ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブ 作:Wandarel
ノリス「これは……市長とトモコ様と………このお方は?」
アルマ「あぁ、この子かい?この子は……僕の妹にあたる子だよ。」
ノリス「ん?そのようなお方は見ておりませんが……。」
アルマ「ノリスはよく僕の妹に会ってるよ。何せ今日も会う予定さ。」
アルマ(……トモコを、母を追い詰めるための一手として意識外からの攻撃は必須。それに答えてくれたのが彼女だ。)
短編集 蒼月の光と影
幼少期、僕はとても惨めだった。
満たされることは多かった。
そして僕は生まれた時からある意味優れていた。
だが、それでも僕は傀儡として育てられた。
記憶力が高く、読み書き出来ないなりに勤勉に過ごした。
その二年後、蒼月 悠宇(ソウゲツ・ユウ)という妹が生まれた。
二歳児ながらも当時の僕はこの子が僕同様の才能を持ち、人の上に立つ人間になると思われていた。
だが、その希望は僕が五歳の時に砕かれた。
アルマ「……母様、ユウは?」
トモコ「いい、アルマ。このソウゲツの人間は私とあなたしかいないのよ?大丈夫、お前は立派にこの湯の森を導く人間になるのだから。」
この時、僕は悟った。
父は既に殺されている。妹もきっと………。
僕はこの時に決意した。
アルマ(この女はいずれ僕を傀儡にし、全てを手に入れようとするだろう。そんな事を……父や妹の為にもさせる訳にはいかない。)
その為にあらゆるものを利用するしか無かった。
そして、僕は母は、隣町である「天ノ玉原市」を湯の森と合併し奪う算段を立てていた。
中学生になった時、僕はガンプラというものに夢中になっていた。思えばこの時が僕がガンプラファイトを発展させるきっかけとなったのだと思う。
高校になって、アマリとヨシモリに出会い……。
トモコ「みすぼらしい……子供のような趣味をしてる暇はない!お前はいずれ湯の森を統べる子。ガンプラなど捨ててしまえ!」
アマリとヨシモリから貰って作り上げたガンプラを捨てられ、僕は生まれて初めて、親に対する憎悪が湧き上がった。
殺してやる。
その場の怒りに溺れ、実行に移そうと思った時だった。
ヨシモリが直接僕の家に来て、母を殴った。
ヨシモリ「馬鹿野郎!!親の都合だけで子供の夢を邪魔してんじゃねぇよ!!夢ってのは誰しもが持てる権利だ!アンタがアルマの邪魔をすんじゃねぇ!!」
そして、アマリが僕のデュアルOガンダムを見つけてくれた。
アマリ「はい、これ。」
アルマ「……どうしてこれを。既に廃棄されたはずじゃ……。」
アマリ「たとえどれくらい下らないものだとしても、アルマ君が頑張って作ったこのガンプラを誰かが無下に扱われるのは私が許せない!」
二人の活躍で僕は母から趣味を取り上げられることはなくなった。
僕はこの時、この二人はなんて健気で儚くも美しいのだろうかと思った。
それと同時に僕はこの二人のような子供がガンプラを楽しめる町を作りたいと思った。
その為ならば何でもすると誓いながら。
そして僕は、母に連れられ天ノ玉原市へと来た。そこでは何とも奇妙な出会いをし、今も……いや、片方は亡くなってるが交流をした男女がいた。
アルマ「……僕の母はこの美しい天ノ玉原市を吸収合併し奪おうとしている。そして僕はいずれなるべくして君たちの隣町の湯ノ森の市長となる。そこで、僕としては君たちと手を組みたいんだ。」
???「……脅しのつもり?」
アルマ「そうとも脅しさ。拒否すれば君たちの事を報告させてもらおうと思ってるからね。だが安心したまえ。僕と手を組めば最大級の安全を確保しながら君たちを救うことをここに約束するよ。それを踏まえて、僕と共に来るかい?」
あの時は脅しだと言ったが相手にとっては状況が悪く、脅しのようになってしまった。おそらくその事で彼女は僕の事を嫌っているだろう。
アルマ「まぁ、彼女の娘がこちらに来ることは流石に想定外だったな。」
ノリス「市長、天ノ玉原役所に着きましたぞ。」
アルマ「ありがとう、では先に僕は上がらせてもらうよ。」
ノリス「直ぐに向かいます。」
ノリスが車を駐車場へと走らせた。
そして、僕は最速で市長室へと入る。
??「久しぶりだねアルマさん。」
アルマ「こちらこそ数ヶ月ぶりだよカナタ君。」
カナタ「ところで今回は何用で?」
アルマ「あぁ、昨日本人からの連絡と要望があって君の所のじゃじゃ馬お嬢様の娘をこちらで預かることになってね。」
カナタ「あっ………(察し)」
アルマ「そのついでもある。」
ノリス「失礼します、お久しぶりですなカナタ殿。」
カナタ「まぁまぁ、そう固くならなくてもいいですよ。」
アルマ「カナタ君、彼女は今日来てるかな?」
カナタ「あぁ、なるほど。」
カナタは役所内電話を取ると話し始めた。
カナタ「久居さん、アルマ市長がお見えだよ。」
??「あら、直ぐに向かいますね。」
受話器を戻して改めて向かい合い、アルマとカナタが握手をする。
アルマ「本当に君が僕の同盟に答えてくれて助かったよ。」
カナタ「いえいえ、こちらとて同じようなものです。」
そうしてる間に、市長室をノックする音が聞こえた。
??「市長、久居です。」
カナタ「入ってくれ〜。」
??「失礼します。」
入ってきた女性は緑髪にメガネを掛けた美女。
名前は久居悠宇(ヒサイ・ユウ)。
ユウ「この様子だと、とうとう動くのね、兄さん。」
アルマ「そうとも、僕とあの女との全面戦争さ。」
ユウは、かつての生き分かれた妹、蒼月 悠宇なのだ。
ノリス「……なるほど、天ノ玉原市長の秘書が……。」
アルマ「あぁ、これでキーは揃いつつある。あとは彼女達の成長を待つのみさ。」
多方向からの同時攻撃。
それによる蒼月 智子とそれを従える養王田組の殲滅、排除。
おおよそ、トモコは影武者を使うため暗殺は無意味に近い。
アルマ「さぁ、トモコ。僕と親子喧嘩でもしよう。全てをかけたチェスゲームのようにね?」
アルマの盤面が一手先に進んだ。