「・・・」
ヨォ、俺様はラウム。ただの三つ目の怪鳥だ。本来の俺様はこんな鳥野郎ではないんだが・・・まぁそれはいい。
今はフェアリーテイルに所属してる。
してると言っても相棒が俺にもギルドの紋章を入れるようにマスターに頼んでだ。文句はねぇけど、俺にも事前に説明とか了承とれや。
今日はそんな俺の日常を見せてやるよ。
「てきな感じの始まりで。まぁ見せんけど。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「なんか言えよ。」
「・・・。」
「あ?ああ、水ね!あいよ。ちょい待ってろ。」
グラスから溢れない程度に水を注ぎいれて。
あん?どうやって入れてるかって?鳥のくせにって?羽なのにって?
ふふん♪教えてしんぜよう。
アイリーン直伝!誰でも簡単、デスクに座ったままでも資料を棚から持って来るのに便利な魔力応用。
※注意:これはアイリーンの個人的視点からの簡単であり、出来なかったとしても当社は一切関与致しません。
「まずは魔力に形をエンチャント。出来たらそれを魔力操作で手足と同じ感覚で動かすだけ。この時、腕を伸ばし縮みさせる感覚は個人により習得が難しいかもしれないので要注意。簡単だろ?」
あとはこの水の入ったグラスを持って。
「おらよー。氷はいらねぇんだろ?」
「・・・」ゴクゴク
「はいはい、たーんとお飲みじゃねえわアホーーーー!」
「・・・」コトッ
「おら!飲んだならまだ寝てろ。顔色ひでぇぞ!」
「・・・」
「あーあー分かったての。ったくよ〜、お前も無茶しやがるぜミストガン。マジで修繕が終わるまで幻術で隠し続けたんだからよ。」
本当アホかこの野郎。ラクサスの野郎が起こした件で損害が出た所をマジで隠し続けるなんて。
いくらコイツの魔力が多いとはいえ、それを・・・。
「・・・」
「あ?おいおい起き上がってどしたい?トイレか?」
「・・・ラウム。」
「お?久々に声に出したな。おう、なんだ?」
「・・・仕事に行くぞ。」
「寝てろ!」
「・・・しかし」
「よーしわかった。今からひとっ飛びしてアイリーンのとこ行ってくるわ。そんでもって今のお前の現「・・・おやすみ。」はいおやすみ。」
チッ、やっぱ本調子じゃないじゃねぇか。
目を閉じて一分も経たずに寝ちまいやがって。
「あーあ、どうすかっなぁ。」
場所は変わって現在の俺様。
あ?どこだって?街の上空ですが何か?
怪鳥なんだから何気なしに飛んでてもいいだろうが。
しっかし暇「ギャハハハハハハハハハ!」チッ、うるせえなぁ。あ、ギルドじゃん。知らないうちにギルド周辺まで飛んでたんだな。
「・・・・・まぁ、俺も一応ギルメンになったわけだし。他の奴らの生態調査でもしますかねぇ。」
あ?いつギルメンになったか?ほら、ラクサスとミストガンが連れ立って見舞いに行ったろ、あの時だよ。
「・・・コイツを加入させてほしい。」
「いいよー」
「軽いわ!」
こんな感じで加入決定。まぁ、なんか喋るネコのなんだっけハッピーとかいうのもいるから、喋る鳥も有り的な感じかねぇ。
「ハァ〜にしても」
「飲め飲め!」
「やんのか!コラッ!」
「やってやんよチンチクリン!」
「おかわりー!」
相変わらず騒がしいギルドだこと。
そんでもって
「サカナー!!まぐまぐまぐまぐ!」
「あ、やっぱ魚が好物なんかい。」
「あい!・・・と、鳥が「それはもうええっちゅうねん!それ言うなら猫のお前も喋れてんだろうが!」・・・おいら猫だった!」
「アホ」
「あ、ミストガンの」
「む」
「おーこれはこれは、自分の契約精霊を彼氏にするルーシィだったか?」
「ブッ飛ばすわよアンタ 」
「ケケケッ、やれるもんならやってみな?それと、相棒と同じS級魔導士。
「お前はラウムだったな。その胸にある紋章を見るにウチに入ったのか。」
「おーう、よろしくな。」
怖え怖え。眼力強すぎ。コイツがアイリーンの実子か。改めて見ると、まぁこの女がアイリーンと似てるのはわかる。だが、ミストガンとも似てるなぁ。そりゃそうか、生かす為にあの女は・・・。
「ラウムお前に聞きたいことがあるのだが。」
んー。
「ミストガンの家は何処にある?」
「エ、エルザ?」
「いきなり家はどこだって、長年の仲間の家もしらねぇのお前?」
「ミストガンはあまりギルドに顔を出さなくてな。少し聞きたい事があったんだが・・・ラウム、お前はミストガンの使い魔なのだろう。家はどこだ?言え。」
「聞くと言うより脅しじゃん。」
「言えないか?」
「場合によるね。」
「・・・」
「・・・」
「え、えっとちょっと落ち着こうエルザ。ライムも」
「ラウムだ。何フレッシュな果実にしてくれてんだよ。」
あーあ、めんどくさい。それにルーシィがオロオロしてるのを見るのは面白いが、流石に新入りの俺が不協和音になるのはいただけんよな。
「言えねぇな。知りたいなら俺じゃなくミストガンに直接聞きな。ああ、お前らじゃ眠らされるのがおちか。なら頑張って自力で探し出すこったな。」
2人の間に流れ出す険悪な雰囲気が少しづつ広がっていく。
まだ微かに騒ぎ声が聞こえはするが、近くにいる者たちは会話から滲み出す2人の圧を体感していた。
何よりも・・・
「あの、えっと・・・エ、エルザ・・・・・・ラウム。」
不憫だルーシィ。
「ケケ」
「?」
「ケケケケケケケケケケケケケケッ!」
「⁉︎」
「エルザ、お前はなんでミストガンに会って話がしたいんだ?」
「・・・」
「当ててやろうか?」
そう言うと翼をはためかせエルザの肩に乗って耳元で小さく囁く。
「なんでアイツとお前が似ているか・・・だろ?」
「お前。」
「ああ。多少だが知ってるぜ。だがな俺の口から言うのは違う。そうだろ?」
「・・・・・・ああ、そうだな。その通りだ。これはミストガン本人から聞かねばならん。私のルーツに関わっているのなら。」
「気長に構えておく事だ。悪かったな喧嘩腰でよ。」
「いや、私も多少冷静ではなかった。すまなかったな。これから同じギルドの仲間としてよろしく頼むラウム。」
「おうよ。って!首を撫でるな!嘴も頭もダメー!」
「ハハハ、だが気持ちよさそうに目が細まっているぞ?」
「クッソ、なんであんなに撫でるのが上手いんだよ親子揃ってよ。」
完璧アイリーンと同じ撫で方しやがって。
どんな所で親子感出してくれちゃってんだよ。
「ハァー、アイツはまだ寝てるかねぇ。ただいまーっと。」
「・・・おかえり。」
「ありゃりゃ、予想はハズレか。体調は?」
「・・・あと2、3日といったところだ。」
「じゃ、その間は絶対安静だな。」
「・・・どうだった?」
「何が?」
「・・・ギルド。行ってきたんだろ?」
あん?遠見の魔法でも使って見てたのか?
「・・・付いてるぞ・・・・・・髪。」
「ん?あっ、マジだ。」
俺様の翼に一本だけ引っかかってやがる。この色はエルザだな。
肩に乗った時に絡まったか?
「まぁ、それとなく上手くやるさ。お前と一緒だからギルドに顔を出す機会は少ないだろうがな。」
「・・・」
「ケケケケケケケッ」
まぁ、見ていて飽きない連中ではあるな。
実力こそは発展途上・・・だが、伸び代は見えない。
ケケケケケケケッ。
それでも。
「それでもお前が負けるような想像は出来ねぇな。」
「・・・?」
ケケケケケケケッ