついていた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・ふぅー」

 

失礼、実際に溜息をつくほどだった。

 

 

その時

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

 

 

「・・・またか。」

 

またも起こる地震。

 

「今度のはちょっと大きいわね。」

 

既に、地震に慣れてしまった二人。

これ以上、探索して体力の消耗をするより、お昼にしようと決断し拠点にしている場所にまで戻る事にした。

 

 

 

 

 

 

「ん〜‼︎美味しい‼︎」

 

「・・・そうか」

 

拠点に戻り、ミストガンの作った昼食にご満悦なジェニー。

対照的にこれといって手掛かりを得られず、どうしたものかと考えながら食事を取るミストガン。

 

「ねぇ、ミストガン」

 

「・・・何だ」

 

突如、声をかけられる。

 

「遺跡って聞いてさ、私常々疑問に思ってたことがあるんだよね。」

 

「・・・?」

 

「遺跡の多くってさギレーシア太陽時計遺跡みたいに、何々の太陽遺跡やら太陽神殿。月のなんとかみたいなの多くない?何で?」

 

「・・・」

 

(・・・まぁ、気晴らしにはなるか。)

 

「・・・ジェニー例えばこの焚き火。これを放置し続ければどうなる?」

 

「え?」

 

そう言われて焚き火に目を向け、少し考えた後に答える。

 

「ええっと・・・消える?」

 

「・・・そうだ。放置し続ければ、燃える為の酸素はあったとしても燃える為の木々が無くなってしまう。・・・では太陽は?太陽も燃える星。・・・何万億年以上放置され続けている太陽は?」

 

「え?」

 

今度は空を見上げるジェニー。

 

「太陽の炎は消えないでしょう?」

 

そう答えた。そしてその答えは・・・。

 

「・・・そうだ、そしてそれが答えだ。」

 

「ん?どういうこと?」

 

「・・・なぜ、太陽が燃え続けられらか知っているか?」

 

「え?え〜と・・・そ、そういうものなんじゃない・・・・・・んですよね〜。ごめん、マジで分かんない。」

 

「・・・では太陽が燃える為に・・・この焚き火に焚べる枯れ枝の役割をしているのは分かるか?」

 

「・・・う、うぅ」

 

必死に考えるも分からず、苦い言葉が出る。

 

「・・・それは単純に魔力だ。」

 

「魔力・・・・・・え?魔力⁉︎」

 

「・・・太陽は言わば高密度なエーテルナノを内包する星。・・・・・・それが太陽内部から漏れ出る時に、炎へと変わる。・・・そして炎が燃えることにより発生するエネルギーがまた太陽内部を動かす役割を果たし、永遠に燃え続けている。」

 

「そっか⁉︎その循環があるから、ずっと維持していられるんだ。あれ?でも月は?月は燃えてないわよね?」

 

「・・・コレは東にある島国にある考え方だが、陰陽術と言うものがある。他にも表裏一体・・・元々太陽と月は1つの同じ星であり兄弟。」

 

とさらに分からないことを言い始めるミストガン。それについていけないジェニーは、接客やグラドル界で培ったとりあえず笑顔で相槌を打つ事に徹していた。

 

「・・・まぁ、細かい事は省くと・・・要は太陽と月は元は同じ一つの星であった為に、エネルギーの共有をおこなっていると言う事だ。・・・多くの神話の中で、太陽の神と月の神が兄弟姉妹で描かれているのはそういった理由があるからだ。」

 

「な、なるほど〜?」

 

ミストガンは目敏く気が付き、簡単に要約したにもかかわらず分かっているのかいないのか微妙な反応を見せるジェニー。

 

そしてここからがお前の知りたがった事だとミストガンは続ける。

 

「・・・かつての人々は、どうやって太陽や月にそれほどの魔力があることを知ったのから分からないが、・・・遺跡や神殿とは即ちエネルギーの貯蔵庫。壁画に儀式などで神が降臨した描写もそれは、太陽又は月から魔力を貯めていた事を表している。ゆえに・・・。」

 

「どうしたの?」

 

説明の途中で突然黙ってしまう。

しかし、よく耳をすませば、何かをボソボソと呟いている。

 

「・・・太陽時計遺跡も当てはまれば同じだ。・・・・だが、現代も動かすことなど・・・・皆既日食・・・・10年・・・・周期!

 

ゆっくりと噛み締めるように何度か頷き顔を上げたミストガン。

 

「・・・ジェニー」

 

「な、なに?」

 

「・・・皆既日食の日はいつか分かるか?」

 

そう言った。

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