34.ep 炎ぺらーと行くナザリックの侵略日記
この良き日、アインズ・ウール・ゴウン
「御成婚!アインズ大統領とアルベド宰相が御成婚されたぞ!」
“うぉおおおおおお!”
“祝いじゃー!”“アルベド様がついに射止めたぞー!”“あぁあアインズ様いやぁああ!”
「ははっ、すげーや」
「まったくです」
「ちょっと、男衆!サボってないでこっち手伝いなさいよ!」
それでも周りの様子を確認ついでの少し手を緩める時間が欲しい男性陣は次男坊を背負うイミーナに叱り付けられお互いを見合いため息を吐く。
「んな事言ってもよぉイミーナぁ」
「さすがにアレのお手伝いは……」
ヘッケランはいつも通りとしても率先して手伝いそうなロバーデイクも苦笑いしながら顔を向けた先。
「おー、よちよちー、じーちゃんデスヨー」
“きゃっきゃっ”
「なによ、ただ赤ん坊の面倒見てるだけじゃない」
「あぁ、“首相様”がな」
「おしめ替えもガラガラ振りも様になっていますね」
長い髪を雑に束ね、
「実際助かるのよね。男でも子供の面倒を率先して引き受けてくれるの」
普段、
「……?なんだお前ら手が空いたなら手伝え、野郎でも手があると違うんだぞ」
「あ、いや、それは理解してるつもりです、はい。ただ、そのー、なんで旦那が子守りなんてしてんのかなぁ?と……」
「アァ?ガキの面倒なんて見れるヤツは一人でも多く居た方が安心ダろ?目を離したらどこ行くかわかんねーんだからヨ」
ロバーデイクの第一子に頬を掴まれ伸ばされていることを気にもとめず抱き抱えながら近寄ってくるシーカー。
相も変わらず佇まいは未だ衰えを知らず一流の中でも一流で、その気になれば今の自分すら赤ん坊をあやすのと手間変わらず鎮圧できる実力者……というか、モノホンの神話級強者なのだから“ただの人間として”上澄み側のヘッケランとしては
「あ、レイさーん!」
いち早く気付いたシーカーの動きに釣られ声の方へ向く一同。
「炎ぺらーさま!」
「炎ぺらー様ぁ……」
「ご主人様っ!」
「「お兄さま!」」
「「「「「「「「旦那様ー!」」」」」」」」
「ちょっとアンタたちいっぺんに━━
“おとうさーん!”“とっとー!”“おとうたまー”“ちちうえー”“パパぁあああ!”“パパぎみー”“ちちさまー!”
“““““““““父様ー!”””””””””
━━ぬわぁーーっ!?」“母様ー!?”
「うおっ?なんだお前らみんな外に出てきたのカ」
べっぴんさん、べっぴんさん、ひとつと空けず全員
まるで
「美人に囲まれるのが怖いって思ったの何回目だろうな」
「私は3回以降は数えてませんよ」
━━━━━━
『ゴメン、デキちった☆』
そう最初に
確か聖王国へ救援の派兵が終わり、法国からの移民が鎖国によって止められた頃だっただろうか。
諸外国との密約を結んで徐々に輸出を絞り、実質的な孤立が浮き彫りになってきたんだったか。
まあ詳しい時期など既に遠い昔である。
とにかく
カルネ村の筆頭戦士となったばかりなのに下腹部を膨らました元
求められたから助けはした、
流れからは逆らわなかった、
必要だったから応じた。
“つまり勢いで何度かシたら、妊娠したと”
“ウィ……”
“アホでしょ……”
“……せ、責任は取ルしっ(震え声)”
“当たり前だ、バカライター!”
ちなみに異形種と人間種で
「こども……は別としても、俺も所帯持ちかぁ、ハハッ」
「モモンガ様?」
「あぁ、アルベド。来ていたのか」
「ふふっ、たった今のことです」
嫋やか微笑むアルベドにドキリと本来なら無いはずの心臓あたりが脈打つ。
人間の頃ならあっという間に頭へ血が上りすぎてのぼせてしまうだろう世を傾けるほどの美女。
この笑みが自分にのみ向けられている。その事へ優越感や幸福感を覚えない男はいないと断言できるモモンガ。
(うーん、
少し前まで友人の思い出に浸っていたからか芋ずる式に過去を思い出す。
(守護者統括。それも俺のせいで“モモンガを愛する”なんて設定にしちゃった時はふざけ過ぎたなんて思ってたら、突然動き出すしアプローチも今にして思えば“ろくなアピール方法”も知らず必死に好意的なものを頑張ってくれてたのか)
「……?どうかなさいました?」
発情してない時にだけ見れる純新無垢な少女のように澄んだ瞳で小首を傾げるアルベドへ苦笑いで返しながらもモモンガの思考は内に向いていた。
(当時は俺も自分で手一杯だったとはいえ……)
「なに、この地へ訪れた頃の君を思い出していたんだ」
「っ!!?モ、モモンガ様!?そ、そんな過去のことなど忘れてください!」
守護者統括として与えられた優れた頭脳とこれまで育てた彼らの絆が、モモンガの発言から“いつの”“どんな”だったかを正確に察したアルベドはあっという間に頬を赤くし、しどろもどろしてしまう。
それをもう一度苦笑で返しながらもあれからの年月を反芻する。今でこそ自分同様、ギルメンたちへの隔意がほんの
自分のイタズラが産んだ狂気とも言える愛憎。文字通り愛するが故に憎しみにまで達した
可愛さ余って憎さ百倍、だったかな?と呑気に思い出話として処理できるほどになったモモンガが内の感情を無い舌の上で弄ぶ。
「そう言ってくれるな。
「おっしゃりたい事は分かりますが、アレを参考にするのはダメですよ!絶対!」
「わ、わかっている!そ、それに……」
さすがに十人単位の嫁さんを貰ってどういう訳か円滑に回せてる
元々外見の好みで言えばドストライクだった。
最初こそ露骨なアピールと肉欲を向けられた視線に戸惑ったが改善された。
するとどうだろう。
楚々とした見た目に似合う
“普段はお清楚直球な黒髪色白美女が二人の時だけ超ドスケベぼでーでえっちっちなことしてくれる!”
おちない男はいないだろう。
「お、俺があ、あい、愛してるのは、君だけだよアルベド」
照れくさそうに頬を掻くも目を合わせるように顔を向け精一杯の好意を告げるモモンガ。
「モ、モモンガ様……」
嬉しそうにかみ締め俯くアルベド。
「ア、アルベド……?」
しかし、徐々に震えが大きくなるアルベドへ心配の手を差し伸べ━━
「そんなこと仰られたら止まれるわけないじゃないですかぁあああああ!」
「ぬわーーっ!?」
━━しっかり翌朝まで喰われる()のも仕方ないことであった。
━━━━━━
「ン?デミウルゴス、今日はモモンガさんのトコ行かん方が良イ」
「……急にどうされました?」
ナザリック内、仕事をするために用意された部屋で普段は
アルベドと並ぶナザリックでもトップの頭脳を持ってしても洽覧深識としか言えない御方の鬼才……ではなく、自身が支えたいと思い続ける方々のうちの一人である方の発言にはこう返すと良いと最近気づき始めたデミウルゴスは(臣下の態度かそれは?)という至高の御方マンセー!してたい本能を押しとどめ、錬鉄の忠誠心で務めて気安い声色を作る。
「ンー、何となく?精霊の勘?ま、成婚……と言っても事実婚だったのを外部に向けて大々的に発表しただけとはいえ、二人の節目だからナ。積もる話もあるだロ……なにより、
「あぁ……なるほど。委細承知しました……悲しくなるほどに」
炎ぺらーはここ数ヶ月続いたアルベドからの
達成感よりも過ぎ去った嵐への疲労が表
「ドウシマシタ、炎ぺらー様、デミウルゴス?」
「おー、コキュートスグッドタイミングー。デミウルゴスも今日は終わって飲み行クべ。そゆわけで借りてくナー」
「……ですね。そうしましょう」
呼ばれて入室した“アイデクセ州”代表のコキュートスだが入るなり向きを反転させられ上司と同僚に挟まれ、
━━━━━━
「ふぃー、よー飲んダ」
道中で拾った“フォレスタ州”代表のマーレを伴いバーで飲んだ後、霊廟の屋根へと登り星を眺めながらこの地の酒をあおる。
ナザリック内での物と違う雑味の多いそれは“この地で育った果実”で作った
製法こそおおよそを炎ぺらーが伝えたものであるがこうして形になったのは彼らの力だ。
最も熟成の進んだものでも二年。それでも炎ぺらーにとってはこの地に来てから初めて
生前の事なんてこちらに来てからの激動でもうほとんど思い出せない。
それでも、
数奇な運命という言葉で片付かない妙な巡り合わせが産んだ奇跡。
「ン……」
来た当初は自分にベッタリだった魔焼と名前をつけただけの
「ンー」
前世では想像できないほど、他人に踏み込み、他者と育み、その結果自分が子供を持つことも、異形になりつつあった自分が愛情を抱けるなど想像できなかった。
「ンっ……」
住む場所だってナザリックで十分だった。それが今では周辺を併呑してしまい、連邦国なんて名前の割に基本理念と根幹思想はナザリックに住む者にとって都合の良いものへと変わりつつあり、目に見えない
「……ぬわーー……」
思い出すとだいぶ尖った政策もしたが、それを悪いとは思わない。確かに過程でスレイン法国など結果的に解体した国家や集団はあるが、
「………………」
だから、自分が今ここにいるのは事実を胸に、自分の幸せが大切なことが変わらないなら━━。
「━━モモンガさんがしあわせならいっカ!」
友の幸せを願うのは当たり前だ。
ざっくりとしたエピローグ時点の情勢。
年代、凡そザイトルクワエ討伐から8〜10年程度の経過を想定。
ナザリック、エ・ランテルを首都とした魔導連邦国を樹立。地下大墳墓のある地帯を原作同様に作り替え、その周辺を実質的な聖域化して基本ナザリックに認められた者以外の侵入を許さず無断侵入の厳罰化(実質即〇刑)。
リ・エスティーゼ王国、少なくとも国名は無くなった。原作のように全体が瓦礫になった訳では無いが、腐った貴族を処理するために上手くやっただろう。
バハルス帝国、帝国という冠詞は取れたけど州としてはなってると思われる。いい意味で吹っ切れたのか次期大統領を目指して頑張ってるとか頑張ってないとか。なんだかんだ遭ってジルは禿げる。
スレイン法国、滅亡。それ以上言うことは無いが、国民全員が昇華(化学反応)したわけでないことは確定している……はず。
聖王国・エルフ国等、州としてはなっているが上層部はナザリックに隷属しているかすげ替えられているため、実質的にナザリックの支配下にあると思われる。
評議国、合併されている訳では無いがあまりに影響力がでかくなりすぎて、戦争等の敵対行為に踏み出せないでいる。というか、国力が反転し始めているので攻め込むと負ける方が確率が高いところまで来ていたりする。なお、潜在的反抗勢力が集まっていると思われるため、実は内部の暴走を抑えないといつでも滅ぼされる側だという危機感がある人たちが駆けずり回ってなんとか平和的着地を目指していたりする。
さらに外の国とか、未だ関わりがあるのは個人商とかそういう単位でのものでしかない。
結論、千年王国の基礎はかなりでき始めている?
はい。というわけで本編最終話でございます!
真面目に書くと長くなりそうな上、まだ番外を何話か書く予定なのでそちらの目処が立ち次第真面目に語りたいと思います。
てなわけで、この間で本編を読んでくださった全ての読者様に感謝!
━━━━目此
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異世界かるてっと 炎
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