迷える魂は安眠を求める   作:ハリボー

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捜索準備

ー評議院ー

 

「この依頼、受けてもらえるな?」

 

受けてもらえるな?・・・強制と言うことは最初から分かってはいたが、老害どもがちょ「調子に乗ってんじゃねぇよボケ共」おい。

 

「な!ワシら評議員に対してなんという言い草だ!」

 

「ウッセ!この猫ジジイ!大した魔力もねぇくせにデケェ態度してんじゃねぇよ!つか、ジジイの猫耳でどこに需要あんの?」

 

「ミストガン!これはお主のペットか⁉︎飼い主ならば躾をしっかりしておきたまえ!」

 

「だーれがペットだクソ眼鏡!似合ってねぇんだよ!躾って言うがヨォ!テメェこそ孫の躾をしっかりしやがれっ!そんなんだからエセホストの餌食になんだよ!」

 

こいつナチュラルにロキをエセホスト呼ばわり・・・いや、合ってるな。

 

「ハァ〜」

 

ぐちぐち言ってきていたオーグ老師が今ではため息を吐くだけか。

 

「まぁ、双方落ち着けい。申し訳ないがミストガン今回の依頼に拒否権はない。」

 

「・・・ええ、もとよりそのつもりです評議員議長。」

 

さて、どんな依頼だ?

 

「・・・わざわざお歴々が雁首揃える程の依頼。」

 

「お主、意外と口悪くない?」

 

「・・・世間に出回れば混乱不可避なものか、はたまた評議院の信用に関わってくるものなのか。」

 

後半の言葉で何人かが示したわずかな反応をこの男が見落とすはずもない。

 

「・・・お聞きしましょう。」

 

「さっさと話せやコラッ!」

 

ちょっと黙ってろ

 

「ある人物を探し出して欲しい。」

 

「・・・人探しですか?あいにくと私の魔法は探すと言った類の魔法ではありませんが?」

 

「承知している。必要なのは探し出した後の方だ。」

 

ふむ

 

「後ねぇ?物騒な予感しかしないのは俺の気のせいか?」

 

「・・・俺も同意見だ。」

 

「君に探し出してもらいたい男は、かつては評議員の末席に座りかの黒魔導士ゼレフの復活を目論んだ大犯罪者。」

 

あぁ、あったなそんな事件。

 

「元評議員にして元聖十大魔道士ジェラール。奴を探し出しとらえるのだ。」

 

ジェラール・・・ゼレフ復活を目論み評議院にジークレインと偽名を使って潜入していた男。確かナツ達が倒した後に行方不明と聞いていたが、居所の情報でも入ったか?

 

「・・・生死は?」

 

「すまんが奴からは色々聞かねばならぬことが多くてな。」

 

「・・・了解した。」

 

ふむ、元とはいえ聖十の称号持ちを生け取りか。

なかなかに骨が折れそうだ。

 

「それと」

 

まだ何かあるのか?

 

「今回の捜索にこちらから部隊を一部同行させる。」

 

「・・・任務はこなすが?・・・それとも、俺はあなた方にとって不利益な事をするとでも?」

 

「無論そこは承知している。今回は、お主のサポートをさせる為に同行してもらうつもりだ。何か要望があれば部隊に言えば手筈を整えよう。」

 

それだけ必死と言うことか。

 

「・・・了解した。」

 

 

 

 

 

 

 

後日、俺は人気のないカフェの個室の中にいた。

待ち合わせの時間には、多少早く着きすぎてしまったが注文もしないで、ただ座っていた。まぁ、カフェと言っても裏世界の界隈の人で生計を立てているようなカフェだ。味の保証が出来ないからなぁ。酒は別だが。

 

コンコンッ

 

「・・・開いている。」

 

「失礼する。」

 

待ち人来たれりか。

 

「待たせてしまったか?」

 

「・・・私が勝手に早く着いただけだ。」

 

入って来たのは長い髪を頭の後ろで結び、眼鏡をかけたイケメンの部類に入る男。

 

「まずは自己紹介を、評議院のラハールと申します。」

 

「・・・ミストガン。」

 

「・・・」

 

「・・・何か?」

 

「いえ、失礼。貴方の噂は耳にはしていたのですが、姿を見たという人がおらずどんな姿なのか憶測が飛び交っていたのですが」

 

「・・・ラハール殿の想像と違ったか。」

 

「ええ」

 

ラハールは席に着くと店員にコーヒーを注文。

運ばれて来るのを待って再び口を開く。

 

「それでお話というのは?」

 

「・・・もう少し待て、あと一人呼んでいる。」

 

そこから待つこと5分。

ドアをノックする音が響く。

 

「・・・どうぞ。」

 

「うぃ〜しっつれいするよ〜ん」

 

「・・・はぁ」

 

「な、なんだ貴女は!」

 

入ってきた女は開いた酒瓶を片手に、相当飲んでいるのか呂律が回っていない。

 

「失礼だが、部屋を間違えてはいないか?」

 

「んぐっんぐっプハー!いんや、あたしゃ間違えちゃいないよ。あんたらが極秘依頼ってんで呼びつけたんじゃないか。」

 

「何を言って「・・・ツレが失礼を言った。待っていたぞカナ・アルベローナ。」貴方の言っていた人とは!」

 

「・・・ああ、こいつだ」

 

オーグ老師に頼み、カナに評議院からの極秘依頼と称してこの場に呼びつけた。いくら評議院がジェラールの目撃情報を得たとはいえ、その周辺をしらみ潰しに探すのは手間だ。ならばどうする?簡単だ。

 

「・・・何か頼むか?」

 

「えっ!いいの〜‼︎すいませーん酒〜樽で10個ちょうだーい!」

 

まだ飲むのか。

と言うか樽注文はやめろ、店員口開いて固まってるだろ。

 

「し、しかしお客様・・・それだとなかなかのお値段になりますが。」

 

「あーこの人達に付けといて!」

 

「ハァ!?」

 

奢るとは言ってないんだがなぁ。

 

「・・・評議院あてに付けておいてくれ。」

 

「ちょっと!?」

 

すまんラハール。

 

「ああもう!」

 

近い、顔寄せてきてなんだ?そういう趣味はないぞ?

 

いいんですか?貴方は同じギルドである彼女らに姿を見られることを嫌うと聞いていましたが?

 

ああ、そのことか

 

・・・問題ない。俺の姿を知るものはギルド内でも少数。それに、既に手はうってある。

 

「にしても、評議院にもいるもんだねぇ。メガネの長髪イケメンに〜、顔に傷有りのワイルド系のイケメン!」

 

「え!?」

 

カナには俺の姿が別人に見えている。

にしてもワイルド系か。

 

「で〜私に依頼したいことって何さ?」

 

「・・・君に探し物をして欲しい。・・・正確には人を探して欲しい。」

 

「人探しねぇ〜。それはどこかのご令嬢とかかい?それともどこかの王子様?」

 

「・・・詳しくは教えられない。」

 

「と言ってもね。私のマジックカードは典型的なホルダー系の魔法だし。捜索向きじゃないよ?居場所を占うならまだしも。」

 

「・・・ああ、それで構わない。」

 

「待ってください。探し人の情報なら」

 

「・・・分かっている。だがそれが確実だとは限らない。念には念をだ。そのための彼女だ。」

 

かつて長きに渡り評議院を騙した男だ。

ニセの情報を流して撹乱することもありうる。

 

「こんなことを聞くのはアレだけどさ、なんであたしに依頼したの?別に占うなら評議院やフリーの魔導士にもできる奴はいるだろう。」

 

「・・・君の占いの的中率は、他の者の占いより高い。」

 

「なんで私の的中率を知ってるのさ。ストーカー?」

 

「・・・フェアリーテイルにいる知人が言っていた。」

 

まぁ、実際はこの目で何度か見た事があるからなんだが。

 

「分かった。それじゃ占おっか。」

 

そう言ってカナはバックからカードの束を取り出す。

それを慣れた手つきでシャッフルし、卓上に円を描くように広げる。

 

「あ、聞いてなかったけどどっちが占うの?」

 

「・・・ラハール」

 

「私ですか?」

 

「・・・この任務において、隊長はお前だ。・・・情報を1番有している。占いに情報は必須だからな。俺ではいかん。」

 

「分かりました。そういう事ですので私を占っていただけますか?」

 

「あいよ。それじゃあまずは・・・」

 

そうしてカナの占いはいくつかの手順を踏んで、占いの結果が出た。

その結果は、ジェラールが居るであろう場所の情報と合致する部分が多々あるため、情報は間違いない。

 

しかし・・・気になるのは

 

「・・・黒の手足に光と闇」

 

「それに六芒星ですか。」

 

「それはあたしにも分からんよ。それがどう言う意味かはいって確かめな。」

 

「・・・ああ、そうさせてもらう。それともう一つ占ってもらいたい。」

 

「えーまだあんの?」

 

「・・・俺のこの先を」

 

「なんか訳あり?」

 

「・・・」

 

「酒」

 

「・・・この店の樽を全てカラにするといい。」

 

「やった!」

 

再度、カナに占ってもらう。

俺はこの先

 

「出たよ。」

 

「・・・」

 

「選んでもらったカードを開いて。1枚目は女王、これは典型的な女性を司るカード。2枚目が旅人のカード、これは何かに進んだんのかねぇ?3枚目が真実のカード・・・か。この3枚が出た時、大抵決まった結果が出るんだ。」

 

「・・・もったいぶらないでくれるか?」

 

「あんたは誰かに、この場合は女性に対し真実を告げようか迷っている。だけど最後には真実を告げる。」

 

「・・・そうか。」

 

「なに?プロポーズすんの!?そんときは呼んでよね、あたしが架け橋になったようなもんだからさぁ⁉︎」

 

「・・・いないさそんな相手は。」

 

 

 

そうか、俺は

 

 

 

だがそれはまだ先の未来だろう。

 

 

 

 

 

 

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