転生したらなんかウマ娘に懐かれてる件について 作:和菓子甘味
色々あってバタバタしてて遅くなりますがお許しください。
後、真面目に金剛石のバッジとる錬成する事になりました。泣きそう。
後、活動報告で質問募集してますので、時間があればよろしくお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302500&uid=203070
第22R「夢のゲートへ」
「スピカ」加入騒動から数週間が経過した。
あの後ブチ切れマック&テイオーコンビに対してご満悦なアイルーと爆発しそうな絵面を何とか回避した訳だが、今日は珍しく派遣隊隊長にお呼び出しを受けて朝霞駐屯地にいる。因みにアイルーとゴルシは西崎トレーナーの元でトレーニング中だが、アイルーは心底嫌な顔していた。スマンが俺はサブトレな上に自衛官なのだ。
「はえー...流石朝霞だな...」
右も左も見れば幹部がゾロゾロといる。まあ、東部方面総監部があるからそりゃ幹部の数が多くなるのも当然だ。
とりあえず派遣隊長の元に行かねばならないので急いで本部庁舎へ向かう。
「えっと...公益施設警護派遣隊...あったあった」
「あれ?樋野じゃないか」
本部庁舎内の案内板で本部の位置を確認していると声をかけられた。
振り返って見ると、そこには顔なじみの3等陸尉が立っていた。
「伊本3尉じゃないですか。空挺団勤務だったんじゃ...」
声をかけてきたのは伊本幸太3等陸尉。ある教育で知り合って以来、親睦を深めた仲だ。以前は習志野の第1空挺団いたはずだが...。
「あー...クレティン3佐に提案されて方面司令部に飛ばされたのよ...そのせいで連日残業祭りだよ...」
「そりゃまた酷いこって。伊本3尉って情報小隊勤務でしたよね...2科ですか?」
「いんや、3科の訓練系。演習場やら弾薬やらで死ぬかと思ってる...」
まさかの地獄のスリー勤務...やっぱ方面司令部は地獄なんだな...。というかクレティン3佐って元ウチの中隊長じゃないか。そっちに移動になったのか...。
「トレセン学園に派遣されてたとは聞いちゃいたが...まさか朝霞に来てるとはねぇ」
「警護派遣隊長から直々のお呼び出しですよ...なにかしでかした覚えは...ないことは無いですけど」
「まあ...あの人だからなぁ...あれは酷かった」
ん?何やら雲行きが怪しくなってきたぞ?
「あれ?隊長って今本一佐じゃ?」
「聞いてないの?定期異動で隊長交代してるよ?」
「なんも連絡来てないですよ...」
「あー...今派遣隊本部死んでるだろうから来てないんだな」
「...なーんかやな予感プンプンなんですけど」
「予感的中だね。今の隊長って元空挺団長の灰田陸将補だよ」
「...嘘でしょ」
灰田陸将補と言えばパワハラで有名な幹部だ。
それは東部方面のみならず、多方面隊にも知れ渡るレベル。俺も何回か耳に挟んではいたが...。
「まー色々言われるかもしれないけど、気をつけてな」
「まじかァ...」
もう既に胃が痛いんですがそれは...。
「ったくあのクソ隊長が...」
結局俺は新しい派遣隊長にボロカスにやられた。おかげで帰隊時間はもう1900だ。
隊長はと言うとやれ「勤務評価が芳しくない」、「貯金額が少ない」、「自衛官として訓練に参加していない」、「トレセンに身を売った裏切り者」等々...殆ど俺のせいじゃねーぞ?おめーら上のせいだぞ?
派遣隊本部も隊長交代の連絡が来てない事を伝えたら「ニュースとかで情報収集してないのか!」ってキレられるし...そりゃそうかもだけど、ウチの勤務状況で貴方達もそこまでします?無理でしょ?
結局そうは言えずに「はい、すみません」の一言で何とか乗りきった。そうさ、俺に非があるさ...。
「とりあえず車両をパークに戻して燃料補給してから運行指令書〆て...あれ?あれは...。」
学生寮前を通ろうとした時、大慌てで玄関へ走る人影が見えた。玄関の明かりで照らされた顔は間違いなくウマ娘のスペシャルウィークだった。
今の時間だとフジは寮長会同に参加しているはずだから表は空いていない。
「...俺ってやつはとことん馬鹿だな」
パジェロを停めてエンジンを切り、輪止めをかけてからスペの近くに駆け寄った。
「すみません、今の時間は寮長のフジキセキは会同の方に行ってるので空いてませんよ」
「ち、痴漢!?」
「失礼な!これでも立派なトレセンのトレーナーですし、陸上自衛官です!」
「え?自衛隊...?」
俺が自衛隊だと知るや否や何かを思い出したスペは顔面蒼白になって頭を下げてきた。
「す、すみません!言われていた予定すっぽかしちゃって!」
「異常がなければ大丈夫ですよ。とりあえず、表で騒いでても他の生徒の迷惑になるので、今開けますね」
謝り倒そうとするスペをなだめ、俺は胸ポケットから寮の合鍵を取り出す。これはフジから渡された物で、いつ返すべきか時期を失した物だ。何故か玄関と寮長室の2つが渡されたが、何を意図するのか俺は絶対に考えたくない。というか持ってるのがバレた時点でルドルフに殺される。
「あ、ありがとうございます。あの、お名前は...」
玄関を開けてスペが中に入り名前を聞こうとしたが、明るい所で俺の顔をはっきり見て動きが止まった。
一応名乗っておくか。
「陸上自衛隊公益施設警護派遣隊日本ウマ娘トレーニングセンター学園派遣員の樋野正樹3等陸曹です」
「ま...さき?」
うーんこの反応は見たことあるな...とっととトンズラ!
「じゃあ自分はこれで!」
「あぁ!待っ...!」
「おやおや?随分と遅かったね?」
「え?」
ナイスだフジ!そのまま抑えてくれよ!
そんな訳で俺はとっととパジェロの輪止めを外して乗り込み、エンジンをかけてその場を去った。
あとが怖いが、今は戦略的撤退あるのみである。
それとシンプルに俺は疲れた。
「えーっと...このロッカーが空きだから...」
「相変わらず難しい顔してんな〜正樹」
「仕方がないだろ?こういった細々した仕事って結構多いんだぞ」
翌日の昼休みにスピカのチーム部屋で新しく移籍する娘のロッカーの名札準備やその子を含めた各人の個人情報資料の整理、個人的に作成した服務指導記録簿の確認などをしていたら、ウオッカにそんな事を言われた。
大体昼休みしか仕事出来ないのもおかしい話なんだけど...実際は午前中は本部からの連絡や移籍受け入れ業務を西崎トレーナーが忘れてたってのがでかいんだが。
「なーんかイメージとかけ離れるなぁ」
「何が?」
「前世の正樹だとそんなイメージ全くなかったし、自衛隊のイメージからもかけ離れてるってか...」
「大体そんなもんだ。俺も28だし、自衛隊も良くも悪くもこんな仕事ばかりさ」
「ふーん...」
納得してるのかしてないのか分からない返事をするウオッカを後目に作業を続けるが、当の本人はずっとこっちを見てる。
別に30手前のおっさんよりもスマホとか教科書みた方がいいんじゃないか...?
「あのー...そんなに俺を見なくてもいいんじゃないか?」
「は?べ、別にそんなに見てねーだろ!」
全く無意識だったのか、赤面して全否定するウオッカ。あ、鼻血垂らしてる。
「全く...ほれ、鼻血が制服につくぞ」
「わ、わりぃ...」
全くこういう方面には免疫がないくせに、これで前世は経産婦だと言うのが驚きだ。
スカーレットの方もほぼ同じではあるが...ほんとに君ら前世どういう気持ちだったのさ。
「そろそろ行かないと午後からの課目に間に合わないんじゃないのか?」
「やっべ!わりぃ正樹行くわ!」
「おう気をつけてな〜」
ウオッカを見送ってから俺も移籍ウマ娘の申し受け準備を進める。確か東条トレーナーは午後の後段からリギルの選抜試験に行くって話だったから...俺もそろそろ行かないといけないな。
「さーて、行きますか」
パソコンの電源を切り、書類とバインダーを手にしてスピカのチーム部屋を後にした。
「なーにやってんですか...」
スピカのチーム部屋に戻れば西崎トレーナーから開口一番「スペシャルウィークを勧誘してくるように指示を出した」と告げられた。しかもゴルシやその他のスピカの面々にやらせたそうだ。
「大丈夫だ。あいつなら絶対にスピカに来てくれる!」
「その自信は尊敬しますけど...」
面倒事にならんかだけが心配だが...。そんな事を考えていると、隣に1人のウマ娘がいることに気づいた。
「西崎トレーナー。その子がウチに来るって言う...」
「初めまして樋野サブトレーナー。サイレンススズカです」
「これはどうも。一応サブトレーナーをしています樋野正樹3等陸曹です」
挨拶をして握手をしてくれるスズカ。
やっぱり前世を覚えてない娘は平穏でいいなぁ...あいつらにも見習って欲しいわ。
そんな事を思ってると、ドアがバンと大きな音を上げて開かれ、サングラスとマスクで顔を隠した不審者4名がこれまた不審な麻袋を担いで入ってきた。
ゴルシはまだしも...スカーレットとウオッカとアイルーがこんなことするとは...。
「なぁー連れてきたぞ。コイツでいいんだよな?」
「あぁ」
ゴルシが西崎トレーナーに尋ねながら麻袋が剥ぎ取られる。
中から現れたのはスペシャルウィークだった。まさかのアニメそのまんまじゃねえか...。
「こ、ここはどこですか...?」
「よっ!」
状況が飲み込めてないスペに西崎トレーナーが声をかけるが、スペは目を凝らして見たあと「痴漢の人!」と叫び、チームメンバー全員が白い目を向ける。
大方この人の事だからトモを許可なく触ったんじゃないかな...。
「いやいや違う違う!トレーナーって言ってくれよ...」
「またですか...いい加減にしないと駿川さんからまた説教受けますよ?」
正直ミノル相手に説教は受けたくないので勘弁願いたい。
「トレーナー...さん...うぅええ!?」
「さ、皆挨拶だ」
未だに頭の整理がついていないスペを他所に西崎トレーナーはチームメンバーに挨拶を勧める。
さすがに可哀想すぎません?
「ようこそ!チームスピカへ!」
「スピカ...はっ!さっきの怪しい看板!」
ああ...あの俺を含めた5人で撮ったダートに埋めるぞ看板か...。ゴルシに拉致されて埋められた時は流石に死ぬかと思ったぞ。
「今日からお前はこのチームのメンバーだ」
「うぅえ!?そんなの勝手に決めないで下さいよ!」
「勝手に決める。お前は俺が磨く」
「えぇーーー!!」
勝手に決められるスペがつくづく不憫だがしょうがない。これが西崎トレーナーなんだ...。
「2着だったのにー?」
「なぁ?」
こらそこ、そういうこと言うんじゃない。目の前の道産子は一応前世ではG1馬だぞ。
「上がり3ハロン33秒8は立派だ...走った後の息の入りも早い」
「こういう時はトレーナーしてるんですから...」
いつもこうなら完璧なんだけどなこの人は...。
そうこうしてると、スペがようやく俺とスズカに気づいた。
「ど、どどど!どうしてここに!!??」
「正樹は去年位からサブトレとして、スズカは今日付けでリギルからウチに移籍したんだよな」
「まあ...うん」
「えぇ...まあ...」
「うえぇぇ!!!??どうしてですか!?」
本当にこの子驚きっぱなしだな。少し落ち着こうぜ?
...と言っても無理だよな。
「あのチームはスズカさんの走りが分かってないのよ」
流石に言い過ぎじゃないかスカーレット...東条トレーナーもそこまでの人間じゃないと思うが...。
おそらくスズカの走りを見た上での判断だとは思う。
あの走りは正直危険だ。
「お前。日本一のウマ娘になるのが目標だって言ってたな」
「い、言いましたか?」
「日本一のウマ娘ってなんだ?」
「そ、それは...」
西崎トレーナーに問われたスペは、どうやら思いもしなかったようで言葉に詰まった。
後ろでゴルシが「G1で勝つこと」ウォッカが「俺はダービーだな!」スカーレットが「有馬記念だって!」アイルーが「皇帝を下すことだな」と各々の『日本一のウマ娘像』を語る。
一通り上がった後、西崎トレーナーはスズカに答えを問うと、スズカは少し考えて「見ている人に夢を与えらえるようなウマ娘」と答える。
何を持って日本一とするかは人によって千差万別だ。
聞き終わった西崎トレーナーはスペに歩み寄った。
「なあ、お母ちゃんと約束した日本一。お前の日本一を、俺と一緒に叶えようぜ」
「トレーナーさん...笑わないんですね。日本一って言っても」
そう言って俯いたスペだったが、顔を上げて宣言する。
「私!私頑張りたいです!ここで!」
その目には間違いなく燃える炎があった。
スペが宣伝すると、皆が喜んだ。正直結末を知るものからすれば予定調和だが、勧誘した側としては嬉しいことこの上ないのであろう。
「よっしゃ!部員ゲット!」
「ようやくこれで人数も揃ったし」
「来週からトゥインクルシリーズに乗り込んでいくぞ!」
「おぉ!!」
皆随分と元気がいいこって...ん?来週?
来週って1週間後...確かデビュー戦のレースが...?
正樹さん、やーな予感がしてきましたよ?
「んじゃ、登録しておくんで来週は頑張れ」
「来週...?」
「ト、トレーナーさん...もしかして」
「西崎さん、まさか....!?」
スズカも見当がついたようだけど頼む外れてくれ...!
「フッ...来週デビュー戦だ!」
「え?」
スペは全く理解出来ていない様子だが...やっぱりこうなるよな...。
「え?え?えっ?えぇ?えええええぇぇぇぇ!!???」
1週間後の阪神レース場にはスペの叫び声が響き渡っていた。
唐突に始まる質問返答コーナーッ!!!
『質問1』
「最新話にて、正樹さんは「(前世で)アイルトンシンボリの鞍上していた!」って堂々と暴露していたけど、実は前世の正樹さん、他の引退馬にも乗ったことあるんでしょ?」
正樹「....ノーコメント」
作者「ダメです」
正樹「...ある」
作者「地獄絵図不可避で草」
『質問2』
「ナイスネイチャさんに質問。馬場さんに対する思いはどうなんでしょう?」
ネイチャ「大好きなお父さんって感じかな。お母さんが近いかも。」
作者(号泣)
『質問3』
「他の馬娘さんたちも、厩務員についてはどうなのかなあ」
ルドルフ「特には」
エア「...ノーコメントだ」(赤面)
タイキ「オヤツくれないのは嫌デース!」
ゴルシ「おっちゃん以外は大っ嫌いだ!特にあの調教師!」
スペ「私のお母ちゃんです!」
『質問4』
「正樹さんがいるウマ娘時空では、マヤノトップガンはもしかして防衛大を受けていたことある……?」
マヤノ「マヤまだ中学生だよぉ...」
テイオー「そもそもマヤノは受けても合格できないんじゃ...?」