キャラ崩壊は許し亭許して
Ex1 炎ぺらーと行くナザリックの侵略日記
【異世界かるてっとー炎ー】
「ふぅ、王座の間でやる式典は肩がこるなぁ」
「凝る筋肉がないじゃないっスか〈モモンガ〉さん」
「そこは雰囲気ですよ〈炎ぺらー〉さん、ヨッコイショ」ポチッ、ピンポーン
「「ん?」」
ぐにゃりと歪む『世界』
「「ファッ!?」」
気がつけば……。
「俺の名はナツキ・スバル!天下不滅の無一文!」
「ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐だ」
「あ、カズマです」
「「うぇええええ!?」」
異世界
【存在しない記憶】
「……炎ぺらー殿、だったか?」
「ん?どしたン、ターニャちゃん」
同じクラスの〈ターニャ・デグレチャフ〉へ些か距離感の近い対応をすると感じる炎ぺらー。
もちろんこれは彼女が(炎ぺらー側からすれば何故か)不快にならないため許される対応であるが、まあ許されているなら仕方ないだろう。
「本当に貴殿は〈七獄の煌帝〉では無いのか?」
「その呼び名はよく言われたケど、オレはモモンガさんと同じとこ出身……んん!?」
その時、不思議なことが起こった!
『
「あー、アー?……第一次世界大戦の再現は阻止できたよナ?」
一強と化した帝国が終戦前に戦勝ムードとなり上層部を麻痺していたところをトドメの一撃を強行させた
「っ!!!?はっ、無事阻止できたであります、中将閣下!」
最敬礼で答えるターニャと合わせて存在しないはずの記憶になんとも言えないモヤモヤとした雰囲気を出す炎ぺらー。
「よっ、ご両人!いやー、まさかラインハルトと並ぶチート野郎がうちのクラスにいると安心感あるな!」
微妙な雰囲気のなか持ち前の鈍感さと明るく作ったキャラで話の輪へ入ってきた〈ナツキ スバル〉。
「いや、スバルそうは言っても━━」
炎ぺらーが何とか自分の中に蘇った謎の記憶を払拭しようとスバルへ話しかけようとした時、またも脳裏に存在しない記憶が蘇る。
魔女すら恐れる異能中の異能持ちにして異能狩り『
「同じクラスだからって変に安心するナよォ……」
「おうよ!」
もうどうにでもなーれ☆の領域に到達した炎ぺらーは焔眼を濁らせて虚空へと言葉をはき出す。存在しない記憶が蘇ったせいかスバルから漂う“残り香”を敏感に感じさらに遠い目をする。
「あ、まだ消滅してなかったのね、このアンデッド!」
「おいやめろ駄女神、クラスメイトに突っかかるのは」
「ハハハ、ホントメンドくっ!?」
ま・た・も、蘇る存在しない記憶!
特別女神に会うとかなく
【しらない子ですね】
「知らない子です」
「ホントですか?」
「パパ?」
「父様とスバルくんが……はぁあん!」
怪しい光の灯る目で精一杯顔を近づけ確認する。
両隣から双子のメイドに“父親”として甘えられ、左右にすら顔を振れなくて引き攣った顔の
“パパの愛娘Aのラムよ”天地魔闘の構え
“愛娘Aその②のレムです”サタデーナイトフィーバー
数秒前に廊下ですれちg遭った(誤字にあらず)メイド姿のクラスメイトたちからかけられた第一声である。
なお、それを聞いた三秒後に廊下の端に寄り正座を敢行した炎ぺらーと対面に
ちなみにメイド双子のポーズはスバルに教わったらしいのだが、
「えっと……モ、アインズさん?」
スバルと出会いから記憶を送り込まれた炎ぺらーも(たぶん思い出してないだけであっちのオレ?的なのがなんやかんなしたんだろうナァ……)と気付きつつも炎ぺらーの自認としては自分はモモンガとわちゃわちゃしてたのである。
いくら(あぁ、可愛いから娘にしたんかネ?)とか魂レベルで同一人物の思ってることを察してても違うのだ。
「いえ、もうなんて言うか……(どうでも)いいです」
自分の友人なのに色んな世界の人と一足どころか一回り早く馴染む姿に思うところもあるが、その分多く情報が入ってくると何とか理由づけるモモンガ。
「アインズはなにをしてたの?」
「ん?なにとは?」
「姉様はパパとそちらの世界での活躍が聞きたいんです」
「炎ぺらーさんとか……、我々はそうだな……主に貿易やモンスター退治だな」
(貿易は炎ぺらーさんが人間のフリしてやってたし、俺も“モモン”を名乗ってアダマンタイト級……最上位の冒険者としてモンスター退治とかしてたし)
「貿易にモンスター……パパくらい強くて賢ければできて当然ね」フンス
「さすが父様です」フンス
「デュウェッヘッヘ、そう褒めんナって」
「実際凄かったからな、分かるぞ」ウンウン
「ブェッ!?そこはモモ……アインズさんが『調子に乗るな』って諌めるところじゃなイ!?」
この後めちゃくちゃ(炎ぺらーの武勇伝を)語り合った。
「ツッコミくん?知らない子ですねってことだーね」
【授業風景〜座学編〜】
「であるからして、糞尿を使った肥料の歴史は━━」
この空間は学校という閉じた世界をどういう訳か我々で
いや、元の世界に帰る方法探すの先決だロ。とか思っている
「ンで、何してんノ?」
「何って、勉強よアンデッド」
「どう見てもノートで遊んでるようにしか見えん」
一度も使ってなそうなノートをちぎっては忙しそうにしている駄女神が視界に入り続ける苦痛に耐えかねた炎ぺらーは胡乱な
「うっさいわよ」
「……はァ…………」
「なによ、このアンデッド!?」
「うるさいのは貴様らの方だぞ……」
風紀委員を務めるためなんだかんだ炎ぺらーにも(胃に穴の開きそうな気分を我慢して)注意せざる得ないターニャが口を挟んでくる。
「ごめんネーターニャちゃん」
もうええわ、と投げた炎ぺらーは寝る体勢に移った。
「寝るのはダメなのーね」
「理不尽」
「というわけで全員分のくじを作り終えたわ!」
「「…………」」
自信満々に宣言するアクアを一瞥したあとお互いに見合うカズマと炎ぺらー。
やな予感しかしないが、郷に入っては郷に従えなのかなんだかんだくじを順番に引く。
「『今日一日絶好調。ただしアンデッドは《ターンアンデッド》』……?」
「『女神アクアへ感謝の祈りを捧げると運気上昇。ただし、アンデッドは今すぐ消滅すること』…………」
「クジはクジでもおみくじじゃねぇか!?」
「おい、大半のクジがかなり偏向されてるゾ」
引きはしたがいらないと捨てるクラスメイトから回収した何枚かを見比べたふたり。
良い事や良くなることを書かれている反面、『アンデッドは〜』で始まるアンチ・アンデッドのメモ紙クジ。
危うくナザリックの守護者勢が暴れかけたのを必死で止めた炎ぺらーとしては、ただの紙屑以下でしかないそれらを燃やそうとする。
「……っ?おいこれなんで燃えねぇんだヨ?」
「こーの、女神アクア様の加護のこもった
「《ティンダー》、おっ燃えた燃えた。ゴミはこっちで回収するわー」
「あああ、カズマしゃああんあぁあ!」
一枚燃えるのを確認したカズマがビニール袋を広げ、紙くずを回収していく。
「……(オレの
【授業風景〜運動編〜】
「今から体育……運動するのが授業になるんですね」
「そッスねー」
なお、
「各員、装備点検!」
「了解!」
ナザリック支配者ふたりは学校で運動などしたことないため、軽く
「そういえば何をするのかな?」
「球技とかか?」
「きゅーぎ?」
「野球とかサッカーとか━━」
エミリアの疑問に、学校に通ってた頃の記憶を掘り起こし、体全体を使ったジェスチャーで剽軽に振る舞い答えるスバル。
「スポーツトイウモノハ勝敗ガアルトイウ。至高ノ御方々二勝利ヲ今度コソ捧ゲル。……ソレデ、ナニヲスルノダ?」
「聞いた話では“セパタクロー”というものだそうです」
「「よりによってソレ!?」」炎ぺらー&スバル
━━━━━━
結局種目はサッカーになった。
「なんで俺がキーパーなんだよ!?」
「知らン」
「デ、デミウルゴスさんよろしくお願いします!」
「よろしく頼むよ、マーレ」
「バランス悪くね?」
「いや〜、クジで決まったしねー」
「作為的なものを感じるが……」
「が、頑張りましょう!」
「そうですよ隊長」
「みんな揃ってますし、なんとかなりますよ」
「ま、仲良くやりましょう」
赤チーム。カズマ(キーパー)、炎ぺらー、マーレ、デミウルゴス、スバル、パック、第二〇三航空魔導大隊。
「ふふん!この女神アクア様がいるんだからもう勝ったも同然よ!」
「ボールを受け止めればいいんだな!手よりも筋力のあるという脚で!蹴られた!土と埃にまみれた!ボールを!ぜ、全力で受け止めよう!全身!くまなく!使ってでも!」
「スバルとパックはあっちなんだ」
「パパとスバル君が……はぁああん!」
「レムが頑張ってくれるから大丈夫よ」
「至高ノ御方二勝利ヲ……。シカシ、ソレデハ至高ノ御方ヲ……」
「あわわ、炎ぺらーさんと別チームになっちゃった……」
「くふふ、モモ……アぁインズ様と同じチーム、……くふふ」
「足引っ張らないでよ」
「それは妾のセリフでありんす」
「ふっふっふ!自慢じゃないですが、動き回るのは苦手です!」
青チーム。アクア、ダクネス(キーパー)、エミリア、レム、ラム、コキュートス、アインズ、アルベド、アウラ、シャルティア、めぐみん。
ちなみにキーパー以外ポジションが決まっていないのは全員がふんわりした知識しかないからだ。
「試合、開始!」
「よっし、運ん、でって、えーーー!?」
早速ボールを受け取ったスバルはフィールドが急速に広がる霜の芝生で侵食されたのに驚愕する。
「……コレハ本当二良イノカ?」
「どうなんだろう?」
「ふふふ!私がルールよ!」
なんてことは無い(ある)。早速駄女神が運動場を水浸しにしたのだ。
それにコキュートスが常時漏らす冷気やエミリアたちの凍結魔法と反応して広がっていくのだ。
「明らかにズルじゃねー!?」
「おい、アクアてめー!?」
「ふむ、確かに“全力”なら能力の使用もアリなのか?」
「アインズ様がお認めになるなら!」
スバルとカズマが素早く反応するが、そもそも種族も違うため身体能力や所有する能力にも差があるのは仕方ないのか?とアインズは慎重に検討を重ねようとするが━━
━━まぁいつも通りの
ちなみに先に言っておくと彼らはボールには手を触れてはいけない(キーパーは除く)、相手チーム選手への直接攻撃禁止、武器を使わなければオーケーくらいの認識である。
「へへっもーらい!」
「任せるでありんす」
「頼むよシャルティア!」
「そのドレスでどーやって!?」
凍った地面であっても素早い動きで巧みにボールを奪い去ったアウラは跳び上がることで凍結から強引に解放されたシャルティアへボールをパスした。
ただ、彼女の服装は骨組みのあるボールガウンである。どう考えても蹴りに適していない。
「こうするでありんす!」
「ドロップキック!?」
「すげー力業!?」
ちなみにスカートの中は至高の御方々とナザリックの仲間以外には見えない角度を本人なりに考えて蹴られている。
もちろん、そんな蹴り方をすれば変な方向へ飛んでいく。
蹴り方を考えるあまり、明らかにサッカーボールが歪むほど強烈に蹴られる。
「ふんぬぅううう!」
しかしそこは我らが守護者統括。
「〈ミサイル・パリィ〉!」
━━芝と平行になるよう背面跳びで滑空し、スキルを使い角度を調整して相手ゴールへ殺人()シュートをかました。
腹筋で。
「ちょ!?」
「無理無理無理無理!」
音速を超えるボールがスバルの横を通り過ぎ、迎え撃つカズマは首を振って自身の死を受け入れ「受け入れてねーよ!」━━ることなく呆然とする。
「マーレ!」
「は、はい、《
デミウルゴスの声にすぐさま意図を察して、芝を持ち上げるような魔法でゴール前を防壁で固めた。
「!?」
「どわーっ!!」
しかし、それでも完全に威力を殺すことはできず、土壁が破壊されると同時にボールは真上へと飛んでしまう。
「ならもう一度!」
「させないよー」
ボールを追いかけ上昇するシャルティアとパック。
弾丸のように跳ぶシャルティアと加速して飛行するパック。今の速度は互角、なら……。
「〈スティール〉!」
「えっ!?」
「へへーん」
奇襲だって十分通じる。
「おりゃあー!」
スティールによってボールを手元へ引き寄せたカズマは思いっきり味方の方へ投げた。
「さぁ諸君、姫のエスコートだ!総員丁重にな!」
『はっ!』
「あー、もう知らねーからな!」
たまたまボールの飛んできたスバルは合図に合わせ、打ち上げるようにボールをパスした先には、魔道具を起動し空中戦をしかける第二〇三航空魔導大隊組。
凍結した地面を気にすることなく器用に空中で体をひねり、ボールを奪いに来る相手チームのブロックを巧みな連携と航空戦術を駆使し小隊内でパスを繋ぎゴールへと前進する。
「このままご対面させてもらう」
「させん、《
それをアインズは止めた。
「そう来ると思ったッスよ!」
「想定通りです!」
時間系への耐性を持つ者が一斉に動き出す。
「はぁああ!」
「そりゃぁあ!」
蹴りと突進の応酬。(ボールの奪い合いです)
「〈クリエイト・ホーリーウォーター〉!」
「危ナ!?」
「今同じチームだろ!?」
突然の裏切り!(後でしこたま怒られた)
「ならせめて前に!」
「行かせん!」
「おっとー!?」
変則的な三つ巴の激しいドッグファイト。(ボールの奪い合いです!)
全員の足から弾かれるボール。
そして。
「っ!ボールは!?」
「こ、ここだぁ!」
「「「っ!!」」」
動き出す時の中、停止に巻き込まれたほとんどのメンバーだけでなく、激しい空中戦(ボールの奪い合いです!)を繰り広げた三人すら見失ったボールの行方を捉えていたスバルがゴールへ放つ。
「ブローック!」
まぁ、超人パワーのないスバルのシュートではダクネスのキーパー力を越えられないが。
「試合終了!0-0で引き分け!」
「意外と盛り上がったねー」
「明らかに超次元サッカーじゃねーか!?」
「汗をかいたな」
「興奮しないでちょうだい。レム、なんていやらしい目を向けてくるのかしら」
「姉様姉様、それだと私がいやらしい目を向けているようです。事実ですけど」
「いや、俺も向けてないんだが?」
「……」
「……」
「どうっスか“モモンガ”さん。学園生活は?」
「まぁ、そうですね……。変わり者も多いですけど、悪くないですよ」
俺たちの学園生活はこれからだ!