迷える魂は安眠を求める   作:ハリボー

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感想お待ちしてます。

オリミストガンの格好は、漫画アニメ等に登場する格好と同じです。

アイリーンにもらった杖は、ミストガンが主武器として使っている物です。


酒場街マウ【前】

バサバサバサバサッ‼︎

 

ガーッガーッガーッ‼︎

 

光も届かぬ森の中、緑生い茂る地面に眠る様に横たわる魔獣。

 

この魔獣は、この森から流れる川を住処としていた。

 

しかし、その川の水は森を抜けた先にある町の生活水を担っていた。

 

直ぐに討伐隊が結成されたのだが、討伐隊とは名ばかりの戦いとは無縁の町民ばかりが武装しただけのお粗末なもの。

 

結果は、当然のごとく討伐することは出来ず、そればかりか怪我人は軽傷者や重傷者を多数出し、そればかりか死者までもが出た。

 

自分達ではもうどうすることもできない。

 

よって町民たちは魔導士ギルドに依頼する事にした。

 

後日、依頼を受けた魔導士?が町長の元へと訪ねて来た?

 

なぜ?マークが付くのか、魔導士?訪ねて来たのは人のサイズの白いモヤのようなもの。

 

訪ねて来た?白いモヤが現れた瞬間に一枚の紙が舞う。

 

内容は[魔獣の住処を裏面に書け]

 

コレだけである。

 

困惑しながらも、内容通り住処を裏面に書くと、たちまち紙が消えてしまう。白いモヤまでも同様であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー森ー

 

「・・・」

 

師匠の元を旅立ち数年。最初は有名な観光地、山、都市などを回った。

しかし、そんな事をずっと続けてはいけない。なぜなら、生きていくためには衣食住が必要だ。それに欠かせない物は・・・金だ。

 

そこで考えついたのが、どこかの魔道士ギルドに所属する事。

 

ギルドで依頼を受け、成功報酬の生活に使う。

 

そして、依頼のついでに旅をする。

 

行ったことのない場所の依頼などがあれば一石二鳥である。

 

よって、どこに所属しようかと悩んでいた時、1人の老人と出会った。

 

老人は魔導士ギルドのマスターだと言う。

 

出会いかた?

 

まぁ、それは酷いものだった。

 

旅の途中に立ち寄った観光都市、そこでは都市を治める貴族の一人娘の誕生日を祝う祭が行われていた。露店が多く立ち並び、昼間から大人達が酒を浴びるように飲む。

 

そして主役の一人娘の乗せた馬車が、パレードをする催しが行われた。

 

その時、馬車の真下に魔法陣。恐らくは対象にたいし限定発動するタイプのものだろう。それが発動する。

 

咄嗟に俺は、魔法で魔法陣を撃ち消そうとしたが、それよりも先に魔法陣を消した者、それが俺の所属するギルド、フェアリーテイルのマスター マカロフ・ドレアーだった。

 

そこまではいい、事態は最悪の状況を脱したが、誰かが俺が魔法を発動させようとしたのを見て、俺が一人娘を攻撃した人物だと騒ぎ立てた。

それは直ぐに周囲に伝染し、俺を捕らえようと警備に当たっていた兵士達が俺に襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

「待てい!!!!!」

 

 

 

 

 

 

しかし、それをマスターが止めた。

 

そして笑顔で俺のそばまでやって来た。

 

「ワシはマカロフと言うもんじゃ。小僧、名は?」

 

「・・・」

 

「なんじゃ警戒しとるのか?安心しなさい。ワシはお主があの娘を襲ったなどと考えてはおらんよ。」

 

「!」

 

「しかし、お主の魔力量には驚いたわい。それだけの魔力、この距離まで近づさなければ気が付かんかった。良い腕をしてある。誰かに師事しておったのか?でなければ()()()()()()()()()()などと言う荒唐無稽な事をしようとはせんじゃろう?」

 

「!」

 

この日、2度目の驚愕。あの一瞬で!?発動させていないのに分かったのか!?

 

「のう、お主ワシのギルドに入らんか?」

 

「・・・ギルド」

 

「そう。フェアリーテイルと言う。」

 

「・・・」

 

「マ、マカロフ殿!その者はお嬢様を襲おうとした者ですぞ!早く捕らえねば!」

 

そう言って来たのは、護衛の隊長を務める男。

 

実は騒ぎ立てたのはこの男でもある。

 

「その必要はないじゃろう」

 

「何を言っているのです!ただでさえ、バンダナに顔全体を隠す様に巻くスカーフ。服装も怪しさの塊。十中八九このものが犯人だ!」

 

好き放題言ってくれる。

 

俺が多少苛立ちを覚えた時、大気が震えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黙れクソガキ

 

 

 

 

 

「ひっ!」

 

「!」

 

 

男は漏らしきながら尻餅をつき、俺は咄嗟に杖を構えた。

 

「この子を捕らえる必要なんざないじゃろう。捕えるべきは貴様じゃ。このワシが見誤るとでも?魔力残滓から貴様だと言う事は端から分かっとるわい。三流が!」

 

マスターは手早く男を捕らえ、他の護衛に引き渡した。

 

この事件により祭りはその場で終了。

 

護衛を任された、それも隊長を務めるものが犯人だったのだ。

 

当然の帰結だろう。

 

俺はこれ以上いる意味はないと、都市を出た所で待ち伏せていたマスターに止められた。

 

「これこれ、そんな急いでどこへ行くんじゃ?」

 

「・・・」

 

「お主の師匠は、人との接し方を教えてはくれなんだのか?」

 

・・・・・・そう言えば、魔法ばかりで教わってないかも?

 

うん、教わってないな。

 

ミストガンはコミュ症だった件について。

 

師匠なぜそこら辺も指導してくれなかったのですか。

 

貴女もとは女王でしょうに。

 

「あらためて、ワシはマカロフというものじゃ。お主は?」

 

「・・・ミストガン」

 

「ミストガン、良い名じゃ。して、ミストガンよワシにお前さんの魔法を見せてはくれんか?」

 

「・・・構わない。礼だ。」

 

コレで貸し借りナシ

 

俺の魔法を見せた時、マスターの顔は驚愕に染まる。

 

そしてボソボソと何かを呟いていた。

 

何だったか?「まさか、この魔法を使えるものがおるとは」だったか?まぁどうでもいいが。

 

 

 

 

「・・・俺は人付き合いが苦手だ。それでもいいか?」

 

「構わんとも。人が集まりギルドとなる。ギルドとは家族。お主もこれからは家族。皆がどんなお前さんであったとしても。家族になったからには受け入れてくれる。まぁちとウチは騒がしいギルドだが、その時はまぁ眠らせるなりして帰ってくるのもアリかもしれんのう。ハハハハハ」

 

それいいな。

 

「あれ?ワシなんかやらかした?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれから数年か。」

 

俺は、魔獣討伐を果たし町長に討伐完了の証を持って行き報酬金をもらって帰路についていた。

 

幻術を使って俺の事は白いモヤのようにしか見えなくしていたが。

 

まぁ、依頼は無事に果たしたし構わないだろう。

 

日も落ちてきた、そろそろ酒場街に着く頃か。今日はそこで宿を取ろう。

 

 

 

 

ー酒場街マウー

 

「いっらしゃい」

 

若い女店主か。

 

「・・・一泊」

 

「はーい、素泊まり大人一人で5000Jね。」

 

支払うと、部屋の鍵ともう一つは地図?いくつか赤丸が付いている。

 

「・・・コレは?」

 

「おにいさん、マウは初めてきたんでしょう?オススメの酒場をピックアップしてあるから行ってみて?おつまみの味は保証するよ!」

 

「・・・感謝する。」

 

せっかくだ、久しぶりに飲むのも悪くない。

 

さっそく、地図にピックアップされていた中で宿に1番近い酒場に入る。比率としては3:7(地元民:旅魔導士)といったところか。

しかし、混んでいるな。触れるか怪しいか?

 

「いらっしゃいませ〜」

 

「・・・空いているか?」

 

「何名様でしょうか?」

 

「・・・一人だ」

 

「あいにく混み合っておりまして、相席でもよろしいでしょうか?」

 

相席か・・・仕方ない、他の店にしよう。

 

「・・・そうか、では別の「おにーさん私と相席いかが?」・・・君は」

 

声をかけられた方を見ると、宿屋の女店主と・・・誰だ?

 

服装は私服わざと地味目にしているのだろう。だが、付けているアクセサリーはどれも誰もが知っているブランドの物だ。

 

「おにーさん?どうするの?」

 

「・・・いや「それではご案内します」・・・ハァ。」

 

断ろうとしたが、店員はパッパと俺を彼女達のいるテーブル席に案内する。

 

「ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい。」

 

「・・・ラムを頼む。」

 

「畏まりました!お料理はお決まりですか?」

 

「・・・決まったらあらためて頼む。」

 

「畏まりました、少々お待ち下さい。」

 

店員が下がっていく。

 

さて

 

「やっぱりこの店に来たね!」

 

ニヤリと笑う。女店主。

 

「・・・」

 

「ありゃりゃ、おにいさんさっきも思ったけど愛想がないなぁ。そんなんだと、モテないよ?」

 

どうでもいい。

 

「私はリリ!で、こっちの子はナナ!私の幼馴染!」

 

「よろしく」

 

「・・・ああ」

 

女店主・・・いやリリか。グイグイ来すぎてめんどくさいな。

 

逆にナナだったか?彼女は凛として物静かだ。

 

正に動と静。

 

ちょうどラム酒が運ばれてくる。ツマミにチョリソーを注文した。

 

「いやいや、おにいさん「ああ」じゃなくて名前は?私達は教えたんだから、おにいさんも教えてよ。」

 

頼んでない。そっちが勝手に自己紹介してきたんだろう。

 

「・・・ミストガン」

 

「ふ〜ん、ミストガンって魔導士でしょ?」

 

「・・・ああ」

 

「あれ?驚いたりしないんだ、なぜ分かった!みたいな反応期待してたのに。」

 

「・・・宿を訪れた時から杖を所持していた。気がついていてもおかしくない。」

 

そんな事より

 

「・・・ナナ君、君は何故そこまで驚いている?」

 

ナナが何故か俺を見て固まっている事が気になった。

 

「ナナでいいわ。ねぇ、ミストガン・・・貴方は何者なの?」

 

「・・・何者とは?」

 

「だってそのま・・・ううん、やっぱりなんでもない。ごめんなさい。」

 

ま?・・・・・・・・・ああ、珍しいな。

 

「・・・魔眼持ち・・・か。」

 

「!」

 

「ミストガンすごいね!何でナナが魔眼持ちだって分かったの⁉︎」

 

仕組みとしては実に単純だ。いや、仕組みというのも烏滸がましいな。魔眼には様々な種類が存在するが、希少性が高く発現している者は少ない。しかし、魔眼を発動させる際に全てではないが共通する事があった。それは魔力を使う事。そんな事当たり前だろ?と思っただろうが、魔眼はその者の身体の一部だ。呼吸をする、立つ、歩くといった事と同様にごく自然に一般人が、本の文字を読む様な感覚で発動させているので感知が難しいのだ。しかし、俺の場合は幻術なども得意分野だ、よってまだ席にも付いてない俺の幻術を、必死に魔眼で見ているナナを逆に観察しただけの事。

 

俺は席に座り、幻術を解く。

 

「あれ⁉︎」

 

さっきと魔力が、というより質が変わったことに驚いた様だ。

 

「ねーミストガン、ミストガンはギルドに所属してるの?」

 

「・・・()()。」

 

「ふーん、じゃあフリーなんだ。そっかそっか!」

 

「・・・」

 

陽気な女店主と若干警戒気味のその幼馴染。

 

そんな二人と、他愛ない話をつまみに酒を飲む。

 

時折、周囲の話にも耳を傾ける。

 

聞こえてくるのは、いかにも酒場の会話だ。

 

酔いが回り、次はどこの店に行くか?おかわりは?最近、彼氏は彼女は出来たのか?などと他愛ないものばかり。

 

「そういや聞いたかよ、またフェアリーテイルが騒ぎを起こしたらしいぜ?」

 

「・・・?」

 

「なに、またか。本当あのギルドは騒ぎに事欠かないな。」

 

「で?今度は何やって新聞を騒がせたんだ?」

 

アイツ等、また好き放題を・・・マスターの苦労が知れる。

 

「えーと、フェアリーテイルのギルドマークをつけた男が、全裸で街を歩いていたとか。」

 

・・・グレイ脱ぎ癖を直せ。

 

「俺は評議委員の孫娘に手を出した奴がいるって聞いたぜ。」

 

・・・レ・・・・・・いや、ロキ。

 

「私は、警護対象を『漢!』って叫びながら殴ったって聞いたわよ。」

 

・・・エルフマン。

 

「ハルジオンの港半壊!やっぱりコレだろ!何でも火竜がやったらしいぜ!」

 

・・・ナツ。

 

他にも聞こえてくる、フェアリーテイルが起こした問題騒動。

 

コレは、エルザ辺りが放ってはおかんだろうな。

 

 

「ねぇ、ミストガン聞いてる?」

 

どうやら、フェアリーテイルの話題に聞き入っていたせいで、リリの話を無視してしまっていたらしい。

 

「・・・すまない。それで?」

 

「だから、最近この街に出る謎の魔導士の話。」

 

何でもリリの話によれば、このマウの街に旅の魔導士のみを狙った魔導士が出没しているらしい。幸いにも死者は出ておらず、朝に倒れているのを発見されるばかりなのだという。やられた者は、相手の顔を見ていない為、手配書を作ろうにも作れない。

 

「それで、被害らしい被害は金銭を盗られるくらい。」

 

「・・・なるほど。」

 

「そこで、その謎の魔導士を捕まえる為、依頼を受けたのがナナなのです!」

 

「ちょっとリリ!」

 

顔を赤くしながら抗議するナナ。二人の仲の良さが垣間見える。

 

恐らく、先程の魔眼で魔力を探知し襲撃している者を取り押さえる方法?をとるつもりなのだろう。

 

「・・・ギルド所属の魔導士だったのか?」

 

「ええ、一応人魚の踵(マーメイドヒール)に所属しているわ。」

 

あの女性しか所属できないあのギルドか。

 

「そういう訳だから、被害に遭いたくなかったらリリの宿から今夜は出ないことね。ごめんねリリ、先に出るわ準備しないとミストガンも。」

 

「うん!頑張ってね。」

 

「・・・依頼成功を祈る。」

 

「・・・うん」

 

今夜中に片付けるつもりなのだろう。去り際の気迫がそれだった。

幼馴染のいる街で騒ぎを起こす者を許さないのだろう。

 

だが、何故そこまで悲しそうな瞳をしているのか?

 

「じゃあ私達も戻ろっか。」

 

「・・・ああ。」

 

近くで手の空いていた店員を呼び会計を頼む。

 

「37000Jになります。」

 

「えーとナナから預かってた分と〜「・・・コレで頼む」え?」

 

リリが、財布から取り出そうとしていたのを遮って40000Jを支払う。

 

「ええ!?ミストガン!?」

 

「・・・彼女から預かった分は返しておくと良い。」

 

「そんな悪いよ!」

 

「・・・問題ない。それに、今日は事情があって()()()()()()()。・・・だから早めに宿に戻って休みたい。()()使()()()()()()()()()()()()()。」

 

「・・・ふーん、じゃあお言葉に甘えようかな!」

 

「・・・そうしておけ。」

 

3人分の会計を払い、リリと2人宿に戻るのだった。

 

 

 

 

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