転生したらなんかウマ娘に懐かれてる件について 作:和菓子甘味
俺にあてがわれたトレーナー寮へ帰宅してさっさとジャージに着替えてベッドへ入る。
人生とは斯くも残酷なものなのだろうか...正直俺は馬は好きだ。特にドトウには癒されていた、鼻フニフニがたまらん。だがどうであろう。ルドルフは少なくとも俺が10代の時に天に召されたが、ここまで気性が荒いもんだったかと思い返す。少なくとも俺は好かれていた...と思う。まあ、おやつ目当てかもしれんが...。
とはいえなぜルドルフはあそこまで豹変したのかが謎だった。別に俺はシンボリルドルフ号に嫌われることをした覚えはない。ただでさえプライドの高い馬の機嫌を損ねたら多分死んでた。いや、1回死んでるけどさ。
ともかく、相手がなんで機嫌悪いか分からない以上は下手に刺激しない方が吉だ。なんか今のルドルフはシリウスに近い感じがするし...。
ただそうなると余計に面倒なのがほかのウマ娘だ。面倒になる可能性がタップダンスしながら地雷原をやってきている。俺神様に嫌われる様なことしたんかね?
はぁ...そう考えたら気が重いぞぉ。俺は結構な数の有名競走馬達と出会ってきた。その中でもウマ娘に出てる子はほとんどあってる訳でして...。ガッデム!
会ってないのはマルゼンスキー、ミスターシービー、ゴールドシチー、ツインターボ、ライスシャワー、ナリタブライアン、サイレンススズカ位だろうか。裏を返せばこの子達なら安全圏だと言える。
よし、この子達以外は会わないように行動するとしよう。ルドルフの年齢とか考えればそろそろアニメ1期が始まるだろうから、そこを如何に掻い潜るかが肝となるわけだ!はーっはっはっは!
なんて言っていた俺をボコボコにしてやりたい。
「無視は酷いんじゃないかな正君?」
はい、翌日即出くわしましたよ。曲がり角でうっかりぶつかった子がまさかのフジキセキでバッチリこの子俺のこと覚えてましたよ。フジキセキ号かぁ...彼は晩年に少しだけ会っただけだったけどよくまあ俺のこと覚えてたもんだ。
「ふーん...そうやって『ボク』を無視する悪い子はお仕置きがお望みか?」
「すまないが暴力に訴える子はNG、というかよく俺のこと覚えてたな」
「あんなに優しい子を忘れるわけがないさ」
...そういえば晩年のフジキセキは腰痛だっけ...あー思い出した。厩務員からその話聞いて腰をさすってあげたんだ。
「よく覚えてたな」
「受けた恩は覚えているものさ」
「ハイハイ、じゃあ俺は出勤なんでね」
とりあえずなんだかこのままはやばい気がするので戦略的撤退を取ることにする。さーて今日も仕事...。
「じゃあ一緒にいこうかな」
「ナチュラルに腕を絡めるのはエンターテイナーとして如何なものだろうか?」
おいこのエンターテイナー滅茶苦茶押し当ててくるんだが?メロン祭りは季節外れですよ?
「当ててるのさ」
「前世が男とは思えない発言」
「男故に男の気持ちが分かるものだよ」
「もう宝塚で食っていったらいいんじゃない」
なんでこう面倒事になるんだか...とりあえず俺が腰痛持ちだということがバレてはならんな...余計面倒になる。というかそろそろ正門だし離れてくれないかなぁ...誰かに見られ、アッ。
「ほう...トレーナー君、そうそうにお熱い様だねぇ」
目の前に現れたるは耳を後ろに絞り満面の笑みで青筋を浮かべているシンボリルドルフ様。少し歯が見えているし、足を前掻きの要領で掻いている。これは相当お怒りのようだ...。
「トレーナーさん?これはどういうことかな?」
おおっと、どうやらこっちもダメみたいですね。フジキセキも耳を絞り出しました。ダレカタスケテ...。
「ええい!!昨日の今日出会ったお前らなに独占欲的なの発動してるんだ!大体俺ら異種族だろう!」
「皇帝は欲しいものを力づくで手に入れるものだ」
「この私を惚れさせたんだから責任を取ってもらわないとね」
「なんだこいつらたまげたなぁ」
はぁ...チケゾーじいさんやドトウに癒されたい...。
スペでもいいや...私の心と胃袋に癒しを下さい...。
フジキセキ
馬時代に正樹に腰痛の腰を優しくさすられてその優しさに堕ちた。
前世の経験から腰痛にかなり敏感。
馬の側面が出た時の一人称は「ボク」