ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブ 作:Wandarel
リョウタ「………。」
リョウタは潜入に成功していた。だが、この時知らなかった。
小さな子供が自身の背後にいたことに
思わず瞬く間に振り向いてサプレッサー付きの
リョウタ(…子供?)
それは、妹のハヤナと同い年くらいに見える少女だった。
名前は覚えてないがターゲットの姪っ子に当たる子だったはずだ。名前は……
リョウタ(……。)
ナギサ「おにいさんだぁれ?」
一瞬、女装がバレたのに動揺したがリョウタはその子に目線を合わせて言った。
リョウタ「……あなたのお父さんのお友達。シズクさんどこにいるか分かる?」
ナギサ「あっち。」
そう言って指さした方向の部屋からは禍々しく、空間が歪んでるようにも見える威圧感が出ていた。
リョウタ「そう……ありがと。」
リョウタは少しづつ歩みを進め、部屋に入った。
リョウタ「……随分と余裕そうだな。」
シズク「………護衛達は?あの子達は強かったと思うんだけど。」
リョウタ「寝てもらった。安心しろ殺しはしてねぇ。」
シズク「………小さな子供は?」
リョウタ「俺は……釜井の人間はターゲット以外の殺しはご法度だっていうことだ。」
シズク「……そうお前が釜井の……。」
今回の殺しのターゲットである
シズク「死ぬ覚悟は出来てる?もっとも出来てなくても殺すけど。」
リョウタ「余計な問答は無用だ。親の仇は取らせてもらうぞ、仁義はずれ!!」
リョウタがドスを持って己の間合いに飛び込む。
が、シズクはそれに反応しすぐに距離を取った。
シズク「遅いわね……釜井もこの程度?」
リョウタ「ドスだけじゃねぇぞ。」
既にリョウタは銃を抜いていた。
シズクもそれに気づいたが、五発ほど撃ち込まれた。
だが、シズクは咄嗟の判断で畳を押出し、畳で弾丸を防いでいた。
リョウタ「ちっ!」
リョウタは後ろに下がった。
ここで下手に追撃すれば確実に殺られるからだ。
それと同時に畳が倒れたが、既に姿はなかった。
一瞬の静寂。
シズク「もらった。」
気がつけば足元にシズクがおり、その掌はリョウタの胸に当てられていた。
シズク「破ッ!!」
練り上げられた呼吸、それが奔流となり一気に体内に直接流れ込む。
刹那、全身の軋む音がした。
リョウタ「ごぶぁっ!!」
勢いも強く、後ろに大きく吹き飛んだ。
リョウタ(なんだ……今の攻撃は………!!)
シズク「……つまらない。義だとか任侠だとか言って結局は何も無い。ただ無力なだけ。その
リョウタ「ごふっ……やべ……ぇ……。」
意識が持っていかれそうになる。
シズク「諦めなさい。お前では私に触れることすら許されない。」
リョウタ「へっ……知らねぇのか。釜井組は……瀕死にはなっても簡単には……死なねぇんだよ……。」
頭からも血が出ている。もはや満身創痍だ。
シズク「知ったことではないわ、そんな事。」
リョウタ「負けるわけにゃいかねぇんだよォォッ!!」
リョウタが咆哮する。
父が、母が、恩人がこの女の指示で殺された。
目の前にいる仇をみすみす見逃せない。
リョウタは咄嗟に突進した。
シズク「芸のない……。」
シズクはもう一度リョウタに謎の武術を打ち込んだ。
骨が数本折れた音がした。
だが、リョウタの目は死んでいなかった。
むしろシズクの手を掴み動けなくしていた。
シズク(掴まれた!?)
リョウタ「くたばれ、仁義はずれの外道がァァァっ!!」
リョウタはその至近距離からドスを突き立てようとした瞬間だった。
首筋に衝撃。
リョウタ(な………。)
リョウタはそれを機に意識が途絶えた。
その刹那に見えたのは、緑髪にメガネを掛けている女性だった。
シズク「……ユウ、どういうつもり?」
ユウ「とりあえず落ち着いてこれを見て。」
シズク「………これって……ていうことは……。」
ユウ「そう、お互いに報復への大義はあっても私たちが疲弊するだけの無意味な戦争よ。」
気がつくと布団に寝かされていた。
隣には先程の緑髪の女性とツクヨミシズクがいた。
リョウタ「………なんで殺さなかった。」
ユウ「殺す理由がないから。」
シズク「………。」
リョウタ「………。」
それでもリョウタは立ち上がろうとした。
ユウ「動かないで。正直あれだけの攻撃受けてて動ける方がおかしいからそのまま聞いて。」
リョウタ「………。」
ユウ「自己紹介として……。私は
リョウタ「……なに?」
ユウ「そして私達は貴方達にシズクの旦那を殺されたということになるわ。」
リョウタ「……釜井組がそんな仁義に背くようなことしねぇよ……。」
ユウ「えぇ、だから私はあらゆる手段を使って調べたのよ。」
その結果は凄惨たるものだった。
リョウタ「……アタシ達は、月夜見組との同士討ちで弱らせて一気に飲み込むつもりだったってわけね……。」
シズク「……正直ユウからこの話聞くまではアンタを殺すつもりだったけど、私は一般人でアンタは極道。そうなればアンタ達に大義はないわね。」
リョウタ「…………仁義はずれはアタシたちだったって訳か。」
ユウがこほんと咳払いをして話し始めた。
ユウ「そこで、月夜見組と釜井組で同盟を組もうと思うの。」
リョウタ「………だがアタシ達には……。」
シズク「大義とか私にとってはどうだっていいのよ。殺しかけておいてなんだけど、双方の誤解でこうなったのならけしかけたアホをカタにはめるのが先じゃないかしら?」
リョウタ「……。」
言い分は分かる。だが、信じていいのだろうか……。
その思考がリョウタの脳裏によぎる。
だが、この人達が違うというのは納得がいった。
あまりにもタイミングが良すぎたのだ。
リョウタ「それで……アタシはどうすればいいの?」
ユウ「ちょうど来てくれた人とここで話してもらうわ。」
そして、襖が開かれる。
そこに居たのは誰しもが知ってる英雄だった。
リョウタ「
アルマ「君が新しく釜井組の頭になった人か……。良好な関係を築きたいものだね。」
リョウタにとっては予想外だった人物が現れた。
アルマ「やることは簡単だ。」
リョウタ「あまりにも出来すぎね。」
ユウ「のるかそるかは任せますよ。」
ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブ[仁義の花]
第三輪「提案」
仁義を貫き、咲き誇れ!